キル・ゾーン / 須賀しのぶ
キル・ゾーン ジャングル戦線 異常あり
月や火星へと移住した裕福なものたちは、地球を顧みて驚いた。いつの間にか地球はスラム街と化していたのだ。そこで、地球外の人々が「地球統一政府」をもって統治しようとしたが、地球に住むものから猛反発を喰らった。政府VSレジスタンスの構図は、人的資源が足りない政府に不利となっている。ならば、現地で人を調達すればよいと、政府は高い俸給をエサに、地球でレジスタンスと戦う「治安部隊」を募集し始めた。
そんな治安部隊の一曹長で、女だてらに仲間もしくは上官として圧倒的な支持を受けるキャッスルは、敵に捕らわれた仲間の救出作戦を指揮することになったが、保身を考える上司は手を貸さず、むしろ新人の問題児を助っ人として押し付けてきて……
流血女神伝シリーズの須賀しのぶさんの作品ってことで、手にとってみました。地球外に住む裕福な人々の手足となり、レジスタンスと戦う治安部隊のとある一部隊を描いたお話なんですが、これは面白いですねぇ。ページをめくったら、あっという間に読まされてしまいました。まさに一気読み。
なんといっても、部隊長たるキャッスルがいいですね。なめた口を利く新人たちは、長年鍛え上げた体で、あっという間に組み伏せる気が強さを見せるけど、仲間のためなら無謀ともいえる作戦も躊躇しない情の厚さを見せてくれるところが素敵です。なるほど、仲間たちから、一目置かれる存在であるのもわかる。
また、この部隊にいる人たちが、一癖も二癖もある人ばかりで楽しいんだ。特に副隊長のエイゼンの曲者ぶりといったら!救出作戦に必要なヘリを調達できるかもと言い出したときには、まさかこんな(ある意味)ベタなことをやってくれるとは思いませんでした。軽薄そのもののように見えるけど、味方にしたらこれほど心強い人もいないんじゃないかしら。
この二人の関係は、戦友という言葉では表せないものを感じますが、負い目があるために負担をかけたくないと思うキャッスルと、彼女の後悔に気づきながらそっと支えるエイゼンとのくされ縁以上の信頼関係が、とても素敵でした。
そんな二人のフォローに回るアヴドゥルの三人+過剰防衛の殺人、脱走未遂、婦女暴行未遂を起こした問題児の新人三人で、戦場を駆け抜けるんですが、いわゆる平時とは違う戦場独特の空気を感じられましたね。人を殺す行為に慣れるとは、どれほど自分の心を殺すことになるのか、想像するに重いものがあります。
それをせねば生きられないというは、酷なことではありますが、仲間が心を強くしてくれる存在となってくれたらと、願わずにいられません。
いやあ、面白かった。最後がまたいいですね。どうなったのかというところは見えないんですが、希望を求めて飛び立つ最後のシーンが、とても心に残ります。これならきっと、と思わせてくれます。
新人隊員たちも、まだまだ素直にはなりきれないかもしれないけれど、いい感じに仲間になっていきそうなので、今後どういう成長をしていくのか楽しみです。
キル・ゾーン 戦場のネメシス
キャッスルの部隊に配属された男は、優秀だと言われていた。たしかに腕はある。だがアル中だとは聞いてない。
さて、どうしようかと悩んでいたキャッスルは、あるとき、気づいてしまった。まさか、この男は……いや、そんなはずはない、「彼」がこんなところにいるはずない!
だが、現実は残酷で……
女隊長キャッスルが率いるレジスタンスと戦う治安部隊を描いたお話の第二弾。今回は新たに配属されてきたアル中のスワンプ・ラットが、実はキャッスルの過去に関係する男だったというお話。
ラットがキャッスルを見ていることに、いち早く気づくあたりに、ラファエルの心情が見えますね。っていうか、見え見え過ぎる。指摘されて、真っ赤になって否定する姿に、激しいツンデレさを見ました。純情な男って可愛いなあと思うようになってしまった自分が怖い。
ともあれ、ラットの存在が、キャッスルの心情を掻き回してくれたおかげで、部隊にピリピリした空気が流れてましたが、いや、あの過去があったら、さすがに平常心じゃいられませんよねえ。
母を殺された事、仲間となるための努力が潰れた事、何より初恋の人との信頼を失ったことは、後に、彼女の原動力となったかもしれませんが、だからといって向き合うには辛いものであることはわかります。
らしくなく荒れ、時に八つ当たりし、開き直る姿は、情けなくもあり、哀しくもありました。
こういうとき、キャッスルを諌める事が出来るのは、やはりエイゼンなんだなあ。副隊長という立場以上のものを感じます。うーん、素敵。
ラファエルがキャッスルを思っているのは、もはや確定ですが、キャッスルはラファエル、エイゼンに対してどういう感情を抱いているのか、エイゼンはキャッスルをどう思っているのかが気になるところです。でも、なかなか内面を見せてくれないからなあ。
複雑な人間関係をかもし出している中、レジスタンスに奪取された241基地を、中隊一つで再度奪取するという、どう考えても無謀すぎる作戦が始まったときには、前線に立たないものは……という呆れにも似た怒りを覚えましたが、待ち構えていた悲劇に、いや、悲劇ではありますが、今まで逃げていた男が、最後まで立ち向かう姿を見せてくれたことに、グッとなるばかり。
いやあ、面白かった。手にしたドッグ・タグの重みは、ふたりだけでなく、他の人にも伝わったんじゃないかな。絆の深まりと成長が、きっと彼らを生き延びさせてくれる、幸せを導いてくれると、そう思いたいです。
キル・ゾーン 破壊天使
241基地を奪還してから三週間。ようやく基地へと戻れるようになった。交代要員の到着が遅れに遅れたのは、他の場所でレジスタンスの抵抗が激しいということもあるが、それ以上にコタキナバルの基地に麻薬が流行し始めていることが原因のようだ。中毒患者の大量発生により、戦力がガタ落ちになったという話を聞いて、顔をしかめたキャッスルだが、すでに薬の手は、キャッスルの部隊にも伸びていたのだ!怪我で一足先に戻っていたラファエルは、同じ部隊で同じく怪我で基地に戻っていたトビーの様子がおかしいことに気づき……
女隊長キャッスルが率いるレジスタンスと戦う治安部隊を描いたお話の第三弾。今回は、基地内で流行し始めた「エクスプレス」という凶悪な麻薬に、隊員のひとりが飲み込まれて、というお話。
