超鋼女セーラ / 寺田とものり
超鋼女セーラ
春休みが終わり、今日から高校生活が始まる。新たな日々に胸をドキドキさせながら迎えた入学式で、茸味の運命は劇的に変わった。壇上で挨拶をしている生徒会長の来栖セーラは、先日、不良に絡まれていた茸味を助けてくれた人じゃないか!
忘れられない人と同じ学校に通える嬉しさをかみ締めていたら、彼女が茸味に恋の告白をしてきて……
ああ、これは面白い。近接格闘戦用ロボット「超鋼女」である生徒会長セーラと茸味のラブコメ物語なんですが、手が触れただけで真っ赤になっちゃうとか、恥ずかしさをこらえながらお弁当をあーん、とかやってるのを読んでいると、顔がにやけるのを止められません。もう甘くて甘くて。
雰囲気としては「護くん」に似ていますが、個人的にはこっちのほうが好みかもしれない。
ちょっとしたことに拗ねたり(いや、お弁当はアレだけど)、自分の体でエッチできるのか父親に聞いたりするセーラが可愛くてしょうがないですが、自分がロボットであるという引け目や恋する乙女らしい不安を抱えている様子が伝わってきますね。このあたりの心情が良かったです。
後半はロボット格闘大会であるスティールアーツが中心になりますが、実際のところは恋するものたちの戦いでしたね。誤解されていた千美絵が、強力なライバルになってるところが素晴らしい。どちらも自分の恋に一生懸命で、一生懸命すぎて間違った方向に行くことがあっても、周りの助けで少しずつ成長していく展開は、まさに青春でした。素敵過ぎます。
今後、この超鋼女三人+マスター三人がどういう絡み合いを見せていくのか、ものすごい楽しみなんですが、恋愛要素も忘れないで欲しいですね。
ちなみに一番好きなキャラは絢子さんです。過ちはきっちりと指摘してわからせる、かつ前を向かせる言葉を投げかける説得力溢れる言葉は、まさにシスターですね。貧乏だけど。
今後の活躍を期待したいです。
超鋼女セーラ 2 ロボ娘はボクの夢を見る
来栖セーラというロボットは、偶然出会った男の子に恋をした。それから、恋が始まり、恋を知り、嫉妬を覚え、激しい胸の鼓動を知った。そして今日、セーラは夢を見た。ロボットである自分が夢を見るなんて……。茸味ってほんとすごい。そう思うと、茸味に会いたい気持ちが募ったが、生徒会の仕事が忙しく、会えない日々が続き……
イベントが目白押しなため、セーラと茸耳はすれ違う日々が続いていくというお話なんですが、あー、もういいなあ。会えない日々が続くことで、相手へ恋焦がれる気持ちが募っていくところが、たまらなく悶えてしまいます。
特にセーラ先輩のいじらしさがすばらしい!
ロボットである自分が恋をできる喜びを感じつつ、あんにゅい気持ちになったり、ふとしたときに「茸耳……」と呟くところなどなど、恋する乙女心を全開っぷりを見せてくれて、最高でした。生徒会室でのやり取りで「かわいー!」と叫ぶ他の生徒の気持ちに激しく同意。
個人的には、セーラと同じロボ娘のラヴィニアが好きだなあ。セーラの背中を押し、時に叱り付け、かと思えば、茸味に自覚を諭しながらも、優しく包みこむ。傲慢な言葉を発しつつも、隠し切れない優しさには、惚れそうになりますが、自分の胸のうちにある心に痛みと、どう折り合っていくのかを考えると切ないものがありますね。
子供たちのやり取りもさることながら、大人たちのやり取りもまた良かったです。娘はやらんと言いながら、娘の望みを叶えることができるのか調べるラルフや、人の想いとは何かを語る茸味の母、徳子の言葉には重いものを感じます。
お互い譲れないものを賭けての戦いは、片方に理不尽なものを感じるだけに、すっきりしないところがありましたが、最後の茸味とセーラのデートで、そんなことも飛んでいってしまいました。初々しさがいいですね。
