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神曲奏界ポリフォニカ ホワイト / 高殿円
神曲奏界ポリフォニカ エターナル・ホワイト
グラナード家のメイドであるスノウドロップの日常は、お嬢様であるプリムローズのためだけにあった。
今日は年に一度開催される音楽コンクール。お嬢様が参加される大事な日に寝坊してしまったスノウドロップは大慌てで駆けつけるが、そこで知ってしまった。お嬢様が優勝してしまうと、離れた精霊島にある音楽学院へ入学されてしまうことに。
さびしい心を堪えながら応援していたスノウドロップだが、突如現れた男に「連れて行ってやろうか」といわれ、しかもその男が実は伝説のコントラバスの化身であるという精霊で……
ポリ赤やポリ黒よりもさらに過去の話。お嬢様のために猪突猛進するスノウドロップに思わず笑ってしまう。力技で精霊島へ行くシーンがたまらないですね。
シリアスさがメインとなっていたポリ赤やポリ黒とはだいぶ違う雰囲気ですが、これはこれで面白い。
どこか思わせぶりな展開が続いていましたが、みながもっと自分の心をさらけ出す、とまではいかなくても、言うべきことを言っていれば、ここまで事態は大きくならなかったんでしょうね。わかった気になってしまっていたり、自分を頼ってくれなくなったことに対する嫉妬等がとても伝わってきました。
個人的には雫のシーンが一番印象的です。あんな弱々しいのに、僕の中では妙に存在感があったんですよ。それだけに泣きそうになりました。
ジョッシュとストーカー精霊の行方がもっと見たかったなあ。どうなるのか、なんてのは決まってるだろうけれど、せっかくなら最後まで見たかったですよ。どんな契約をするのかなあ、なんてひとり想像してにやり。
シェアードワールドを感じさせる展開、さりげなく登場するコーティが嬉しかったですね。
神曲奏界ポリフォニカ インフィニティ・ホワイト
精霊島音楽院の生徒たちが地上へ戻る夏休みに、スノウドロップはプリムローズとコンサートへ出かけた。慣れない服装と場所に、緊張していたスノウドロップだが、新進気鋭の音楽家であるミナギの奏でる曲を聴いたとき、違和感を覚えた。初めて聞くはずなのに、どこかで聞いた覚えがあるのだ。
やがて、夏期休暇が終わり精霊島へ戻ったら、驚いたことにミナギが精霊島音楽院に編入してきて……。
記憶に触れる音を奏でるミナギと知り合ったことで、失われたスノウの過去が明らかになりそうな展開です。思わせぶりな態度と断片的な記憶から見える描写がとても気になりますね。なんにせよ、ミナギは怪しすぎるわけですが。
おそらくは、何か気づいているであろうブランカが、何も言わないのはいただけないなあ。説明不足は悪循環の種ですよ。特に自分の力に自信を持っていないスノウドロップなんですから、このあたりは年長者であるブランカが歩み寄ってやらんとと思ったり。
まあ、傷つけたくないという気持ちはわかりますけどね。
そんなブランカですが、プリムローズには若干負けるようで。ふたりのスノウドロップを巡るやり取りが面白いです。特にプリムローズがだんだんと黒くなってて素敵過ぎ。天秤にかけられたらブランカには勝ち目がないだけに、今後どうなるやら楽しみ。
初まりが前作でジョッシュのあとをつけていた精霊さんの過去話だったので、このあたりを巡るお話になるのかなと思っていたんですが、そっち方面には話が(あまり)広がっていかなかず、ちょっと不完全燃焼。二人きりの演奏会が素敵だっただけに、うまくいってほしいな。
それにしても、盛り上がってきたところで、終わってしまったので、思わず「えーーーーーーー」と声を上げそうになりました。まさか前後編になっているとは思わなかった……。
