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紅牙のルビーウルフ / 淡路帆希

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紅牙のルビーウルフ

かつて追われた王の娘シャティナ。忠臣と称された宰相により助け出されたその赤ん坊は、盗賊の手に渡っていた。目の色にあわせ、ルビーウルフと名づけられた少女。のびのびと健やかにすごしていた毎日。だが、運命は過酷だった。王無き今、権力を握るウォルクとその息子アーディスは、王女を捜し求めていた。自らの傀儡として使うために。
そして盗賊の集団が襲われて……。

魅力的なキャラ、テンポある会話、急展開する物語。いやあ、面白い。新人とは思えないよ。第17回ファンタジア大賞準入選作品ですが、これで準入選とはね。最近はレベル高いなあ。
これはシリーズ化が期待できそうなので、今後も注目。

紅牙のルビーウルフ - 淡路 帆希

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紅牙のルビーウルフ 2 面影人魚

紅牙のルビーウルフ〈2〉面影人魚 - 淡路 帆希

ミレリーナからの知らせはグラデゥウス王国に衝撃をもたらした。五つ目の神具「全知の書」が見つかったというのだ。重大な知らせを受け、隣国トライアルに赴いたルビーウルフとジェイド。「全知の書」の持ち主は、美しい銀髪をしたキアラと名乗る少女だった。
だが、キアラは嘘をついていると、ルビーウルフの勘は告げて……

前作が大いに気に入ったシリーズの第二弾。テンポのよさは相変わらず。今回はまた妙に面白いキャラも登場。ルビーウルフが辟易するなんて思わなかった。

気に入ったシーンといえばやっぱりルビーウルフの勘違いシーンでしょう。いや、その前の「掴んじゃう病」かな。実は信頼していて、ひょっとしたらそうあってもいいのかもと思わせないでもない素振りは今後も大いに注目。フロストとジェイドの仲がちょっとだけ近づいたのも何か嬉しかったなあ。

難点をいうとすればラストの急展開か。あまりにも多くのことが詰め込まれすぎている気がしたんですが……。無償の罰とかね。あれだけで一章分ぐらい使ってもいいんじゃないかと。その辺の騒動もいろいろ書いてくれたら良かったのになあと思いました。
まあ苦言というよりは、もったいないというか、その場面をもっと読んでみたかったという感じですけどね。
続きも大いに期待しましょう。

紅牙のルビーウルフ〈2〉面影人魚 - 淡路 帆希

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紅牙のルビーウルフ 3 西の春嵐

紅牙のルビーウルフ3 西の春嵐 - 淡路 帆希

ルビーウルフとジェイドは、エインフェルに赴いた。出迎えた領主のハリスは人当たりのいい老人であったが、その娘クラリッサはなにやらジェイドが気になる様子。
ある日、ジェイドとクラリッサも姿を消していることに気づいたルビーウルフはふたりを探そうとしたが、ハリスのもう一人の娘であるテレジアの発言に迷い……。

ルビーウルフに恋敵?という展開にニンマリしてしまいましたが、ちょっと直接的すぎるかな。ルビーウルフの身上を考えると、もうちょっと違うやり方がある気がします。それとも、人間っぽくなってきたよということを表現したかったのかしら。

王家の人間として、あまりに奇抜であるために引き起こされた騒動ですが、ちょっと悪役があからさまですね。仮にも王家の人間に対して反発するんですから、もう少し密かに動いてくれると面白かったかもしれない。
ただ、こういった騒動は今後も続くでしょう。

すべての人を満足させる事はできないとはいえ、不満があることを認識し、それを受けて、ひとつずつ成長していくという感じになりそうですが、奔放さを忘れるようなことにはなってほしくないですね。

前作までに比べると、ちょっと物足りないですが、今後どういう展開になるのか気になりますね。

紅牙のルビーウルフ3 西の春嵐 - 淡路 帆希

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紅牙のルビーウルフ 4 皓白の反旗

紅牙のルビーウルフ〈4〉皓白の反旗 - 淡路 帆希

即位一年目の式典の最中に、ルビーウルフは突然光に襲い掛かられた。ジェイドやフロストの力で、何とか逃れることができたものの、王の証である神具の導きの剣が奪われてしまった。
ルビーウルフたちは、ジェイドの師であるエリカの噂話を頼りに、盗まれた剣を取り戻す旅に出たが……