次作以降もこのままの甘々さを続けていってほしいです。
超鋼女セーラ 3 センパイとボクの黄金週間 [前編]
茸味がセーラと出会ってから早くも一ヶ月が過ぎようとしている。忙しく、楽しく、すこし切ない日々は、あっという間だった。あわただしい毎日だと自分でも思うが、まだまだこのあわただしさは終わらないだろう。だって、今日から女王聖誕祭という大型連休、通称『黄金週間』が、明日からは超鋼機武闘会が始まるのだから……
超鋼機武闘会が始まるお話というよりは、初めて迎える長いお休みに、ふたりが期待に胸を膨らませるというお話ですね。ふたりの鼓動か聞こえてくるぐらい、初めて迎える黄金週間にドキドキわくわくしてる様子が伝わってきます。
特にセーラがいいですね。普段は生徒会長として、模範的な態度を崩さないのに、茸味のことになると、逸る気持ちを抑えられずに、周囲の人に気づかれちゃうところとか、可愛いったらないです。しかも、「茸味のはじめては、わたしがひとりじめしたいの」とか言いだすんですから、たまりません。ごちそうさま、と幾度言ったことか。
茸味に惚れてる千美絵は、二人の様子を見て落ち込んでいましたが、そんな彼女をみかねて友人たちがいろいろ協力する様はいいですね。奪い取ろう!というのではなく、一抹の期待を持ってたっていいじゃないかという消極的な積極性が、ドロドロな展開ではなく、恋愛における青春な雰囲気を盛り上げてくれてます。セーラと茸味の関係が大好きなのに、千美絵のことも、頑張れ!って応援したくなるところに、千美絵の良さがあるかな。まあ、彼女については、もうひとつ別のお話も出てきそうなので、楽しみだったり。
誰も彼もが茸味を気にする中、印象的だったのは、茸味の母、徳子の言葉でしょうか。子供を信じるという言葉の重みが伝わってきますが、それでいて子供に負担にならないよう見守る姿に、背筋が伸びる思いです。素敵なお母さんだなあ。
とまあ、超鋼機武闘会が始まったわりに、戦闘シーンは一回ぐらいしかなくて、ほとんどが恋愛モードでした。いや、ぜんぜんオッケーですけどね。
そういえば、王ノ道でしたっけ?セーラについて何か知ってる男がでてきたところには気になりましたが、どうやら裏では何か動いているみたいなので、大会を楽しもうとする二人からすると、きつい展開になるかも。
ちょっとした不安要素が見えるだけに、これからどうなっていくのか楽しみですね。
超鋼女セーラ 4 センパイとボクの黄金週間 [後編]
『黄金週間』の真っ只中、少しずつ距離を縮めてた茸味とセーラだが、間にサァラが入り込んできた。二人の仲を邪魔しようというのではないが、茸味の家に同居することになった妹分の存在に、セーラはヤキモキする気持ちが止まらない。そんな恋のバトルが繰り広げられている中、超鋼機武闘会の戦いと、さらに別の勢力が超鋼女を狙い始めて……
いたって普通の男の子、茸味と才色兼備な女子高生ロボットのセーラの恋を描いていく物語。前編では、とてつもなく甘い空気を見せてくれた二人でしたが、後編では甘いお話はちょっとお預けで、バトルが目立ったかな。
とはいえ、バトルオンリーってわけじゃなくて、茸味の家に遊びに来たセーラが……というところから、甘い妄想があったり、思いもよらぬトラブルがあったりと、にんまりさせてくれるところは、いつもどおり顕在でしたけど。っていうか、「お勉強」というフォルダに「友情の証」ってフォルダを作るのはやめましょう。
とまあ、犬も食わないこともやってたりするんですが、そちらはおいておいて、今回はなんと言っても、サァラの変わり方が良かったですね。茸味の家で、あれこれ好奇心旺盛に動き、ひとつひとつ常識を学んでいく姿は、可愛いものがありますが、それ以上に、自分は何をすべきかということを考えながら動く姿に、心を打つものがあります。
