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生徒会シリーズ(碧陽学園生徒会議事録) / 葵せきな
生徒会の一存 碧陽学園生徒会議事録1
私立碧陽学園の生徒会役員選抜基準は一風変わっている。それは、純然たる人気投票によって生徒会メンバーを決めるというものだ。つまりは、ほぼミスコン状態だが、憧れの人が上に立つんだから、案外うまくいく。今年の生徒会は、見た目も言動もお子様なんだけど、年上ぶろうとする可愛さ溢れる桜野くりむが会長、ボーイッシュな美少女(百合気味)で女生徒に大人気な椎名深夏が副会長、お姉さんの深夏とは間逆に儚げで守ってあげたい美少女の椎名真冬が会計、モデル体型でクール、時に激しくSとなる美少女というより美女の紅葉知弦が書記という豪華メンバー。
そして俺、杉崎鍵は「特待枠」を使って副会長になり、生徒会メンバーを全攻略してハーレムを作ろうと目論むが……
美少女四人とハーレムを目論む鍵が、生徒会室で繰り広げる「小説四コマ」な連作短編ラブコメディです。
バカだ、超バカだ(褒め言葉)。生徒会のメンバーが美少女ばかりだからって、年度末試験でトップを取った者にのみ与えられる「特待枠」を狙って、一年間猛勉強しまくる杉崎くんのバカさが大好きです。
お話としては、生徒会室から外へ出ることはほとんどなく、毎回何らかの議題に対して五人で駄弁るだけなんですが、これがまた笑える。いきなり「ただの人間には興味ありま……」な他レーベルネタを含め、いろんな作品のパロディを持ち寄せながら、軽快なテンポで繰り広げられる会話にやられまくり。幾度となくコーヒー吹きました。よくぞ許可したな、富士見書房、なんてネタまで飛び出してましたが、ほんとよくぞ許可したな。
前シリーズを知ってる人なら「マテリアルゴースト → 感想」の日常部分の掛け合いを抜き出したといえば、想像しやすいと思います。
個人的なお気に入りは「怪談する生徒会」と「放送する生徒会」。
学校中に広まった怪談話をなんとか止めたいと会長が言い出す「怪談する生徒会」。会長本人は怖がりなことを認めないけど、周囲にはバレバレで。弱点を知ってしまったからには、からかうしかないってことで、「現状を知るために、それぞれが知ってる怪談話をしよう」とまじめな顔して、意地悪する生徒会メンバーが素敵です。また会長のリアクションが可愛くて可愛くて。こりゃからかいたくなるわ。最後はちょっと温かい……よね?うん。
「放送する生徒会」は、ラジオ放送で生徒に存在感をアピールしようというお話。まんまラジオ放送なノリですね。って、あんまラジオ放送を聴いたことないので、間違ってるかもしれないけど、くだらないボケとツッコミの応酬に、笑いが止まらない。これはぜひシリーズ化してほしいとか思った。
ああ、楽しい。
全編を通して、ハーレムハーレムと連呼しまくる杉崎ですが、他の女の子たちからは引かれまくってる……かと思いきや、ちょっとだけ脈ありな感じが見えるところが面白い。もちろん、理由はあるんですが、女の子たちを思う彼の優しさに気づきながら、女の子たちは気づかない振りして楽しく過ごす。なんかいいですね、各短編にちらりと見える、こういう雰囲気。
最後の会長のあとがきが、とてもよかったです。
あー、面白かった。今後も、ぜひお笑い方面に突き抜けてほしいですね。
個人的にオススメ!
