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鋼殻のレギオス/ 雨木シュウスケ

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鋼殻のレギオス

鋼殻のレギオス (富士見ファンタジア文庫) - 雨木 シュウスケ 深遊

汚染獣が闊歩する大地。人は都市 ―自立型移動都市― でしか暮らせない世界。その都市のひとつ、学園都市ツェルニにレイフォンは入学することにした。故郷を離れてもう一度やり直す決意を胸に。
だが、入学式で起こった騒動を治めるために使った力が生徒会長の目に留まり、一般科から武芸科へ転科するはめになってしまった。そこで出会った小隊の長ニーナは、力試しと称していきなり武器を振り上げかかってきたが……

なぜ戦わないのか。なぜ力を隠すのか。理由を匂わせながら、なかなかはっきりと明かされない展開に引き込まれる。汚染された世界により閉鎖された「都市」の実情も戦う理由に一役買ってる。スピード感あふれる戦闘シーンもかなり面白い。
主人公が強すぎるというのは何ですが、複雑な心境が描かれたりするので、これはこれでよし。

レイフォンの周りにいる女性たちもまた魅力的。内気でありながら、想いを寄せる人のすべてを肯定しないメイシュン。似たような境遇のレイフォンの決意に迷うフェリ。レイフォンの隠された強さを目の当たりにしてもなお真っ直ぐ見続けるニーナ。故郷でレイフォンを待つリーリン。
どの出会いもレイフォンにとって重要だということが伝わってくる。女性たちにとっても重要だと嬉しいけど、そのあたりは今後明かされるかな。安易にくっついたりしなさそうなのも好感でした。
これは買いだなあ。

鋼殻のレギオス (富士見ファンタジア文庫) - 雨木 シュウスケ 深遊

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サイレント・トーク 鋼殻のレギオスⅡ

鋼殻のレギオス(2) サイレント・トーク (富士見ファンタジア文庫) - 雨木 シュウスケ

間違いなく学園最強であろうレイフォンがいるにも関わらず、対抗試合で勝てない。強さとはいったい何なのか。ひとり悩むニーナ。
一方のレイフォンは、生徒会長からとある映像を見せられた。移っているのは汚染獣。しかも前回のような幼生体ではなく、雄性体。やめたいとは思うものの、このまま見過ごすわけには行かないと思うレイフォンだが……

圧倒的強さを誇るレイフォンがいても、チーム戦で勝てないのはなぜか。
「自分がやらなければ誰がやる」という心境は、責任感が強い人ほどそうなると思う。ニーナの思考が袋小路に陥る描写がうまい。
レイフォンは相変わらず「言われたらやる」人で、覇気がないというかなんというか。とはいえ、少しずつ変わってきているので、もっと頼りがいある人になるかもしれませんね。
このシリーズは、ふたりの成長物語でもあるんだろうなあ。
汚染獣との戦いでひとつ壁を越えた、そんな気がします。

今回はヒロインであるはずのニーナが暗くなっているせいか、フェリがはじけてしまいました。できない料理を作ろうとしたり、自分の愛称を決めさせようとしたり。レイフォンに対する親密度は上がってますね。意地っ張りな姿が可愛い。

他の人の印象が強すぎるため、存在感が薄くなってしまうメイシュンにも頑張ってもらいたいところですね。今は三角…じゃないな。四角?いや、五角関係か?(含むリーリン)
なかなかそっち方面は発展しないと思いますが、楽しみのひとつとして期待したいです。

鋼殻のレギオス(2) サイレント・トーク (富士見ファンタジア文庫) - 雨木 シュウスケ

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センチメンタル・ヴォイス 鋼殻のレギオスⅢ

センチメンタル・ヴォイス―鋼殻のレギオス〈3〉 (富士見ファンタジア文庫) - 雨木 シュウスケ

「悪いけど、君の身を守らせてもらうよ、リーリン」
グレンダンの誇る天剣授受者の言葉。レイフォン絡みであることまでは明かされたが、いったい何が?
一方、ツェルニ学園都市では、廃都市の接近が確認され、ニーナ率いる十七小隊と第五小隊が偵察することになったが、第五小隊の隊長らはレイフォンに対して敵意を抱いているようで……。