またもやプリムローズが奇妙なことをし始めてるし、かのミナギもまた怪しい動きをし始めて、と気になることばかりなので、なるべく早く続きをお願いしたいところです。
神曲奏界ポリフォニカ ミッシング・ホワイト
「ブランカは君を騙している」― ミナギの言葉に、スノウは衝撃を受けた。彼の話は、あまりにも突飛で、でもどこか信じられるものがあって。ブランカと顔を合わせるのもつらいと思ったスノウは、部屋に戻らずに一夜を過ごした。
次の日の朝、気まずい顔合わせの後、ブランカと共に食堂へ向かうと、周囲の視線が冷たかった。皆の精霊が行方不明になっているにもかかわらず、スノウだけがツクヨミとブランカという精霊をつれていたからだ。自分は何もしていないという言葉を誰にも信じてもらえず……
周囲の責めと、ブランカへの不審から、「契約解除」の言葉を発してしまったスノウに、元の世界に戻るという、怪しくも魅了される手が差し伸べられて、というお話です。
ひとりだけ精霊を連れている、なんてあからさまな罠ですが、ここいら変がお子様集団の怖さですね。身分的な意識もあって、責められるスノウの可哀想なことと言ったらないです。
でも、スノウが一番ショックだったのは、デイジーに疑われたことなんだろうなあ。デイジーは焦っていただけなんだろうけれど、心が通じたと思ったあとだけに、きついですよね。この状態で、ブランカが隠し事をしていることがわかったら、反発してしまう気持ちもわかりますね。
信じていた人を突き放して、信じようとした相手に裏切られて。いったいスノウがどうなっていくのかと思いましたが、いやあ、かっこいいよブランカ。こういう積み重ねから、信頼ってのは作られていくんですよね。ただ、守られるだけじゃなく、相手も守りたい。ブランカとスノウが、そういう関係になっていくところは、良かったですね。
とはいえ、今回のお話で一番の目玉は、リシェリーでしょう。ライバルを蹴散らしながらも、恥ずかしがって、ジョッシュのことを影から見守るしかなかった彼女が、ついに彼と向き合うところは、たまりませんね。彼の音に乗って、戦う姿は……まさか、こうなるとは思いませんでしたが、まあ、嬉しかったということで。
なかなか契約しない二人に業を煮やして、さりげない策を講じるコーティに思わず拍手したくなりますが、そんなお膳立てをされても、相手の好意に甘んないジョッシュがかっこよかったですね。お似合いな二人が、今後どう付き合っていくのか楽しみ。
それにしても、ミナギがようやく見せてくれた本性は、幼い子供の癇癪のようなものでしたが、力があるだけに厄介でしたね。操られていたとすれば、わからなくもないものでしたが、何とも気持ちの治まりの悪いものがありました。
今回は退けることができたものの、裏にいたヤツは逃げ切ったし、お嬢さまとの契約は切れてないみたいなので、スノウからしたら、きつい運命が待ち受けることになりそう。
お嬢さまといえば、今回あまり活躍するところがなかったなあと思ったら、エピローグでやってくれましたね。桃まんでトップ通過するとは、一味違うにもほどがあります。ボウライなんてやってるときのイラストのかわいらしさとやってることの鬼畜さのギャップがたまりません。
神曲奏界ポリフォニカ アニバーサリー・ホワイト
天空に浮かぶ楽園、精霊が生まれるとされる島において、唯一人の住まうことが許された場所。精霊島にある精霊島学院は、いつものような学生たちの賑やかな話し声も、音楽もない。というのも、今、学生たちは冬休みに入ったからだ。ほとんどの学生たちは、故郷に戻り、家族や友人たちの交流、新年のパーティといったものを楽しむ。