生徒会の二心 碧陽学園生徒会議事録2
「杉崎ー。肩揉んでー」
「………………。あんまり調子に乗ってると、胸揉みますよ」
「胸?揉む?………………。……」
自分の胸を眺める会長。俺はハッと気付き、慌てて謝った。
「あ、すいません。……本当に……すいません」
「誤らないでよ!不憫だよ!私が、凄く不憫だよ!」
「不憫です……本当に……」
「胸を見ながら言うなー!」
「揉むとか言って、ホント、すいませんでした。俺、駄目ですよね……。世の中、『揉める』ような女性ばかりじゃないのに……差別発言でした」
「その言葉が余計に私を傷つけてるよ!」
「安心してください、会長。それはそれで需要あるんですよ?」
「慰めになってないよ!むしろその需要を持つ男子は怖いよなんかっ!」
美少女四人とハーレムを目論む鍵が、生徒会室で繰り広げる「小説四コマ」な連作短編ラブコメディの第二弾。前作同様、生徒会室でだべるだけのお話なんですが、相変わらずのハイテンションっぷりに、ニヤニヤ、ぷっ、と、笑いがとまりませんでしたね。ああ、楽しい。
あ、でも前作とちょっと変わったことがあって、新キャラが登場しました。生徒会の顧問の先生。美人だけど、生徒会メンバーと張り合えるぐらい変人でした。いきなり生徒会解散とか言い出すぐらいですから。
ま、そのあたりは読んでもらうとして、相変わらず、会長が萌える。なんだ、このいじられっぷりは!見栄を張りながら、だんだんと自滅していく姿が最高でした。ハーレム妄想男・杉崎やら、知的美少女・知弦が、からかいたくなる気持ちがすっげーよくわかりますね。
それと、今回目立ったのが、アカちゃんをいじる知弦さんですね。ドSっぷりを存分に発揮してくれて、時にじわじわ、時にざっくり会長を追い詰めて追い詰めて、最後にやわらかく抱きしめる。なんて素敵な飴と鞭なんでしょう。
ひどいことをされたことすら忘れて、甘える会長の姿と、よしよしと抱きしめながら笑みを浮かべる知弦さんの姿が忘れられません。べ、別にいじめられたいとか、そんなんじゃないんだからね!
「休憩する生徒会」と「勉強する生徒会」は、知弦さん大活躍 & 会長いじられまくりで、超楽しかった。「最近どう?」という一言から、あそこまで殺伐とした展開を見せてくれるなんて、さすが知弦さん。
個人的には、前作で大爆笑したラジオ放送ネタがなかったのが残念に思いますが、いろんなところで、ニヤニヤがとまらかったので、満足です。
ところどころに、前作でも感じたような、裏のきな臭いものが見えたりしてますが、このあたりは、どう絡んでくるんだろう。いや、だべり大好きなので、ぶっちゃけ絡んでこなくていいよと思うんだけど、気になるは気になる。
さてさて?
生徒会の三振 碧陽学園生徒会議事録3
「ああっ、やっぱりそこらも子供なんだっ!」
なんか、イメージ通りの生活だった。会長はぷくっと頬を膨らませる。
「子供じゃないもん!キムチ食べれるもん!」
「その基準が、なんか既に子供です」
「夜更かししたことだってあるよ!お正月とかっ!」
「だから、なんかその価値観が、もう子供なんですって」
「それに、男と女の機微だって分かる年頃だもんっ!」
「ほう。例えば?」
「ええと……。私しか気づいてないと思うけど、上○和也は、朝○南のことが好きだったんじゃないかな」
「誰でも気づくわっ!」
美少女四人とハーレムを目論む鍵が、生徒会室で繰り広げる「小説四コマ」な連作短編ラブコメディの第三弾。よくもまあ、同じ感じで話が進められるものだと思いますが、相変わらず楽しいものを見せてくれます。個人的には、前半は知弦さん、中盤以降は深夏が魅力たっぷりだったかな。
特に知弦さん。「変身する生徒会」で、生徒会がやる寸劇「ガクエンジャー」のキャスティングを決めるとき、誰がレッドをやるか、あの人は何色だろうと迷走する中、知弦さんの色だけは、誰しもが迷わずに即決したところで爆笑しました。そうだよね、知弦さんはその色しかないよねー(今、気づいたが、なぜか知弦だけは「さん」付けになってしまう僕がいる)。