奪われた剣を取り戻すために、謎の島へ乗り込むお話。今まで噂ばかりだった全知の書についても、ちらほらと見えるものがありますね。

導きの剣を奪われたということに焦る気持ちよりも、重圧から逃れられたという気持ちが出てしまうところがよくわかります。普段は隠しきれていますが、ふとした時に出てくる弱さがいいですね。
まあ、弱さを見せるのはジェイド相手だけですけど。もはや狼たちよりもずっと信頼していますね。不安を吐き出すシーンに、縮まった二人の仲を見ることができました。
ただ、二人の距離感を示唆する描写は、ちょっと書きすぎている感じがあったので、もう少し抑えて欲しかったかな。

今回はミレリーナが良かったです。囚われの身になっても冷静な判断を下すカッコよさと、弱点を恥ずかしいと思って隠す可愛さのギャップがいいですね。ロヴィンがうらやましいぞ。

それにしても、終盤がすごかった。思わず何度も読み返してしまいましたよ。驚き驚き。
ってことは、イグニスはアレか?と、いろいろ想像してしまいます。全知の書の謎や、ローラティオーの状況、さらにイグニスの思惑など、不明な点が多かったですが、完全に続き待ちですね。

紅牙のルビーウルフ〈4〉皓白の反旗 - 淡路 帆希
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紅牙のルビーウルフ 5 宝冠に咲く花

紅牙のルビーウルフ〈5〉宝冠に咲く花 - 淡路 帆希

信頼していた人の裏切り。おいそれと信じられないが、このままにしておくわけにはいかない。ルビーウルフ、ジェイド、ロヴィンは、それぞれが奪われたものを取り戻すために立ち上がった。
一方、さらわれたミレリーナを待っていたのは、裏切った人とイグニス、そして一人の少年で……

奪われた神具を求めて、外界から断絶された世界へ潜り込んだルビーウルフたちのお話。前作の続編です。
裏切られたことにショックを受けつつも、それぞれの行動と思いに、相手への信頼を感じることができました。それまで積み上げたものがあるからなんでしょうね。これは本人からすれば余計に辛いのかもなあ。

ミレリーナや神具を取り戻そうとするルビーウルフたちに対して仕掛けたイグニスの策は、なかなかに悪辣ですが、物足りなさを感じました。もうちょっとルビーウルフの葛藤みたいなものがあってもいいんじゃないかなあ。何かあっさりと、敵の手の内に入ったと思ったら、あっさりと復活してしまった感じ。いろいろ描かれてはいるんだけど、深いところまで見せてないような印象なんです。

これはほかの場面でも感じたんですが、たとえばエリカの昔話なんて、それひとつで短編にできそうなぐらいの物語なのに、さらっと進んでしまうんだもんなあ。今回の物語から外れる話なのはわかりますが、あれほどの枠組みを作っちゃったんだったら、もっと中身も書いて欲しかったです。

感情が揺れ動くような物語が好きだからそう思うのかもしれないけど、いい場面があっても、温かさとか切なさをイマイチ実感できなかったので、非常にもったいない気分でした。

とはいえ、それぞれの行動理由とかがしっかり描かれているから、無謀な行動にも無理がないんですよね。この薄さの中で、よくもここまできっちり書けるものだと感心してしまいます。

ひとまず区切りこそついたものの、不穏の種は残ったままでしたね。まあ、このあたりはみなで力をあわせていけばいいことでしょう。
個人的にはルビーウルフとジェイドの中が、少しだけ近づいたことが嬉しいです。あの夢の中で、見かけたものは、彼と彼女の……でしょうから、そういった意識が出てきたのかな?
自覚したならひょっとしたら積極的に動いてくれるかもと思ったりしてしまい、次が楽しみになってきました。

紅牙のルビーウルフ〈5〉宝冠に咲く花 - 淡路 帆希
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クローバーに願いを 紅牙のルビーウルフ Tinytales 1

クローバーに願いを - 淡路 帆希

母の思い出である布飾りが川に落ちて流れてしまった。慌てて追いかけたミモザだが、気づけば足がつかないところまで流されてしまった。溺れ苦しんでいた少女を助けてくれたのは、一匹の大きな犬だった。いや、それは狼だと、赤い髪をしたルビーウルフという女の子が言ってきたが……

