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戦嬢の交響曲 / 築地俊彦

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戦嬢の交響曲 1

戦嬢の交響曲1 (ファミ通文庫) - 築地 俊彦

佑鹿は、三瀧女子高等学校に転校することになった。男なのに。きっと何かの間違いだと、転校先の高校の敷地に入ったとき、佑鹿は怪物に遭遇した。赤黒い肌、丸太のような手足に、巨大な爪を持った怪物は、十年ほど前から出現し始めた謎の生命体ラルワだった。
その牙から佑鹿を助けてくれたのは、制服を着ているが、日本刀を持った少女で……

ラルワを倒せるのは、思春期の少女が持つアムニスという精神体を武器にしたものだけ、ということで、謎の生命体ラルワを倒すことを学ぶ高校に通う少女たちの物語です。

右も左もわからずに、戦うための養成学校につれてこられた佑鹿ですが、自分なりに何とかしようと努力する姿がいいですね。普通なら状況に戸惑うと思いますが、小さいころから転校させられ続けたことが、思考の柔軟さを作り上げたのかも。
同じ班となった雪風に対して、近すぎず遠すぎないという距離のとり方がいいですね。

他人に対して壁を作っている雪風でしたが、なかなかに強烈な過去がありますね。作りたくて作っているわけではなく、最短で目的に向かいたいがために、身軽になりたかったという感じでしょうか。行き詰っても、己を貫く真っ直ぐさに不器用さを感じました。
力を認めながらも素直になれないところとかにも、不器用さを感じますが、最後に心を許したことが伝わってくる、あの着替えのシーンがとてもよかったです。

力で押す雪風と頭脳で押す佑鹿は、なかなかいいコンビになりそうですが、ようやっとスタートラインにたったというところでしょうから、まだまだ問題が出てきそうですね。集団による戦闘のための戦術を、どう発展させていくのかなあ。
ラルワ側についても、何をたくらんでるんだかわからないモノがいるので、このあたりがどうなっていくのか楽しみ。

戦嬢の交響曲1 (ファミ通文庫) - 築地 俊彦

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戦嬢の交響曲 2

戦嬢の交響曲(せんじょうのシンフォニア) 2巻 (ファミ通文庫 つ 2-2-2) - 築地 俊彦

娯楽施設の無い三瀧女子高では、休みの日でもやることなどほとんどない。唯一の男子である佑鹿は、いつものように図書館にこもることにしたが、そこで雪風の妹とであった。榛名と名乗った彼女は、雪風にべったりで、普段は口数の少ない雪風も榛名には優しい目をしていたのが印象的だった。だが、彼女たちに兄がいるという話になると途端に顔を曇らせて、さらに寄宿舎対抗戦で、榛名の班と戦うことになり……

ラルワを倒せるのは、思春期の少女が持つアムニスという精神体を武器にしたものだけということで、謎の生命体ラルワを倒すことを学ぶ高校に通う少女たちの物語の第二弾です。

雪風の妹の榛名が、あんなにも明るく可愛いとはねぇ。そりゃ雪風も護ろうと思うわけですよ。親が亡くなったこともあり、家族に対して人一倍依存心が強い子のようですが、そのことが逆に不安を誘いますね。兄というのがあそこで繋がってくるとは……。

妹に対しては優しくとも、佑鹿などの同じ班の人に対しては、それほど変わっていないので、相変わらずチーム戦では苦戦を強いられることになってるなあ。意思の疎通さえ図れれば、もっといけるのにと思うと惜しい気持ちでいっぱい。ただ、それだと雪風に頼りっきりになってしまいそうなので、佑鹿の成長を促すという意味ではいいのかもしれない。自分のできることがあるならばと、ひとつひとつ考えていく佑鹿の姿がいいですね。

かつて同じ班だったという野分が、雪風に対して強い態度を見せるのは、仲間を思うという点では間違っていないですが、生き延びるという点からすると、雪風の言葉のほうが正しいので、どの立場から物を見るかで評価は変わるんだろうなあ。この間を取り持つであろう佑鹿の成長がキーになりそう。ひょっとして、野分は同じ班になるのかしら、なんてちょっと甘いことも思ったりしてますが、さてさて。