学園都市とグレンダンの話が並列して語られる展開。シリーズの初っ端にちょこっとだけ出てきてたリーリンが、本格的に登場しました。他の天剣授受者も続々登場。全員じゃないけど。
天剣授受者と言えども人だということはわかりきっている気もするけれど「気づかせてはいけない」のもわかります。グレンダン側もいろいろあるみたいだなあ。学園都市、グレンダン、どちら側でもレイフォンがキーとなるようですね。

レイフォンは今までの係わり合いで、ニーナたちには自分のことを結構打ち明けていたような気がしていたんですが、まだ心に秘めていた事があるんですね。あの性格だから当然ではありますが、それでも昔に比べたらだいぶ変わってきたかな。いい方向ですよね。

展開としてはいろいろあった気がしましたが、実際のところ明かされたことよりも、より多くの謎が提示された感じがします。伏線を張ったというところでしょうか。
個人的には、みんなレイフォンが大事なんだなあということが伝わってくる物語だと思いました。

ちなみにさりげなく積極的なフェリ先輩。今回は肩車ですかそうですか。あまりに脈絡ない行動ですが、クールでありながらさりげなく甘えて、レイフォンがピンチになると柄にもなく焦るフェリがとても好きです。とはいえ、本命はニーナかリーリンあたりだと思うんですが。
甲斐甲斐しいメイシェンはちょっと無理っぽいよなあ、って、何をマジメに考えてるんだか。

ただ、今回誰もが驚くのは陛下の登場でしょう。間違いない。

センチメンタル・ヴォイス―鋼殻のレギオス〈3〉 (富士見ファンタジア文庫) - 雨木 シュウスケ

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コンフィデンシャル・コール 鋼殻のレギオスⅣ

コンフィデンシャル・コール―鋼殻のレギオス〈4〉 (富士見ファンタジア文庫) - 雨木 シュウスケ

剄脈を活性化させる違法な酒がツェルニに持ち込まれたという。警備課に頼まれたレイフォンが調査をしていたとき、遭遇したのはグレンダンのサリンバン教導傭兵団のトップだった。
謎の言葉を残した彼の行動もさることながら、違法酒を使っている容疑者というが、次に第十七小隊と戦う第十小隊の隊長、シャーニッドとも深い関係のあるディンであることで、レイフォン、ニーナの足取りが重くなり……。

シャーニッドの過去に焦点があたる物語ですね。飄々として、心の奥を見せないシャーニッドが、なぜ第十七小隊に来たかが明らかにされます。これは辛いなあ。理由を話したからといって、わかってもらえるものかどうか微妙なところですね。だからこそ黙って去っていったんだろうなあ。
壊すしかなかった関係とはいえ、はっきりと明かさなかったところに、シャーニッドの甘さと優しさを感じました。思ってた以上にロマンチストですね。

レイフォン話も同時進行。離れたはずなのに、どこからか絡んでくるグレンダンです。まあ、天剣授受者だからしかたないか。
事あることに悩みまくるレイフォンはいつものことですが、今回のグダグダさはちょっときつかった。言わんとすることはわからなくもないけれど、死んだら終わりジャンという考え方をしてしまうのは、僕が持ってない類のプライドだからでしょうか。
ニーナが気づいたレイフォンの戦い方が今後どうなるのか気になります。

相変わらずグレンダンの女王はいい性格をしていて、いじめられるリーリンがかわいそう。なんて思っていたら、リーリンが参戦してきそうな匂いがぷんぷん。えーと、今、何角関係だっけ?
フェリの甲斐甲斐しさもいいですが、押さえ込んでいる自分の心にニーナがいつ気づくのかも気になりますね。
今回恋愛模様が若干少なかったので、次作は多めにお願いしたいところです。

コンフィデンシャル・コール―鋼殻のレギオス〈4〉 (富士見ファンタジア文庫) - 雨木 シュウスケ

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エモーショナル・ハウル 鋼殻のレギオスⅤ

エモーショナル・ハウル―鋼殻のレギオス5 (富士見ファンタジア文庫 あ 1-1-5) - 雨木 シュウスケ

ナルキが第十七小隊へ本格的に入りたいと言い出し、了承したニーナは、次の第一小隊との試合のために、合宿をすると言い出した。料理当番としてメイシュンを引っ張り込みんだナルキは、合宿最終日に、レイフォンに声を掛けた。天剣授受者とは何か、と。
ついに聞かれたと思ったレイフォンが、ナルキとメイシュンに説明している間、突如として地盤が崩れ……

