渚フォルテッシモ / 城崎火也
渚フォルテッシモ
最近、夜の校内で不気味なものを見たといううわさを聞いて、未確認生物、俗に言うUMAに目がない大地は、さっそく飛びついて、夜の校舎に忍び込んだ。ちょっとした探検に酔いしれていた大地は、物音を聞いて、しかもそれが、自分のクラスから聞こえてきて、恐る恐るドアを開けたら、そこには全校生徒が憧憬の眼差しで見つめる美少女、麻生渚がいた。それも全裸でずぶ濡れになって……
「魔の森」と呼ばれる異世界からこちらにくる魔物を追い返している、人魚とのハーフである麻生渚と、ちょっとしたことから、そのことを知ってしまった大地が繰り広げる退魔モノっぽいラブコメです。
いやあ、楽しい。何といっても渚の性格が素敵です。清楚で優しく、誰からも好かれるお嬢様かと思いきや、実は勝気でわがままで自分勝手。猫のかぶりかたがハンパないですが、そんな彼女の正体を唯一知る大地の振り回される様が笑えます。
顔の良さから、始めは側にいられることをちょっと喜んでいたけれど、性格の悪さから嫌気が差して、でも時折見せる笑顔に惹かれていく大地の姿がいいですね。いや、あんな素敵なツンデレさんだったら、やられてしまいますよ。ラーメンな話の時のシーンは見事でした。あれで、やられた。
……しっかし、こんな美味しそうにヒロインがラーメン食べる小説って、あんま見たことないな。
人魚は恋をすると一人前ってことで、自身の母のように素敵な人と恋をしたいと考えていた渚が、さえないUMAオタクに心動かしていくところが、良かったですね。魔物退治的なものを通じて、だんだんと素の自分でいることの楽しさや、大地の良いところに気づいていったからなんでしょうね。強力なライバル(メガネを取ったら、実は美少女)と大地が一緒にいるところをみて、寂しく思うところとか、ホント素敵でした。
自分で自分の気持ちに気づいたときの渚の乱れっぷりには爆笑です。
いやあ、楽しかった。魔物退治方面も悪くないですが、王道というか、ストレートなラブコメに酔いしれましたね。ツンデレ大好きっ子なので、大満足です。羅針盤のこととか、魔の森の話など、いろいろ疑問はありますが、それよりもラブコメ中心でお願いしたいところです。できれば、もっと三角関係を……
渚フォルテッシモ 2
学園のアイドルだけど、実は自己中心的なクラスメイトの渚に呼び出されて、大地が学校へ向かったら、プールの女子更衣室から悲鳴が聞こえた。慌てて飛び込んだら、生徒会長の早瀬空美が着替えの最中!?幸いなことに非常事態を理解してくれて、それどころかUMAに興味があると言い出して、会話が弾むことに。その様子を見ていた渚は、胸に苛立ちを抱える事になり……
ああ、もう最高!
美しく屈託のない生徒会長の空美先輩が、大地と同じ趣味を持ってて、UMA同好会を作ろうなんて話が出てきて……というお話ですが、仲良い話をしている二人を見て、嫉妬しまくる渚の様子が楽しいったらないです。また、空美と大地が思わせぶりな会話をしてくれるおかげで、気が気でないのに、必死になって自分を抑える姿とか、笑いまくり。
大地が呼び出したら、ひょっとして告白?と勘違いしたり、自分のせいで大地が落胆すると慌ててしまったり、さらには、「自分だけ」に……なところで、不機嫌さが一転したりと、ころころ変わる渚の感情を見るのは、ほんと楽しかったです。魔の森から出てくる魔物退治のお話なんてどうでもいいぐらい。
そんな渚の様子を見て、やけに機嫌が悪いな、という感想しかもてないんだから、大地も鈍いですね。まあ、あれだけ罵倒されてたら、好意をもたれてるとはさすがに思いにくいか。内気なクラスメイトの篠崎朱里に目が行くのもわかりますよねー。それがまた渚の逆鱗に触れていってという、お約束の連鎖はひたすら楽しいです。
おかげで、何かと喧嘩するシーンが多いですが、それでいて相手のいいところを見つけあって、やっぱり気になる存在なんだなと思えるところがいいですね。
それにしても、意地の張りすぎで、思わず言うつもりじゃなかったことまで言ってしまうところには、恋するものの難しさが伝わってきますね。気落ちしてたらさらに、大きな問題が起きるところには、人魚は心が大事なんだな、と思わんばかり。
それだけに、彼女が復活したときのシーンは、嬉しくなっちゃったなあ。あれはもう告白としか思えませんよね!渚の言葉の前に、大地も気を持たせるようなことを言ってしまってますが、まあ、このふたりのことですから、そう簡単には進展しないんだろうなあと思いつつニヤニヤさせられました。
ああ、楽しかった!ツンデレさんなラブコメものとして、個人的に最高傑作だと思いましたよ。前作よりもラブコメ度アップしているので、ラブコメ好きな人は、ぜひぜひ。
それにしても、渚はおいしそうにラーメンを食べるなあ……。
渚フォルテッシモ
男の子と話をするのが怖くて、でも大地と話すのは楽しくて。頑張ったおかげで、友人と言えるぐらいのところまではいけたけど、あと一歩踏み出すのが怖いと、引っ込み思案な自分に落ち込んでいた朱里は、ある日、同級生の里緒奈から、白蛇伝説についての調査依頼を受けた。恋を成就させるというわりに、どこか不気味な雰囲気を持つ話を聞いたUMA研究会は、調査を兼ねて合宿へと出かけることにしたが……
「魔の森」と呼ばれる異世界からこちらにくる魔物を追い返している人魚とのハーフである麻生渚と、ちょっとしたことから、そのことを知ってしまった大地が繰り広げる退魔モノっぽいラブコメシリーズの第三弾。今回は、引っ込み思案な女の子、篠崎朱里が大地に急接近?なお話です。
今の関係を壊したくないからと、あと一歩を踏み出す勇気が出てこない。そんな朱里が、大地と渚のじゃれあう姿をみて、心を痛めるところが、なんとも切ない。普段ならもっと頑張ろうよと応援したくなるものがありますが、渚好きとしては、それは言えないので(言えよ)、なんともモドカシイ。
そして渚は、いつもどおりの恋する乙女のツンデレっぷりを見せてくれて、ああ楽しい。大地を自宅に誘うための、遠まわしな策略をかかげるところとか、自分よりもUMA本に興味を持ってることが気に食わず、大地にセクシーポーズを見せつけようとしたりするところとか、たまらなく楽しく、たまらなくカワイイ。
さらに、初登場した渚ママが、夫とのバカップルっぷりを見せつつ、大地の件で渚を振り回してくれて、ああ、さすがの渚もママには適わないんだなあとにんまりでした。
朱里の出番が多くなった分、渚の出番が少なくなったのは、ちょっと物足りなくもあったんですが、白蛇伝説の場である祠で、朱里がもう一歩(半歩?)だけ踏み出して、そんな朱里の様子に目ざとく気づいた渚が嫉妬してと、だんだんと三角っぷりが顕著になってきたのは、いいですね。今後いろいろ期待できそう。
さりげなく恋のおまじないを達成した渚が、いつになったら素直になってくれるのかと、ニヤニヤしながら、続きを待ちたいと思います。
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