バカとテストと召喚獣 / 井上堅ニ
バカとテストと召喚獣
文月学園では、進級テストの成績でクラス分けされる。そして明久は、最下位クラスの F組だった。冷暖房完備で、ありとあらゆる設備が支給されているA組と異なり、F組は畳の上に卓袱台という始末。
憧れの女性が、まかり間違ってF組にきてしまったことを危惧した明久は、クラス代表の雄二をたきつけて、対クラスで行う「試験召喚戦争」を始めることにしたが……
勝てば相手の教室を手に入れることができるが、負ければ地獄という「試験召喚戦争」は、各人が召喚獣を呼び出して戦うんですが、召喚獣はテストの点数に応じて強くなるため、最下位のクラスであるF組が不利なのは間違いない。そこをどうやって攻略していくかというお話です。
いやあ、バカだ。F組の面々の発想とか会話がとてもバカで、でもそれがとても楽しい。こういうの大好き。一度ツボに入ったら、笑いが止まりませんでした。外読厳禁本認定です。周囲の視線が痛いったらありゃしない。
個人的には、明久って好きだなあ。好きな人のために頑張ろうとする気持ちは、とてもシンプルなだけに共感できます。バカにされたりするし、実際バカなことばかりしてるけど、この愛すべき単純さが、皆に親しまれてる理由なんだろうなあと思ったり。
恋愛要素がまた素敵で。想いを寄せている人に恋愛相談するというシチュエーションなんて、とてもベタベタなんですが、読んでるとき、怪しい人に思われるぐらいニヤニヤしてしまいました。からかう雄二の気持ちが、すごいわかりますね。
クラス間の戦いでは、意外に正当な戦略があったりして、ほほうと思ったりしますが、局所の戦いではいろいろギャグだらけで笑いまくり。F組で出てくる人は皆、変な技能ばっかりで、でも意外な活躍をするところが熱いです。
最後の戦いは、ものの見事に予想通りではあったのに、あの一ページを読んだ瞬間、吹き出してしまいました。さすがF組代表。レベルが違いますね。
いやあ、楽しかった。これ、続編とかあるんでしょうか。個人的には、ぜひぜひお願いしたいですね。
第8回えんため大賞編集部特別賞受賞作。
バカとテストと召喚獣 2
姫路さんが転校してしまうかもしれない。Fクラスの環境が悪いとご両親が判断されたらしい。ならば、設備だけでも何とかしようと、学園長に直談判したら、裏取引を持ち出された。学園祭で行われる召喚大会で優勝しろというのだ。学園祭の出し物でも利益を出そうと奮闘する傍ら、明久と雄二は召喚大会での優勝を目指して画策することにしたが……
姫路さんの転校を阻止するため、明久たちが学園祭で、クラスの出し物「中華喫茶」と「召喚大会」で奮闘するというお話ですが、いやあ、面白かった。前作も笑いはツボるものばかりでしたが、今作ではさらに笑いが散りばめられてて大変でした。大爆笑するのではなく、思わずプッと吹き出してしまうシーンが目白押し。初っ端の設問の答え「カロリー」から(っていうか、それ以前の巻頭漫画から)最後まで、笑いが止まらないです。家で読んで良かったと心から思う外出厳禁本ですね。
今回目立ったのは、雄二の小汚い策略のすごさでしょうか。一番面白かったのは、大会の二回戦ですね。写真を使った交渉術は、悪魔の囁きといってもいいでしょう。極悪非道っぷりに笑いが止まりませんでした。Fクラスらしからぬ頭のよさですが、使い方の間違いっぷりは素敵です。
にもかかわらず、霧島さんには、劇的に弱いところがいいですよね。霧島さんの壊れっぷりが、今後どこまで行くか楽しみだったりするのは、僕だけじゃないはず。
主役なはずの明久は、たぶん、小説内で他人からバカと言われたランキングとかあったら、ぶっちりでトップを取りそうな勢いでしたが、そんな目に合ってもメゲナイ気軽さが、何かいいですね。
姫路さんや美波、美波の妹、葉月などに好意を寄せられるおかげで、気づかぬうちに女性陣の地雷を踏みまくって、嫉妬を掻き立ててるところは、ワンパターンではありましたが、面白いことこの上ないです。いつの間にか、姫路さんも容赦なくなってるのは、Fクラスに馴染んだからかしら。
いつもはおバカなことをやっていても、一度本気になると、というのはよくある話ですが、好きな人のために、大事なクラスメイトのために、熱き思いを糧にして戦う姿は、いつもののほほんとした感じとは違ってかっこよかったです。
何ていうか、素直というか単純なところもあるんだけど、それがまた憎めないし、優しさとかが信じられるようなものがあるので、そういうところが、お姫様たちの琴線に触れるんでしょうね。
最後の打ち上げのシーンで、酔っ払った姫路さんの態度がたまらなく可愛かったです。
今回、学園長が持ちかけてきた話の裏には、結構きな臭いものがあったりしましたが、これで終わったのかなあ。何かまだ騒動がありそうな感じがヒシヒシとしますが、さてさて。
まあ、個人的には裏の話よりも、この面白おかしい雰囲気のクラスを、さらに盛り上げてくれると嬉しいですね。続編を楽しみに待ってます。
P.S.
