アンダカの怪造学 / 日日日
アンダカの怪造学(1) ネームレス・フェニックス
数多の魑魅魍魎がうごめく異世界、虚界。その虚界に棲む怪物をこちらの世界に召喚することを怪造という。その怪造を研究し、解明していくために生まれた学問。虚界の怪造学。そんな怪造を行うことを公に認められた研究員、怪造学者になるために、空井伊依は怪造高等学校を受験した…。
怪造学の天才と言うべき父を持つ伊依だが、怪物を奴隷の如く扱う父に反発し、"友達"として怪造する伊依。
虚界とこの世界を結びたい。
その理想に対して襲う現実に向かい彼女は言う。
理想を現実にするってことが、夢を叶えるってことじゃないんですかっ?
いや、さすが日日日。ストレートなまでに物語を紡いでくれる。
そしてもうひとつ印象的な言葉があった。
何かを得るためには何かを捨てる必要がある。道を選択するということは選択しなかった道を歩く可能性を失うということである。
そんな伊依の成長をこれからどう描いてくれるのか。
秋に続編が出るらしい期待大なシリーズ第一弾。
第8回角川学園小説大賞受賞作!
アンダカの怪造学(2) モノクロ・エンジェル
戦橋舞弓は理不尽なゲームに参加した。亡き義兄の無念を晴らすために。ゲームのルールはただひとつ。天使と悪魔に模された怪造生物のどちらかを殺す。そして空井伊依は出会ってしまった。傷ついた天使に。追う戦橋舞弓に。
怪造生物は友達。それは伊依にとって絶対のこと。傷ついた天使は渡せない。わたしが守ってみせる。
「危ないことはしちゃ駄目よ?」
「忠告はしたよ?」
だが、時間は止まらない……。
いやあ、素晴らしい。前作よりかなりいい感じに面白くなってる。自らの信念のもとに生きていくふたりが、少しずつ友情を育む姿は何とも言えない。世界観こそ変わっているものの根底はストレートなのだなと実感しました(むろんいい意味で)。
そしてストレートならば空井伊依の成長物語も描かれてしかるべきで。もちろん、期待は裏切らないのが日日日。友と呼べる怪造生物を失い傷ついた心。再び繰り返さないために突き進む姿。世界を救い、同時に怪造生物も救おうとする、甘い、青い感情がリアルに描かれてて、それは決して悪いものじゃなく、むしろ心に響いてきます。
負の力の誘惑に負けない伊依に。感動的なラストに、思わず拍手したくなるシリーズ第二弾!
アンダカの怪造学(3) デンジャラス・アイ
怪造学にとって重要な≪門≫が盗まれる事件が相次ぐ中、ひとりの転校生が古頃にやってきた。かつて伊依に怪造を教えてくれた親戚の遊が。
以前と変わらず伊依に対してやさしい遊だが、伊依以外のものと仲良くする雰囲気は無かった。
しかも正義の味方である舞弓が≪門≫を盗む犯人は遊であると言い出して……。
未来を見せた者が、未来を潰そうとする。信じる者のためにという葛藤。信じるがゆえに疑いたくないという弱さ。
このあたりの心の動きと、それに合わせたストーリィが見事に描かれてました。友人だからこそ打ち明けてほしいし、友人だからこそ巻き込みたくないという微妙なすれ違いもうまい。惚れ惚れする。
日日日のシリーズで一番面白いのはと聞かれたら狂乱と答えるかもしれないけれど、一番好きなシリーズはと聞かれたらアンダカと答えるでしょう。
「くるさだんちゅら」の台詞を聞いたときに思わず涙が出ました。
夢、あるいは過去といったあたりがキーワードとなる第一部・完の本作。
これからどんな展開を見せてくれるのか楽しみでしかたない。
アンダカの怪造学(4) 笛吹き男の夢見る世界
先日の騒動で古頃怪造高校が崩壊したため、学校再建までの間、生徒たちは殻蛇怪造高校の教室を間借りすることになったが、訪れた殻蛇怪造高校は、不気味な雰囲気と違和感に溢れている。とても学校とは思えない。
しかも殻蛇の生徒会長であるというアルテは「弱きものなど生きている価値がない」という傲慢な少女であったため、怪造生物も友達と主張する伊依と反発することになり……
虚界難民現象に巻き込まれた古頃怪造高校の生徒たちの話。
殻蛇の人たちは、始まりからあからさまに怪しいんだけど、危害を加えてくる様子はないし、いったい何なのかと不安に思いながらページをめくっていました。中盤まで大きな動きなんてなかったのに、こんなに引き込まれるとは思わなかった。