そんな中、お嬢様であるプリムローズと共に、お屋敷へと戻ったスノウは、「お休み」ではなく、メイドとして、執事のルークにこき使われるはめに……
お嬢様に婚約話が?と、スノウが慌てふためく「僕の時を刻む神曲」、ジョッシュが七家の新年の集まりで、タタラ家の跡継ぎとして披露される「セレブレーション・ホワイト」、ミノティアスがプロムのためのタキシードを作るために、地上へ降りた「金平糖の恋」という、精霊島学院が冬休みの間に起きた出来事の三編からなるお話です。
僕の時を刻む神曲
いやあ、楽しかった。お嬢様の婚約話に動揺しまくるスノウでしたが、執事のルークまで動揺してることに気づいて、もしやルークはお嬢様のことが……と、いろいろ暴走していくスノウの様子が面白かったです。その間に、執事のルークの驚愕な事実まで発覚しましたが、人間と精霊の間には、まだ分かりあえてない感情もあるんだなあと思いましたね。生きる目的を持てなくなる精霊の話は、切ないものがありましたが、ブランカみたくおバカでも思ってくれる人がいてくれるってことも忘れちゃいけませんよね。
それにしても、プリムローズは、スノウのためなら、何でもやらかしちゃいそうだなあ。ハーミットを利用して、何をするつもりなんだろう。
セレブレーション・ホワイト
新年の集まりで、タタラ家の跡継ぎとして披露されるジョッシュのお話でしたが、名門タタラ家の跡継ぎであること快く思わない七家の嫌らしい態度が目に付きます。精霊島でも嫌がらせをしてたランディが、ここでも頑張ってましたが、むしろ小物っぽく見えるところが面白かったり。
それより何より、他の家の当主の視線を受けて、ビクビクすることはあっても、跡継ぎとして背を伸ばし続けたジョッシュがかっこよかった。
幼いころ、いじめられてた自分を厳しくも優しく接してくれた姉のようなサラサが、その後においてどんな生活を送ったかについては、悲しい物語がありましたが、ジョッシュの契約精霊になれなくて落ち込んでたリシュリーが復活してからの強烈な前向き加減の楽しさが、暗い雰囲気を吹き飛ばしてくれました。
ジョッシュとサラサの間にある淡い関係と、嫉妬に燃えるリシュリーと関係は、想像するだけで楽しくなってしまいますが、僕としてはリシュリーを選んでほしいなあ、ジョッシュ君。何気にサラサとリシュリーは仲良くなっていくんじゃないかしらとか思ってるんだけど、さてさて、どうなっていくのか楽しみですね。
実は義理の父が一番ツンデレだったことに吹いた。
金平糖の恋
地上に降りた心優しきミノティアスが、牛として食べ物扱いされそうになったり、奇異な目でみられたり、はてはかつての同業にバカにされたりと、いろいろ大変な目にあうお話でした。おかげで、笑いが止まらない。
とはいえ、ミノティアスからしたら、不運の連続だったために、さすがに落ち込むことになりましたが、ここで人のいい老婦人に出会えたのは、ほんと良かったと思います。その姿勢の美しさと、ちょっぴりお茶目な姿に、勇気付けられていく展開は良かったなあ。ちょっと臆病になっていたを前向きにしてくれたおばあちゃんの言葉とダンスが素敵でした。
どんな歳になっても、恋する美しさを見せてくれるラストを見て、三編の中で、一番好きなお話になりました。
楽しかったなあ。これで、冬休みが終わって、精霊島に戻ってきてからの話が、一段と楽しみになってきましたよ。続きが待ち遠しいですね。
神曲奏界ポリフォニカ エンシェント・ホワイト
「だって、テストが終わったっていうことは、明日からは待ちに待った学園祭の準備じゃない」
「学園祭?」
「毎年この時期に行われる、学院のお祭りです。この精霊島にいる精霊たちに感謝の意をこめていろいろな出し物をするのですよ」
