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リバーシブル / 水月昂

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リバーシブル 1.黒の兵士

リバーシブル 1.黒の兵士 - 水月 昂

プレイヤーがテロリストとなり、与えられたミッションをクリアしていくネットワークゲーム「マスケラ」。某国の軍隊で使っている戦闘シミュレータを基にしていると言われるだけあって、かなり良くできたゲームだった。
俺たちは部活と称して、放課後は空き教室に集まり、夜は夜で寮内で、そのゲームに没頭していたが、ある日、メンバーの一人が消息を絶ち「マスケラ」を動かす装置も消えていて……

アンダーグラウンドで流通している戦闘シミュレーションゲームにハマった高校生たちが、リアルな世界でも騒動に巻き込まれていくというお話。
アニメにしたら映えそうな描写が多かったですね。出だしを読んだとき、甲殻機動隊のシーンが浮かんできました。

わかり易すぎる伏線や、与えられた情報からの察しが悪すぎるなど、まだ練りきれてないところがありましたが、読みやすく、雰囲気は好みでした。ちょっとストレートすぎるので、もう少し捻ってくれると良かったかな。
リアルとバーチャルの使い方がうまく、どこかドライでありながら、熱くなれるという現代っぽさもいいですね。

個人的には、ダキニの活躍が少なかったのがもったいないと思いました。せっかくの人工知能マスコットなので、うまく活用できるシーンがあると面白くなりそう。まあ、あまり便利すぎるのも考えものなので、バランスが難しいところだとは思いますが。

あまり目立たなかった恋愛要素ですが、感情を表に出さない伊緒が小悪魔に変わるシーンはとても良かったので、このあたりもっと書いて欲しかったなあ。シリーズものなので、次作以降に期待しましょう。

第9回角川学園小説大賞奨励賞受賞作。

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リバーシブル 2.魔眼の砦

リバーシブル〈2〉魔眼の砦 - 水月 昂

今にも雪が降りそうなクリスマス。オレたちはいつものメンバーでパーティを開いていた。お酒を飲んだり、花火をやったりと楽しんでいたとき、突然、黒ずくめの男が現われ、撃たれた。
意識を取り戻したとき、全員揃ってはいたが、そこは見知らぬ場所で、しかも『調停者』は奪われていて……

『調停者』の力を軍が利用しようとするお話。まあ、あれだけの物を軍が利用しようとしないはずがないので、ある意味、当然ですよね。

いきなり撃っておいて、協力してくれという態度は、武力を使い慣れてる者の特性がよく出ていますね。力で押すだけではなく、情を通じて懐柔していく点に大人の汚さを思わせます。
ただ、あまりにもあからさまなのが、もったいない。もうちょっと自然なやり取りができれば、内部分裂と併せて、樹たちにもいろいろな迷いが見れて面白くなったんじゃないかな、と思ったり。

今回も伊緒と相馬の『調停者』の使いっぷりに、凄さを感じさせてくれますね。ただ、樹のすごさがあまり伝わってこないんですよね。やってることはすごいだけに、細かい描写がもうちょっと欲しいところです。
まあ一番の不満は、ラブがないことですが。あのときの伊緒と樹はどこへいったんだ?このあたりはホント何か欲しかったです。

最後の戦闘シーンなど、全員のコンビネーションなどはとても惹かれるところがあるんですが、いまいち盛り上がりに欠けるので、もったいない気分でいっぱい。
個人的には好きな雰囲気なので、もうちょっとがんばってほしいかな。そろそろ『調停者』の秘密が出てきそうな感じがあるので、次は期待できるかもしれないと思うと、楽しみですね。

リバーシブル〈2〉魔眼の砦 - 水月 昂

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リバーシブル 3.白の悪夢

リバーシブル(3) - 水月 昂

霧の夢を見たのは、オレだけでなく、桐也や和美さんなど、伊緒を抜かしたいつものメンバー全員が見ていた。『調停者』の存在がある以上、偶然で済ますわけにはいかない。何が起きたか突き止めるべく、夜、お互いを監視していたが、気づいたらオレたちは夢遊病のように歩いていて……

同じ夢をみて、さらに樹たちを夢遊病のように操る霧の謎を追っていくうちに、以前の事件で黒幕だった『愚者』の姿が……というお話。はじめの何気ないやり取りが、後々に生きてくるところはうまいなあ。ビリヤードしかり、ゲームしかり。事態が動くのはちょっと遅いけど。

『調停者』を使っていないのに視覚に霧が写る謎や、操られている転校生など、樹たちの周りで怪しい動きが確認されるんですが、誰が狙っているのかはわかっても、理由が明かされないため、引き込まれてしまいますね。危険な方面に足を踏み込む緊迫感がありながら、仲間通しのやり取りでは、どこか緩やかなものを感じさせてくれる雰囲気が素敵です。

良くも悪くも特別な存在であった『調停者』の使い手として、多方面から狙われていることを知らされるあたりでは、不安を煽られただけに、ハードな展開になるのかと思いましたが、いい意味でこじんまりとまとまってくれましたね。

いや、「愚者」の狙いについては、結構大きなものなんだけど、どうも緊迫した空気があまり感じられないせいか、こじんまりとした感じを受けました。その後のバトルはちょっと蛇足っぽかったからかなあ。もうちょっと、こう戦略というか、『調停者』を利用したり、策といったものを感じられるバトルになってくれたら、嬉しかったけど、まあ、これはこれで良しかな。

個人的に気になっていた樹と伊緒の関係ですが、いやはや、まさか、こういう展開が待っているとは予想外でした。和美とのやり取りから、あれれ、ひょっとして……と思わされただけに、実はそんな時からだったのかという展開ににんまり。最後はとても綺麗に終わってくれて満足です。

リバーシブル(3) - 水月 昂

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