武林クロスロード / 深見真
武林クロスロード
孤児であるリョウカは、母との約束を守るために、地仙の元を離れた。だが、慣れないた旅の最中に山賊に襲われ、かろうじて逃げたとき、目の前に大きな岩に囚われている人間を見つけたのだ。幾年もの間、そこで囚われの姿となっていたのは、拳神雷と呼ばれる武侠シュンライだった。
仙術により彼女を助けたリョウカは、武人となるべくシュンライを師と仰ぎ、旅を始めたが……
武人を目指すリョウカと武侠のシュンライが、民衆を苦しめる朝廷に立ち向かっていく痛快活劇小説ですね。どこの美少女文庫かと思うぐらい、やばいイラストばかりなので、微妙に引きながら読んだんですが、どうしてどうして面白い。ポンポンと進む話に、いつしか引き込まれていました。
イラストと同じぐらい過激な描写がありますが、武侠ものとしては普通なのでたぶん金庸とかの武侠小説が好きならいけるんじゃないかな。
何といっても、圧巻なのは、武侠と呼ばれる人たちの戦いですね。槍を振り回せば、20人を一辺に切り裂き、振り回した衝撃派だけでさらに10人を倒し、槍を一本投げれば100人貫くまで止まらないなど、「三国無双」も真っ青な戦いっぷりで、豪快なことこの上ない。こんなのを目の前で見せられたら、圧制に対して立ち向かうことを忘れていた民衆が、奮い立つのもわかる気がしますね。いやあ、痛快痛快。
今後は、リョウカが武人の最高級である「双天武王」を目指しながら、いろんなところを旅して、その土地土地で悪い奴をぶった切るという感じになるのかな。
シュンライの妹分のオンリン、さらに元軍師のホウショウが集ってきましたが、一番頼りないように見えるリョウカの思いやりに惹かれて、倒した敵も味方になっていきそうな予感がするので、今後は朝廷からしても、脅威度が増すことでしょう。
まだまだリョウカの目指す「双天武王」は遠いですが、これからが楽しみなお話ですね。
武林クロスロード 2
母を助けるために、武術大会の優勝者に与えられる称号・双天武王を目指すリョウカは、女武侠シュンライの教えを受けて、旅をしながらも、毎日修行に励んでいた。
朝廷軍と戦いつつ、ルカン朝の都八卦封を目指していたシュンライ一行は、ある日、九谷関という関所の町にたどり着いたが、その町は半朝廷勢力であり、朝廷の横暴よりもさらに邪悪な集団・崩天教が支配していて……。
武人を目指すリョウカと武侠のシュンライが、民衆を苦しめる朝廷に立ち向かっていくお話の第二弾。今回は朝廷よりも恐ろしい邪教の崩天教との戦いを描いたお話です。
いや、すごいですね。前作よりもさらにエロ度がパワーアップ知ってます。「武術のために気功を練ると体内の精力も高まるので、気功に長けた武侠ほど性欲が旺盛になる」とのことで、強者ばかりが出てくるこのお話では、どいつもこいつも……な状態なので、なかなか大変でした(何が?)。
特に今回出てきた崩天教のジャホウセンは、すごいというかひどい。捕虜にした300人の精鋭部隊を一晩で調教とかすごすぎ。肉体的のみならず、精神的にも陵辱していく姿は、まさに弱肉強食という言葉がぴったりかも。残酷だなあと思うところが結構あるんだけど、みんなすぐ快楽に陥っちゃうので、重さはあまりないかな。
ま、そっち方面のお話はいいとして、戦いにおいてもジャホウセンの強さが目立ったなあ。朝廷軍の将軍ほどの人物でさえ、圧倒するんだからどんだけ強いんだか。
ジャホウセンのみならず、部下の神虎族の四姉妹も、降りかかってくる千の矢をものともしなかったり、二万の精鋭に囲まれても、あっという間に一万人倒したりと、武侠らしい無茶苦茶さが楽しい。
朝廷と邪教の争いには関わらないでいたシュンライたちでしたが、リョウカの事情がジャホウセンに伝わってしまって……というところからは、緊張感が高まるばかり。のオンリンすら、部下にやられるって、どんな強さなんだ、神虎族。
