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タロットの御主人様。 / 七飯宏隆

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タロットの御主人様。

タロットの御主人様。 - 七飯 宏隆

四阿秋人の祖母・四季が封印したという「クロウ・クルアッハの聖隷のタロット」を落ちこぼれである自分が解けるはずがない。だが、ふとした拍子に、何かが弾け、封印が解けてしまった。しかも、二十二枚のタロットカードは、それぞれ意思を持ち、封印した祖母の代わりに、秋人を狙いはじめたのだ!よりによって、一番初めに表意されたのが、幼馴染の結夏で……

陰陽道の占家・四阿家の跡継ぎであり、「逆に感心するほど当たらない」と言われるほど、落ちこぼれである秋人が、封印から解き放ってしまったタロットカードを再び集めるというお話です。

いやあ、面白いですね。憑依された人を戻すには、カードを封印する必要がある。封印するには、「聖櫃」たる秋人が接吻をしないといけない。しかも、すべてのカードが集まるまでは、カードはそのまま残るので、封印されたカードの力を使いたい場合には、秋人とキスをする必要がある、というんだから、どうなるかは推して知るべし。

幼馴染の結夏は、素敵なツンデレさんなのがポイント高いです。秋人を怒鳴りつけてる姿が、照れ隠しにしか見えなくて、読んでてニヤニヤがとまりません。一番ヒットしたのは、秋人がバカにされたとき、秋人本人よりも怒るところですね。ああ、いいなあ。
ツンデレな幼馴染と違って、内気だけど時に積極的で、しかも結夏と違って、家庭的なことは抜群というクラスメイトの八久住さんも秋人を思ってるだけに、ライバル関係が見ものですね。
意気地の無い秋人と、そんな秋人を想う人たちのラブコメな展開が素敵でした。

ラブコメとしても面白いですが、タロットカードの属性を利用したバトルものとしても、いい味出してますよね。圧倒的戦力差がある中で、どうやって戦っていくかというところは、姑息ながらもやってくれる、と思いました。
タロットカードの能力や、封印の解きかたなど、戦い方ひとつでどのカードが強いと言えなくなる感じがあるので、戦闘方面でもいろいろ面白くなりそう。

とりあえず、一段落ついてはいますが、全部のカードを集めないといけないんですから、まだまだ先は長いですよね。次が出るかどうかなんて言わずに、ぜひとも続きをお願いしたいです。

タロットの御主人様。 - 七飯 宏隆

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タロットの御主人様。2

タロットの御主人様。 2 (2)  - 七飯 宏隆

勝気な幼馴染の結夏と気の弱いクラスメイトの香澄。タイプの違うふたりの女の子との共同生活に、いっぱいいっぱいになっていた秋人は、ある日、名門女子高でボイコット騒動が起こったという噂を耳にした。しかも中心にいる鷺宮藤子なる美少女は、一週間前から始めた占いで、百発百中の的中率を誇るという。間違いなくタロットカードが絡んでいると睨んだ秋人たちは、厳重警備が敷かれている名門女子高に侵入して……

オチこぼれ陰陽道の占家・秋人が、バラ撒かれてしまった二十二枚のタロットカードを集めて封印するお話の第二弾。今回は、タロットカードの力を封印された幼馴染の結夏とクラスメイトの香澄と共に、名門女子高に乗り込んで、「女教皇」と「運命の輪」のカードと退治するお話です。

いやあ、楽しいなあ。これはいいラブコメですね。美少女たちとの共同生活におけるお約束なイベントに、笑いが止まりません。秋人自身の話も楽しいけど、むしろ、気になる男の子と一緒にいることにドギマギする結夏や香澄の様子が楽しいです。

そんな三人で、名門女子高へと忍び込んでいくんですが、カードにのっとられた人とのやり取りよりも、戦いに向かう自分たちの心について語られるところが多かったですね。
好意を持つ秋人の役に立ちたいと気持ちのはやる香澄と、当主としての秋人の危機に自分がやらねばと気負う結夏。そんなふたりを束ねる秋人が、自分はともかく女の子たちを傷つけたくないと思っていては、勝てる戦いも勝てなくなるということが、よくわかります。このあたりの心理描写がうまいよなあ。

この三人の意識のズレについて、いち早く気づいたのが、「クイーン」たるアメジスティアだというところは、さすがは幼くとも一日の長ってところなんでしょうか。
素直に教えずに、さらにはデートと称して、結夏たちをもかき回そうとするあたり意地が悪いですが、秋人とのやり取りで、ちょっと内面が見れたのは、印象的でしたね。かつて何があったのかわかりませんが、秋人の言葉から連想するものがあったことは想像に難くないだけに、今後彼女が辛い道を歩むことになるのか気になるところ。

