だめあね / 葛西伸哉
だめあね☆ へいらっしゃいませ、ご主人様!
クラスメイト(で若菜の思い人)の水町玄の様子がどうもおかしい。
クラスメイトが困っているなら助けるのも委員長である私の仕事だ。
そう言い聞かせて、彼の後をつけて行ったら、美人で同性も羨むスタイルを持つ女性が彼を待っていた。
藍と名乗る玄の姉は「これから社長を始めるの」と言い出して……
だめあね: 「お姉ちゃんに任せなさい」と言って、もっとも役に立たない人
この定義そのものの展開。その被害は主に弟の玄とその周りの人に及ぶ。
そんなお姉ちゃんである藍が「メイド寿司」「メイド銭湯」「メイドお化け屋敷」とすべてメイドがからむ事業を展開する三篇の物語。
第一編が一番面白くて、あとは余波的な感じではありましたが、細かなギャグににやけっぱなしでした。周りから見られたら怪しいことこの上ない。
鈍すぎる玄をめぐる若菜と従妹の未瑠のやり取りがたまらなく萌えさせてくれます。
やられたってぐらいニヤつかされました。
それだけじゃなく、結構真面目なネタがあったりして、おふざけだけじゃないところに好感。
こういった雰囲気の物語は大好きです。
初めてこの著者の作品を読みましたが、ちょっと追いかけたくなりますね。
だめあね☆☆ 山からブルマがおりてきた
決してずれず、蒸れたりしない。動きやすく、誰にでも似合うデザイン。最高のブルマを研究した爺さんの話に感動した姉は、ブルマを普及させるためのアイデアを思いついた。それはブルマの素晴らしさを多くの人に知ってもらう事。
いつものように行動力だけはある藍は、玄の学校の体育祭に無理やりスポンサーとしてねじ込んだがそれを嗅ぎつけた白和院とのやりとりで、ブルマ組とスパッツ組に分かれて勝負をすることになり……
姉のダメさがパワーアップしてますが、秘書とかブルマ爺さんとか、周囲の人間のダメさもすごいなあ。まともだった弟の玄くんが、だんだん姉の行動にまきこまれるのに慣れてきてしまった感がありますね。
ブルマを普及させるにはどうしたらいいかということを考えた藍が、体育祭をプロデュースする「開幕!藍ちゃん杯?」が、バカバカしい面白さ。
何でブルマがいやらしいのか、なんてことは考えたことがなかったけど、玄と同じく、特に理由が思い当たらないんだよなあ。やはり一部の視線が問題なのかしら。思わず真剣に考えてしまいましたが、体操着と一緒ならいやらしくないのに、上半身スーツ or 制服で、下半身ブルマってのは確かにイヤラシク感じる。刷り込まれてるのか、それとも……おっと、危ない危ない。僕の人格が疑われるところだった。
相変わらず、しゃしゃり出てくる白和院と対決しますが、対決になると面白さが半減するなあ。不思議。やはり巻き込まれる準備段階あたりと、後始末あたりが一番面白いんですよね。
なんせ「対決!二大怪岸!!」なんてビーチバレーですから。「ビーチ」でバレーですよ。伝わりにくいですが、あの解釈の素敵さは恐ろしいものがありました。
当事者でなく、周りで見る分には楽しい。そんな家族たちの騒動ですね。
軽く笑いたい人におすすめのお話です。
だめあね☆☆☆ ウェディングベルはアイのため!?
姉が始めた新しい事業は恋愛紹介所だった。ただ、相手を紹介するのではなく、某電車男のように、劇的な出会いを演出するのだとか。そんなのうまくいくわけがと玄は思ったが、白和院財閥と協力したこともあって、これが大当たり。ところが、成功していた事業が突然、ピンチに追い込まれてしまった。それは海外のやり手投資家、ジョンの仕業で……
ノリと運で事業を成功させてきた姉が、追い込まれてしまう最終巻です。
初めのノリはいつもどおりですね。どう考えても、玄のほうがまともなことを言ってるのに、姉の藍に言い負かされてしまうところが、楽しいです。言われたときは、不思議と納得させられるものがあるんだから、詭弁ってのは、恐ろしい。考え方としては、間違ってないような気がしてる僕もダメなのかもしれないけど。
試験的に協力しているようにみせかけて、さりげなくアプローチしてる若菜や未瑠の涙ぐましい努力が笑えますね。
そんなうまくいってた事業が、ジョンの怒涛の資金力によって追い詰められていくんですが、ああ、何かいいですね、こういう金がすべてな男の行動は。人の心を読まないで突き進んでいくメリケン人っぽさ(偏見)は、見てる分には楽しいですが、当事者からしたら、きついことこの上ない感じが伝わってきます。
ダメな姉のみならず、白和院、はては日本政府までも巻き込むような騒動になるとは思いませんでした。スケールでかすぎ。
楽しかった雰囲気が一変する藍の決断には、なぜなんだろうと疑問でいっぱいでしたが、わかってくるにつれて、らしくないなと思いながらも、こういう優しさがあるから、人がついてきてるんだろうなとも思いました。
寂しさに包まれていた姉をいかすのは、弟である玄で、落ち込んでいた玄が生き返ったのは、迷惑をかけてくれる姉のおかげで。なんか、家族のつながりっていいですよね。
最後の最後「卒業」のようなシーンにはじわりとさせられ、登場人物全員集合のようなケリのつけ方には、ハチャメチャでありながら、温かさを感じさせられました。
ああ、これが最終巻だなんて、なんてもったいないなあ。まだまだ続きが読みたかったよ。とても残念でなりませんが、仕方ない。次にどんなお話を持ってきてくれるのか、楽しみに待っていたいと思います。
そうそう。笑わされた小ネタがありました。
「何でも週刊連載しているマンガ家の十三倍ほど働かせたそうですわ。過労度に換算して四二サカキほどになりますか」
「なんだよ、その怪しい単位は」
榊さんってそんな働いてるんですね(笑)。すごすぎ。
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