あのイラストを見て、誰に反応するかといったら……
秀吉だよね?
バカとテストと召喚獣 3
学力強化合宿も間近に迫ったある日。明久は脅迫状を受け取った。中には「傍にいる異性に近づくな」という文言と、先日の文化祭のときのあられもないメイド服姿の自分の写真が!同じように脅迫を受けていた雄二とともに、脅迫者の調査をムッツリーニに依頼したら、何と「犯人は女性とでお尻に火傷の跡がある」ことまでわかったという。
おりしも強化合宿が始まった中、どうすれば犯人を特定できるかと皆で頭を悩ませていたら、いきなり女生徒たちに覗きの疑いを掛けられて……
強化合宿で覗き魔と勘違いされた明久たちが、ならば本当に覗いてやろうじゃないかと、お風呂を覗きに行くお話です。
始めは真犯人を捕らえるためにしかたなしに覗くってことだったのに、いつの間にか目的が変わっていく展開が楽しいですね。いろいろな意味で間違ってる彼らが大好き。
今回は今までよりも、恋愛要素が表に出てきてたかな。合宿とはいえ、夜になったら、いわゆる修学旅行の雰囲気なので、ちょっとドキドキさせられるシーンもありましたね。特に明久のドジから勘違いさせられた美波が、先走るところはニヤニヤがとまりません。普段、明久の素直な言葉にダメージを受けまくってるだけに、思わず応援しそうになりました。危ない危ない、僕は姫路派だったのに。
っていうか、姫路さんが段々と黒くなってきちゃって、ちょっと……と思わなくも無かったけど、明久の写真に釣られてしまう恋する乙女っぷりが、可愛いかったのでいいか。
四泊五日の合宿で、毎晩覗きを決行し、毎晩敗北して説教を喰らうというパターンなのに、まったく飽きさせない展開でしたね。突入方法はさほど変わらないですが、準備段階の手の回し方がたまらなく面白いです。美女たちの写真で釣られるなんて男ってやつは……と思いつつ、協力してしまいそうな自分がいる。
いや、だって浴衣姿の姫路さんと、なんと言っても秀吉が素晴らしかったんですもん。今回のお話では秀吉の魅力満載でしたよね?男とか関係なく、秀吉が出てくるたびに、萌え萌えしてたの僕だけじゃないよね?
ともあれ、クラスの問題でいがみ合っていたこともあった人たちが、たったひとつの目標に向かって一丸となる姿や(間違ってるけど!)、誇りを掛けたムッツリーニの戦いに痺れました(間違ってるけど!)。馬鹿馬鹿しいのに、何でこんなに熱くさせてくれるんだろう。
いやあ、面白かったです。なんじゃそりゃと思いつつ、笑ってしまうオチも良かったし……と思ったら、何このラスト!まさか彼女がこんな行動を取ってくるとは思わなかったですよ!