秋人とアメジスティアのデートをきっかけに、結夏と香澄が、お互いに持っていた誤解を理解しあって、いつしか協力し合うような仲になっていったのは、嬉しかったなあ。素直になれない結夏と引っ込み思案な香澄なら、いい具合にお互いを引っ張り合ってくれるんじゃないかしらと思って、ニヤニヤさせられましたが、それぞれの気持ちのズレを自覚して、タロットを束ねる立場になった秋人の成長が、本作のメインだったんでしょうね。とてもよかったです。

とまあ、こちらの三人の話はよかったんですが、敵対する「女教皇」と「運命の輪」の内面は、あまり見えなかったのが、残念かなあ。チラリと見せてくれた悲しみの実情は、今後、行動を共にすることで、見せてくれるんでしょうか。

そうなると嬉しいけど、だからといって、結夏と香澄の相手が疎かになっちゃうかもしれないと考えると、ううむ。今後もこのまま増えていくとなると、収拾つかなくなりそうだなあと思いつつ、見てみたい僕がいる。

タロットの御主人様。 2 (2)  - 七飯 宏隆

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タロットの御主人様。3

タロットの御主人様。 3 (3) - 七飯 宏隆

秋人が聖隷のタロットの封印をうっかり解いてから二週間。その間に集めたカードの枚数は四枚あり、上々だと思っていた秋人だが、ジブリール曰く、遭遇率が低いという。日本中、下手すると世界中に散らばってしまったかもしれないカードを集めるとなれば、長期戦になるだろうということで、気分転換に秋人たちは臨海学校へ参加することにした。
皆で楽しくやれたらと秋人が思っていたが、その裏では、秋人とふたりっきりになろうと、籐子お嬢様が画策して……

オチこぼれ陰陽道の占家・秋人が、バラ撒かれてしまった二十二枚のタロットカードを集めて封印するお話の第三弾。今回は、夏の臨海学校で、海に行くお話です。一応タロットカードバトルはあるけど、最後のほうにちょろっとあるだけなので、「隠者」「節制」「運命の輪」「女教皇」のカードに憑依された四人の少女 + メイド + クイーンとラブコメする番外編的お話でした。

こういうお話で、男の子が鈍いのはお約束ですが、女の子たちが積極的に動いてくれるから、ほんと楽しい。特に「女教皇」の籐子の積極性が面白かった。

秋人としては、クラスメイトに籐子(のみならず他の女の子)と仲良くしている姿をクラスメイトに見つかったらまずいので、必死に隠そうとしつつ、でも、籐子は既成事実を作ろうと頑張ってくれちゃって、それを見た結夏が、べ、別にただの幼馴染なんだからといいつつ、二人の接近を防ごうとする騒動に、ニヤニヤしまくり。

まあ、そんなふたりの騒動を冷静に見つめてた美咲が、一番美味しい位置にいたところに、やってくれると思いましたけど。普段無表情で、何かと嫌味ったらしい言葉を口にしながら、封印を解くときに、心情を見せ始めるあたりが、良かった。

ただねぇ、それで一冊終わってしまったのは、ちょっと物足りないかなあ。まだぜんぜんカードが集められてないのに、これからどうするんだろう。どこかでがっつり集めることになるのかしら。

そのカード集めにしても、いろいろ問題があるようですね。秋人に対しては、素敵にツンしてるクイーンの口から出た「コンプリート出来ないほうが」という言葉の意味するものが何なのか、とても気になります。

タロットの御主人様。 3 (3) - 七飯 宏隆

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タロットの御主人様。4

タロットの御主人様。 4 - 七飯 宏隆

「あら。なかなかの美形ですwね。秋人様には劣るとも勝りませんけど!」
みんなの複雑な反応は、籐子様の簡潔な感想がすべて物語っていた。
「う、うそだろ……!?」
そこに写っていたのは、すらりとして背の高い、少々鼻のつく笑みを浮かべた、とってもきれいな顔立ちの―
男、だった。

オチこぼれ陰陽道の占家・秋人が、バラ撒かれてしまった二十二枚のタロットカードを集めて封印するお話の第四弾。次なるタロットは……男?ということで、悶々と秋人が悩んでいたら、「宮殿」が怪しい動きをし始めて……というお話です。