それにしても、今回の敵は強すぎです。思わず何だそりゃ、と言いたくなるぐらい強い。正義の味方の心さえもブチ折りそうな勢いにどうなるのかと思いましたよ。意外な意外なカービィちゃんのナイトくんが面白くて、ついでに強くて良かった。
いや、一番良かったのは桃子ですけど。ええ、はげしく桃子ファンです。嬉しいです。驚きの強さに笑ってしまいます。たださ、伊依さん。もうちょっとかまってあげてくださいよ。せっかく出てきてくれたんだから、もっと桃子のために交流を持ってくださいと、思わず言いたくなりました。
先日の怪造生物の騒動に巻き込まれたおかげで、大半の生徒が怪造生物を恐れているということが、今回の騒動で足を引っ張り、でも活路を見出すことになるという展開がとても良かったです。ハナちゃん素敵。白雪秘の話にちょっと温かくなりました。まさに怪造生物との心の交流といった感じですよね。
彼の人の正体については思わずびっくりしましたが、伊依の行動にもやられましたよ。ひょっとして出会う敵すべてと友達になってしまうんでしょうか。あり得そうな雰囲気だけに興味津々。
伊依の理想と怪造学会の理想はまるで異なるので、最終的には人間同士の争いになるのかなと思ったりしますが、それはちょっと悲しいことなので、う~ん。それともまた別の方向からくるのかな。
びっくりといえば、虚無の正体にもびっくり。今まで正体の話は出てなかったよね?なぜあそこにいるんだろう。
今回も裏で暗躍していたらしい連中がいろいろいたので、残りのキーワードとなる喜悦や憤怒、悲哀あたりとの係わり合いが気になります。
アンダカの怪造学(5) 嘘つき魔女の見つめる未来
風邪で寝込んでいた伊依が久しぶりに高校へ行ったら、古頃大祭なるものが開催されるという話を聞いた。いわゆる学園祭みたいなもので、人気投票により一位となる出し物をした団体には、校長が願いをかなえてくれるという。ランキング一位となるための熾烈な争いがあるだろうけれど、お祭りは楽しそうだ。
そう思っていた伊依だが、自分が休みの間に、なぜか企画の代表者として伊依が入っていて、しかも途中投票でランキング 6位であるらしく……
「怪造生物は友達」という伊依と「怪造生物は楽するための道具」という魔女こと鬼京、さらに争いを好まないという罠奈たちが、投票一位をかけて古頃大祭に挑むお話です。何が起こるのかという不安と、学園祭のワクワク感が伝わってきますね。
お祭りを引っ掻き回してくれる「亜玉の魔女」こと無城鬼京がいいですね。やってることは迷惑極まりないし、非常に悪役なんですが、一本信念が通っているせいか、とても華があります。伊依に感情移入しながら読んでいても、鬼京の言葉には惹かれるものを感じました。
おかげで虚島罠奈の印象が薄かったんですが、罠奈と伊依のやりとりの微笑ましさは、心に残ったなあ。
異なる意見を持った人たちと、考えをぶつけ合うことで、自分を見つめなおして成長していく展開は、戦いで相手を倒す展開よりも面白かったですね。特に悪党が、捻くれながらも伊依に対して塩を送るところや、切磋琢磨していくところがほんと良かったです。
ただ、最後の会話の部分が弱く感じました。理想はいいんですが、説得力に欠けるので、う~ん。伊依の信念が「布教」っぽくなっちゃうのもなんだなあ。とても盛り上がっていっただけに、尻すぼみな印象になってしまったのが、非常にもったいないです。
メインが古頃大祭の話とはいえ、さらにアンダカの「憤怒」と「悲哀」の争いが関わってくる展開だったので、シリーズ最長となるぐらいボリュームがありますが、あまりボリュームを感じずに読めましたね。というか、微妙に書き足りないんじゃないかと思うところがあったので、もっと長くするか、分けてもよかったんじゃないかな。
個人的には、もうちょっと学園祭っぽい雰囲気を前面に出してくれたら、と思いました。新メンバーがきたおかげで、いつものメンバーに出番があまりなくて、友人同士のワイワイガヤガヤが物足りないです。
あ、でも舞弓のメイド服のシーンは最高に笑いました。血影さんグッジョブ!
