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DOORS ドアーズ / 神坂一

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DOORS ドアーズ 1.まぜこぜ修繕屋

ドアーズ 1 (1) - 神坂 一

目を覚ましたら、家のあちこちにドアが出来ていて、あわてて妹を呼んだら、何と智沙はリスになっていた。しかもリスの言葉は、日本語じゃないのに意味が通じるのだ。いったい何がおきてるのかと思ったら、ドアから現れたシュリンと名乗る男は言う。いくつかの世界が変な風に交じり合ったおかげで、世界の「普通」が変になってしまったのだと。
自分の知ってる「普通」を取り戻すために、美弥とリス姿の智沙は、シュリンと共に、世界を直す冒険に出かけて……

妹がリスであったり、黒船はもののふキャノンで一掃されてたりと、「普通」がおかしくなっているのに、誰も疑念を抱かなくなってしまった世界で、唯一、元の世界のことを覚えている美弥とその妹の智沙が、シュリンと共に、異世界を行き来するお話です。連作短編ですね。

いやあ、笑った笑った。なんていうか、くだらないって言葉がぴったりのお話ですね。ほめ言葉ですよ?

家中に現れたドアから異世界へ渡って、鍵となる人物をシュリンの持つレンチで三回叩くと、その世界は直り、こちらの世界も少しだけ直っていくという設定なんですが、当然のことながら、目標の人物がおとなしく叩かせてくれるわけがなく、説得、暴力、脅迫などなど、あらゆる手を使っていくのが面白いったらないです。

個人的にお気に入りなのは、第2の扉「大宇宙の恐怖を修繕せよ!」です。世界が直っていく過程では、余計にひどくなることもあるんですが、その余波を受けて、妹がリスから触手になってしまったってどんなんだよ!
はじめは観光気分で異世界に行ってたのに、触手な妹を受け入れられず、さりとて妹に罪はないので邪険には出来ず。間に挟まれて、段々とやつれて、ならばと、すべてに差し置いて、異世界を直しまくる姿がおかしくておかしくて。魔王すら視線で下がらすほどの殺気を身につけていく美弥の迫力に、爆笑しまくりでした。

掛け合いの面白さもさることながら、ところどころで見せてくれるネタに頬が緩みっぱなし。たぶん、僕が気づいてないネタもあるんだろうなあ。外で読まないでよかったとつくづく思いました。

いやあ、楽しい楽しい。主要人物かと思ったシュリンは、案内役&レンチ持ちでしかないんじゃないかと思うぐらい存在感ないですが、ま、この姉妹がそれだけ活躍してるってことですよね。
次はどんな世界が待ち受けているのか、どんな展開が待ち受けているのか、とても楽しみです。わりとオススメ。

ドアーズ 1 (1) - 神坂 一

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DOORS ドアーズ 2.新たなる敵を修繕せよ

ドアーズ 2 (2) (角川スニーカー文庫 46-19) - 神坂 一

「なんでゴールデンタイムに怪談系の番組しかやってないの?」
「なんでって……TVに怪談が蔓延しているのはアレ。地球温暖化の影響」
「そっかー。地球温暖化かー。
いやまあどんなことだって、地球温暖化のせい、って言われれば信じそうになるけど、関係ないよね。怪談」

妹がリスであったり、梅雨になると奇妙な植物が生えたり、地球温暖化の影響でTVが怪談系の番組ばかりになったりと、「普通」がおかしくなっているのに、誰も疑念を抱かなくなってしまった世界。それを元に戻すには、異世界の歪みを治さないといけないってことで、元の世界のことを覚えている美弥が、リスとなった妹と共に、世界を修繕しているというシュリンについて、異世界のドアをくぐるお話の第二弾。
今回は、異世界の人との対決よりも、妹とのお話や、修繕を邪魔するプロフェッサーM、レンチやシュリンのお話が描かれていました。

相変わらず楽しいなあ。いきなりのナウシカネタは、コーヒー吹きましたよ。要所要所のネタの爆発力は、素晴らしいものがあります。ただ、前作よりややシリアス方面が強くなってたかな。

世界を元に戻すという、美弥からしたら、それが当たり前だけど、今の世界を当たり前と思ってる妹の智沙からしたら、元に戻る反動を不安に思うのは分かるなあ。でも、あのとき、美弥との間に溝が出来たのは、お姉ちゃんが心配だったからなんですよね。

認識の違いからすれ違いが生まれてしまったところには、切ないものがあったけれど……だからって、百物語で勝負はないよ!いや、面白かったけど。面白かったけど、うーん、でもこの姉妹喧嘩っぽいところは、もうちょっとちゃんと決着つけてくれたらなあと思ったり。

今回一番面白かったのは、表題作「新たなる敵を修繕せよ」かな。修繕を邪魔するプロフェッサーMによって、異世界から戻れなくなってしまった三人が……ってお話なんですが、ここで活躍するのがSFだとは思わなかった。

「あんたいいSF持ってるじゃねぇか」

そんな感じでSFが活躍するお話です。いろいろ間違ってるけど、すごい面白かった。

どのお話も楽しませてくれるだけに、本作で完結ってのは、すごい残念です。まさかレンチが……とか、まさかシュリンが……ってところが見えてきて、もっと話が広がっていくのかと思ってたのにー。
最後がちょっと盛り上がらなかったかなと思うんだけど、でも、こういう終わり方をしたから「普通」の大切さが見えてくるんでしょうね。

ちょっと切ない智沙の思いが見えましたが、お姉ちゃんと一緒なら、きっと……ね。

ドアーズ 2 (2) (角川スニーカー文庫 46-19) - 神坂 一

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