あまりに生殺しな引きに、ゴロゴロ転げまわりたくなりましたが、こうなったら、次は当然、恋愛ものがメインになるんですよね?すっごい楽しみです。
バカとテストと召喚獣 3.5
問題を起こした罰として、プール掃除をさせられることになった明久と雄二だが、掃除をするならプールを自由に使ってもいい、というちょっとしたご褒美をもらえることに。学校のプールが貸し切り状態になるなら掃除も悪くないとして、秀吉とムッツリーニ、さらに姫路と美波を誘った。水着を見られるのは……と迷っていた女の子二人は、雄二の言葉に奮起した。
「一つ言っておくと、秀吉は来るぞ。水着姿を明久に見せに、な」
そして、イロイロと準備をして迎えた週末が始まる……
あー、笑った笑った。寝る前にちょこっとだけ読もうかなと思ったら、一気に読まされてしまいましたよ。いや、でもホント家で読んでよかったと思いました。どのページ見てもニヤニヤしちゃうし、数ページごとに吹き出しちゃうし、秀吉のイラストや明久のバカさに悶えまくってたので。ごろごろ転げまわれる場所で読むことをオススメしたいかも。
というわけで、おバカな者たちが繰り広げる学園コメディシリーズの第四弾は短編集。
- 明久と小学生の女の子、葉月の出会いを描いた「バカとテストと召喚獣 予習編」
- 明久がラブレターをもらった?という噂にクラスが暴走する「僕と暴走ラブレター」
- 訪れたものは結婚する(させられる)という如月ハイランドへ、雄二と翔子がいく「俺と翔子と如月ハイランド」
- プール掃除の代償として遊んでもいいということで、いつものメンバー全員がプールに集まる「僕とプールと水着の楽園」
- 喫茶店でバイトすることになった四人(明久、雄二、秀吉、ムッツリーニ)が引き起こす騒動「僕とバイトと危険な週末」
という五編の物語と、いつものように幕間におバカなテストやらコラム?が載ってます。
おバカな中にちょっとハートフルなところがある一編目もいいけど、暴走しつつ姫路さんの思いが見える二編目もいいけど、ムチャクチャすぎる結婚ムードに引きずられることなく、お似合いなカップルさを見せてくれた三編目もいいけど、やっぱりプール話の破壊力が一番じゃないかと思ってしまうのは、僕だけじゃないですよね?いったい秀吉の水着姿はどうするんだ?と、読んでる人なら誰もが気になったんじゃなかと思います。思うよね?
どんな話になるのかと思ったら、やってくれました。一度落胆させておいて、スキをつくなんて!秀吉の水着姿に対して、姫路さんと美波が卑怯と叫ぶところに笑いが止まりませんでしたが、まさに卑怯と言うしかない。
作者にまんまと踊らされた気分ですが、イラストまで見せられたら、グッジョブと親指を立てるしかありませんでした。おかしいな、僕は姫路さん派なのに……。
秀吉の水着姿のイラストよりも、もうひとつあとにあるイラストの破壊力がやばい。
楽しいという点では、プール話が一番でしたけど、笑えるという点では、「僕とバイトと危険な週末」が、一番かな。やる気喪失中の店長がいる喫茶店を、男四人(でも秀吉はウェイトレス制服)が切り盛りするんですが、ツボに入るボケが多くて大変でした。特に明久のドジっ子っぷりが笑えます。お客さんに励まされる姿がたまらない。
そして何より爆笑させられたのは「ミルクが切れた」ところのネタ。何分間、顔を上げられなかったか覚えていませんが、腹筋が引きつるほど笑い転げました。あー、やばい。これは何度でも思い出し笑いできるぞ。
いやあ、楽しかった。こういうコミカルなお話は大好きです。最後はいつものようにドタバタして終わり……と思ったら、新キャラが登場するかもという引きがあったので、どんな感じでかき回してくれるのか、とても楽しみ。
そういえば、土屋康太と名前を言われても誰だかわからなかった僕がいる。ムッツリーニといってくれないと。
バカとテストと召喚獣 4
ふと、誰かの視線を感じてあたりを見回してみた。
すると目が合いそうになって慌てて顔を伏せる人がいた。
― 美波だ。
な、なんだろう。まさかずっと僕の方を見ていたんだろうか。それってなんだか、その……好きな人にする仕草、みたいじゃないか……。
テストの点数に応じて、召喚獣の強さと序列が決まる学園で、最下位クラスF組に集う、おバカな者たちが繰り広げる学園コメディシリーズの第五弾(間に短編集があったので五冊目なのです)。今回は、告白されたと勘違いした凶暴だけど可愛いツンデレさんの美波が、明久に接近して……というところから始まるラブコメ物語です。
ああ、もう、美波さん可愛すぎ!
不意打ちやら、二つのお願いやら、今まで抑えていた気持ちを解き放つかのような積極的な行動に、ニヤニヤがとまりません。明久にしても、戸惑いながらドキドキしちゃうものがあったりして、ああ、この雰囲気たまらん。こんな綺麗なもの?なんだ、そのキャッキャうふふは!
