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フレイアになりたい
魔法、超能力、様々な呼び名があるが、強力な力を日常で使われることは問題であるとして、神格能力を奉じる「風魔分家」の跡取娘である風間瞳は、能力者を探し、悪用させないバイトをしていた。
ある日、いつものように能力者探しをしていた瞳は、ちょっとしたことからクラスメイトである夕陽が伝説の能力者「フレイア」ではないかと思い、彼女の能力を調べようとしたが……
フレイアと呼ばれる能力を追う内に培われていく、少女たちの友情の物語かな。これは良かった。青春ものとして大ヒットです。
瞳、若菜、陽子の三人が繰り広げる会話がとても面白い。気恥ずかしいところもあるかな。友達やら夢やらを率直に言葉にできるっていいですよね。不良で傍若無人な瞳が、たまに照れるところが何ともかわいく、アンドロメダ大星雲を持ってる陽子の天然な明るさに心が癒されました。
ドタバタコメディな感じだったせいか、前半はややチグハグな印象を受けましたが、シリアスな展開が走ってくると俄然面白くなりました。それぞれが抱える後悔と苦悩が、激しい感情を引き起こすところは心が重くなりますが、それでも相手のために、何かをしてあげたいと思う真っ直ぐな気持ちに胸を打たれました。
個人的なベストシーンは、フレイアの意味を知り、自分がそれでないとわかっていても、そうなりたいと決意する陽子の言葉ですね。この場面でこの言葉を持ってこられたら、胸が熱くなるに決まってる!
この一言のためにこの物語があると思いました。
女性同士であるが故に恋という言葉は使われないし、雰囲気としても恋とか愛とは違う気がする。もう少し大きな括りで、人として人を愛しているという感じでしょうか。それぞれが相手に対して伝えようとした優しさと迎えた結末に、目頭が熱くなります。
未来が見えることは良いことばかりではないですが、決して悲しいだけじゃない、言葉で言い表せない何かがそこにはありました。命のバトンを渡したいと思う人がいるならば、その人にとっては幸せだと、そう思います。
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フレイアになりたい 2 ハーデスが泣いている
この夏休み中になんとしても映画を撮ると決意した瞳は、若菜の妹である夜空に出演依頼をしたが、お姉ちゃん子である夜空は、難色を示している。さて、どうするかと悩んでいるとき、クラスの委員長の小泉が自殺した。もしやと思っていたら、ハーデスの神格能力者である老人が夜空の前に現れて……
余命五年を宣告された瞳が、映画監督を夢見て、仲間を集めて撮影を始めていたら、ハーデスにより絶望した人が自殺をして……というお話です。
あれ、こんなにテンション高い感じだったっけ?と、若干引いてしまうような会話が続いてて、ちょっとアレでしたが、シリアスなシーンが始まってからは、一気に引き込まれました。って、これ前作でも同じこと言ってましたね。
軽い感じを受けますが、懸命に生きようとする瞳の姿を見たら、きっと自分から手伝いたくなるでしょうね。何かに夢中になってる人って魅力的です。
態度は悪くても、内には優しいところを持っている瞳と、同じように優しさに溢れている若菜が魅力的なだけに、彼女たちを慕う夜空が、ふたりの事実を知ったときの真情を考えると辛かったですね。
特に、人を絶望に追いやる生き方を正してくれたふたりを信頼していく過程が心に響くだけに、悲しみが止まりませんでした。わかっているのに、何度も涙ぐまされました。
ヒロインの恋人役の大垣もまた悲しい過去を持っていましたね。最後の方まで、心の内は見えなかったんですが、追い詰められてからの彼の言葉は、決して言い訳には思えませんでした。瞳が相手だからこその真摯な態度でしたね。「もうひとつの感情」を胸に秘めてるところには、もっと正直になってもいいのにと言いたくなる思いでいっぱいでした。
悲しみから絶望に浸ることがあっても、希望は失われない。そんな彼の言葉が印象的です。
最後の最後で救えなかった人がいたというのは、やはり悲しいものがありますが、それでも前を向いていこうと決意するところが良かったですね。哀しみに絶望することがあっても、ただ生きていてくれるだけで、救われることがある。共に泣き、共に笑う、それでいいじゃないか、それだけでいいじゃないかと思わせてくれるラストが素敵でした。
前作のような一言に集約される物語ではありませんでしたが、生きるということについて、胸に響くものがありましたね。この本は僕にとってのフレイアだなあ。
これで完結とのことなので、次なる物語でまた出会えることを期待しましょう。
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