そういえば、珍しく伊依が嫉妬するシーンがありましたが、やっぱり遊は特別なのかな。今回登場したふたり+伊依、遊で、何かしら発展するものがあったりするのか、ちょっと楽しみだったり。
楽しみといえば、意外な人たちに繋がりがあったり、衝撃な事実が発覚したり、さらには総長が動き始めたということで、これからの展開がとても楽しみですね。これから波乱が起きそうな感じではありますが、伊依には信念を曲げずに頑張って欲しいものです。
アンダカの怪造学(6) 飛べない蝶々の鳥かご迷路
香美と大喧嘩をした伊依が、寮を飛び出した先で、自動販売機と喧嘩をしている志田桐涼女と出会った。香美の知り合いだというので、伊依は涼女と香美を引き合わせたが、その日から香美の様子が変わった。しかも、友達を道具と言い張る涼女は、香美から伊依を遠ざけようとするのだ。
さらに涼女は、香美から奪った生徒会長の椅子を賞品とする新入生歓迎イベントイベント「魔王杯」を開催して……
というわけで、カービィちゃんをめぐって、涼女と伊依が対立するというお話です。人間は嘘つきで、友達は道具として利用するものという涼女からしたら、伊依は奇麗事しか言わないお子様にしか見えないでしょうね。実際、第二部に入ってからの伊依は、ちょっと奇麗事が目に付く気がしますが、自分の思いというものを言葉にしてるからなんでしょうね。
言葉で伝わらない思いに、やきもきする伊依の様子が印象的でした。
今回はカービィちゃんの過去がいろいろわかりましたね。天才過ぎて、孤独だった子供のころからの辛い気持ちは、切ないものがありましたが、ナイトくんに出会い、伊依に出会って、少しずつ変わっていく、変わろうとするところが、とても良かったです。涼女との話には、胸が痛くなるものがありましたが……。
「魔王杯」なる怪造生物レースが、まさかここまで話が大きくなるとは思わなかったですね。なるほど、魔王、杯ですか。友達を道具として利用する涼女が、逆に道具のように扱われるところには、何とも残酷な感じがありましたが、それでも最後に、友を信じることができるようになったのは、良かったんじゃないかなと思います。
怪造の話よりも、人と人との関係の話がメインとなってたので、桃子ファンとしてはちょっと物足りないものがありましたが、伊依側に関するお話は、結構いろいろわかってきたので、すっきりしてきましたね。逆に怪造学会や魔王方面の話は、まだまだいろいろ問題がありそう。っていうか、エピローグであんなに物語が動くとは思いませんでしたよ。
次作から第三部「魔王編」が始まるらしいですが、学会本部がやばすぎなだけに、これからどうなるのかとても気になります。
アンダカの怪造学(7) Pandora OnlyOne
全校生徒を巻き込んで開催された新入生歓迎イベントによって、多くの被害を受けて閉鎖された古頃怪造高校の中で、伊依は、怪造学会総長、激流院潮静と、怪造学会の幹部に出会った。いわく「魔王が怪造された」と。
魔王に対抗する手段として、怪造学会が用意した最終兵器「パンドラオンリーワン」の使い手に選ばれたものの、伊依は自分に迷いを持ち始めていて……
復活した魔王によって、怪造された憤怒大公率いるドラゴンの軍が、現界へ送り込まれてきて……という第三部「魔王編」のスタートです。
いきなり失意の中にある伊依が描かれてましたが、さもありなんだなあ。魔王杯での出来事は、それほど自身の無力さを痛感したものだったんですね。常に前向きに行動していた彼女が、失敗を恐れ初めて、そんな自分に気づいて愕然とする様には、わかるだけに辛いものがあります。