グラナード家のお嬢様・プリムローズのためなら猪突猛進するメイドのプリムローズが、コントラバスの化身であるという精霊ブランカと契約して、お嬢様と共に精霊島にある中央精霊師学院に通うことになったポリ白シリーズの第五弾。今回は進級したスノウたちが、「精霊のもてなし」をする学園祭の準備を始めるお話です。
新章ってことで、一学年進級したわけですが、新たに登場してきたのが、新入生のナノポニートですね。先輩として構内を案内する役割を与えられたことで、距離が近しくなりましたが、無表情な女の子ってだけでなく、何やら不穏な言葉を発してるので、何かやらかしてきそうだなあという感じです。
っていうか、わりとあからさまに怪しいんだけど、気づかないのは……まあしょうがないか。プリムローズとブランカは、スノウをめぐった争いをしているし、スノウはスノウでブランカの思わせぶりな言葉に悩んじゃったりしてるから、周囲に注意がいってないし。このふたりはなかなか進展しないよなーと思うけど、二人の過去に何があったのかがチラッと見えてきたので、今後このあたりが描かれていく……と思ったら、まさかの超展開でびっくりしたラスト。
こういう形で続くとは思わなかったけど、おかげで今までの多くの謎が明かされてきそうな感じですね。ブランカに対する複雑な思いを持つスノウにしても、例のことで「ショック」を受けたので、いろいろ意識が変わっていくだろうし、このあたりどういう心境の変化が生まれていくのか楽しみですね。
なお、最後にスノウとプリムローズの幼いころの出会いを描いた「私の美しい雪」という短編も収録されています。格式高い家に生まれたことで、物に恵まれても空虚で暗い闇に包まれるような暮らしをしてたプリムローズの日々には切ないものがありましたが、だからこそ、何一つ持たず側にいてくれるスノウが光のような存在になったんですね。他人を信じることができなかった子供の胸に、愛情が見えるようになったところが素敵でした。
そりゃ、ここまで心に入り込んでこられたら、手放さないためにどんなことでもしようとするわけだと思った次第。温かくもちょっと怖いお話かもしれませんね。
神曲奏界ポリフォニカ スパイラル・ホワイト
「ひょっとしたら、わたくしたちは、精霊島が落ちるもととなった原因を知ることが出来るのかも知れませんね」
「精霊島が落ちる原因?」
「もしかしたら、それがわたくしたちがここへ呼ばれたことと、関係があるのかもしれない」
グラナード家のお嬢様・プリムローズのためなら猪突猛進するメイドのプリムローズが、コントラバスの化身であるという精霊ブランカと契約して、お嬢様と共に精霊島にある中央精霊師学院に通うことになったポリ白シリーズの第六弾。今回は過去に飛ばされたスノウたちが、戦争という世界の大きな動きに翻弄されていくお話です。
良き隣人たる精霊と人間の関係が、とても素晴らしくみえただけに、その後の展開がつらかった。かつて学院には当たり前のようにいた精霊の数が二百年後に減ってしまったのは、戦争という脅威がいろいろなものを奪ってしまったからなんでしょうか。やるせない気持ちでいっぱい。
さらには、リシュリーとブランカのつれない態度だからきついです。もちろん、二百年前は契約精霊でもなんでもないから、当たり前ではあるんだけど、つい先日まではジョッシュやスノウにべったりだっただけに、突き放される感は、当事者からしたらきついものがあるよなあ。過去を変えることができたら……と思ってしまうのは、そのあたりの現実逃避もあったりするのかしら。そこは、200年前の世界で「今」ではないというのに。
