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らじかるエレメンツ / 白鳥士郎

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らじかるエレメンツ

「あたし達には、全国大会出場クラスの実績がいるわけだよな?」
「うん」
「でも化学実験の全国大会はないし、それに匹敵するような研究発表とかもできないわけだ」

「だったら、どんな競技でも、とにかく全国大会に出られりゃそれでいいわけだよな?」
画面の中ではスポーツチャンバラをしている連中がいる。
もしかして、俺たちもこれをやろうってのか?
マジで?

実績のない部活に限りある部費と部室を使わせていくわけにはいかない ― 生徒会長の簗瀬アルミによって、廃部寸前に追い込まれた刀鎌北高校創立以来百年の伝統を誇る化学実験部が、生き残りをかけて、実績を残そうと(間違った方向に)頑張る学園コメディです。

これは、無駄に面白い!(超ほめ言葉)。
本人たちは至って真面目なんだけど(だよね?)、結果として騒動しか引き起こしていないような、そんな科学実験部がすっごい楽しい。騒動もさることながら、さりげないエピソードの一つ一つがほんと楽しくて、ニヤニヤがとまりません。普通の会話に仕込まれてる笑いの種が、不意打ちで襲い掛かってくるから、やられまくりでした(ピカソの本名からラピュタになるネタ最高)。

で、廃部寸前の化学実験部が、あと数ヶ月でどうやって実績を残すかってことを考え出したときに、普通なら「研究をしよう」とか考えるんだけど、それじゃ時間がかかりすぎるからといって、手っ取り早く世界一を目指せるスポーツチャンバラに手を出すんだから、わかんないよ、この連中の考えが!いや、すっごい楽しいんだけど。

えっとこれって、化学実験部の話なんだよね?と途中で、思ったこともあったけど(スポーツチャンバラの特訓っぷりが半端じゃない)、熱血っぷりが面白かったからいいか。
一度目標を決めてしまえば、そこへ突っ切っていく姿がとても良かったです。

おバカで熱血なものばかりでなく、ラブコメ方面もいいんですよ。
基本的には罵詈雑言ばかりな羽卵だけど、実は意地っ張りな女の子で……的なところは、比較的早くから見えてて、化学実験部を廃部に追い込もうとするメガネっ子生徒会長の思いも、同じく早くから見えるから、ああ、もうこのニブチンが!というラブコメテイストも、すっげー楽しかったりする。

仲間に対する温かさや、自分たちの楽しさを追求する姿は、とても惹かれるものがありました。こいのぼりのエピソードってすっごい格好いいと思いましたよ。こういう連中大好き。いや、遠くから見るのがですけど。

それだけじゃなく、熱い思いも見せてくれて、ああ、なんか青春ですね!主要な連中ばかりが目立ったけれど、そうじゃない。化学実験部の全員が主役なんだとそう思えるところが、素晴らしかったです。

いやあ、面白かった。とってもオススメ。
盛り上がりまくったチャンバラ対決も良かったけど、何といっても、ラストが素敵でした。邪魔したやつ死刑!と言いたくなるほど、ドキドキニヤニヤしまくり。
これはぜひとも続編をお願いしたいところですね。

らじかるエレメンツ - 白鳥 士郎

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らじかるエレメンツ 2

らじかるエレメンツ 2 (GA文庫 し 4-2) - 白鳥 士郎

「とか言っちゃって、オメーそれでホントに勝てんのかよ?無理しねえほーがいいぜー、ただでさえ最近オメーの評判最悪なんだからさ。素直にお願いすりゃあ、この人気者の羽卵ちゃんが手伝ってやっからよ」
「い、言うもんですかそんなこと!冗談はそのカラッポの頭の中身だけにしてちょうだいっ!あなたの応援なんか必要ないって、さっきから言ってるでしょ!私の邪魔しようが他の人の応援しようが、好きにすればいいじゃない!」

刀鎌北高校創立以来百年の伝統を誇ると言いながら、騒動を引き起こすことで有名な化学実験部が、宿敵の生徒会長・簗瀬アルミの選挙運動を手伝うことに?という、学校中を巻き込んだ大騒動を描いたシリーズ第二弾です。

これは最っ高に面白かった!
前作では、化学実験部と羽卵の魅力を描いてくれましたが、今回はずっとアルミのターンって感じで、意地っ張りな女の子に隠されていた弱気な内面が見え始めてからは、もう、応援するしか!と思わされましたよ。幼馴染のアルミと部活仲間の羽卵の間での気恥ずかしくなる青春物語な雰囲気が、素晴らしかった。

そんな恋愛模様も見せつつ、メインは、生徒会選挙戦で。簗瀬アルミが余裕で再選するだろうと思われた生徒会選挙に、ド派手なナルシストの転校生・周防満貫が参戦してきて、あっという間に話題を掻っ攫ったというのに、恋のライバル・羽卵の挑発に乗って、アルミは選挙活動をせず。

気づけばクラスの雰囲気が悪くなり、気づけば現生徒会も分裂して。平気な顔を見せつつも、そこにいるのは弱い女の子で。宿敵だからって、困ったクラスメイトを助けないわけにはいかない、そのことを気づかせてくれた同じ部活にしてクラスメイトのドイツ人・ディーガのおバカで拙い、でも心からの言葉と、吹っ切れた嶋谷率いる化学実験部とクラス命とが一丸となって、アルミを応援し始めるところは、じーんと来るものがありました。こういう不意打ちは大歓迎ですよ。

ここからの怒涛の反撃は、まさにこのシリーズならではといった感じで。もう一名の立候補者は、派手な二名の立候補者のおかげで影が薄いですが、ド派手にはド派手を、策には策をと、両陣営が繰り広げる選挙戦のおかげで、銀河英雄伝説のような勢力図が、次から次へと変わっていく展開に、いったいどこまでいくんだとワクワクさせてくれました。

いやあ、面白かった!まさか相手の切り札をああいう形で切り替えしてくれるとは思わなかったよ。
選挙を通じて自分を見つめなおすことができて、クラスメイトとの垣根もなくなって。ほんと良かったです。最後の一行にじわり。

あとがきによると次が最終巻とのこと。えー!と声を上げたくなるほど残念で仕方ありませんが、このハイテンションラブコメディの結末がどうなっていくのか、楽しみに待っていたいと思います。

らじかるエレメンツ 2 (GA文庫 し 4-2) - 白鳥 士郎

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