このシリーズの難点は、誰がどのレベルの強さなのか、どの位置にいるのかがよくわからないことですね。
こんなときに限って、シュンライが離れてるなんて……というか、シュンライを離すための事情があまりにもアレでしたがまあいいや。命よりも貞操の危機が襲ってくるんですが、そこで、リョウカの見せた態度が素晴らしかったですね。力ではなく、心の強さを知って、オンリンがリョウカを認めていくところが良かったです。
一方、離れてたシュンライは、ジャホウセンを倒すための準備として、魔獣狩りにいくんですが、これがまた悪漢。20メートル以上のバケモノを相手に、長さ9メートル、重さ1300キロの槍を振り回して戦うんだから、いやはや、恐ろしい。仲間の手助けもありましたが、最強と名高いシュンライの力をたっぷり見せてもらった次第。
そんなシュンライがいても、ジャホウセンが相手では、苦戦を強いられるんですから驚きです。ギリギリのところを救ったのが、昨日までの敵だというところが、また熱くさせてくれますね。共に戦うことで、敵だったとき以上に、理解し合っていくところは、武侠ものらしいさっぱり感がありました。
初めから最後までエロエロすぎますが、それ以上に武侠の力強さが面白かったです。もうちょっと「武」の方面が前面に出てきてくれると嬉しいんだけどなあ。どうやら次は、シュンライが軍を動かすみたいなので、ちょっと期待できるかしら。器解族についても、一歩進んだようで、ぜんぜん進んでないので、次こそ何かを見せてほしいなと思いますが、それ以上に、南天五大門派の切り札たるカリンの正体が気になります。今後、敵になるのか味方になるのか……。ドキドキですね。
武林クロスロード 3
「ジャン国の女王も、やがてリンカに貫かれる」
ラゴンは、部下が捕虜を犯す姿を見て満足にうなずいた。
「そうして、俺に刃向かったことの愚かさを知るがいい。女王も王女も、すべて奴隷にしてやるさ……ジャン国の女たちには、これから事後を見せてやる」
武人を目指すリョウカと武侠のシュンライが、民衆を苦しめる朝廷に立ち向かいながら「双天武王」を目指すお話の第三弾。今回はシュンライの師匠が交わした約束を守るために渡ったジャン国の元に、朝廷が手を伸ばしてくるお話です。
ジャン国には、長期間留まるつもりがないシュンライたちに対して、さりげなくこの地に根付かせようとするジャン国女王のしたたかさが光ります。守られてるだけの人かと思ったら違うんだなあ……って、まあ、そりゃ、アレだけ好きものなら、そうなるか。
いくら伝説的な強さを持つからといって、新参者に大きな顔をさせたくないのは、今まで国を守ってきたものたちからしたら当然だと思いますが、そんな姑息とまでは行かなくとも、小人なものの想いなどを吹き飛ばすシュンライの強さは、これぞ武侠というムチャクチャっぷりで最高でした。
いつの間にか強くなってたリュウカの成長も驚き。
ただ、そんな強さを誇るものがいても、必ずしも敵を殲滅できるわけではなくて。むしろ強者がいるなら中から崩していこうとするところが、なかなか策士でした。敵ながら面白いことを考えてくれる。
個人的にはもうちょっとひねってほしかったけど。
ようやく母の一部を取り戻して、さらには白蛇淫功も覚え初めてと、成長著しいリュウカですが、シュンライとの関係があまり見られなかったのは残念だったりしますが、それ以上に残念なのが、ほとんど戦いのシーンがなくて、エロばっかりだったこと。今までもそうだったといわれればそうなんだけど、ちょっと暇があれば、みんなヤッてるってのがね……。拷問とかならまだわかるんだけど(わかるのかよ)、おかげで話が進んでる気がしなくて。
今後もこの感じでいくなら、ちょっと遠慮するかも。
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