廃貴族の問題がまだ終わっておらず、ツェルニに異常が走るお話です。いや、異常が走り始めたというところかな。毎回合宿に行くとトラブルに見舞われるのは、誰が悪いんだと思ったりしますが、そんなシリアスさよりも、料理のできるメイシュンとレイフォンのやり取りを悔しそうに見つめるフェリやニーナの姿が笑えます。

今回はメイシュンの頑張りが素敵でした。彼女の真っ直ぐな言葉は、とても心に響きます。「守る」という言葉の意味するところには差があるけれど、レイフォンをして、ここで何かを始めたい、と言わしめたのは、彼女の言葉も、一役買っているんじゃないかな。

好意を寄せているフェリとは、いつもどおりのやり取りがありましたが、ちょいと出番が少ない。代わりに、ニーナがちょっと自分の心境に揺れているかな?レイフォンへの思いが、ただの隊員への思いとは違っていることに、そろそろ気づいているような気がしないでもないけど、さてさて。

それにしても強いですね、レイフォンは。これで剣ではなく、刀を手にしたらどうなるんだろ?と思ったりしますが、単なる力の強さだけでなく、自分の強さの質を認識してきたところに成長を感じました。素直なようで壁を作っていたレイフォンが、第十七小隊隊員たちを信頼していく姿が、とても印象的です。

グレンダン側では、リーリンが悩む姿が描かれていましたが、臆病になる気持ちはよくわかります。それだけに、このままズルズルといったであろう彼女の言葉を受け止め、背中を押したシノーラがとても良かったです。立場上いろいろ言えないこともあるだろうに、リーリンに対しては、真摯な態度を見せますよね。
ただ、レイフォンについて、どういう対処を見せるのかわからないところが、何気に不安を呼んでくれます。

グレンダン側(というより女王)が何を考えているのかよくわからないし、ツェルニは暴走するし、何よりあの人がどうなったのかわからない。こんな状態で、さらにリーリンが来るかも?なんて終わり方を見せられたら、たまりません。
次作がどうなるのか、ものすごい期待したくなります。

エモーショナル・ハウル―鋼殻のレギオス5 (富士見ファンタジア文庫 あ 1-1-5) - 雨木 シュウスケ

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レッド・ノクターン 鋼殻のレギオスⅥ

レッド・ノクターン―鋼殻のレギオス6 - 雨木 シュウスケ

ツェルニが暴走し、ニーナが行方不明になったと聞いたとき、レイフォンは大きな衝撃を受けた。だが、呆然としてはいられない。汚染獣は次々と襲ってくるのだから。一方、ツェルニを目指していたリーリンは、学園都市マイアスで奇妙な事件に巻き込まれて……

学園都市ツェルニの暴走と、同じく学園都市のマイアスでの騒動が、意外なところで絡んでいましたが、これに応えたニーナがかっこ良かったですね。惚れ惚れしちゃいます。今回フェリの活躍があまりなかったこともあるけど、僕の中ではニーナ株急上昇中。

そんなニーナの行方がわからなくなったことが、これほどレイフォンにショックを与えるとは思わなかったなあ。自分のせいでという気持ちだけじゃなくて他の感情もあるのかな、という甘い気持ちで読んでたら、そうか、そっち方面か。確かに会長の言葉は、レイフォンをよく表してる気がしました。
良くも悪くも今のレイフォンにとって、ニーナという存在の大きさが窺い知れますね。

今回一番目立ったのはニーナだと思いましたが、二番目に目立ったのは、リーリンじゃないでしょうか。武芸者たちの中に入っていくことなんて怖いだろうに、自分のできることがあるならと、迷わず行動していく姿が、何とも気持ち良いです。今までは待ってる子というイメージでしたが、「叩いて直す」発言とかもあって、なかなか元気のいい子みたいですね。
レイフォンに迷いが生じている中、彼女との再会がどうなるのか楽しみですが、リーリンにも隠されていることがあるので、その辺りも気になります。

他にも、汚染獣の話やら、サヴァリスの動きやら、狼面衆のことなど、いろいろありましたね。今回から第二部ということもあって、いろいろ仕掛けているといったところでしょう。

個人的には、ニーナとリーリンが、お互い同じ人のことを話しながら、気づいていない様に、ある意味ニヤニヤある意味ハラハラさせられましたが、このあたりの人間関係がどうなっていくのかも楽しみですね。あ、でもリーリンは……。となると、ニーナがどう動くのかが気になります。