でも、彼ら彼女らが過去に来たことで何か変わることがあるとは思います。次の巻で過去に呼ばれたことが明らかになるらしいので、そのあたりがどう描かれるのか楽しみですね。
本編は続きものって事で、若干短くなってましたが、そのあとに二編の短編が収録されていました。二百年前を舞台に、リシュリーが、中央精霊師学院長マーヴェラスと契約を結んだ経緯を描いた「ほかの誰でもない、あなた」と、リシュリーとその聖獣メリディアの関係を描く「マイ・ディア・ヴァイオレット」なんですが、これがまたいいんだ。
個人的には「ほかの誰でもない、あなた」が好きだなあ。人間なんて、と思っていたリシュリーが、マーヴェラスと出会ったことで、寂しいという気持ちを感じるようになって、ついには突貫していくところが微笑ましいです。いつだって彼女は、まっすぐ一人の人しか見ないんだなあ。
「マイ・ディア・ヴァイオレット」では、精霊と聖獣の関係が見えて、ちょっとうれしくなるようなシーンもあったり。コーティまで出てきてくれると、思わずにやりとしちゃいますね。どうやら二百年前の出来事には、コーティも絡んでるらしいので、次巻でも登場してくれるのかな?期待して待っていたいと思います。
神曲奏界ポリフォニカ マージナル・ホワイト
ただひとり、闇の中に取り残された少女は、特に何か感慨を覚えたふうもなく
「ついに、始まる……か。あの男が奏でる地獄の葬送曲。いや煉獄への道か?」
ぽつりと、そう呟いたのだった。
「それとも、救いか?」
グラナード家のお嬢様・プリムローズのためなら猪突猛進するメイドのプリムローズが、コントラバスの化身であるという精霊ブランカと契約して、お嬢様と共に精霊島にある中央精霊師学院に通うことになったポリ白シリーズの第七弾。今回は、未来を知るスノウたちが、過去のどこまで手を出していいのかと悩むお話。
まだ続くのか……というのが正直な思いでした。全作も今作もも短編を収録するスペースがあったら、本編を……と思ってしまうのは、いいところで終わってくれやがるからです。特に今回は、学院長のマーヴェラスを襲う危機の盛り上がったところで終わってしまったがために、もどかしい限り。
もどかしいといえば、「過去」に飛んでしまったからこそ動けなくなると言うのは、もどかしいだろうなあ。目の前に助けられるかもしれない命があるのに、自分たちが動いたら未来が変わってしまうのではと言うタイムパラドックスは、とてもきつい選択に思えます。
それでも、プリムローズやデイジーの自分とは違う視点からの考え方に、自分のいたらなさに気づき、同時に納得できない感情に揺れてモヤモヤしてたスノウが、ブランカとのやり取りを経て、気持ちを晴らしていくところが良かったです。お互い素直じゃないけど、気持ちが見えまくってて、嬉しくなってしまいますね。
ただ、地上で起きてる戦争は、悪化の一方をたどっていて、しかも裏で糸を引いているのが……。いずれプリムローズを襲う悲劇が待ち受けているようで、不安極まりない。
スノウたちが過去にとばされた理由は何なのか。学院長の行く末はどうなるのか。続きがとても気になります。
本編のあとに収録されている書き下ろしの短編「リトル・パーフェクト」は、デイジーがまだ幼いころ、早くに亡くなってしまったパーフェクトと呼ばれる母と比べられることで、意固地になっていた少女が、神曲を通じて、誇り高さを取り戻していくお話です。
「デイジーデイジー」と呼びかけるピースに、これ以上ない暖かさを感じて、すっごい良かった。
この二人の素直な恋模様が一度見てみたいな。
神曲奏界ポリフォニカ メモリーズ・ホワイト
言葉に、できない。
この迷いを、この憤りを、喜びを悲しみを、単純に言葉で表すことなんてできない。
(だから、神曲があるんだ!)