そんな伊依が、怪造学会の魔王への対抗手段に巻き込まれて、パンドラに囚われていた魔姫と出会ったところは、結果として良かったんでしょうね。自虐的な魔姫とのやり取りから、少しずつ調子を取り戻していき、それでも失敗することには怯えていたんですが、嫌凪の言葉や、目の当たりにしたドラゴンと魔姫の昔語りを聞いて、再び理想を追おうとする展開は良かったですね。
個人的に印象に残っているのは、伊依の行方がわからなくなった後、遊はもちろん、香美や魔夜、罠奈たちが、それぞれの思いをもって動いたところですね。恩返しとか、そういう感情を飛び越えて、伊依のために何かしてあげたいと、友人たち動いたのは、今までの彼女の行動があったからこそだということを、伊依に届けてあげたかった。
今回は、友人たちの思いを届けることができませんでしたが、きっと魔王が本気になってきたときに、この力が生きてきてくれるんじゃないかと、そう思いました。そうなってくれたら嬉しいですね。
いやあ、面白かったです。伊依の立ち直りと覚悟みたいなものが見えたお話でしたが、その他にも、「パンドラオンリーワン」やアンダカが創造された理由など、いろいろなことが判明したし、怪造学会もどこまで信頼できるのかよくわからないし、校長までもが怪しい動きを始めてきたので、目が離せません。
魔王の方に例の人がいることを考えると、真子ちゃんは意外にキーマンになってくるのかしら、なんてあれこれ想像してますが、今後どういう展開になってくれるのか、楽しみですね。
アンダカの怪造学(8) Every DayDream
憤怒大公の侵略から三ヶ月が経とうとしている。あれ以来、魔軍の侵略は無いが、魔軍への切り札である最終兵器「独唱第五番」の唯一の使い手となった伊依は、気の抜けない状態が続いていた。
見かねた友人たちが、伊依を海へと遊びに連れて行き、つかの間の平和を楽しんでいたが、そのとき既に敵の侵略は始まっていたのだ……
伊依の恋愛とヴェクサシオンとの決着が描かれるお話なんですが、いやあ、すばらしい。アンダカって三巻ぐらいまでは、ほんと良かったんだけど、その後ちょっと落ちてきたかなと思ってたんですが、ここにきて、一気に盛り上がってきた。今まで描かれていなかった伊依の恋愛をきっちりとみせてくれて、さらにヴェクサシオンの心情の移り変わりが見える切なき物語に、やられました。
最高傑作にして最悪の失敗作と言われるヴェクサシオンについては、非道にしか見えなかったんだけど、生い立ちなどが見えてしまうと、まるで別の印象に変わりましたね。
子供のように純粋で、子供のようにわがままで。
なまじ力を持ってしまったことで、他人との間に絆を築けなかったことが、寂しさを呼び、でもプライドはそれを認めず、力を振るい、それがまた他人との距離を生む。切なかったなあ。
もし、誰かが温もりを、彼女を抱きしめてあげていたら、まるで違う人生を歩んだだろうなと思いました。
同じような立場なのに、仲間に恵まれてる伊依を憎みたくもなるわけだ。
一方の伊依ですが、行方不明となった遊について、罠奈に触れられたとき、ああいう反応を見せるとは思ってもいなかった。恋愛感情を今までほとんど見せてなかったし、どこかお子様というか、みんな大好き、な感じがあったから、余計にそう思ったのかも。そうか、見せてなかったわけではないのかと、いろいろ腑に落ちるものがあったなあ。
罠奈だけじゃなく舞弓も、伊依に対してズバっと指摘するところがあって、力になりたいからこそ、遠慮しない姿に、ああ、仲間ってこういうもんだよなあと改めて思いました。