いやあ、びっくりびっくり。今まで示唆されていたことが(というか示唆だってことにも気づきませんでしたが)、一気に花開いての急展開には驚くばかり。まさか、ラファエルが……。いや、キャッスルのピンチのときに、アレっと思ったんですが、ま、ラファエルだし(って言葉ですんじゃうところが、ラファエルたる由縁か)というぐらいに思ってたんですよ。それが、まさか、こんな展開になるとは……。そうだった、よく考えてみたら、これは未来のお話だったんだ。ジャングルという環境に惑わされちゃいけませんね。
いつの間にやら基地内に麻薬が運びっていたのは、敵の手によるものだというのは気づいても、なかなか広がりを止められないところに、戦争の現実を感じます。眠ることすらままならない前線にいれば……そりゃ現実を忘れられるものに手を出したくもなるでしょうね。
仲間からしたら、殴ってでも止めたいと思うものでしょうけど、この仲間としての距離感が、ラファエルとシドーで差があるところが印象的でした。いや、そんな感じだろうとは思っていたんですけど、シドーがラファエルに対して、あんな複雑な思いを持っているとは思ってなくて。ラファエルのような人は、彼にとってどれほど眩しい存在で、どれほど惹かれているかが伝わってきます。
ラファエルは、今回もキャッスルを思う心がはじけてたなあ。エイゼンにからかわれる度に、そんなことない!と必死に否定する姿が、もう楽しくて楽しくて。エイゼンや他の隊員たちからしたら、こんな楽しいおもちゃはないでしょうね。
ともあれ、戦力を欠いた状態での治安部隊が、レジンスタンスの猛攻に襲われたときのシーンは、すごかったなあ。戦闘シーンは決して多くないのに、なんて圧迫感でしょう。全滅するんじゃないかと本気で思いましたよ。切り抜けられたのは、思い切った判断と、ちょっとした運と、不確定要素な人物の登場があったからでしょうね。
いやあ、面白かった。後半は、今までとはまるで違う方向へと進んだ気がしましたが、ある意味ジョーカーだと思うので、このあたりがどうなっていくのか、すっごい気になりますね。冷血マックスもご同類ってことなので、さて、鬼が出るか蛇がでるか。
キル・ゾーン 密林
森の中では、一日に進めるのはせいぜいが十五キロ。しかし負傷者がいる現状では十キロがせいぜいだろう。だとすると、森を抜けるには一ヶ月はかかる。全員が無事に森を抜けることができるとは到底思えない。誰もが心の中で思いながら、決して口にしなかった言葉が、漏れてしまったのは、敵の狙撃兵が分隊を狙ってきたからだ。
ひとり、またひとりと狙い撃ちされていく恐怖に、キャッスル分隊は襲われていて……
女隊長キャッスルが率いるレジスタンスと戦う治安部隊を描いたお話の第四弾。今回は、レジンスタンスの猛攻から、かろうじて逃げ出したキャッスル分隊が、非武装地帯を目指して、ボルネオの密林を抜けていくお話です。
どこから敵が襲ってくるかわからない緊張感の中で、火気はあっても弾はなく、食料も尽きかけている状態で、約一ヶ月の道のりと言われたら。恐怖にとらわれて、非人道的になことも行ってしまうのかもしれない。仲間であったにもかかわらず、怪我人を足手まといと思うようになっていく心の影が恐ろしかったですが、こういったところもケアしていかねばならないんだから、隊長は大変だよなあ。
自分に対する甘えを許さないキャッスルが、内へ内へといきそうなとき、アヴドゥルの言葉や、ラファエルの能天気さが、支えとなってくれたところは、ほんと良かった。
今回もラファエルがいろいろと嫉妬光線を振りまいてくれて、楽しい思いをしましたが、その嫉妬の視線の先にいるエイゼンの心が見れたのは、個人的に興味深かったです。
キャッスルへ向ける感情は、ちょっと怖いと思いましたが、ある意味、本能的なものだよなあ。体はそういう風にできているんだから、それをどう抑えることができるかで、その人の心が決まるわけで。
支えになりたいのに負担となってることを悔やむキャッスルの思いは分かるけれど、ここはエイゼンを気持ちを汲んで……と思ったら、エイゼンはやけに暗い感情が目に付きますね。それでも、彼女のために動いているところにエイゼンの複雑な気持ちを感じられますが、それでも、この仲間と共にいるのであれば、きっと未来は開けると……思いたいけど不安だなあ。
近いうちに任期を終えるであろうキャッスルに、何が待ち受けているのか気になるばかり。
それにしても、あんなことまでしたのに、キャッスルからまるで男と思われてないラファエルに、涙を誘われる(笑)。
キル・ゾーン 嘘
ボルネオをこのまま放置しておくわけにはいかない。だが、奪回するほどの兵力はない。ならば、残された途はただ一つ、破壊しかない。基地司令部の討議の結果、ボルネオのコタキナバル基地は、空爆することになったが、あちらには人質がいる。空爆が決行される二週間後までの間に、キャッスルたちは再びボルネオ入りし、人質を取り返すよう指令が下ったが……
女隊長キャッスルが率いるレジスタンスと戦う治安部隊を描いたお話の第五弾。今回は、レジンスタンスの猛攻から、辛くも逃げ出したキャッスル分隊に、人質救出作戦のため、再びボルネオ行きが命じられるお話です。
人質がいるから助けに行く。それはいいんだけど、たったふたりのために、それよりも多くの兵士の命が奪われるかもしれない作戦ってのは……と、思わず、人の命を数で数えてしまったけれど、作戦を決行する人たちの身からしたら、そう思うのもわかる気がしました。
でも、助けてくれるかもしれないと思うからこそ、人質となっても生きようとする気力も沸くんだろうし、このあたり難しいですね。
で、このボルネオへの救出作戦で、いきなり襲ってきたエイゼンショック!言われてみたら、思い当たる事は多いけど……信頼がこういう形で成り立っていたなんてきついなあ。
いっそのこと、キャッスルも、自分の気持ちをぶちまけてくれればいいのに、なまじ理屈を理解してしまうから、溜め込んでいく悪循環は、よくないですよね。
とりあえず、そのあたりは、ラファエルが和らげてくれてますが、それでも支えを失ったことは、大きな出来事でしょうね。
それでも見えてしまうキャッスルの信頼と、エイゼンの中にある複雑な気持ちが、辛いです。
それにしても、戦場での非人道的な出来事は、そういうものだとわかっていても、心に痛いものがあります。いや、本当はあってはいけないことなのに、それが平然となされるから、なすことに心を痛めない人が生まれてしまうから、戦争が無くならないのではないかと思ってしまいますが、ここで怒ることができるキャッスル隊のメンバーは、まだ大丈夫ですよね。
できれば、シドーには、今回救われた人を癒してあげて欲しい。あなたならできると、そう思うから。