思わずF組連中と共に声を荒げそうになったのは秘密です。
今回、断トツなまでに可愛さをアピールしてくれたのは、ぺったんこな美波でしたが、他の女性陣も負けてませんでしたよねぇ。お芝居の振りして近づく姫路さんの悪戯っ子のような微笑みとか、英単語クイズでさりげなく強烈にアプローチする翔子さんの頬を染める姿とか、そしてそして、何よりも一番すごかったのは、秀吉の告白シーンです。涙が出るかと思った。
全員が全員可愛くて可愛くて、気持ちまで伝わってくるようなイラストも素敵でした。ほんと良かったよ。
で、勘違い云々とかから、美波と明久の関係がぎくしゃくして、さらにはそこへ付け込むように、他クラスから試召戦争を仕掛けられそうになって、それを回避するために、雄二がいろいろ謀略を重ねていくんですが、愛すべきバカたちの活躍がすっごい楽しかった。
個人的に吹き出して周囲の視線を集めてしまったのは「右脳と左脳」話です。あれはやばすぎる。
いやあ、面白かった。しかも最後の最後にまたひとつ大きな出来事があるんだから、たまりません。
明久がどうやって、D組の清水さんをたきつけたかが、明かされたところなんて……。いや、正確にいうなれば、たきつけるつもりはなくて、ただ思ったことをいっただけなんだろうけれど、それが、ここまで直球だとは!こんな言葉を聴いちゃったら、もう止まりませんよね、美波さん!?
ここから始まるアキちゃん争奪戦が、どう展開していくのか、楽しみで楽しみでしかたありません。
バカとテストと召喚獣 5
「明久君はもう少し周りの人の気持ちに気がついてもいいと思います。お姉さんとか、美波ちゃんとか、……私、とか……」
「へ?なんのこと?」
「ふふっ。これ以上のヒントはあげられません」
テストの点数に応じて、召喚獣の強さと序列が決まる学園で、最下位クラスF組に集う、おバカな者たちが繰り広げる学園コメディシリーズの第六弾(間に短編集があったので六冊目なのです)。今回は、明久の元に、母親からの最凶の刺客であるお姉さん・吉井玲がやってきて、というお話です。
ああ、楽しい。普段は普通なのに、アキくん大好きなおかげで、いけない方向に行きそうになったり、精神的にやられそうになる嫉妬光線を放ったり。そりゃみんなに姉のことを隠したくなりますよねぇ。弟のクラスメイトに「実の姉とお医者さんごっこ」の話をするって、どれだけ酷いんだ。明久がどんどんやつれていく様子が目に浮かびそうになります。
それと同時にテストの点が悪かったら、一人暮らし生活の危機が迫ってくるってことで、期末試験のお勉強会をみんなでやるんですが、雄二の家や美波の家、さらには霧島さんの家にいってワイワイやるあたりは、いつもながら楽しかった。
個人的には、美波の家にいったお話が一番好きかな。部屋にある写真たてに誰が写ってるか、なんていうのはお約束ですが、見られそうになると焦り、でも気づいてほしいと揺れる乙女心満載な美波の様子がとても良かった。二人の様子が気になって、さりげなく様子を見ようとする姫路さんの姿にもクスリ。
っていうか、明久をめぐる争いに隠れてるけど、何気にムッツリーニと工藤愛子の関係が進んでるようで、ものすっごい楽しみだったりするのは僕だけじゃないはず。そういえば、雄二の家の秘密も気になるので、このあたりもいつか語ってほしいところですね。
僕自身に実姉がいるせいか、ところどころお姉さんの行動が楽しめなかったりするんですが、それでも、アキくん大好きっぷりを感じさせながらも、どこか機械的冷たさを感じさせていたお姉さんが、最後に見せてくれた思いに、家族っていいなって思いましたね。ラストのイラストは、顔を赤らめる秀吉のイラストに匹敵するほど、可愛かったです。イラストの破壊力をまざまざと思い知らされました。
美波と姫路さんのダブルヒロインはどちらも魅力たっぷりですが、どちらかといえば積極的な分、美波のターンが多いような気がしますね。ここいらで姫路さんの魅力を見てみたいところですが、さてさて。
バカとテストと召喚獣 6
「あがぁっ!蹴ったね雄二!?僕の召喚獣の首をサッカーボールに見立ててゴミ箱に蹴り込んだね!?なんてことをしてくれるのさ!」
「そう怒るな明久。よく言うだろうが。『友達はボールだ』って」
「それを言うなら『ボールは友達』じゃないの!?前後の順番入れ替えたらただの苛めの現場だよ!」