偏見・曲解まみれの新聞部のインタビューが繰り広げられる「取材されるする生徒会」でも、他の生徒会メンバーがタジタジにされていく中、ひとり笑顔の脅迫で乗り切るあたりが、最高でした。ああ、僕はこういう人が大好きなんだなあと気づいて、我ながら困ってしまう。
そうそう。今まで生徒会に関係するお話ばかりが繰り広げられてましたけど、あまり話題になっていなかった学校が始まってから放課後にいたるまで、メンバーは何をやっているのか、という「知られざる生徒会」も面白かったなあ。知弦さんが朝弱いってのは、意外なようでなんとなく想像ついてニヤリとしちゃうし、真冬ちゃんのHAIJINっぷりとクラスでの立ち位置も絶妙で、アカちゃんにいたっては、あまりに子供っぽくって、それがまた似合いすぎて、笑いが止まりません。
ここで、ちょっと杉崎と深夏の関係が見えちゃったりするところが、楽しいですよねー。全員が大好きという杉崎ならでは、ってところかな。
「差し伸べる生徒会」では、深夏がたまに見せる親への不信感みたいなものについて明かされるんですが、ああ、難しい時期にそういうことがあると、やっぱり壁みたいなものはできちゃうんだろうなあってのがありますけど、それを乗り越えていった姉妹愛がよかったです。 いや、ちょっと……と思うところもないわけじゃないんだけど、壁についてはいつかなくなるだろうし、それまではお互い支えあう存在でいられるなら、いいんじゃないかなと思ったしだい。
まあ、そんなこんなで話が進みながらも、やっぱり一番面白いのは、アカちゃんのボケに杉崎がツッコム会話ですよね。怒濤のようにに続くやり取りは、ジャブのように効いてきて、腹筋痛かったです。
あー、楽しかった。
生徒会の日常 碧陽学園生徒会黙示録(1)
「死の間際に目覚める性別を超えた恋……これこそ、真実の愛だとボクは思います!」
「なんでサラッと性別超えたんだよ!深夏と俺はノーマルだよ!っていうかお前の意見は全然参考にならねぇよ!」
「杉崎君。イジメ、かっこわるい!」
「イジメじゃねえ!ツッコミだよ!」
「そう……イジメって、そういうものだよね。よく分かるよ……。やってる方は、それと自覚しないから恐ろしいんだよね……」
「ええっ!?俺悪いの!?今の俺悪いの!?」
美少女四人とハーレムを目論む鍵が、生徒会室で繰り広げる「小説四コマ」なラブコメディの短編集……というか、いつも短編ですよね。むしろ番外編というべきでしょうか。いつもどおりの楽しき生徒会室での話だけでなく、知弦さんが語り手になったり、杉崎のクラス・二年B組のお話があったりと、生徒会室以外の場所でも、わいわいやってくれるお話です。ま、ノリはいつものとおりですけど。
何といっても楽しかったのは、「二年B組の一存」でしょう!男の転校生がやってきて、というお話から始まるんですが、名前が何と中目黒くん!真冬BL作品で、杉崎のお相手役と同じ名前だっていうんだから、真冬のみならず、生徒会メンバーが思わず反応してしまうところが笑えます。
しかも、何の気なしの杉崎の行動に、中目黒君がどんどん好感度をあげていくんだから、もう!
中目黒君だけでなく、クラスメイトであるスペース姉弟も面白かった。顔はいいけど性格悪い巡が、ツンデレしようとして失敗して、杉崎大好き光線をこれでもかと放ってるのに、華麗にスルーされてしまうところが、楽しかった。君はたぶん、杉崎ハーレムに入ることは無いと思うけど、いつまでもそのままでいてください。
杉崎が妹ときゃっきゃと戯れる「杉崎家の一晩」もニヤニヤ笑いが止まらない楽しさでしたが、やっぱり生徒会メンバーのお話は格別だったなあ。杉崎が風邪で休んでしまったので、普段キー君がやってる雑務をみんなでやろう、という「欠ける生徒会」は笑った笑った。みんな杉崎のことが気になってるのに強がってる姿とかもいいけど、「雑務カバン」に何が入っているかで、こんな笑える話が書けるんだから、まったくもって素晴らしい。
ああ、楽しかった。次はどんなお話を持ってきてくれるんでしょうか。おそらくは本編になるだろうから、また生徒会室内でいろいろやってくれるんでしょうね。楽しみです。
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