ちょっと荒む気持ちばかりが目立つ本作でしたが、その中で清涼剤になってくれるのは、やっぱりラファエルだなあ。だんだんと、キャッスルへの思いを表に出すのに照れがなくなってる?かな。シドーへ打ち明けるときとか、何か学生の修学旅行の夜みたいな雰囲気で、微笑ましいものがありましたが、ボルネオへ近づくにつれて、様子がおかしくなるときは、また覚醒するのかと思ったら、妙な展開になってきましたねぇ。
マックスとのハレーションっぽいことから、まさかの人まで目覚めてきたけど、今後どうなっていくんだろう。ただでさえ、キャッスルは支えを失ってる状態なので、早いところ合流してくれないと、やばいぞやばいぞー。
キル・ゾーン 赤と黒
キャッスルたちが人質奪還作戦から帰還して四日が過ぎていた。近いうちに、かの地に航空部隊が空爆を行う事になったが、キャッスルたちも警戒に当たるべく準備と訓練を行なっていた。だが、キャッスルの訓練には、部隊の誰もついてこれない。エイゼンの不在と、何よりラファエルを失ったことが、彼女の歯止めを聞かなくさせているのだ。
そんな折に、予定より早くエイゼンが帰還したが……
女隊長キャッスルが率いるレジスタンスと戦う治安部隊を描いたお話の第六弾。今回は、空爆を控えて荒んだキャッスルのもとへ、エイゼンがもどってきて、というお話。
キャッスルたちがボルネオへ向かう前のエイゼン側の様子が見えたりしましたが、お金で割り切れないが故のエイゼンの複雑な気持ちが見えますね。素直に……なれない過去があるんだろうなあ。例の人の部下であるメイエとの関係が大いに気になる。
ともあれ、戦場では強くとも、普段は何かと折れやすいキャッスルが、エイゼンのこと、ラファエルのことで、荒んでいくところは、見ていて痛々しいなあ。なまじ出来る人なだけに、こういうとき、寄りかかることが出来る人がいないってのは辛いですよね。
エイゼンが戻ったとき、わだかまりを残しながら、思わず口走ってしまった事は、彼女にとって、一生の悔いになりそうだけど、そこで安易な慰めに走らなかったエイゼンに、彼女の思いを感じました。ああ、もう、なんで素直になれないかなあ。ぶつぶつ。
一方、ラファエルを手にしたマックス側ですが、圧倒的かと思ってたサリエルが、意外にも短気な姿を見せてましたね。力はあっても、状況次第ではマックスのが上かもしれない。目的に対する行動などを考えると、今後この二人の駆け引きがどうなっていくのか、楽しみだなあ。
いやあ、面白かった。「力」については、ちょっと強すぎるんじゃね?みたいなものがあるんだけど、それを取り巻く人間ドラマに引き込まれっぱなしです。
最後に来て、サリエルすら驚くような引き合わせで、ラファエルがキャッスルの元へ戻ってきましたが、サリエルの心が歪んでる気がしないでもないので、エイゼン、キャッスル、ラファエルの関係がどうなっていくのかとか、キャッスルはともかく、彼の力の一端を部隊の人たちが知ってしまったら、どうなるんだろうとか、今後の展開が気になるばかりです。
そういえば、前作でちらっと出てたグッドリーとシドーがいい具合になってたなあ。できれば、今後も出て欲しいですね。そしていつかは……。
キル・ゾーン 罠
キャッスルとその上官ゲヴァラに、特別戦功章が与えられるという。そのために、わざわざ首都へ向かうとは、何とも無駄のように思えるが、お偉方の意向に逆らうわけにはいかない。
仕方なしに、お迎えの飛行機へと乗り込んだが、式典には、思ったとおり、父の姿があって……
女隊長キャッスルが率いるレジスタンスと戦う治安部隊を描いたお話の第七弾。今回は、救出作戦の成功を称えられたキャッスルが、勲章を授かるために首都・アクラへ向かうお話です。
せっかく戻ってきたラファエルですが、いろいろ災難ですねぇ。まあ、あの体の秘密を何となくでも知ってしまったら、気味悪がるのはわからなくもないですけど、彼をスパイとして疑うのはどうかと思います。ぜってー無理だから。なんせ、戻ってきて早々、エイゼンを相手に嫉妬ビームを見せてくれるんですからね!ああ、もう、ラファエルが可愛くてしょうがない。
キャッスルとしては、彼を思う気持ちはあるんだろうけれど、うーん、どうなんだろうなあ。まだ弟的な感じなのかしら。エイゼンとの間に溝が生まれてからは、無理やり男と思おうとしてるような気がしないでもないので、このあたり気になるところ。
とまあ、そんな迷いを持ちながら、アラクへと向かったキャッスルですが、途中でグッドリーと仲良くなれたのは良かったなあ。そういえば、今まで女性を相手にすることなかったもんなあ。できれば、グッドリーには、シドーの側にいて欲しかったけど……どうなるんだろう。あ、でも、キャッスルのアレであれしたから……可能性はあるか。
今回はキャッスルの父、クリストファー・オブライエンがいる地へと向かったおかげで、クリストファーとその部下メイエとエイゼンの関係が見えてきました。あー、なるほど、それでエイゼンなのか。そうなると、やっぱりエイゼンとしても、キャッスルを思うのは、難しいよなあ。このあたりが、彼の煮え切らないところなのかもしれない。ラファエルみたく真っ直ぐ生きられないところに、不器用さを感じますね。
さて、この状態でキャッスルはどうするのかと思ったら、予想外の方向から手が伸びてきたなあ。って、良く考えたら、タイトルが「罠」じゃないか。予想しておこうよ>自分
いやあ、面白かった。
最後の最後にやってくれたのが、今まであまり目立つ事の無かったゲヴァラだってところが、スゴイ良かったです。自身の首をしめるかもしれないのに、エイゼンを呼び出して告げた彼の言葉は……。ああ、もう格好つけやがって!思わず大好きだーと叫びそうになりました。
いつかまた、会えますようにと、切に願う。
さーて、これから罠にかかったキャッスルを救出するために、彼女の隊員がどう動くのか、とても楽しみですね。
キル・ゾーン 罪
「あなたがアイロスを釣る餌だからよ」―それがラファエルを意味する名前だと知ったとき、キャッスルは大きなショックを受けた。まさか、彼が……。だが、否定することができなかったのは、ラファエルの体の異常を感じていたからだ。逃げられもせず、どうすべきかとキャッスルが悩んでいる最中、エイゼンたちキャッスル隊の五人は、飛行機で首都アクラへと向かっていた。ところが、途中からラファエルの様子がおかしくなり……
女隊長キャッスルが率いる治安部隊を描いたお話の第八弾。今回は、失踪したキャッスルを追ったキャッスル隊の五人が、首都へと向かったら、ラファエルの様子がおかしくなり……というお話。