テストの点数に応じて、召喚獣の強さと序列が決まる学園で、最下位クラスF組に集う、おバカな者たちが繰り広げる学園コメディシリーズの第七弾。今回は調整に失敗してオカルトテイストになってしまった召喚システムを使って、三年生と肝試し対決をするお話です。
姫路さんがんばった!もうこの一言に尽きます。ええ、尽きてください。あんなイラストのことなんか忘れたいんです。
ともあれ姫路さん。
最近は美波が明久に急接近してて、今回も肝試しペアは美波だったので、あら残念と思ってただけに、恐がりな心を押し殺して、明久との距離を縮めようと努力する健気さに、好きな人のために、クラスメイトのために怒れるまっすぐさにが、ほんと可愛くて格好よかった。個人的なバカテスヒロイン度で、二位になったのは間違いないです(一位は言わなくてもわかるよね?)。
そういえば、その一位である秀吉(言ってるじゃん)も、今回は珍しいシーンがあったなあ。システムにすら美少女扱いされるのは当然だとして、あんな悲鳴を上げるとは……。
今後の秀吉の心に大きな傷を負ったことは間違いないと思います。どんなポエムだったのか、怖いものみたさで聞いてみたくなるけど、我慢しておこう。
さてさて、これでまたいい感じの三角関係になってきましたね。ちょっと積極的になった姫路さんのぼそっと告げた言葉とアクションは、とてもクーとなってしまうものがありました。まだまだ鈍い明久ですが、どちらを選ぶのかとても楽しみです。
バカとテストと召喚獣 6.5
「まさか姉上、ワシに代わりに出ろと……?」
「そのまさかよ。アタシの制服を着て、胸に詰め物でもしたら、よほどのことがない限りばれないでしょ」
「胸に詰め物?何を言うのじゃ姉上。その程度のサイズであればそんなものはなくとも — あ、姉上っ!ちが……っ!その関節はそっちには曲がらな……っ!」
「秀吉。アタシね、すっっっごく困っているの。お姉ちゃんのお願い、聞いて貰えないかなぁ?」
テストの点数に応じて、召喚獣の強さと序列が決まる学園で、最下位クラスF組に集う、おバカな者たちが繰り広げる学園コメディシリーズの第八弾。今回は短編集。以下の三編が収録されています。
- 木下優子が弟の秀吉と入れ替わりを実施したらとんでもないことに……「アタシと愚弟とクラス交換」
- 男女三人ずつ+明久の姉で海に行く騒動を描いた「僕と海辺のお祭り騒ぎ(前編)(後編)」
- 神童と呼ばれた頃の雄二と、彼を思う翔子を描く「雄二と翔子と幼い思い出」
初っぱなのカラーマンガに吹いてしまった。ムッツリーニの苦悩はこれからも続きそうですね。売れ筋的な意味で。
それはともかく短編集。
どれもこれもいつもながらの面白さを見せてくれてます。初っぱなの木下姉弟の入れ替わり騒動は、ある程度予想してたところと突っ切っていく笑いが楽しくてしょうがない。秀吉って、どこか抜けてるよなあとニヤニヤしながら読んでました。
たぶん、プロモーションビデオなら、姉よりも弟の方がみんな嬉しがると思うので、言っちゃえばいいのにと思った僕がいる。
で、今回メインであろう海話。
太った痩せたで一喜一憂する女の子たちの会話とかとても可愛らしいんだけど、それ以上に男の子たちが可愛かった。おかしいよ!なんで、こんなに男の子に萌えるんだよ!
水着披露、スイカ割りという定番をこなしてたら、美少女だらけの女の子たちがナンパされてるのを見て、さらにはあのムッツリーニまでもが……!という衝撃から、雄二と明久がナンパをし始める前編は、まだ序の口。いや、ムッツリーニの餌は、あまりに衝撃的でしたけど、それはともかく後編がすごかった。
天罰を食らった二人に、いつになく優しい空気が流れていたと思ったら、「罪には罰を、駄犬に鞭を」が始まるんですから。
アキちゃんの天然っぷりは予想してたけど、それ以上に素晴らしかったのが、まさかのムッツリーニである。ついに彼の時代がやってきたと思った僕は間違ってないはず(秀吉はいつだって別格だ)。
とまあ、いつもどおりのコミカルなお話だけじゃなく、ちょっと切なく、きゅんとくる幼い頃の雄二と翔子のお話もよかった。翔子の思いというのは、こうやって育まれていったんだなあと思う次第です。そりゃ雄二一筋になるよ。
