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エクスプローラー / 北山大詩

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覚醒少年 エクスプローラー

事故に合い、自分の能力に気づいた。物を透かして向こう側が見える。
いわゆる「透視」。
孤児であった透はその力を使って生きていた。非合法探し物サイト「エクスプローラ」のメンバーとして。
その日、いつものように依頼のチェックをしていた透は妙な依頼を見つけた。
―人類に化けた宇宙人を捜しています―
ふと頭に浮かんだのは、同じ学校に通っている少女だったが……

ちょっとした「能力」を利用して、非合法探し物サイト「エクスプローラ」で稼ぐ。
金払いが良ければ当然危険度も増す。
そこで繰り広げられる物語といったら!
いやあ、面白い。

はじめのほうは、視点の切り替えが頻繁だったので「ん?」と引っかかることがあったけれど、不満といえばその程度のもの。いい意味でライトノベルの王道といった感じで、読みやすく、テンポよく進む物語に気がつけば引き込まれていました。
文句なしに今回の新人賞三作の中じゃトップですね。

ラストがまたいい感じに終わらせてくれる。
泣かせるような話じゃないのに、なぜか涙ぐんでしまった薫の台詞。
この組み合わせはほんといいや。
いろいろと話を膨らませることができるであろう物語だと思うので、今後も期待大です。
第5回富士見ヤングミステリー大賞奨励賞受賞作。

エクスプローラー 覚醒少年 (富士見ミステリー文庫) - 北山 大詩

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憂感少女 エクスプローラー 2

かつて世話になっていた児童養護施設の経営が困難になったという知らせを聞いた響は、妙に思った。あまりにもできすぎている。ひょっとして仕組まれたものか?
やがて現れた地上げ屋は裏に暴力団の影を匂わしてきた。
エクサーとしてではないが響は動き、透は手助けを要請された。
それが仕組まれた出来事の始まりだった……。

スピード感たっぷりのサスペンスに、ちょこっと出てくる相手を思う気持ちに、ドキドキ。
その上、 序盤の疑問を終盤までひっぱっても飽きさせない展開は見事。
いやあ、面白い。

よくよく考えてみれば、能力があまり使われてないなあとかあるわけですが、そんな瑣末なことにこだわらず勢いに乗って進む作品って大好きです。

前作でコンビを組んでいた響と透は相変わらずですが、より内面が出てくるようになりました。自分勝手なようで繊細な響と、気が回るようで切り捨ててしまう透と。
そんな二人の心が少しずつ変わっていくのもいい感じです。今後も注目していきたい作品ですね。

憂感少女―エクスプローラー〈2〉- 北山 大詩

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白黒乱舞 エクスプローラー3

エクサーになりたいという言葉に、響も透も反対したが、薫の決意は固い。仕事の内容は迷子のペット探しということで、安全ではあると思ったが二人の不安は消えなかった。
ふたりの心配をよそに、薫はペットを見つけることは成功した。だがペットは虐殺されていた。。
初仕事の成功と同時に悲しみを味わうことになった薫は、ふたりの反対を押し切って、犯人探しを始めるが……

自分を認めさせるために、薫が透たちと張り合って動物誘拐犯を追うという展開。。
聞き分けの無い薫たちの行動に苛立つ様子がよくわかります。透と響がペアを組んだらほぼ無敵状態なので、足を引っ張る存在を作りたかったのかな。方法はともかく、うまくいってると思いました。後手後手だもんなあ。

ただ、方法はともかくと書いたとおり、張り合うために響たちをなぜ挑発しなければならないのかがわからない。響に対抗してというのもわからなくもないけれど、それにしても聞き分けが無さすぎ。総一郎も必要以上に挑発してるし。
後に説明らしきものはあったけれど、理由としてはいまいちだなあ。展開事態は面白かっただけに、そこに至る経緯が微妙なのがもったいない。

それにしても、おバカなことばかりしている響と透ですが、エクサーとして動く分にはプロなんだなと思わせてくれる描写がそこここにある。今までも同じようなことをしていたけれど、薫との対比でより目立つように感じました。かっこいいな。

個人的に一番気になるのは、透の様子ですね。以前よりも悪化している気がする。例のことを追いかけることになるのだとしたら、今後このあたりがキーになってきそうな予感。

そういえば、エクサーの話を第三者である美幸(薫のクラスメイト)の前で話してましたが、いいのかしら?