前作の終わりで、キャッスルに声をかけてきたのが誰かと思ったら、マックスだったのか。似ても似つかぬイラストだったので、新たな人かと思ったのに、そこまでいろいろできるとは、さすがスーパーサイヤ……じゃなかった遺伝子操作人。
それにしても、ついにキャッスルがラファエルの秘密を知っちゃいましたね。ラファエルの性格をわかっていても、それでも怖いと感じるものはあるだろうなあ。エイゼンのことがあってから、おそらく反抗心から、ラファエルに視線を向けたキャッスルだけど、これでまた彼女の心は揺れそう。
ただ、そんなキャッスルを見て、言わなくてもいい脅しをかけるマックスは……、ラファエルが羨ましかったんだろうなあ。思ってくれる人がいる。そんなことに心が反応してしまうのは、ひょっとしてラファエルやサリエルに出会ったことの影響なのかしら。目的のために手段を選ばないような冷血さの仮面が、ほんの少し剥がれてきた気がしないでもない。
で、キャッスルを追いかけてきたエイゼンだけど、なるほど、相手のほうが一枚上手だったか。いや、これは、例の人の動きを予想すれば、むしろ当然だったかも。エイゼンが予測できなかったのは、やっぱりキャッスルという存在が、彼にとって大きいものだったから故の焦りだったんだろうなあ。
それにしても、過去の因縁の人と出会ったシーンで、エイゼンってのは、人をひきつける魅力があるんだなあと改めて実感しました。キャッスル隊の他のメンバーも、自然と寄りかかるようになってるし、のほほんとしながらも、広い視野とさりげない手助けで、支えてくれる彼の姿は、きっと過去も今も、憧れの存在なんだと思います。
このあたりの気持ちは、僕もい一緒で、彼ならきっと何とかしてくれる……という気持ちがどこかあっただけに、ラストで愕然としました。嘘だ……。いくらなんでもあっけなさ過ぎるよ……。
目覚めが近いラファエルが、もしかしたら暴走するかもしれないという状態にあるというのに、いったいどうなるのか、気になるばかりです。
そうそう。本編の跡に、キャッスルとエイゼンの出会いを描いた「バディ システム」という短編も収録されていました。エイゼンとバディを組んだ若き日のキャッスルが、警戒心丸出しの状態から、心を開いていく様が見えて、いい感じでした。たとえ、彼の思惑を知っていたとしても、それでもこの暖かさは嘘じゃないと思えます。だからこそ、あの、二人の間に深い依存を生み出した事故が起きたんだろうなあ。
あのとき、血の気の引いたキャッスルにむかって発したエイゼンの言葉は、無意識だからこそ、思いの深さを感じました。
キル・ゾーン 別れの日
マックスによって連れてこられたラファエルは、強制的に眠りにつかされていた。このまま分裂期に入ったら、ラファエルはその力を存分に発揮して、すべてを破壊してしまうだろう。だが、傍にユーベルメンシュがいるだけで、覚醒の刺激になり、さらにこの場にはラファエルの思い人、キャッスルまでもがいるのだ。制御装置に繋がれながらも、ラファエルの力は覚醒は止まらない。このままでは危険だと判断したサリエルは、マックスのみならずキャッスルをも手に掛けようと決意して……
女隊長キャッスルが率いる治安部隊を描いたお話の第九弾。今回は、全てを知ったキャッスルと、目覚めたラファエルが再会して……というお話。
「半身」の話は、キャッスルからするときついよなあ。せめてラファエルを支えよう、と思っていたのに、その役目すら危ういんですから。「ラファエルの傍にいる事ができるか」というE-74の言葉に大きな重みを感じて堪えますね。
ただ、「半身」を持つとはいえ、E-74の「力」に対する思いなどを見ていると、ユーベルメンシュとて、それほど特別というわけではないところが見えてきたので、今後、キャッスルたちと共に行動するようになったら、E-74もマックス同様、変わってくるかもと思ったりする。
それにしても、久しぶりにラファエルがキャッスルへの思いを見せてくれたなあ。守りたい人へ向ける思いは、子供っぽく思うほど純粋で、くすぐったくなるものがありましたけど、あやすようなキャッスルとのやり取りは、とても微笑ましいものがありました。見せ付けてくれやがって……ジャマしたマックスに思わずグッジョブ!といいそうになりました。
個人的には、キャッスルはエイゼンとくっついて欲しいんだけど、まあここでは許して差し上げる(何様だ)。
肝心のエイゼンはどうなったのかと思ったら、やっぱりオブライエンが動いてたか。何気にいろいろ手を回してるよなあ、このおっさん。
前作を読んだときには、下手に出てるように見えるけど、もしかしたらマックスを喰ってしまうんじゃ……と思ったけど、ラファエルが完全に目覚めてしまった事で、追い詰められムードがむんむんしてきて、かなりいい気味だと思ってる僕がいる。
オブライエンの行く末については、メイエとグッドリーが鍵を握りそうですね。
とまあ、ここ数巻いろいろあったので、全員が交流したときは、ほんと嬉しくなりました。久しぶりにキャッスルの快活な命令が聞けて、やっぱこうじゃないとと思う僕は、別に命令されたがってるとか、そういうのじゃないですよ。たぶん。
みんながいる。その安心感があったから、最後は切なかったなあ。
今後、火星が絡んでくることを考えたら、キャッスルの決断は間違っていないと思います。ただ、相手を思うが故だとはわかるけれど、わかるからこそ、辛かったです。
そして何より辛かったのは、シドーとグッドリーの関係ですね。シドーが思わず口にした言葉は、彼の本音であることがわかるから……共にいて欲しかった。あの場で引いたシドーの心を思うと、ほんと涙が出そうになったけど、いつか、という思いが、彼らの未来を繋いでくれたらと、そう願いたくなります。
キル・ゾーン グッドモーニング・ボルネオ
別の部隊の兵士が、二人の前に倒れこんできた。慌てて医者を呼ぼうとしたが、本人は聞き入れない。とりあえず宿舎へ運ぼうという段で、相手が女性兵士だということに気づいた。美しきティナ・マクファーレン伍長にラファエルは照れていたが、シドーは彼女の様子から、ひとつの推測をした。もしかして、彼女は妊娠してるのでは……?
本編の続きではなく、番外編って扱いになるのかな。ラファエルたちがキャッスル隊に入った直後ぐらいのお話なので、、ああ、このころは、キャッスルのことを鬼軍曹扱いしてたんだなあと、ラファエルの様子に思わずニヤついてしまいます。今では大好きなのにね!