力になりたいという友人たちの思いを感じながら、でも巻き込みたくないという思いがあり、もしかして恋という気持ちを避けているのではないかという思いがあったりと、戦い以外のことでも迷いを見せていた伊依でしたが、そんな彼女の迷いを晴らした蟻馬が、格好良かった。あの時、あの言葉を告げられたことは、伊依にとってどれほど大きなことだったか。子供の背負った重荷を軽くする先生って素敵。
確執を抱える二人の正面からの衝突でも、仲間という力の大きさが見えて、それ以上に伊依の成長を感じられて良かったです。相変わらずの甘いところもあるけれど、それでも伊依の言葉だからこそ、心が動くんだよなあ。
今まで逃げていたヴェクアシオンが、最後に勇気を振り絞ったところに、感動させられました。
いやあ、面白かった。個人的にはアンダカシリーズ最高傑作は三巻だと思ってるんだけど、それに勝るとも劣らないと思ったり。シンプルな展開がぴたりとハマった感じです。
どうやら次は、虚無大公との戦いのお話になるとか。これは大いに楽しみですね。
アンダカの怪造学(9) Hyper SamuraiSoul
「独りでは見つけられないものも、みんなで探せば見つけられるよ」
血影の手を握り締め、真子とも互いに頷きあい、伊依は宣言する。
「探そう。影文くんの残してくれた虚無断片!」
アンダカに棲息するモンスターを召喚する「怪造」。その怪造した生物と友達になることを目標にした少女・空井伊依が、古頃怪造高等学校で遭遇する事件を解決していくシリーズの第九弾。今回は、魔王軍と戦う伊依の手助けができないことを悔やむ侍少女・戦橋舞弓が、怪造学会三大禁忌を追い、自身の秘密を知ってしまうお話です。
いやあ、面白い。虚無大公=影文ということに、伊依が気づいてたことは意外でしたが、それ以上に意外だったのが、今まで当たり前のように側にいた人たちが、実は重要なキーだったこと。とんとん拍子に話が進むけど、そこに仲間の存在が感じられるので、何ともいえない温かさを感じます。
そんなこんなで、魔王軍を止めるために、虚無大公の断片を集めようと伊依は頑張ってるんだけど、そんな伊依の頑張る姿を見守ることしかできない舞弓の思いは、やるせないものがありました。真っ直ぐなだけに、進めないとなると、袋小路になってしまうんだろうなあ。迷いが弱さを生み、気づけば伊依の背中を見るだけだった少女でしたが、ハイテンション女装少年・無城鬼京に引きずり回されるうちに、迷うぐらいなら突っ走ってしまえと、思い切りが良くなるところが良かったです。
あわせて、怪造学の禁忌「物造」についてと、「物造」を追い求めていった女性のお話が語られていくんですが、そこからこんなロマンスが見えるとは思わなかった。舞弓の母であるという女性が、血影に似ているという事実が、すべてを物語っていたんですね。
それと同時に、舞弓の秘密も見えたわけですが、普通ならばショックだろうに、むしろ糧にすることができるのは、彼女の強さですよね。
「諦めている暇があるなら祈ればいい!弱音を吐く声があるなら叫ぶがいい!その声は誰かに届く!世界を変えられる!だから決して助けを求め叫ぶことは愚かではない!まだ絶望するには早いのだ。さぁ叫ぶがいい、助けて、と!」
自分に不安を抱いていたはずの舞弓の力強い言葉に、涙を浮かべた伊依の姿が忘れられません。
いやあ、面白かった!
舞弓の復活もさることながら、虚無大公の素直になれない思いに切なくさせられて、最後。これがまた泣かせてくれるんだ。
はじめから物語にかかわっていたのに、どこか疎外されていた少女が、笑顔になる展開に、良かったねとつぶやきたくなりました。
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