レッド・ノクターン―鋼殻のレギオス6 - 雨木 シュウスケ

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ホワイト・オペラ 鋼殻のレギオスⅧ

ホワイト・オペラ 鋼殻のレギオス 7 - 雨木 シュウスケ

ニーナの突然の行方不明。ツェルニの暴走。そしてニーナの帰還。原因は廃貴族になるとわかってはいるが、何かを知っているはずのニーナから説明はなかった。ナルキのみならず、他の隊員たちは、歯がゆい思いをしていたが、事態はすでに動き始めていた。都市戦がすぐ側に迫っている最中に、傭兵団を率いるハイアは、本国からの指令を無視して、レイフォンに勝負を仕掛けてきて……

うーん、何か話のテンポが遅いなーと思ってしまうのは、リーリンの活躍を待ち望んでいたからでしょうか。プロローグで、ツェルニまであとちょっとってところまで来てただけに、なかなかたどり着かないのがもどかしく思う。いや、引き伸ばされてるってわけじゃないんですけどね。

それはともかく、学園内が都市戦に向けて動き始めるお話ってことで、いつもとは雰囲気がちょっと違いましたね。訓練模様は同じ漢字なのに、「隊」ではなく「都市」としての意識が強まってくるおかげで、いがみ合ってた人たちが、協力したりするところとか、なんかいいですね。それにしても、レイフォンは図太い神経をお持ちだこと。

都市戦の話とハイアの話、レイフォン(というか天剣授受者)の過去話など、いろいろ見せてもらえて面白かったんですが、中でも良かったのが、ニーナやフェリが、レイフォンに対する思いを、自覚しはじめてきたんじゃないかと思わせる描写ですよ。ニーナがふと温かさを覚えるところとか素敵過ぎです。またレイフォンが良いところで、ニーナを助けるから……あぁ、きゅんきゅん。フェリかニーナかと言われたら、もはやニーナ派になってる僕がいる。

ハイアの行動については、わりとどうでも良くて(いいのか?)、むしろ気になったのはサヴァリスの動きかな。壊れている……というのとは違うような気もするけど、いわゆる人間味の薄さを感じるだけに、いろいろやばそうな雰囲気を感じてます。レイフォンも、天剣授受者だったときよりも弱くなってるみたいなので、ニーナだけじゃなく、学園都市そのものを護れるのかしら。

と、いろいろ不安を思わせてくれてましたが、最後の最後で、リーリンがやってくれましたね。二人のつながりを強く思わせる一撃には、しびれるばかり。レイフォンも、今までにない感情を見せてくれたように思えました。さすが幼馴染は違う。目の前で見せられた、ニーナとフェリはどう思ったでしょうね。都市戦とか、廃貴族など、いろいろ気になることはあるんですが、何よりもこの三角関係が気になります。
今のところ、最後のイラストの距離が、そのまま三人の距離を表しているのかしらと思いますが、今後この距離感がどうなっていくのか、楽しみです。

ホワイト・オペラ 鋼殻のレギオス 7 - 雨木 シュウスケ

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ミキシング・ノート鋼殻のレギオスⅧ

ミキシング・ノート―鋼殻のレギオス8  - 雨木 シュウスケ

「レイフォンもちょっと見ない間に変わったよねぇ。いつからそんなに女たらしになったのかしら」
「ちょ、ちょっと待ってよ。隊長のこととか、全部手紙に書いたでしょ?」
なんでかわからないが、ひどく落ち着かない気持ちになってレイフォンは弁明した。
「恋人とかそんなんじゃ……それに、あの人たちだって、僕のことをそんな風に思ってるわけ……」
「それはどうかしら?」
「へ?」
「それじゃあ、あの人たちはどういう人なのか、改めて、きちんとわたいに説明してみなさい」

たくさんの女の子をはべらせてるとリーリンにいわれて、そんなことないよとレイフォンが、周囲の女の子たちについてお話をする、という前振りから始まる短編集。
フリフリ制服の喫茶店でバイトするフェリを描いた「クール・イン・ザ・カッフェ」、苦手なフェレットが寮にやってきて、というニーナの騒動を描いた「ダイアモンド・パッション」、天剣授受者の意味を知りたがったメイシェンたちに、その言葉の重みが襲い掛かる「イノセンス・ワンダー」。そして、番外編……という言い方もなんだけど、レイフォンのグレンダン時代が描かれる「なにごともないその日」が収録されてます。

いやあ、楽しかった!