っていうか、ラファエルってこんなに食い意地はってたっけ?と思う描写が多かった気がするけど、餌付けされて懐いたり、女性に誘われても気づかない鈍さが、ラファエルらしくて可愛い。
それはともかく、妊娠したティナ・マクファーレン伍長が、子を産むと言い出したから、さあどうするというところから、話が発展していくんですが、そりゃ治安部隊からしたら、動けない兵士など必要ないので、おろすという選択肢の方が、普通なら正しいよなあ。
それでも、産むという決意をするあたりに、彼女の思いの強さを感じるんですが、同時に相手の名前を出さないあたりに、なんともいえない臆病さも感じて、この微妙な心がやるせない。
相手が誰かってところで、疑われたエイゼンは、まあ自業自得だと思うけど、そこで誤解をそのままにするエイゼンが格好良かったなあ。なんていうか、こういうとき、支えてくれる雰囲気をもってますよね、エイゼン。皆が頼る気持ちが分かる気がします。
おかげで、周囲の人には、キャッスルとの仲を誤解されたり、ラファエルの子供っぽい意地悪を受けたりと散々でしたけど、ま、自業自得ってことで(笑)。このあたりのエイゼン話は、すっごい楽しかった。
ともあれ、ようやく発覚した相手の素性から、ああ、なるほどと彼女の気持ちがわかるような気がしました。みっともなく振舞える勇気って、大人になればなるほど難しいですよね。
愛しながら、それでいて臆病になる。このあたりのティナや、そのお相手の心情に、キャッスルは理解しがたいものをもっていたようですが、それでもなお、彼らのために戦うキャッスルの姿は、美しいと思いました。やっぱりキャッスルは、怒ってるときが一番綺麗な気がする。
いやあ、良かったですね。
死を直前に迎えた男が、愛する人のために生きたいと願う。その思いが素敵でした。これからのふたりの行く末には、ひょっとしたら切ないものがあるかもしれないけれど、それでも……と思えるハッピーエンドに満足です。
キル・ゾーン 異分子
「居場所さえ全くわからないなんて、情けないと思わない?マックスの話じゃ、ラファエル攫いに来たのは、女二人なんでしょ?たった二人。なのに、この偉大なる都の軍隊と情報力をもってしても、全く居場所が掴めないなんてね」
「だけど、その二人って火星の保安部員なんだろ?しかもユーベルメンシュだってんなら、仕方ないんじゃない?」
「マックスだって同じユーベルメンシュでしょ。なのにしてやられるなんて、あいつもほんとバカね。同種の気配には敏感だなんて昔は散々威張ってたくせに、今は全然わかんないときたもんよ。使えないったらないわ」
レジスタンスと戦う治安部隊の一部隊を率いていた女隊長キャッスルが、治安部隊を抜けて、副隊長であり護衛でもあるエイゼンと共に、隊員であるラファエルを追って火星へと向かうところから始まる第二部開幕のお話です。
なんか、マックスとかE-74たちと、だんだん仲良くなってるなあ。おそらくはエイゼンののほほんとした雰囲気が、相手の壁を取り払ってくれるんだろうけれど、冷血だったマックスが時々見せる情けなさに、クスっと笑ってしまいます。マックスとE-74の関係も、なかなか楽しいものがあって、このまま四人がいい関係になってくれたらと思わんばかり。
で、宇宙へと飛び出していったキャッスルたちですが、てっきり火星で話が進んでいくのかと思ったら、その前で足止めを食らうとは思わなかったけど、ふたつの惑星の間に、AからHまでのコロニーが存在するのであれば、それも当然か。月と火星の勢力争いのおかげで、いろいろあるみたいだけど、そのコロニーEで、駐留部隊司令官が暗殺されたことから、一気にきな臭くなってきて、面白くなってきましたよ。
てっきり月と火星の争い話になるのかと思ったら、火星の中での勢力争いが見えてくるんですからね。ラファエルという存在のキーマンっぷりが、気になるばかりですが、そのラファエルを強奪していったのは、マックスとは別の派の、というか、ぶっちゃけるなら、最もラファエルが嫌っている人間なんですが、嫌な空気が流れてるなあ。洗脳とは違うんだけど、母へ思いなどを利用して、そっとそっと、ラファエルの壁を溶かしていくところに、不安を覚えます。ああ、ラファエル。頼むから、キャッスルを支えにしてくれよ。
とまあ、ラファエルを巡る勢力争い上の敵の思惑によって、キャッスルたちがピンチに陥るわけですが、大ピンチと思えなかったのは、今までのジャングル内のほうが、よっぽど危険極まりなかったからかな。それともマックスとエイゼンがいたからかしら。
切り抜けていくところで、緊迫感を呼ぶよりも痛快さを感じることの方が多かったですね。面白かったです。
とはいえ、一難去ってまた一難状態なので、さて、これからどうなっていくのか、とても楽しみ。
そうそう。本編の後ろのほうに、キル・ゾーンキャラクタの「イラストアルバム」と須賀しのぶさんの「ボルネオ旅行記」が乗っていました。
イラストでは、CM撮りされたときのキャッスルの姿がすごい格好よかった。あれはラファエルでなくても惚れる。間違いない。笑えたのは、階段からずり落ちてるマックスの姿ですね。ああ、そうだ。ブルーブラッドも読まないとなあ。
ボルネオ旅行記。こういうの読んでると行ってみたくなるけど、出不精なので行かないのは間違いない。旅行記なので写真も載ってて、初めて須賀忍さんの顔を拝見しました。うふ。
キル・ゾーン 激突
「ここから出られるなら、本当に何でもするかい?」
「……お、おう」
「そうか。では明日、陸戦部隊の人間を連れてこよう」
「あ?」
ユージィンは微笑みながら、なんでもないことのように言った。
「おまえは、彼らと一緒にコロニーEに行くんだよ。アイロス」
23世紀。地球の治安部隊としてレジスタンスと戦っていた女隊長キャッスルと副隊長エイゼンが、火星の権力争いに巻き込まれていくという第二部の第二弾。今回はキャッスルたちが足止めを食らっているコロニーEで、火星の駐留舞台と月の部隊が「激突」するお話です。
ユーベルメンシュの考え方というのが、かなり特殊だってことが見えてきましたね。上に立つものに、絶対の服従しているわけでないってことだけど、でも、権力者からしたら、便利な「兵器」だよなあ。例の力があればあるほど、そうなるのかしら。
そう考えると、マックスはかなり異分子なんじゃないかしら。今回も、キャッスルたちのために動いたり、E-74を助けたりと、今までにない姿を見せてくれて、個人的好感度超アップ中。半身との間にあったことが関係しているのであれば、どれほどのことがあったのかしらと気になるばかり。
ユージィンの思惑も気になるけど、そんなユージィンに操られ始めてるラファエルも、うーん。まあ、もともと子犬っぽいところがあったので、孤独とかに耐えられないんだろうなあ。力があっても、ってことか。それ以上に、ユージィンの誘導がうまいのかもしれないけど。
肝心のキャッスルたちは、いつの間にやら火星の部隊の一員として戦う羽目になってたけど、敵の女兵士サウマフィの狂気っぷりをみて、自分も……と苦悩するあたりが、まじめですよねぇ。まあ、こういう人だから、みながついてきたんだろうけど。
悩みながら、迷いながら、それでも生きるために、声を張り上げて戦う姿が、とても良かったです。
そして、ようやく、ようやくの再会。ユージィンのことだから、直前ですれ違いでもさせるのかと思ってただけに、なんかすっごい嬉しかった。
ラファエルの喜びようはともかくとして、同じように嬉しいのに、それでも決してラファエルを甘えさせず、きっちり説教するキャッスルが素敵でした。さすが、隊長。ラファエルの扱いに、長けてるぜ。
ああ良かった……と思ったら、なんだかまたまた、きな臭い動きがありますよ。マックスの兄が登場してきたけど、これがいい味出してるなあ。いったいこの兄弟に何があったんだ?
おかげで、キャッスルはクリューガーの元へ、ラファエルはユージィンの元へいくことになりそうですが、さて、ここからどうなっていくのか、楽しみです。
盛り上がってきた!
キル・ゾーン 宴
「俺、がんばるから。キャッスルにバカにされないように、ちゃんと強くなるから」
そう言って、ふいに赤くなる。
「そうしたら……また、会いに行こうと思うんだ。……会ってくれるか?」
23世紀。地球の治安部隊としてレジスタンスと戦っていた女隊長キャッスルと副隊長エイゼンが、火星の権力争いに巻き込まれていくという第二部の第三弾。今回は、元首ユージィンが、先日のコロニーEで大活躍して一躍時の人となったラファエルをお披露するという「宴」に関わるお話です。
表紙とタイトルをみただけで、すっげーワクワクしちゃいましたが、いやあ、楽しかった。期待にそぐわぬ「宴」でした。なんせ、キャッスルが美女に大変身するんですからね!
ただ、完成品はとてもきれいなんですけど、そこに至るまでの道のりが、お笑い満載でしたねぇ。ドレスとかヒールとかに悪戦苦闘したり、淑女然たる態度を取るために、きびしい教育を受けてヘロヘロになったり。
普段、キャッスルってしっかりものなイメージがあるから、こういうちょっと情けない姿を見ることができると、ニヤニヤしちゃいますね。やっぱり、キャッスル好きだ。
その間、エイゼンはやることなくて、飲んだくれてたんだけど、さりげなく身元保証人になってくれた情報部長官ヴィクトールと、情報バトルしてたりするから心臓に悪い。
一方のラファエルは、やっぱりキャッスルと再会できたってのが大きいよねぇ。別れることになっても、今度はユージィンに誘導されることなく、自分の思いを貫き通すんですから。いや、ちょっと危なかったりするんだけど、ユーベルメンシュとしての思いを汲み取るようになったあたりに、大きな成長を感じます。
E-73と74のために動いたところなんか、ほんと素敵で、人て一気に成長することがあるよなあと思いました。
そんな格好いいところを見せてくれたラファエルですが、宴の場でキャッスルを見たときの動揺っぷりといったら!視線釘付け、周囲の人も、ラファエルの気持ちが丸分かりになる様子が、可愛いったらないです。母たるアンゲリカとの間に、壁があることを知って落胆してただけに、こういう姿を見れたことは嬉しかったなあ。
ただまあ、キャッスルの思いは……、相変わらず微妙なところがあるようなないようなだけど。
とまあ、和やかなはずの宴が、最後に混乱を呼ぶところは、この二人がそろってるから仕方ないところだけど、ともあれ、再び場所が地球へ向かうっぽいですね。シドーやグッドリーと再会できることを期待したいと思います。
キルゾーン 来たれ、壊滅の夜よ
「なぜよりにもよって、士官大学なんだ?」
「なんかまずいですかね?」
「……まずいも何も、君が軍幹部になったりしたら、私は亡命する」
「え、ひどいな。だってホラ、俺って結構銃器類とか興味あるし、べつに将来なりたいものとかないし、タダでメシの保障もしてもらっちゃって、堂々とそういうの使える立場っていいかな、なんて」
エイゼンの過去が語られる番外編。キャッスルの兄サウルやメイエなどと過ごした士官学校時代の出来事が描かれているんですが……、エイゼン、なんて理由で士官学校を目指してるんですか、あんたは!進路相談を受けた先生にご愁傷様と声をかけたくなりますが、根拠レスな自信は、既にこのころには出来上がっていたのね。
それにしても、独特の雰囲気がありますよねぇ。入学式の最中に寝るような人なのに、どこか一目置かれるもの分かる気がします。サウルが何かとエイゼンを気にかけるようになったのも、この雰囲気に惹かれたからなんだろうなあ。
他人の視線をまったく気にかけなかったエイゼンが、サウルだけは認めていくあたりのやり取りが、すっごい好きでした。
あと、メイエと仲良くなっていく過程も、エイゼンらしいですよねぇ。嫌われてることをものともせず、ちょっとずつ、ちょっとずつ懐柔していく手腕がさすがというかなんというか(笑)。
お堅いメイエが、初めてエイゼンに見せたときの笑顔とか、ほんと素敵でしたよねぇ。あれは、エイゼンでなくても惚れると思いました。
が、それほどの相手であっても、あっさりと諦めきれるのがエイゼンで。
このあたりの執着心のなさとかは、時々ゾッとするものがあったんですけど、このあたりは、彼の家庭の問題もあったんですね。いや、家庭にその責任を押し付けるのもどうかと思うけど、休暇中に姉の家にもぐりこんだときの出来事は、やはり彼の性格の破綻の一部を表しているように思えました。
それだけに、例の事件がおき始めたときは、不安でいっぱいになったんですが……やはりそうなったのか。もし。なんて言葉は、軽々しく使いたくないけれど、それでも、もしサウルが例のところに所属していなかったら。あるいは、サウルが学生総長でなかったらと、考えてしまいます。
もはや人の力ではどうすることもできない、大きな流れに身を任せることになり、破滅への道を突き進んでいったサウルやエイゼンたちでしたが、あの時、裏切りものの名を課せられることになったエイゼンがいたからこそ、サウルは、最後を迎えることができたんだと、そう思いました。
あー、もう切ないなあ。いつか、エイゼンは、姉の予言とも言うべき言葉を振り払うことができるんでしょうか。それとも、その行動を続けていって、自らを滅ぼしてしまうんでしょうか。シリーズが終わるまで、彼の行動には目を離せません。
人は、変わることなどできないのよ。
だからあんたは、最後になにもかも壊したくなるのよ。
キルゾーン 虜囚
あの若き元首は何を目指しているのか。
一国の元首では物足らず、世界の覇者になろうとでもいうのだろうか――
23世紀。地球の治安部隊としてレジスタンスと戦っていた女隊長キャッスルと副隊長エイゼンが、火星の権力争いに巻き込まれていくという第二部の第四弾。今回は、火星社交界に鮮烈なデビューを果たしたキャッスルを巡って、火星の元首ユージィンと情報部長官ヴィクトールの思惑を張り巡らすお話です。
いやあ、ユージィンの曲者っぷりが目立ちますねぇ。アレを手がけたことや、妻へ手がけたこと、そしてキャッスルに近づいてきたことなど、何を考えているのかさっぱりわかりません。のらりくらりとかわしながら、気づけば彼の思惑通りに進んでいるところには、何とも言えない苛立ちを覚えました。いや、ほんとユージィンに対峙する人は大変だ。
というわけで、宴の後のお話から、火星都市が月面都市と直接対決すべく地球へと向かうことになり始めるわけですが、久しぶりに地球方面の話が出てきてくれて、すっごい嬉しかったですよ。何といってもシドーのそばに、彼女がいてくれてるんですから!まあ、二人でってわけじゃないけど、はたしてどんな距離になってるのか、勝手に想像してニヤリとしてたりする。
他にも、番外編で登場してたリグ、ティナ、そして今まで出番はそれほどなかったけど、結構重要な位置にいるんじゃないかと思われるメイエなどが、火星都市の動きに合わせて、繋がりを見せ始めてくれたので、これはきっと何かしてくれるでしょう。すっごい楽しみだなあ。
火星の方では、ラファエルが大人気なんですけど、ユーベルメンシュとしてではなく、ペット的扱いなところが、何ともらしいものがあります。女の子に囲まれてるラファエルを面白くなさそうに見るキャッスルに、あらあらと思いながらも、うーん、どうなんだろうなあ。未だキャッスルの感情がよくわからない。
まあ、本人も自分を女だということを忘れてるような感じなので(どう考えてもユージィンは、狙ってるだろうに!気づけよ!)、そっち方面の感情は、ちょっと疎いのかもしれないですね。とはいえ、社交界デビューで女らしさを磨いたことやヴィクトールの件で、少しは変わったりするのかなあ。彼女の心の動きにも注目したいです。
これから盛り上がっていくよという状況を作り上げるための一冊という感じでしたが、いやいやどうして面白い。特に、よりによって出立間際に……という大ショックな誤解を生み出すラストには、いったいどんな状況になっていくのか、予想がつかなくなってきました。これは気になりますねぇ。続きがとても楽しみです。
キル・ゾーン 背信者
「なんか、気持ち悪いぐらいね」
周囲を見回し、キャッスルは眉を寄せた。隣を歩くエイゼンも、肩をすくめて同意する。
「たしかにこんなに静かなのは、珍しいね。やっぱり噂は本当かねえ」
「噂?」
「元首が倒れたって」
23世紀。地球の治安部隊としてレジスタンスと戦っていた女隊長キャッスルと副隊長エイゼンが、火星の権力争いに巻き込まれていくという第二部の第五弾。今回は、ラファエルが火星を離れた間に、キャッスルの心に変化が生まれて……という間に、そこいらにいる「背信者」たちが動き始めるお話です。
うわあ、ショック!よりによって、ユージィンにだなんて……。ぶっちゃけ、ほかの誰でもいいけど、ユージィンだけは嫌なんだよなあ。僕の中では、彼女とユージィンという組み合わせは、なんかしっくりこないんで。っていうか、邪眼のことはわかっているだろうに、それでも堪えきれないというんだから、恐ろしいよなあ。憔悴するほど、別方面に打ち込む彼女の姿が痛々しいです。
それにしても、ユージィンが語ったユーベルメンシュの物語は、なんかすごいお話な感じだなあ。これってブルーブラッドシリーズで語られてたりするのかしら。大いに気になる。だからといって、ラファエルまでもが……と思うんだけど、大きな力を感じるなあ。はたして、運命はどう回っていくのか楽しみでしかたない。
一方、地球では、背信者たちが動き回っているわけですが、ここで一番意外だったのは、オブライエンの動きでしょうか。今までは思慮深い人に思っていたんだけど、見えてくる事情からすると思ったよりも、言い方悪いけど、投げやりな感じがする。うーん、サウルやレジーナの目から見た父親像とは、また違ったものがあるんだなあ。
父親といえば、まさか彼女の父親が……ってのは、今後どう動くことになるんだろう。ああ、ドキドキする!
例の件でショックを受けているかと思ったラファエルですが、まあショックは受けているんですが、間違った形でも、母親の愛情を感じたおかげで、それほど弱ってはいないかな。今までにない力を発揮することで、「兵器」となってることに気づいているのかどうかわかりませんが、でも、あの性格のおかげか、周囲にいるユーベルメンシュたちにも、いろいろ影響を与えているのがいいですね。っていうか、E-74、あなた性格変わりすぎ。可愛いからいいけど。
気づけば、更なる謀略を企ててるユージィンですが、マックス……いや、諜報活動となったら仕方ないのかもしれないけど、仕事のために女と寝るってのは、なんか、こう、似合わないような、ぴったしなような、なんとも言えない気持ちになったのは、僕だけかしら。
そこいらでいろいろ動きがあるけれど、やっぱり一番ショックはメイエの話だよなあ。それほどまでに脅威だったのかしら。落ち着いて対処すればいいものを、逆に余裕のなさを感じます。
そこへさらにキャッスルが向かうことになるんだから、さあ、いったいどうなるのかしら。
続きがとっても気になります。
キル・ゾーン 罰
こんなにラファエルと会うのが怖いのは、ラファエルが大切だから。彼を傷つけてしまうことがわかりきっているから。
そして ― きっと、ラファエルに軽蔑されてしまうから。
「きっとそれが、何よりの罰だわね……」
23世紀。地球の治安部隊としてレジスタンスと戦っていた女隊長キャッスルと副隊長エイゼンが、火星の権力争いに巻き込まれていくという第二部の第六弾。今回は、火星軍に入隊したキャッスルに、憎き父・オブライエンを保護するという任務が与えられて、地球へと向かうことになるお話なんですが……
あー!まさかまさか、本当にそうなるとは思わなかった。地球へと向かう前日の夜の出来事が、あまりにもショックで、下世話と思いながら、そっちばっかり気になってしょうがなかったです。そこまで、かの人の存在が大きくなってたなんて……。
思いを隠しきれないところに、キャッスルの弱さを感じますが、そもそも彼女がここへ来た理由が、ラファエルであっただけに、苦悩を見ているのがつらかったです。なるほど、罰かと思った次第。
一方、ラファエルは、ユーベルメンシュとしてのふてぶてしさを見せ付けながら、仲間に対しては甘くて、同調という自分の力を使っていってるんですが、うーん、大丈夫なのかなあと、E-59じゃなくても心配になってしまう。
っていうか、E-59。いらなんでもジョセフィーヌは……いえ、なんでもありません。
早々に再会が訪れてしまうところには、心が痛くてしょうがなかったですが、ここでシドーに会えたのは、ほんと嬉しかったなあ。自棄になっていたラファエルが、仲間と出会えたことで、心の均衡を取り戻し、誇りを思い出していくところが良かったです。やっぱり、彼らの原点は、キャッスル隊にあるんだよなあ。
個人的に印象に残ってるのは、キャッスルとオブライエンの対面ですね。今の自分の心にある愛が、憎いという感情だけを向けていたはずの父を、少しだけ許せるようになるとは、何とも皮肉を感じます。
でもそれ以上に、オブライエンのキャッスルに対する思いが良かったです。真実はどうあれ、親として子へ告げる言葉に、その言葉に込められた思いに、涙が出そうになりました。
いやあ、面白かった!
エイゼンの怒りが見えたところには驚きましたけど、ひょっとしたらいい意味で吹っ切ってくれるんじゃないかなと思うのは、僕だけかしら。できればキャッスルと……と思ってる僕はしつこいですね、はい。
それにしてもやっぱりユージィンは好きになれないなあと、マックスに対する謀略を見て思いました。モニカの訴えが、届かなかったのか、それとも……?
続きが気になるばかりです。
キル・ゾーン 反逆
― レジーナ、私はあなたを愛している。誰よりも。
あの言葉は、何だったのか?
「……そう……そういうことだったの……」
23世紀。地球の治安部隊としてレジスタンスと戦っていた女隊長キャッスルと副隊長エイゼンが、火星の権力争いに巻き込まれていくという第二部の第七弾。マックスの働きにより、火星方面が有利になってきた月面都市との争いで、なお突き進もうとするユージィンに、軍部から不平の声が現れ始める中、キャッスルに父親についての真実が明かされて……というお話。
一方のラファエル。ユージィンの強引な戦運びによって、ユーベルメンシュたちが次々と倒れていくことを、何とかとめたいと思いつつ、思うようにもっていけないことに苦悩してるんだけど、そういう姿をキャッスルの前で見せないようにするところがいじらしい。というより、痛々しく見えてくるんだよなあ。好きな人に向かって思いをぶつけることができないなんて。怒鳴ればいいのに。奪い取ってしまえばいいのに。
まあ、それができるようなら苦労はないんだろうけどね。
そんな中、ヴィクトールがユージィンを追い落とすべく、いろいろ謀略を練ってるわけですが、自らの命すら駆け引きのタネにしちゃうところに、歪んだものを感じるなあ。それだけ焦っているのかもしれないけど、ユージィンが襲撃されたときの動揺っぷりに、ユージィンへの思いも見えてきて、彼らの間に何があったのかは、気になるところ。
そして最後。
今まで確執のあった父と娘のやり取りには、じんわりさせられました。父との距離に迷いながら、ぶっきらぼうに接していたキャッスルが、内心を漏斗できたのは、ほんと良かったと思いました。もしかしたら、もう二度と会えないかもしれないけれど、でも、最後に父と呼んだ彼女の気持ちは、きっと届いてくれたと思います。
さあ、本編もあと一冊で終わり。ここからどういう話になっていくのか、まったく予想つきませんが、終わりを惜しみながら、楽しみに待っていたいと思います。
キル・ゾーン 地上より永遠に
「おまえ、明日のパーティで何かやらかすつもりだな」
それも死ぬ覚悟で。
異様に生命力の強いユーベルメンシュが、それでも命を賭けて何かをしようと思うなら、それはよほどのことだろう。マックスが命を落としたのも、ロスマイヤー総帥暗殺という任務のためだった。
――暗殺?