雄二が翔子に対して素直になれないのは、自分の傲慢さを痛感したきっかけとなった人だからじゃないかなあ、なんて思ったりする。いつか普通に接することが出来たら、とてもお似合いになりそうですね。
その日を楽しみに待っていたいと思います。
バカとテストと召喚獣 7
「なるほど……。思わせぶりな行動はボーク、ですか……」
「ああ。大まかにはそう考えてもらって構わない」
「じゃあ、明久君」
「ん?なに?」
「ボークです」
「へ?」
「ボークです」
テストの点数に応じて、召喚獣の強さと序列が決まる学園で、最下位クラスF組に集う、おバカな者たちが繰り広げる学園コメディシリーズの第九弾。今回は体育祭で、召喚獣を使用した野球大会が開かれるお話です。
持ち物検査で没収されたERO本を取り戻すために、F組の男子たちが一致団結する様子が楽しくてしょうがない。ほんとバカばっかりですね(褒め言葉)。ただ、なんだ、この環境に染まっていく姫路さんを見るのは、楽しくも悲しいものがあるけど……。
ルールは殆ど変わらないいですが、人よりも力があり、さらにテストの点数によって力の差が出る召喚獣での野球だから、時にヒドイことになる展開が笑えます。E組の中村さんとの対決で吹き出し、何かと因縁のある先輩チームとの戦いでは……雄二、君の非道さにはびっくりだよ!とニヤニヤしてた。姫路さんが大活躍すると、こんな大変なことが起こるのね……。
笑い満載だけれども、それだけじゃなく、ちゃんとバッテリーの信頼関係を描いてくれるあたりがいいよなあ。普段おちゃらけてる分、真剣になった時の熱さに、胸がきゅんとなりますね。バッターとの勝負というより、ピッチャーとキャッチャーの勝負になってくところが良かったです。
それと、普段あまり出てこない教師陣の活躍も楽しかったですね。鉄人が意外に先生してて、ちょっぴり感動させられたりしたけど、もうひとり高橋先生が素晴らしかった。これからもぜひ出てきて欲しい。
あと、今回はイラストも素敵だった。ハイタッチな姫路さん、すねる秀吉など、やばいぐらい可愛くてしょうがなかった。
バカとテストと召喚獣 7.5
「ふふっ。明久君がいけないんですよ?私がいくらダメって言っても、こんなゲームを続けようとしたんだから」
言いながら、姫路さんがカードをシャッフルする。
「さぁ。それでは次のゲームを始めましょうか」
テストの点数に応じて、召喚獣の強さと序列が決まる学園で、最下位クラスF組に集う、おバカな者たちが繰り広げる学園コメディシリーズの短編集第三弾は、ラブ度満載のコメディでした。以下の四編が収録されています。
- 賭け金は女装?他愛もない遊びから女の子たちの蹂躙が始まる「僕とダウトと男の尊厳」
- 学園長のわ何より、誰にも打ち明けてない秘密を召喚獣が勝手に話してしまう「僕とホンネと召喚獣」
- 生き残るのは誰だ!?吉井家で繰り広げられる鍋料理に皆が(強制で)挑む「僕と福引きと闇の鍋」
- ドイツから帰国してきたばかりの美波の不安と恋のきっかけを描く「ウチと日本と知らない言葉」
カラー口絵で秀吉のスカート姿を見て、満足してしまった僕がいるのは内緒です。
いやあ、楽しかった。どの話も良かったけど、一番笑ったのは、「僕とホンネと召喚獣」ですね。なんせ学園長のいたずらシステムにまんまとはまって、召喚獣が心に思ってることをなんでも話てしまうんですから。
今日も今日とて男子に告白されてしまったことをしゃべってしまう召喚獣に慌てふためく秀吉やら、下級生の女の子に告白されたりアキのことを……となってキャーと叫びまくる美波が可愛くてしょうがない。
そして本音が聞けることを知った姫路さんが、明久の好きな人を知るべく策を講じたら、策に溺れたりするから、恋の暴走はたまらないです。
個人的に面白かったのは、普段の明久の思考回路が見えたことでしょうか。姫路さんの質問は、普通であれば恋の予感があるだろうに、まるであさっての方向へと思考してしまうんですから。まあ、こういうことだから頑張れ、女の子たち。
それにしても工藤愛子は、最強過ぎると思いました。
コミカルな話もいいけれど、シリアス話もよいのがこのシリーズです。「ウチと日本と知らない言葉」では、ドイツから帰国したばかりの美波を描いているんですが、日本語の理解が及ばないのに、そのことを隠しているというか、卑屈になってしまい、だんだんと孤立して行く姿に痛々しいものがありましたが、そんなときに話しかけてくれたバカがいたら……ね。