白黒乱舞―エクスプローラー〈3〉 (富士見ミステリー文庫) - 北山 大詩

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仇敵撃破 エクスプローラー4

響が姿を消してから、透の気持ちの中には何かが欠けてしまっていた。それが何なのかはハッキリわからないものの、ともかく響を探すために昼夜を問わず、街を彷徨っていたが、まるで見つからない。何せ響は隠れるのに最適な力を持っているのだ。その気になれば、永遠に見つからないだろう。
いらつく日々をすごしていた透の元に、とある村で例のウィルスによる疫病が発生したと、里美から連絡があり……

たいせつな人を手に入れるためのお話と言ってもいいですよね。切り捨てる事で生きてきた透にとって、たいせつなものという考えが戸惑うものであるということが伝わってきます。気がつくと、響のことを考えている描写を見ていると、いじらしく思えてきます。

透にしろ響にしろ、心に穴をあけたまま仕事に打ち込む姿は、読んでいて痛々しいですが、それだけに出会ったときの嬉しさを隠せない様子がいいですね。隣にいる男に対して嫉妬することで、少しずつ自分の本当の気持ちに気づいていくところとか、青い春ですよ。それでも、意地をはっちゃうところにニヤリとさせられました。
透と響のふたりが揃ってからの話は、これぞエクスプローラーという展開で、とても面白かったです。

それにしても薫が成長しましたね。引っ込み思案なわりに突っ走るところがありましたが、今回かなり落ち着いていたし、頼りがいが出てきました。この様子を遠くで知った響が微笑む気持ちがわかります。
自分の思いから逃げずに向かうところなんて、むしろ響よりも勇気があるんじゃないかと思いました。いつか大事な人ができることを祈りたくなります。

お互いの想いを真っ直ぐに伝える最後には、思いっきり悶えてしまいましたが、とても素敵な感じでした。祝福したくなる気持ちで一杯です。
この作品でシリーズの第一部完とのことで残念ですが、とりあえず短編は出るのかな?
まだ謎がいろいろ残っているので、そのあたりが明らかになると嬉しいですね。
続き & 次シリーズに期待です。

仇敵撃破―エクスプローラー〈4〉 (富士見ミステリー文庫) - 北山 大詩

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学園三昧 エクスプローラー5

何でも、透たちが通っている学校にある人体模型は、かなりいい値段になるらしい。安く仕入れた人体模型とプレミアがつくほどの人体模型をすりかえるために、透と響は夜の学校へと忍び込んだ。うまく手に入れた……はずが、別の侵入者に邪魔されて、しかたなしに人体模型を別の場所へと移すだけで終わらせたが、次の日、学校へ訪れると、なんと二人が学校へ侵入した様子を写した写真が……

という「受難少年の貧乏くじファイル」を含む五編からなる短編集です。タイトルどおり、全部学校内でのエクサーなお仕事ですね。初っ端の二編以外は、エクサーしなくていいじゃんって思うけど、そこはお約束ってことで。

何といっても素晴らしいのは三編目「バカップルのお惚気ファイル」ですね。文化祭のときに、天文部の手伝いをすることになった透と響のお話なんですが、付き合い始めてそれなりに時間が経つのに、何ら進展がないふたりの戸惑う姿が見れましたね。そんなふたりには、本人よりも周囲の人のほうがやきもきしてたんだと思います。透と響が天文部の手伝いで忙しくしている中、兄の島木が現れて……というところからの展開は、ニヤニヤさせられるものがありました。
今までどおりでありながら、ちょっと素直になった透と響の作り上げる雰囲気は、素敵ですよねぇ。バカップルだなんてとんでもない。二人が出場したコンテストで、歓声に包まれる出来事は、むしろ嬉しかったです。

そんな面白さとは別に、ギャグ的おかしさで引きずり込んでくれたのは四篇目の「暴走少年の空回り脱線ファイル」。薫に告白した水島先輩と、薫を賭けて勝負をする総一郎のお話です。薫を取られたくないと、奮闘する総一郎の空回りっぷりが楽しい楽しい。やっちゃいけないだろうって方面に行ってしまうのは、焦りがあるからなんだろうなあ。「グッバイ・マイ・ラブ」には、吹き出してしまいましたよ。いつの間にやら恋愛評論家になった響の解説や、変な方向に暴走していく賭けの行方など、楽しい限り。
ま、最後はお約束ってところに落ち着きましたが、いつか思いが届くといいね、総一郎。

五編目の「少年少女のお宝発掘ファイル」は、それぞれの進路を決める時期に、二十年前に埋めたタイムカプセルを探すお話なんですが、最後のタイムカプセルのシーンがとても素敵でした。二十年前の手紙の何と純粋なことか。今は亡き、両親からの手紙の何と力強いことか。
きっと二十年後も。そう思わせてくれる二人の雰囲気に、羨ましさを覚えました。いやあ、良かったなあ。

あとがきにもあるとおり、例の頭痛ネタとか、未回収なものはまだありましたが、機会があれば、とのことなので、待ち続けていたいと思います。

学園三昧―エクスプローラー5  - 北山 大詩

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