「まさか、おまえ元首を殺すつもりか?」
23世紀。地球の治安部隊としてレジスタンスと戦っていた女隊長キャッスルと副隊長エイゼンが、火星の権力争いに巻き込まれていくというシリーズの最終巻。ヘルの強引な行動が始まり、頼みの綱であるクリューガーがどこかやる気がないおかげで、火星に内部崩壊がちらつく中、キャッスルたちが火星に戻ってきて……というお話。
ああ、もう涙がじんわりですよ。今まで冷たい人という印象の会った二人、クリューガーとエイゼンが、こんなに見せてくれるとは思いませんでした。
特に印象に残ったのは、やっぱりエイゼンかな。大切な人にほど破壊衝動を持ってしまうと思っていたのに、エーリヒの決意を聞いたとき、止めることなく成し遂げさせたあと、それを庇おうとしたのは、やはりキャッスルの兄、サウルのことが心にずっと残っていたからなんでしょうね。それを後悔と呼ぶのかどうかわかりませんが、そういう思いを見せてくれたことに嬉しくなり、でもその後に彼を襲った出来事に、クッと唇をかみ締めてしまいました。
そしてもうひとりの冷徹な男クリューガー。ユージィンという憎く、それでいて分かり合っている相手が、よりによってこの時期に姿を消してしまったことで、失意を感じるところには、もうだめかと思ったんですが、ボロボロの体でありながら、決してそれを悟られず、目的のために真っ直ぐと歩いていく姿は、非常に印象的でした。
もっと早く動いていれば、こんなに犠牲が出なかったとは思うんですが、それでも、彼がユージィンの元へと向かうときに見せた背中や、復活したユージィンを前にして見せてくれた逆転劇に、涙がじんわり浮かび上がりました。
決して輝かしい生き方とはいえないかもしれないけれど、かの人の心の芯というものを感じました。
ユージィンの暴走から、火星が引っ掻き回される中、ラファエルとキャッスルもまた、大きな動きを見せてくれてましたね。特にキャッスルの決意は……自業自得と言い切れないものがあるだけに、勇気という言葉では言い表せないものがありました。そんなキャッスルを応援するラファエルがよかったなあ。
「結婚」という言葉をさらりというキャッスルと真っ赤になるラファエルが、最後まで素敵でした。
いやあ、面白かった!
ひとり、またひとりと、謀略、暗殺、自殺、etcで、次々と倒れていき、最高のユーベルメンシュと謳われたラファエルまでもが、まさか追い詰められてと、最後の最後まで油断できない展開に引き込まれっぱなしでした。
また最後がいいんですよね。ああ、ラファエルって何て愛される人なんだろうという思いが伝わってきて、そんなラファエルともう一度恋をしようとするキャッスルの思いに、心から祝福したくなりました。
ふたりとも、今度こそ幸せをつかんでね、!
キル・ゾーン リミックス ジャングル・フィーバー
「おお、やっぱり若い子は似合うねえ!二人とも可愛い可愛い」
互いの姿にげっそりしている新兵ズを眺め、エイゼンは満足そうに頷いた。
「どこがだよ!なんだよコレ!」
「だから新兵は、対抗試合でチアガールをしなきゃいけないと決まってるんだよ」
ネタまんさいの一冊ですねぇ。
- 「キル・ゾーンの設定資料集」
- 治安部隊のバスケ対抗試合に参加することになったラファエルとシドーだが、なんとチアリーダーをすることに?「ジャングル・フィーバー」
- 逃げ出した大佐の飼い犬に懸賞金が掛けられたことを知ったラファエルたちは、目の色を変えて犬を探し始めたが……「大脱走」
- 仕事人間のマックスが何もない休日をどう過ごそうか迷っていたら、朝食を買ったスタンドの女性に声を掛けられて……「アナスタシア」
- キャッスルをかばったエイゼンが事故にあう、例のお話をコミック化した「バディ・システム」
- 世話をしてくれた男の人に頼まれて、治安部隊にいる女性を探しにきた女の子のお話をコミック化した「グッドアフタヌーン・ボルネオ」
- キル・ゾーンメンバーが大学生だったらという「スクール・ゾーン」
- クリューガーとユージィンのただならぬ関係をスクープした「月刊火星」
という作品が収録されています。
本編読み終わってから読むと、ほのぼのとしたお話ににんまりしちゃいますね。特に「ジャングル・フィーバー」。新兵として配属されたら女装してチアリーダーしなくちゃいけないなんて、どんな掟だと思いましたが、ラファエル&シドーの女装姿にくすくす。なぜか新兵でもないのに女装してるエイゼンに爆笑しました。キモ!
バカバカしいと思いながら、バスケが始まってしまえば真剣にやるキャッスルや、乗りに乗って騒ぎまくる治安部隊の様子など、とても楽しかったです。暗い気分を抱えて治安部隊に入ったシドーの気持ちが、ちょっと晴れていくところがいいですね。
もう一話「大脱走」もシドーからみたお話で、犬探しにいくんですが、個人的に面白かったのは、グッドリーと対面したラファエルとシドーの様子ですね。このころはまだ雲の上の存在だから、がっちがちに緊張して、ラファエルなんて使い慣れない敬語まで使うんだから、もう楽しくて楽しくて。シドーも似たようなもんですが、これがいずれ……と思うと、なかなか感慨深いものがありますね。
個人的に一番好きなお話は「アナスタシア」です。仕事人間マックス君の休日の過ごし方に、呆れるしかないものを感じましたが、そんな彼の心に入り込んでいくノエルという女性の存在がとても好きでした。強引だけど決して強引過ぎないで、気づけば振り回されるマックスが楽しかったです。まさか絶叫マシンに弱いとは思いもしませんでしたけどね!
それだけに、迎える結末は切ないものがありましたが、もしあのとき彼が火星に残っていたら……、いや、戻ってきたときに、アナスタシアを思ったら……。違う未来があったかもしれないと思うと、やるせない。
そんな切なさを抱えていたら、最後に「月刊火星」なんてものをみせられて、どうしようかと思った。まさか、あの二人がただならぬ関係にあったなんて(笑)。イラストがまたうまいぐあいに、そういう想像をさせるもので、笑ってしまいました。
いやあ、楽しかった。こういう話は、もっと読みたかったなあ。
とりあえずキル・ゾーンな世界は、いろいろ気になるので、ブルー・ブラッドも読んでいく予定。
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