茸味のことが好きという気持ちはもちろんあるんだけど、セーラから横取りするというのではなく、ラヴィニアのように、好きだから見守りたいという気持ちが、だんだん見えてきて、一気に好きになりました。
なぜ戦うのかと問われたとき、自分の幸せにおいて、仲間を、家族を失うわけにはいかないと告げたときのシーンには、熱いものがこみ上げてきました。
茸味のことでは、千美絵もちょっと迷っていましたが、いい意味で片思いな位置にいてくれるみたいですね。ひょっとしたら、サァラとコンビを組むのかな?なんてことがあったりして、ちょっと楽しみ。
肝心のバトルでは、超鋼機武闘会よりも「若草の四姉妹」なる人たちが出てきたのが興味深いですが、敵……とは言い切れないのかな?いや、今のところどんな目的があるのかはっきりしませんが、超鋼女が四人いて、あちらも四人いるので、ライバル関係になったりするのかしら。
不明な点がいろいろあるので、楽しみですね。
超鋼女セーラ 5 彼女と僕の五つの約束
「あら、茸味、セーラちゃんひと筋も良いけど、ほかの女の子の良いところもちゃんと見てあげなくちゃだめよ?」
「お母さんは誰の味方なのさ」
「そうねぇ、女の子の味方、かしら」
いたって普通の男の子、茸味と才色兼備な女子高生ロボットのセーラの恋を描いていくシリーズの第五弾。今回は、黄金週間に遊びすぎて、資金繰りに苦しむ男女の間を、サァラがかき回してる間に、若草四姉妹の思惑によって、ベスと絢乃が「月光の森」へと足を運んで……というお話です。
ああ、もうニヤニヤが止まりません。お勉強するために、茸味の部屋でふたりっきりになってのドキドキや、ポッキーをアレしちゃったりとか、バカップルっぷりを発揮してくれて、もう!
茸味よりもセーラのほうが妄想激しかったりするところが可愛いですね。ふたりの未来を考えて、ちょっと暴走して結婚とかまでいっちゃうセーラに、にんまりです。
茸味に好意を寄せているのは、セーラだけではないんですが、サァラや千美絵などに囲まれて困っているときに、さりげなく手助けしてくれる茸味母の徳子さんが素敵です。茸味のため、というわけではなく、女の子たちのために、気まずいときにはフォローしてあげるところが、いいですね。
学園ラブコメ方面は、ちょっとした騒動がありつつも、甘くてきゅんとさせられますが、一方で超鋼女方面の話もいろいろ出てきてました。特に若草の四姉妹が何のために動いているのかが見え初めて、これからセーラたちに降りかかってくるであろう出来事に、不安を覚えます。
でもなあ、あっちはあっちでジョオがいたりするからなあ。
ジョオ+絢乃という珍しいコンビが、意外な連携を見せてくれただけに、今後敵対関係となってどうなるのか、大いに気になるところ。
今回個人的に印象に残ってるのは、未来を、過去を、不安に思うラヴィニアに対して、セーラが投げかけた言葉ですね。
「奇跡は起きるの。それも当たり前に」
今、茸味と恋をしているセーラだからこそ、いえる言葉ですよね。照れるラヴィニアのツンっぷりがたまりません。
まあ、セーラとして、不安がないわけではなく、不安だからこそ茸味に対して隠していることがあるわけですが、それを憂いてベッキーやら、黒髪セーラやらが動き出してくるところには、どうなるかと思ったんですけど、なるほど、みんなセーラが大好きなんだなということが伝わってくるやり取りに、温かいものを感じました。
ちょっと強引だったけれど、それでもひとつの決意をした茸味。オトコノコなら、好きな人のために頑張れ!