何といってもいきなりフェリのウェイトレス姿を拝めたのは嬉しい限り。あの無表情さで「ご注文は」と繰り返す姿に、笑いが止まりませんでした。こういった状況へ持っていったシャーニッドに拍手!
それにしても、フェリは自分の感情の表現について、意外に思うところがあったんですねぇ。ま、これも恋する気持ちが生まれたからでしょうけど。彼女のために怒ってくれたレイフォンの気持ちを、嬉しく思った彼女が見せる笑顔を想像してにやり。

いつも真面目でクールなニーナ隊長の意外な姿が見れた「ダイアモンド・パッション」も楽しかった。フェレットに怯えるイラストにクスリとしちゃいます。いや、誰にだって苦手なものはありますよね、隊長。
そんな怯える姿だけじゃなく、ぬいぐるみを抱かないと眠れないといった可愛い一面も見れて、思わずうふふ。

そういえば、ニーナの住んでる寮内のお話が出てきたの初めてじゃなかったけ?三人しか住んでないおんぼろ寮だけど、なんかいい雰囲気でしたね。ほわわんとした寮長がお気に入り。

本編ではすっかり影が薄くなってしまいましたけど、個人的にはちょっと応援中のメイシェンが、天剣授受者について知りたがる「イノセンス・ワンダー」は……、シリアスだなあ。その前のふたつ短編が、明るいお話だっただけに、シリアスさが重い。まあ、ことはレイフォンの過去に関することだしねぇ。
直接本人に聞く勇気がないけれど、それでも諦められない。メイシェンの秘めた強い思いが見えました。

でも、印象に残ったのは、最後にさっそうと去っていったフェリなんだよなあ。ああ、なんか薄幸な少女ですね、メイシェン……。

天剣授受者になったレイフォンを、妬んだ者たちが襲うという「なにごともないその日」は、レイフォンよりも、他の天剣授受者の姿や、陛下アルシェイラについての描写が多く割かれてたかな。レイフォンに鋼糸を教えてくれたリンテンスは、もっと冷たい印象があったんだけど、思ったより人間味あふれるというか、だらしないというか、面倒くさがりというか、そんな姿にびっくり。それ以上にびっくりしたのはアルシェイラですけど。

はっきりいって最強にしか思えない強さには、どうしてくれようかと思いましたが、いずれレイフォンとの間に何が出てきたりするのかなあ。すっごい楽しみだったりする。

前作がああいう終わり方したので、どうなるかと思ったんですけど、ある意味、いいクッションですよね。各短編の間には、リーリンとのお話があって、これがまたいい感じなんだなあ。ああ、長い間一緒にいた人っていうのは、一味違った距離感がありますね。

こちらに来てからのレイフォンの女性歴にさりげない嫉妬を見せてくれてニヤリにやりですが、レイフォンが元気でよかったと、つぶやく彼女の思いが、とても心に響きました。というわけで、僕はニーナ派からリーリン派にいくことにします。ええ。

ミキシング・ノート―鋼殻のレギオス8  - 雨木 シュウスケ

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ブルー・マズルカ 鋼殻のレギオスⅨ

鋼殻のレギオスVIIII  ブルー・マズルカ - 雨木 シュウスケ

「義父さんはもうあなたのことを許しているよ。むしろ、申し訳なくさえ思ってる。だから受け取ってほしいって」
だけど、レイフォンはリーリンの差し出した箱を前にして静かに首を振った。
「ごめん、それは受け取れない」

義父デルクがレイフォンにと託した錬金鋼の扱いをめぐって、リーリンとレイフォンが大喧嘩をして……、ニーナとフェリが、それぞれ間を取り持つ最中に、ツェルニは都市戦と、もうひとつの大きな出来事に巻き込まれはじめて……というお話。

ああ、夏だ。先頭カラーイラストが素敵でしたが、中身も素敵に夏でした。いや、シャーニッドは予想できたけど、まさかレイフォンまで……。意識しちゃダメだと思い込みすぎて、かえって意識してしまい、魅力的な女の子たちに悩殺されていくレイフォンが可愛くてしかたない。