という表題作「クローバーに願いを」や、本編では語られていない間の話や後日談、ルビーウルフの子供のころの話やジェイドの誕生日などが語られる七編からなる短編集です。いやあ、いいですね。いわゆる日常的な話で、特に何てことない短編などでも、楽しく読めます。以前から、この人は短編のほうが映えるんじゃないかと思っていただけに、うれしい限りです。

ジェイドとルビーウルフの微妙な距離感漂うお話は、どれも好きでしたが、個人的に良かったのは、ちょっとシリアス風味が多い「名残雪は蒼穹に舞う」「憂愁の魔女と優世の弟子」「琥珀色の夢は醒めない」かな。

ルビーウルフが十三歳のとき、まだ盗賊してたころの「名残雪は蒼穹に舞う」は、育ての親?(狼)であるヴィアンカを亡くした直後の盗賊たちやルビーウルフの様子が描かれたお話です。ずっとみんなで一緒にいたいのにと、悩むというより嘆くルビーウルフの寂しい気持ちが伝わってきますが、最後には、グッとさせられました。
「お役目があるって、楽しくて素晴らしいことね」
種族が違っても、言葉が通じなくても、心は通じ合えるんだなあ。

憂愁の魔女と優世の弟子」は、ジェイドがエリカの元から旅立つお話。不肖の弟子の話としては、ああ、ジェイドらしいなで終わるぐらいなんですが、最後に見せたエリカの気持ちが、とても印象的です。ジェイドの旅立ちを喜びながら、一人になったときの本音に、切ない思いをしました。

ジェイドもルビーウルフも出てこない唯一の短編「琥珀色の夢は醒めない」は、こそ泥であった少年ロビンが、トライアンの王女であるミレリーナと初めて出会ったときのお話です。ロビンの忠誠はどうやって生まれて行ったかが、とてもわかります。まず大きな信頼を与えられて、危険なときは誰よりも前に立つ。これで、忠誠を誓おうと思わない人がいたら驚きですよね。時折見せる子供っぽさには、メロメロになってしまいそう。
最後の二人のシーンは、ほのぼのしましたね。

いやあ、よかったです。各キャラクタの魅力がたっぷりでしたね。次はどうやら長編の続きらしいですが、個人的には、また短編読みたいと思うので、ぜひぜひお願いしたいところです。

クローバーに願いを - 淡路 帆希
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紅牙のルビーウルフ 6 自由の風が吹く夜明け

紅牙のルビーウルフ 6 (6)  - 淡路 帆希

どうすれば神具がもどるのかはわからない。わからないなら、今は国に帰ることが先決だとして、大陸最南端の国、エピドシスからの長い旅路が始まった。敵がどこに潜んでいるかわからず、また神の存在を否定する国リゼリルも近くにあり、油断ができない状況が続いた。そんなとき、砂漠を歩いていた一行に砂嵐が襲い掛かり、ルビーウルフとエミリエンヌは、他の連中とはぐれてしまい……

狼と盗賊に育てられた王女ルビーウルフの冒険の完結編。奪われた神具を追いかけ訪れた大陸最南端の場所から、各国の王家の血と名を継ぐものたちが、帰路の途へつくお話です。

ああ、よかった。素晴らしい完結編でした。国どころかこの世界の生い立ちまでもが見えてくる展開でしたが、神をも包みこむルビーウルフのまっすぐさが温かかった。狼たちや周囲の人々、特にジェイドとの関係が、彼女の心を支えてくれたからこそ、生まれた気持ちがとても素敵。

今回の旅路で一番いい味出してくれたのは、エミリエンヌでしたね。慣れない砂漠の道を歩みながら、わがまま放題なのは、好きな人の気を引くためとは、なんといじらしい。また思い人も同じようなことしてたおかげで、拗れちゃうところが微笑ましい限り。
はじめはルビーウルフを気に入らなかったのに、一緒に旅をするうちに、少しずつ心を開いてくれて、好きな人のことで代わりに泣いてくれる姿が印象的でした。ああ、ここに友がいてくれる。そんな温かさがありました。

そして気になっていた恋愛問題。
ジェイドの気持ちははっきりしてたけど、ルビーはどうかと思っていたら、まさか、あんな悲劇が待ち受けているとは……。ああいう出来事があったからこそ、自覚できたのかもしれませんが、遅すぎたという事実を思うと、胸が苦しくなる。あのとき笑顔で「もし気が向いたら……」と告げた彼女の思いが切なく、それだけに届いたときの嬉しさがたまらなかった。
ちょっと都合いいかもと思わなくもないけど、泣けなかった彼女が涙を流せたことと、その涙をぬぐってくれる人がいることに、幸せな思いが伝わってくる。

最後がまた素敵でした。思いを継いでくれる人がいてくれる嬉しさと、そんな人たちに囲まれている楽しさが伝わってくるようです。

「やっと、行けそうな気がする」

そう思えるようになったルビーウルフの姿に、じわり。

これで終わりとはなんとも寂しい限りですが、次なる物語でまた出会えるのを楽しみにしています。

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紅牙のルビーウルフ 7 君に捧げる永遠の花

紅牙のルビーウルフ7  君に捧げる永遠の花 - 淡路 帆希

「それで、何のお話です?」
アーリアがルビーウルフに話の先を促した。ルビーウルフの意識がジェイドからアーリアに向き、彼女はええっと、と何を話そうとしていたのか思い出そうとする。
その隙に、ジェイドは退室した。だが、扉を閉める直前にルビーウルフの言葉が妙にはっきりと聞こえてきた。
―結婚を申し込まれた、と。

前作で大団円を迎えたルビーウルフの短編集です。オープニングの「思い出を紡ごう」で、子供を前に幸せいっぱいなルビーウルフが昔を思い浮かべて……というところから、以下の七編の物語が語られ、最後に「未来を歌うように」で、夫と子供を迎えて、という幸せさを見せてくれるお話でした。

  • ルビーウルフが幽霊に取り付かれた?という「眠れぬ夏の夜
  • ある日突然ルビーウルフが淑女のように振舞い始めて……「淑女な遊戯
  • 妹のプレゼントを壊してしまったリオンとティグルが手を組む「兄弟戦線
  • 時計職人とルビーウルフの関係を嫉妬するジェイドが描かれる「時計職人の恋
  • 未婚の男女を結びつける行事「花飴選び」に参加する「君に捧げる永遠の花
  • 侍女の格好をしていたら、ルビーウルフがおつかいを頼まれてしまう「おつかいに行こう
  • ルビーウルフとジェイドが酒蔵に閉じ込められてしまう「いつか笑い話になったら

以前の短編を読んだときも思ったけど、この人は短編の人なんじゃないかしら。ジェイドが嫉妬するところとか、ジェイドの発言にドギマギするルビーウルフとか、ほんと楽しい。

どの話も面白かったけど、個人的に一番好きなお話は「君に捧げる永遠の花」ですね。胸に飾った花を、目当ての男性に取ってもらえたら、恋人になれる。目当てでない人に取られてしまったら、口の中で溶けて消える飴を渡して、気持ちがないことを示す。そんな「花飴選び」に、ルビーウルフが参加させられるんですが、「毎年、女性に囲まれてる」なんて噂を聞いてしまったから、ついついジェイドの元へ行ってしまうあたりが、乙女心ですよねぇ。
まあ、そのあたり鈍いジェイドですけど、何気ない一日を過ごす二人の雰囲気がとてもよかった。

最後に彼女がしでかしたことが、よりによってとんでもない意味を持って……というところに気づいてしまった後のルビーウルフの慌てっぷりが、楽しかったです。ああ、もう意識しすぎだよ!
真っ赤になってるイラストがとても可愛い。

ジェイドのことが気になるといえば、「おつかいに行こう」でも、そういうシーンがあったなあ。町でジェイドが女性といるのを見つけてしまったら、思わず尾行してしまうんですからね。まったく素直じゃないんだから。
ただ、誤解が解ければ、そこはルビーウルフ。力を貸してほしいというジェイドの言葉に、引っ込み思案だった女性・ロゼに対して、ルビーウルフが背中を押したところがとても良かったです。こういう裁きをできるところが、王女気質なんだろうなあ。
ロゼが、意外な人と繋がりがあるところにも、思わずにやり。

いやあ、面白かった。最後に幸せな風景を見せてくれて、とても嬉しくなってしまいますね。できれば、他の国の様子とかも見たかったですけど、きっとそれぞれ幸せな家庭を築いてくれたと、そう思っています。

これが本当に最後になるのかな。とても寂しいですけど、次なるお話で出会えることを楽しみに待っていたいと思います。

紅牙のルビーウルフ7  君に捧げる永遠の花 - 淡路 帆希
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