超鋼女セーラ 6 ソラの恋人、あの娘のトクベツ
「えっと、セーラ……せんぱ……い?」
「……茸味?」
おずおず、といった様子でリビングをのぞきこんでいたのは……。セーラによく似た小さなかわいい女の子。
否。
小さなボディで復活した、茸味のセーラだった。
いたって普通の男の子、茸味と才色兼備な女子高生ロボットのセーラの恋を描いていくシリーズの第六弾。今回は、機能停止してしまったセーラの身体を修復する間、小学六年生時代の身体を使うことになり……というお話。
これは楽しいなあ。ちんまくなったセーラを前にした生徒たちの反応がいいです。今まで、才色兼備な姿に、どこか壁を感じていた生徒たちが、年下の妹を見るかのように可愛がる姿が、微笑ましくなってくる。セーラもセーラで、中身は変わらないはずなのに、どこか外見にひっぱられて、いつもよりもちょっと素直で、ちょっと積極的で、茸味に対しても、甘えてくるから可愛いったらないですね。大人の身体でできないからと、お姫様抱っこしてもらって喜ぶ姿とか、とてもよかったです。
とまあ、甘々な学園生活が描かれていましたが、セーラの身体が変わってスペックダウンしたといううわさが流れたら、超鋼機武闘会に参加してる面子なら、反応しちゃうわけで。セーラが不在のときに学校へ乗り込んできて、あろうことか生徒たちを人質にとろうとするんだから、悪役っぷりがハマってます。
この間、意外な活躍をしてくれたのが書記さんでした。「腸」という口癖はどうかと思うけど、軽いノリで前年度の代表超鋼機を操る姿の格好いいこと!僕の中で、書記・湯ノ花さんの株が上昇中。
安っぽい悪人は放っておいて、今回は、御浜千美絵にとっても大きな区切りになってましたね。セーラと茸味の仲を認めつつ、自分の気持ちを抑えることができず、告白しようと決意しつつ、なかなか言い出せなかったりして、迷える乙女心が見えます。
ま、そんな千美絵に対して、先日の戦いで負けに等しい引き分けを味わったエイミーが、ただならぬ感情を持ってつっかかって、ライバルになっていくところも良かったです。
いやあ、面白かった。今回物足りないとしたら、ラヴィニア成分ぐらいじゃないかしら。
ずるいことをします、と言った千美絵は、ちょっと悲しい気持ちになったかもしれないけれど、でもすっきりしたんじゃないかな。
今後もよき友達として茸味の側に、セーラの側に、サァラの側に、いてくださいね。
超鋼女セーラ 7 フタリの青春、お嬢のユウウツ
「それから、今回に限って『ごめんなさい』は言っちゃだめ。わかるの、御浜さんのしたことは、恋人のセーラ先輩としては許せないことだけど。でも、女の子の来栖セーラには、痛いくらい……本気の気持ちだってわかるから」
だから、と。
「茸味は、茸味にキスまでした御浜さんの気持ちを大事にしてあげて。そのかわり、キスしたことなんかわすれちゃうくらい、いっぱいキスして」
いたって普通の男の子、茸味と才色兼備な女子高生ロボットのセーラの恋を描いていくシリーズの第七弾。今回は、ラヴィが友人のために人肌脱ぎ、絢乃がびんぼーのプライドとベッキーとの絆のために戦い、セーラと茸味はお互いの内心を打ち明けてますますラブラブになっていくお話です。
やっぱりラヴィニアは格好いいなあ。好き合っていた恋人たちの本心を引き出すために、たとえ嫌われ者になろうとも一肌脱ぐ姿にやられます。また彼女の誇り高さと優しさが伺える言葉が素敵なんだ。茸味を相手にするときだけ、ちょっと弱気になるところもいいですよね。
さすがにセーラを押し退けてという行動は取らないと思いますが、彼女も素敵な恋をしてほしいな。
今回意外な格好良さ・・・といっていいかな、を見せてくれたのが誰であろう絢乃で。びんぼーなめんなって言葉をああもビシっと決めてくれるのは彼女しかいないでしょう。内容はともかく。
おかげで無駄な苦労をしたり、相棒であるベッキーに不安な思いをさせたりしてましたけど、戦いを通じて、よりいっそうの絆を感じさせてくれたところがよかったです。この二人の関係は好きだなあ。
子供ボディだってこともあるのかもしれませんが、セーラたちは戦うことなく普通に恋愛してました。折枝さんの話、もうひとりの自分、告白されたことなどなど、二人の間で秘密になっていたことを、気まずい思いをしながら打ち明けていったことで、より一層愛しさが溢れていくところはいいなーと素直に思っちゃいますね。
セーラが最後にすごい発言しちゃってましたけど、それもまた男女の間だったら距離を縮めるためのコミュニケーションのひとつでしょう。いつか自然にできるといいですね。
こうしてみると三者三様のお話になっていますが、超鋼機武闘会の行く末はどうなっていくんだろう。このあたりが見えてこないのはちょっと物足りないですが、ま、ラブラブっぷりが楽しいからいいか。
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