グラナード家のお嬢様・プリムローズのためなら猪突猛進するメイドのプリムローズが、コントラバスの化身であるという精霊ブランカと契約して、お嬢様と共に精霊島にある中央精霊師学院に通うことになったポリ白シリーズの第八弾。今回は、二百年前の精霊島の模様を描いた過去編完結の「メモリーズ・ホワイト」と、精霊島の学園祭に招待されたサラサの模様を描いた「プロデュースド・ホワイト」が収録されています。
ようやく、と思ってしまうのは意地が悪いかしら。いや、過去編って長い割になかなか進まなかったので……。
ともあれ、二百年前の学院長マーヴェラスの行く末は、わかっていても悲しいものがありましたが、それでも守りたいと願ったものが守れたのは、彼女にとって嬉しいことだったと思います。
ただ、彼女の行く末をも利用する輩がいるから、心痛みましたが……なるほど、これがリシュリーの罪なのかと思った次第。
それにしても、黒幕……は微妙に小物っぽく感じてしまった僕ですが、監視者はかなり気になる存在になってきたなあ。彼女たちが何に興味を持ったのか気になりますね。
個人的に一番印象に残っているのは、歌でした。やはりスノウには歌がとても似合う。祈りのように重なった声は、想像するだけで震えるものがありましたよ。彼女が歌の重要さに気づくのはいつなのかしら?ブランカも何かいってあげればいいのに。
ま、何だかんだいいながら、スノウの前だとついツンとしてしまうブランカじゃ無理か。
「プロデュースド・ホワイト」は、ジョッシュの元婚約者サラサが精霊島で開催される学園祭にやってくるお話なんですが、楽しいのは、サラサとリシュリーのやりとりです。どちらもジョッシュ大好きだから、かみ合わない会話なのに、妙にほのぼのさせてくれるんだこれが。
とはいえ、好きだからこそ怖いという思いもあったりして、モヤモヤする様子も描かれるんですが、ここでサラサを諭すのがミノティアスだってところが最高でした。なぜ彼がもてないのか不思議でたまらないぐらい格好よかったよ!
ミノティ抱き枕が出たら、迷わず買っちゃうぐらい惚れました。
あー、楽しかった。
神曲奏界ポリフォニカ ピュワリー・ホワイト
皆、誰かがなんとかしてくれると思ってる。
きっとすごい巫女姫が現れて、すごい神曲を奏でて世界を救ってくれるだろう。
すごい人たちが、がんばるんだろう。
私たちのような平凡な人間がなにかをしなくても、そのうち誰かがやってくれる。
そのうち。
そのうち。
そんな言葉を魔法の呪文のようにして、世界はここまで来てしまったのだ。誰も、何もしないうちに。
グラナード家のお嬢様・プリムローズのためなら猪突猛進するメイドのプリムローズが、コントラバスの化身であるという精霊ブランカと契約して、お嬢様と共に精霊島にある中央精霊師学院に通うことになったポリ白シリーズの第九弾。今回は、学生主導で落ちゆく精霊島を救うべくプロジェクトを初めたが、それは禁譜開放に向けての動きでもあって……というお話。
いやはや、いろんなことが動き始めたなあ。プリムローズが学生会(生徒会みたいなもの)に入ったと思ったら、巫女姫プロジェクトが始まり、スノウは師匠との再会と先を見据えての行動をして。
これまでは学園内という閉じた空間でのお話だったけれど(といいながら過去にいったりしてたけど)、より多くの人と触れ合うことで、物事が動いていく様が見えてきました。
それは楽しくもあり、不安でもあったのは、あまりに急に物事が動き始めたから、止まれないんじゃないかと思えたからだと思います。
プリムローズとのすれ違いの日々が続き、ブランカとも会わなくなり、それでもお互い充実した日々を過ごしていたから、大丈夫かと思ったら……か。何も変わっていないにも関わらず、何か不安がある。そんな描写にドキドキでした。
そして、不安が的中してしまったきっかけが、よりにもよってスノウの善行だったんだから遣りきれなくなる。尊敬する人が、なまじかの人に似ているから、歴史は繰り返されるのかと……もちろん、これは過去のお話しなので、行き着く先は分かってるんですが……それでも、辿り着くまでの過程がどうなるのかは大いに気になるところ。
地上の話もさることながら、話し合いによって、精霊たちがどう動いていくのかもね。
神曲奏界ポリフォニカ リユニオン・ホワイト
人は、強い。だが、弱くもある。
己の手元により強く、確実な力があることを知ってしまえば、もはや頼らずにはいられないだろう。そして、もっと強い禁曲を、強い力を求めるようになる。
たとえそれが、禁忌をはらむものだとわかっていても。
グラナード家のお嬢様・プリムローズのためなら猪突猛進するメイドのプリムローズが、コントラバスの化身であるという精霊ブランカと契約して、お嬢様と共に精霊島にある中央精霊師学院に通うことになったポリ白シリーズの第九弾。弱きものを助ける為、禁譜を使用したスノウたちに退学処分が言い渡されて……というお話しです。
やばい。序盤から不安を感じる描写があったから、ある程度は覚悟していましたが、予想を超えた展開でした。物事が動き始めて止まらなくなったあと、迎えたラストは、はっきり言って怖い。ぞわぞわした。この状態で続くだなんて、なんてひどい引き!