例によっておかしな方向の手の差し伸べ方なんだけれど、突っぱねても突っぱねても、手を差し伸べてくれる優しさと、彼が届けたかった言葉の意味を知ったら、そこに恋が生まれてもおかしくないと思いました。あの言葉にたどり着いたとき、じわっときましたよ。
彼女の一人称が「ウチ」になった理由も見えて、こうなると美波を応援したくなるなあと思ったりします。
でも、闇鍋話のラストを見ると、姫路さんが明久へ一気に近づきそうなんだけど……どうなるかしらね。
バカとテストと召喚獣 8
「おい明久!正直に答えろ!お前、まさか……」
「な、なにかな?」
「姫路と、一緒に暮らしていたりしないだろうな……!」
テストの点数に応じて、召喚獣の強さと序列が決まる学園で、最下位クラスF組に集う、おバカな者たちが繰り広げる学園コメディシリーズの第八弾。ご両親が不在でひとりでいるのは危険ということで、姫路さんが吉井家で暮らすことに……というお話し。
やばいやばい。超ニヤニヤする。明久と一緒に過ごせることを嬉しく思う姫路さんの行動が可愛くて可愛くて。まあ、明久の布団の匂いをかいじゃうあたりは、ヒロインらしからぬアレですが、寝顔を見ては幸せそうに笑顔になったり、一緒に行った買い物で新婚さんと言われて頬を染めたり、と楽しそうで何よりです。肝心の明久は、異端査問会にビクビクしてましたけどね。いや、まさか秘密を知った雄二が、まさか積極的に隠蔽工作を手伝ってくれるとは……その後の転身ぶりが何とも言えないです、このふたり。息が合いすぎ。
それにしても、二学期になってようやく試召戦争が動き出したというのに、まさか初めの戦いが、明久と雄二にとってここまで絶体絶命になるとは思わなかった。敵しかいねえ。その発端は、敵クラスの策……と言えるか分からないけれど、そこから始まる伝言ゲーム模様に笑いが止まらなかった。異常なまでに広がっていったのは、もしかして、という思いがあったからですよね。しっかし、こんなに男と男や女装話で盛り上がるお話しもないよなあ……。
試召戦争模様も良かったけれど、一番良かったのは、姫路さんの頑張りが見られたことです。噂を本気にして色仕掛けするとか楽しいことしてくれて、そして最後に……さて、明久はあれをどう解釈するのか楽しみですね。
ところで、バカテスのあとがきの面白さは、異常だと思います。本編より面白、げふんげふん。
バカとテストと召喚獣 9
だが、作戦は変更しない。これはもう、イチかバチかの賭けだ。アイツが姫路を守りきることができるかどうか。
面白ぇ。「上等だ。テメェのこと、信じてやろうじゃねぇかクソッタレ……!」
テストの点数に応じて、召喚獣の強さと序列が決まる学園で、最下位クラスF組に集う、おバカな者たちが繰り広げる学園コメディシリーズの第九弾。今回は、対Cクラスとの試召戦争の決着がつくお話しです。
いやー、面白かった!これまでコミカルさは抜群だったけれど、他は……という感じだったシリーズが、ここにきて一気に開花したというか、序盤はいつもどおりだったし、試召戦争とあまり関係ない(でも餌付けとか無駄に可愛い)お話があったりしたけれど、終盤にさしかかってからも盛り上がり方は半端じゃない!あー、もー。普段バカなことばっかりやってるけれど、こういう格好良さは、やっぱり男の子だなあって思います。
墓穴から圧倒的に戦力が足りなくなったFクラスは、さらにCクラスの後ろに参謀が控えてたりするから、かなり厳しい戦いになったんですが、ここを乗り切ることが出来たのは、姫路さんのおかげであることに異論ある人はいないでしょう。前作のアレが彼女にここまでの力を発揮させるのかと思うと、ニヤニヤしちゃいます。
一方、主人公たるバカはまさかの大遅刻で、試召戦争を遠くから眺めることになるとか、えーと思ったけれど、おかげで裏で動く人たちの気づき、Aクラスの知恵を借りて、そして頑張る人の努力を踏みにじられそうになったら身を挺してでも立ち向かい……格好良かったです。
明久がいて、そんな明久を信じた雄二がいて。それぞれの信頼が導くクライマックスには、じわっとくるほど胸が熱くなりましたよ。ほんと、よくやったよ、おまえら!