メイベルの新種のラワル話は、まるでウィルスを思わせるものがありますが、ならばこその無属性なんだなとも納得させられます。ただ、自然の流れというよりは、促進させる存在がいるような気がするだけに、追い抜かれたら追いつけるのか気になりますね。
ラワルの手引きをする輩が何をたくらんでいるのかは、片鱗らしきものは見えてきても、いまだ明かされていないのが悩ましい限りです。

弥栄という言葉が、物語のはじめと終わりを飾っていますが、これほどまでに力強いのに、これほどまでに悲しく響くとは思いませんでした。放たれた言葉の余韻の切なさに、思わず涙。

戦嬢の交響曲(せんじょうのシンフォニア) 2巻 (ファミ通文庫 つ 2-2-2) - 築地 俊彦

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戦嬢の交響曲 3

戦嬢の交響曲(せんじょうのシンフォニア) 3巻 (ファミ通文庫 つ 2-2-3) - 築地 俊彦

佑鹿がいろいろ策を練ってみても、雪風が独走してしまうため、八班は、相変わらず黒星を重ねていた。そんなとき、雪風の妹が、自分たちの班に移りたいと言い出してきた。さすがに寄宿舎を移るというのは難しいものが……と思っていたら通ってしまった。なぜなら、佑鹿が雪風の班から、永嘉舎の特別班にスカウトされたからだ。行くべきか迷う佑鹿に、雪風は行けばいいと冷たく言い放って……

思春期の少女が持つアムニスという精神体を武器として、謎の生命体ラルワを倒すことを学ぶ高校に通う少女たちの物語の第三弾。今回は、八班分裂の危機を描いたお話です。

ラルワとの戦いでは、何かと役立つことを示したので、雪風にしても、佑鹿のことを頼りにしてくれるのかと思いきや、全然変わってないってのは、残念だなあ。武力としては役立たないこともあって、佑鹿からしたら強くいえないところがあるだけに、雪風がデレてくれたらと思うんだけど、ストイックだ。

とはいえ、以前に比べたら、大分変わってきてて、それに気づくは周囲の人たちのみっていう雰囲気ににんまり。野分と五十鈴が、佑鹿をからかうところって、今までにない学園ものっぽい感じがあって、好きだなあ。

雪風の妹・榛名がこっちにきたいと言い出したけど、野分のこともあるし、さすがに難しいんじゃないかと思ったら、佑鹿を動かすという手でくるとは思いませんでした。たしかに雪風以外の人が佑鹿を手に入れれば、その班は戦力が底上げされるんだよなあ。策士の重要性をくすぐってくれる特別班の班長天城の手腕が素敵過ぎる。

僕だったら文句なしで特別班の方に行っちゃうけど、やっぱり気になるは気になりますよね。雪風が意地を張り、佑鹿を手放すことになってしまうんですが、おそらく落胆は大きかったと思います。佑鹿を抜いた戦闘で、彼の存在の大きさを知ったであろう後は、特に。
ラルワの被害が広がっているということで、訓練中の学生までもが、戦場へ立つかもしれないという現実が目の前に迫っているので、八班はどうなるんだと不安でいっぱいでした。

まあ、そのあたりはお約束展開なのでいいですが、お兄さんの思惑がいまいちわからなくて、ううむ。榛名は、兄に対しては警戒心を持っていないので、やばそうな雰囲気がひしひしだなあ。

ともあれ、野分さんがきてくれたこともあって、人数的にも問題なさそうだし、うまくいけば、八班はかなり強くなりそうな予感があるので、これからが楽しみだなあ。

戦嬢の交響曲(せんじょうのシンフォニア) 3巻 (ファミ通文庫 つ 2-2-3) - 築地 俊彦

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戦嬢の交響曲 4

戦嬢の交響曲 4  - 築地 俊彦

先日のラルワと八班の戦闘で、ラルワの指揮官がいたのではないか―担当教師や校長に問われたが、雪風のことを思うと、佑鹿は答えることが出来なかった。そんなある日、近所でラルワの発生が確認され、三瀧高校の学生も戦いに借り出される羽目になった。緊張感漂う中、出雲の気配を感じて、必要以上に尖る雪風だったが、出雲はさらに一歩先へ進んでいて……

思春期の少女が持つアムニスという精神体を武器として、謎の生命体ラルワを倒すことを学ぶ高校に通う少女たちの物語の第四弾。今回は、雪風と榛名の兄・出雲が、ふたりに仕掛けてくるお話です。

ラルワを使って混乱を引き起こした隙に、さりげなく接触しては、離れていくということを、のらりくらりと繰り返していたので、いったい出雲が何を目的としているのか、いまいちつかめなかったんだけど……まさか、こう来るとは思わなかった!あぁ、辛い。これは雪風にとって、ほんと辛い話になってきそう。

今まで空気のような扱いを受けていた八班が、少しずつまとまってきて、雪風も、佑鹿のことを頼りにし始めてるのが見えてきて、このまま行ってくれれば……と思っていただけに、ラストの数ページで、物語が一気に動いたところの、最悪な展開がきつかったです。
雪風のことを何かと気にかけていた佑鹿が、この件で傷ついたであろう彼女の心をどこまで支えてあげることができるのかってあたりが、今後の焦点になるのかな。いやあ、面白くなってきた!

そういえば、佑鹿は、さりげなく他の女の子とのフラグも作り上げてましたが、八班の連中や、彼の実力を知ってる特別班の人ならわからなくもないんだけど、何で、監督生の五十鈴さんがあんなにアプローチしてきてるんだろ。
ちょっと意外なんだけど、出雲の件については、プライベートなこととはいえ、結果として重要な情報を隠していたことになるから、学校やら軍から突き上げに対して、五十鈴さんがどう動いてくるか、気になりますね。

戦嬢の交響曲 4  - 築地 俊彦

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戦嬢の交響曲 5

戦嬢の交響曲(せんじょうのシンフォニア)5 (ファミ通文庫 つ 2-2-5) - 築地 俊彦

「……榛名は……」
「……いない」
連れて行かれたのだ。雲を突くような大男に。そして雪風の妹は、抵抗していなかった。
「あの子が……私の手から……」
からん。日本刀が落ちた。重量があるはずだが、妙に軽い音だった。
「いなくなった……」

思春期の少女が持つアムニスという精神体を武器として、謎の生命体ラルワを倒すことを学ぶ高校に通う少女たちの物語の第五弾。前作で仕掛けてきた兄・出雲の罠にハマり、失意の底へと落ちていった雪風を、どうにかして立ち直らせようと、佑鹿が動くお話です。

いやはや、ここまでいくとは思わなかった。両方の事情を知っている佑鹿が、もう少しうまく立ち回っていれば……と思うものの、そこまで期待するのは酷だよなあ。雪風にしても、榛名がお兄ちゃん子だったことは知ってただろうに、予想できなかったのかと思わなくもないですが、仇という思いに囚われていたことが、悲劇を生んだんでしょうね。

剣を握れず、それだけならまだしも、人の視線に怯えるほどにまで傷ついた雪風を見るのは、佑鹿としても辛いと思いますが、そんな佑鹿にしても、重い現実が待ち受けてるんだから大変です。
男の戦嬢。今まで誰も触れてこなかった話題が、ようやく出てきましたけど、まだまだ謎ばかりで、かえって不安になるような情報しか出てきてないのが残念。

しかも現実は待ってくれず、ラルワの攻勢が始まってしまうんだから、ぶっちゃけ考える暇もないぐらいですが、そのあたりを五十鈴がうまくカバーしてくれてたなあ。佑鹿へ迫っているのが冗談のようで、本気度も高いのかもしれない。この様子を雪風はまだ見てないと思うけど、五十鈴だけじゃなく他の人も、佑鹿を認め始めているので、どうなっていくのかは楽しみですね。

それにしてもラストがきつい。最愛の妹から突きつけられる現実に、雪風は耐えられるのかしら。こうなってしまうと、意識してしまうがゆえに、逆に佑鹿を近づけないようにしようと思ってしまうかもしれませんね。 そもそも榛名というか、ラルワ側の思惑がわからないので、なんともいえませんが、いろいろ気になる展開です。

戦嬢の交響曲(せんじょうのシンフォニア)5 (ファミ通文庫 つ 2-2-5) - 築地 俊彦

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