トキオカシ / 萩原麻里
トキオカシ
「見つけた……」という彼女と目を合わせた瞬間に衝撃を受けた。さらに湧き上がる奇妙な既視感。会ったのは初めてなのに、なぜ?
幼いころから異常な記憶力を持っていた誠一のもとに会いにきた、噂の転校生の双子の姉である眞名。彼女は時置師であり、誠一がその<対>であるという。とても信じられないが、彼女に感じる気持ちは普通と違うのはわかっている。とりあえず話を聞いてみたが……
これはいいですね。面白いです。時置師という呪いを受けた眞名と、呪いから逃れるための鍵を持った誠一が、運命の出会いをしてタイムスリップするお話。
何と言っても、面白いのはふたりの関係ですね。眞名の普段の凛とした態度と、誠一に接するときの態度のギャップにやられます。望んでおきながら、いざ運命の人が目の前に現われてしまうと、落ち着かなくなるところなんて最高です。かわいいったらありゃしない。なぜにナイフと突っ込みたいところではありますが、気にしたら負けかも。
対となった誠一は、ちょっと頼りない感じでしたが、一度納得したらいい男じゃないですか。あんな言葉をさらりと言えるからって、羨ましいとか思ったりしてません。ええ。
そんなコミカルな雰囲気も、タイムスリップしてからは、いつの間にやら出生を探る旅になって、やや重苦しい感じに。たまに出てくるふたりの掛け合いが暗い雰囲気を調整してくれますが、時置師の秘密から見える未来に胸が苦しくなりました。
過ちを繰り返さないためにどうすべきなのか悩ましいところだし、他の時置師との絡みがあると、いろいろ問題が出てきそうなので、このあたりをどう乗り切っていくのか楽しみ。
ちなみに、個人的に好きなシーンは、初めと終わりの繋がりを知るところです。驚きよりも、あの台詞が出てきたことのかっこよさに心が沸き上がりました。こういったゾクゾクするようなシーンも期待したいですね。
オススメ。
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カタリ・カタリ トキオカシ 2
時置師の呪縛から逃れるために、誠一と眞名は、他の時置師を探す決意をしたが、現実は甘くなく、資料集めすら、ロクにできていなかった。
前途多難な道に悩んでいたとき、二人の前にランドセルを背負った少女が現れた。ちょっと生意気な女の子が名乗った朱家は、探していた時置師の血統のひとつだったのだ。誠一と眞名は、少女の案内で、さらに別の時置師と出会って……
いや、何かラブラブ度が増えまくりですね。異端として扱われていた眞名が、やっと見つけた「対」の存在である誠一に対して、離さないから!みたいな感じで、側にいる様子には、読んでるほうが恥ずかしくなる思いです。嫉妬する姿は、ツンツンなんですが、二人でいるときの寄りかかりっぷりが、ほんといいですね。
というわけで、今回は時置師の呪縛を解くために、他の時置師を探していくうちに、時置師の謎が見えてきて、というお話です。いろいろ苦労しつつも、新たなる時置師と出会ったわけですが、そこで知らされる時置師と日本の歴史の絡み話がすごい面白かったです。嘘設定と本当の歴史の組み合わせとか考えるのって、楽しいだろうなあという感じがするお話でした。
さらに、またまたふたりがタイムスリップして、過去の時置師に出会って……という話は、時置師の対について、散々説明された後だけに、胸を圧迫されるような思いでいっぱい。眞名が積極的に動こうとする気持ちもわかります。
蘭月の示唆が、いろいろ思い浮かんだだだけに、戻ってきてしまったときには、届きそうで届かなかったもどかしさに、悲しくて悲しくてどうしようかと。それだけにナイフの話が出てきたときには、そういうことか!と納得。やられた感バリバリでした。いやあ、うまいね、このこの。
多くの過去が語られる前半と、物語の動く後半と、どちらもラブ度満載で楽しい限りのお話でしたが、それだけに、これで完結というのはもったいないと思いました。今回だって、二組も時置師を出してきましたが、それぞれのエピソードとかがなくて、とても残念。歳の差カップルのエピソードとか読みたかったよ!
あとがきを読むと、まだ出てきていない他の時置師の設定もしっかりと考えられているっぽいのに……。もったいない。ほんともったいない。
タイムスリップとかなくていいから、各トキオカシたちのラプラブ話を短編集とかで出してくれないかなと、本気で願ってるんですが、望みないのかな……。
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