おおっと、まさか、こっち側から動いてくるとは思わなかった。クイーンことアメジスティアの地位も、それほど磐石ってわけじゃないのか。プライドと、アメジスティアよりも高い地位を持つネイヴの嫌味に、拳を震わせてましたが、そのネイヴの動きが嫌らしいですねぇ。

有力な占家が動き出して……と、秋人たちが動けなくなるような包囲網が徐々に感じられて、さあどうなる状態なのに、秋人たちがいつもどおりの痴話喧嘩三昧だから、まったくもう、って思います。せっかく、『隠者』のカードを持つ結夏がサインを出してたのに。
様子がおかしいってのは気づいていても、それがいつもの騒ぎにまぎれてしまうのは、この面子のいいところでもあるんですけど、今回はそれが裏目に出ましたね。

ちなみに、個人的に一番好きなシーンは、結夏と秋人が、幼いころのエピソードを語り合うところでした。小さいころって、からかわれたら、反射的に残酷な仕打ちをしちゃうこともあるんだけど、それをちゃんと取り戻す秋人の優しさが、微笑ましい。こりゃ結夏が目を離せなくなるわけだよねぇ。早いところ、素直になっちゃえばいいのにとニヤリ。

で、六人目のタロット主は、散々匂わせていたとおり……と思ってたのに、まさかまさかの方向に進んでいかれて、意表つかれまくりでした。なるほど、今度は団体戦になるわけか。
ただ、既に力を覚醒させている相手と異なり、こちらは意思の疎通すら間々ならない状態で、さらに人質といってもいい人が連れて行かれてしまったので、ここから秋人がどう立ち向かっていくのか。続きが気になります。

タロットの御主人様。 4 - 七飯 宏隆

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タロットの御主人様。5

タロットの御主人様。 5 (5) - 七飯 宏隆

「逃げてない!」
考えるより先に叫んでいた。
「秋人はきっと……きっと……」
「助けに来る ― か。いやはや、盲信というのは恐ろしい」
芝居ががかった仕草で頭を振ってから、真冬ちゃんは出し抜けに、ぞっとするような笑みを浮かべた。
「なら訊くがね、結夏。君は秋人のなんなんだい?」

オチこぼれ陰陽道の占家・秋人が、バラ撒かれてしまった二十二枚のタロットカードを集めて封印するお話の第五弾。今回は、連れ去られた結夏を、秋人たちが救出に向かうお話です。

前作は、上下巻構成の上巻にあたるお話だったこともあって、ラブコメ方面は楽しくとも、話しが進まないなあーと思ってたんですが、今回は動きまくりでしたねぇ。まあ、これはアメジスティアが動いてくれたからなんですけど。
結夏のことで呆然としていた秋人を、自分の地位のためにと言いながら叱咤する姿に、倒錯した思いを感じました。普段はクールなのに、秋人が絡むと、冷静になりきれないところに、にやりとしてしまいます。

おかげで、秋人も結夏を助けるために動き出すんですが、いったい結夏は秋人にとって何なのかってところで、いろいろ迷いが見えてましたね。流されてハーレム状態になってたけれど、その女の子が自分にとってどんな存在かということを見つめなおすのは、初めてじゃないかしら。
これは囚われの身となった結夏も同じで、秋人にとって自分という存在は何なのかと考え始めてくれて。
今後二人の関係にどう影響が出てくるのか気になるばかり。

で、前回惨敗だった相手に対して、どう救出劇を繰り広げるかというところで、各自が試行錯誤を繰り広げていくんですが、ついに秋人が覚醒し始めた……と言っていいのかな。「能なし」とまで言われながら、なぜ次期当主に選ばれたのかが見えてきて、なるほどなるほどと思ったり。でもまだいろいろ隠されてますよねぇ。そもそも、結夏にも謎があるみたいだし。

ま、そんなことよりも、タロットを道具として扱わず、人として接し、人として力を借りる秋人の思いが良かったです。操られてる結夏に、彼女の武器であるクロスを渡せる信頼が素敵でした。バカと言いながら、クロスを握る結夏の嬉しそうな姿が、とても印象的でした。

いやあ、面白かった。
秋人や結夏の謎もさることながら、タロットにも新たに見えてくるものがあって、気になりますね。ジブリールは事情を知ってるんだろうけれど、制限があって駄目だし、神祗七役の最後の一人のファンキーな婆ちゃん、志摩桜も、いろいろ知ってそうだけど、あれは素直に教えてくれるタマじゃないしなあ。

むしろいろいろ引っ掻き回してくれそうですが、それでも何だかんだ言いながら、手助けしてくれそうな気がしないでもないので、楽しみに待っていたいと思います。

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