そのレイフォンが、デルクの刀を素直に受け取らないから、面倒なことになって。いや、ほんと何を考えているのか、よくわからなかったんですが、そうか、彼はまだ怖かったのか。
拒絶されることを、突き放されることを怖いと思ったからこそ、ニーナでもフェリでもなく、リーリンに対して、行動したんだろうなあ。こっちにきてからのレイフォンしか知らない二人にとっては、ちょっと酷だとは思うけど。

レイフォンが立ち直ってくれたことは嬉しいのに、そのきっかけがリーリンだということに、くすぶるものがあるニーナの様子に思わずにやり。それにしても、自分が何にイラついてるかってことに気付かないって、あなたはどれだけ……。そりゃニーナとレイフォンの仲が発展しないわけだ。

迷ってるニーナとは対照的に、刀を手にしたレイフォンのうれしそうなことうれしそうなこと。都市戦で自分を追い詰めながら敵を倒していくという余裕を見せてくれて、まったくもって強すぎるよなあ。汚染獣が出てきても一人で大丈夫なんじゃないかと思ったけど、さすがに無理か。

まるで誰かが仕組んだかのように、レイフォンがツェルニから切り離されてしまったけど、その間にニーナが……。うーん、どうなっていくんだろうか。このあたりは気になりますね。

気になるといえば、グレンダン内部でもいろいろな動きがありましたねぇ。特にアルシェイラが抱えている秘密は、友だからこそ考えたくないよなあ。でも、そうも言ってられないだろうし、さて、渦中に巻き込まれるであろう彼の子は如何に?

とまあ、いろいろ気になることはあるんだけど、いまいちノリきれなかったんだよなあ。話があちこちに飛んだからかしら。不明なことが多いのも原因かもしれない。
さて、どうしようか。

鋼殻のレギオスVIIII  ブルー・マズルカ - 雨木 シュウスケ

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コンプレックス・デイズ 鋼殻のレギオス Ⅹ

鋼殻のレギオスX  コンプレックス・デイズ (富士見ファンタジア文庫 あ 1-1-10) - 雨木 シュウスケ
「味見を……」
振り返れば、銀髪を輝かせたフェリが立って、ずいと小皿を押し付けてくる。謎の暗黒物体が放つ異臭に、カリアンは目をそらした。
バンアレン・デイ。
ついさっきまで特に気にもしていなかったその名前が、この瞬間、脳裏に浮かび上がった。
(な、なんということだ……)

気になる異性にお菓子を贈るバレンタイン・デイならぬ、バンアレン・デイを巡る三つの物語と、レギオス誕生の謎にまつわる因縁を描いた中編「槍衾を征く」が収録された短編集です。

流行に踊らされたくないと思いながら、ついついレイフォンのことを夢想して、お菓子作りをはじめてしまうフェリが可愛くてしょうがないんですけど、どうしましょう。まあ、念威操者として優秀だからといって、お菓子作りはどうかというと、試食させられる羽目になった兄・カリアンが次の日学校を休んだことから想像できると思いますが。
勢いにまかせて作ったはいいものの、今度はどうやって渡すかを悩み始めて、いっそのこと誰かの勢いを借りようとするあたりが、まったくもって素直じゃないんだからとニヤニヤしまくる僕がいる。

二話目は、同じ日にレイフォンが都市警のバイトで、窃盗未遂犯を追うお話なんですが、体育座りのレイフォンのイラストがかわいかったなあという印象ぐらいしかなかったような。あ、興奮作用をもたらすハトシアの実でゴロゴロするシャンテのイラストも良かった、うん。

個人的にはニーナも参戦してくるかと思ったんだけど、それがなかったので残念だったりする。

で、中編の「槍衾を征く」では、混乱の源とされるディックが、狼面衆やらサリヴァスやらと戦ってましたが、印象に残ってたのは、ニーナが幼いころ電子精霊と出会い、そして深い絆を作っていくところでしょうか。ああ、こういう下地があったからこそ、なんだなあと思った次第です。
狼面衆とディックのやり取りから、ニーナの重要さが伺えますが、さて、これからどうなっていくのかしら。

さてさて、今回は短編集でしたが、次回も同じように短編+中編となるそうです。フェリ話は面白いんだけど、それ以外の学園部分がイマイチなので、次回も同じならどうしようかなあと思う僕がいる。

鋼殻のレギオスX  コンプレックス・デイズ (富士見ファンタジア文庫 あ 1-1-10) - 雨木 シュウスケ

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