それにしても、過去へ跳んだことが、こういう形で不安を煽るようになるとは思わなかった。「グロリアーナの樹」に残るか、学院に戻るか。自分達にできることがあるという思いは、時に先を見通す力を奪ってしまうのかも知れません。歴史は繰り返されると言うけれど、迷う学生はまだいい、迷うことなく突き進んだ人たちの行く末は……ね。
そんな中、ジョッシュやデイジーが、精霊へのかけがえのない思いを自覚していくところは、とてもよかったなあ。相手の思いを決めつけてしまうと言うのは、よくやる失敗だと思いますが、やっぱり怖いから、どうしたって守りに入ってしまうこともありますよね。遠回りして、でも最後には辿り着いたという関係がとても素敵でした、素敵だったのに……
自分達のプライドの為に動く人たちが、自体を大きく動かしているようですが、そこへプリムローズが暗躍し始めたら、もうどうなることか。スノウは安全だと思いたいけれど、今回ブランカはずっと傍にいなかったし……いったいどうなるのか、続きが気になってしかたありません。
神曲奏界ポリフォニカ リグレット・ホワイト
「人ってよくできていると思うよ。大変な時ほど、こうやって大切な人の顔が頭に浮かんでくる。そして、頑張らなくてはだめだと自然と思わされるんだ」
グラナード家のお嬢様・プリムローズのためなら猪突猛進するメイドのプリムローズが、コントラバスの化身であるという精霊ブランカと契約して、お嬢様と共に精霊島にある中央精霊師学院に通うことになったポリ白シリーズの第十一弾。今回は、背後で操る七楽門によって学生たちクーデターが苛烈になっていく中、囚われの身であったスノウは、学院長の策により牢から逃げられたものの……というお話。
初めに、フラメルが人を、世界を憎むようになった過去のいきさつが描かれていて、これがとても切ない。百三十年もの間、治世を続けた王女アリアドナとの交流は、あまりにも思いが繋がりすぎてしまったんだなあ。やったこと自体は、決して悪くは無かったと思うけれど、やりすぎたが故に、か。良かれと思ってたどり着いた平和が、後の悲劇を生むことにやりきれない思いを感じました。
で、本編である「リグレット・ホワイト」ですが、これが精霊島の落ちる原因なのかなと思える展開になっていました。
「グローリアナの樹」が操る学生クーデターが、悪い方向へ転がり続けていく様が怖い。自身の正義を確信した若き勢いは、止まることを知らず、禁譜のみならず精霊文字も使って、ブランカどころからリシェリーもやられ、学院長までもその手におさめてしまうのだから……、クーデターを止めようとする勢力が追い詰められていく様に、ドキドキする。
学院長のおかげで逃れることができたスノウは、師匠に迎えられたものの、いまだブランカは戻ってこないし……それでもジョッシュやアルテミアの三獣士の活躍で(こいつら、いいキャラ過ぎる)、何とか治められそう……と思ったけど、それすら罠のような気がしてヤバい。プリムローズは何手先まで、いや、差し合いというよりは陽動だけど、学生たちに目を向けさせている間に、根回しを進めて、精霊島を落とそうとするんだから、病みすぎです。
いまのところ、プリムローズの思惑通りに進んでいるように見えますが、ここから挽回できるのかしら。少なくとも、ポリフォニカの世界の中の現代(赤や黒などの時代)において、精霊島がないことは確定しているので、落ちるとは思いますが、それがこのタイミングなのかわからないし、そもそも狙う場所が異なるので……うーん、とりあえず今一番気になるのは、ピースとデイジーのコンビがどんなことをしてくれるか、かな。
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