とまあ、せっかく格好よかったのに、戦いが終わったら、姫路さんの行動が気になって、へにゃへにゃしちゃったりする明久にニヤニヤでしたが、姫路さんの言葉と、Fクラスが勝利した際の権利の行使が何を意味するのか、気になります。
それにしても、あとがきの面白さは相変わらずで何より。
バカとテストと召喚獣 9.5
「ひ、ひどいです……!どうして、明久君は」
姫路さんが大勢の人の見ている前で、僕にしがみつきながら言った。
「どうして、明久君は、私と子供を作ってくれないんですか!」
テストの点数に応じて、召喚獣の強さと序列が決まる学園で、最下位クラスF組に集う、おバカな者たちが繰り広げる学園コメディシリーズの短編集第四弾は、以下の四篇が収録されています。
- 召喚実験で、ふたりで一体の召喚獣を呼び出すことになったが、それはまるでふたりの子供のようで……「僕と子供の召喚獣」
- 明久の家に泊まってる姫路と共に、お買い物に出かけたら……「僕と姫路さんとある日の昼下がり」
- 明久と雄二、どちらが冷静か。ムッツリーニの仕掛ける罠で勝負する「僕と土屋家と揺れない心」
- 高校一年の春、すべてにむかついていた雄二が、バカたちと出会うことになった「僕と喧嘩と不思議なバカども」
「僕と子供の召喚獣」のようなドタバタものもいいけれど、個人的には、「僕と姫路さんとある日の昼下がり」のラブコメ模様が好き。家のゲームで勝負したり、ちょっとした買い物に二人でいって遊んだりする姿がとても良かった。見てる限り、普通のカップルだよね。時々変に意識する姫路さんがいて、これがまた可愛いったらない。
まあ、お約束のように、お色気ハプニングとか起きたりするわけですが、それはともかく、明久にとって、姫路さんって、こういう人なんだという心情が見えたことが印象的でした。ちょっと寝ぼけ気味な姫路さんのおねだりに、応えられないのが残念でしたね、明久!
バカかこいつら!的な笑いが止まらなかったのは、「僕と土屋家と揺れない心」。どちらが冷静な人か勝負する時点で、どっちもどっちだと思いますが、明久と雄二が動揺すべく状況を作るとするムッツリーニの行動がひどかった。もはや冷静云々じゃなくて、ツッコミを我慢できるかどうかという試練だった。特に、美波は……体張りすぎです。そこまでして(ほろり)
そして最後に収録されている「僕と喧嘩と不思議なバカども」は、格好いいお話でした。短編集の7.5に収録されている「ウチと日本と知らない言葉」で語られた美波の話を、雄二視点からみたお話。見た目で判断されて、ふてくされた毎日を過ごしていた雄二が、バカたちのバカな行動に巻き込まれて、全力で駆け抜けていくようになる、その過程がとても良かった。雄二にとって、この愛すべきバカたちと出会えたことが、何よりの財産だと思います。
そんなこんなで、目いっぱい楽しめたお話でした。次作も楽しみですね。
バカとテストと召喚獣 10
「考えてもみろ。最低のバカクラスと言われた俺たちが、学年最高のクラスに勝つんだぞ?こんな痛快な勝負を、つまらねぇ勝ち方で終わらせたら勿体ないだろうが」
テストの点数に応じて、召喚獣の強さと序列が決まる学園で、最下位クラスF組に集う、おバカな者たちが繰り広げる学園コメディシリーズの第十弾。ついに迎える因縁のAクラスとの対戦です。
ほぼ全編Aクラスとのバトルでしたが、これがとても熱い展開だった。
雄二の戦略と、勢いづいているFクラスを見ていたら、これは本当にいけるんじゃないかと思い、一方のAクラスは、雄二を良く知っている翔子の読みによって一歩先んじてと、まさに一進一退の攻防。してやったり、してやられたりな展開が面白い。しかも、真面目に戦いが繰り広げられるだけでなく、ドタバタなところもあって楽しい。
今回、姫路さんがちょっと空気なところもあって(わりと意味深なのに!)、その分をカバーすべく動いてたのが美波でした。本当に、災難だよね……乙女な彼女に幸アレと思いつつ、ニヤニヤが止まらない。
Fクラスのみならず、Aクラスの主要人物も活躍していた戦いで、意外な見せ場を見せてくれた秀吉におおっと思ったり、信頼しつつも人が悪い雄二の策にニヤリとして、でも、雄二と明久の信頼関係が見えるところに、格好いいなと思って。
とても面白くていい盛り上がりだった。それだけに、最後がすっきりしないのが残念でならない。そこは綺麗に決着をつけて欲しかったなあ。ちょっと強引な気がしないでもない。
ただ、これまでと違ったペアによる戦いが見れるという意味では面白いかもしれない。その場合、敵にもちょっと期待したいけれど、さて、どうなるのかしら。決着が楽しみです。
- Search
- Recent Entries
- Profile
-
- id: deltazulu (deltazulu@booklines.net)
- PageView:
