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クインテット! / 越後屋鉄舟

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クインテット!1

クインテット! 1 (GA文庫) - 越後屋 鉄舟

両親が海外赴任するということで、父ひとり子ひとりで暮らしていた椿敬助の家に、隣に住む幼馴染の女の子、ひだりが居候することになった。すると、能天気な父親が、再婚すると言い出し、相手には連れ子がいたので、突然義理の妹が出来てしまった。と思ったら、幼いころ、近所に住んでいたお金持ちのお嬢様が、メイドとなって椿家を訪れ、さらに、父がどっかのヤクザの娘と敬助を許婚にするという約束をしてて、しまいには、現役アイドルを拾ってしまい……気がつけば、椿家は、父と敬助以外が、母、幼馴染、義理の妹、メイド、許婚、アイドルと、女だらけの大家族になって……

というわけで、敬助を好きだという5人の居候娘たちが繰り広げるホームコメディです。前作「花守」は切ないお話でしたが、一変なんてもんじゃないほど、ぜんぜん違う雰囲気のお話ですね。

全部で5話収録されてるんですが、全員が椿家に集まってくる第0話のドタバタがとてつもなく面白い。テンションの高さが、ナマジじゃなくて、ボケに対するツッコミが容赦なく繰り広げられます。次々と女の子が家に来る場面なんて「またかよ」というよりは、次はどんな?とワクワクさせられるものがあるんですよね。いやあ、楽しい楽しい。これだけでも読む価値ありですよ。

他の四話は、アイドル、ツバメの話、5人に振り回されて疲れきった学園生活を送っている敬助が生徒会長にキレる話、義理の妹、小唄のファイトクラブな話、期末テストの問題を盗みに行こうとして、生徒会と戦うお話ですが、一番好きなのは、義理の妹、小唄の話ですね。「メロコアFC」。

土曜の夜になると出かけて遅くまで帰ってこない。時に怪我をしてくることもあるという小唄を心配したママさんが敬助に相談して、というお話なんですが、これが素敵にハートフル。理由とかは読んでもらうとして、最後のおんぶシーンが、たまらなく温かかったです。

どの女の子も可愛くて、個性的で、でも女の子らしい思いを胸にしてて。実際、敬助に惚れるのもわかるんですよね。粗雑でガキ大将的だけど、最後には頼りになる感じがあるんですから。子供のころに、こういう男に会ったら、たぶん、頭から離れないだろうなあ。子供の頃のひだりのてくてく話がすごい好きだったりする。

いやあ、楽しかったですね。いわゆるハーレムものですが、エロさよりもコミカルさを前面に押し出してて、時にしんみりさせつつ、家族もの的な温かさもあったりして、かなりお気に入りです。もちろん、おバカな話もありますしね。

普通にドタバタするものもあれば、登場人物一人一人に焦点を当てつつ、物語を進めていく形もあるので、今後誰に焦点が当たっていくのか、最終的に敬助は誰を選ぶのか、楽しみです。
あと、個人的にはジョジョネタがたっぷりあったことが、すごい嬉しかったんですが、この路線が続くのかというあたりも注目していきたいと思います。

クインテット! 1 (GA文庫) - 越後屋 鉄舟

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クインテット!2

クインテット!2 (GA文庫 え 2-3) - 越後屋 鉄舟

いつの間にやら大家族での生活に敬助が慣れてきたころ、操を追ってヤクザが現れた。おまえさんと小嬢はんの許婚云々など、口実に過ぎず、小嬢はんは椿家にただ避難しにきただけだと。否定する操を連れて、ヤクザの手から逃れだした敬助だが、振り切った先で、操から話を聞いてみると、相手のいう事に間違いは無いと言い出して……

男所帯だった椿家に、母、幼馴染、義理の妹、メイド、許婚、アイドルが住む事になってというホームコメディの第二弾。

いやあ、楽しいや。前作でも見せてくれていたジョジョネタが炸裂しまくってます。ヘブンズ・ドアーでやられてからは、ネタが出てくる度に笑いまくり。素数とか、「ターザンの主演女優は?」に思わず吹き出してしまいましたよ。電車の中で吹き出すと、周囲の視線がやたら痛いことを実感できるので、勇気ある人はお試しあれ。

今回は、許婚たる操の本音が描かれる「極道たちの挽歌」、メイド遊恋子の献身さが悲劇を呼ぶ「監獄ハウスの輪舞曲」、家族同然の幼馴染ひだりとの関係を描いた「天の岩戸カプリチオ」、一家八人全員で伊豆旅行する「湯けむり慕情セレナーデ」の四編からなるお話です。

なかなかにシリアスな操のお話には、熱いものを感じさせられ、遊恋子の思わずニヤリとさせられるオチが素敵なホラーテイストなコメディにやられてと楽しい限りでしたが、個人的には、ひだりの話が好きだなあ。幼なじみだからこその近さが、逆に距離を感じてしまうところに、何ともいえない切なさを感じてしまいました。今までと同じようで、でも他の女の子たちがきたことで、ちょっとずつ変わっている二人の関係を自覚していったあとの「ぐしゅっ」に、嬉しさを覚えましたよ。

どの話でも、テンション高いコミカルな展開に笑いが止まりませんでしたが、それでいて、しっかりと家族ものなお話になってるところが素晴らしいですよね。そのことを一番実感できたのは、伊豆旅行の夜のシーンかな。ひとり起きていた敬助が、ひだりに促されてポツリとこぼした昔話と今の話。不器用なガキ大将が、ひとりじゃないよと感じられるシーンに、グッとさせられました。ハーレムものとかそういうんじゃなくて、家族として、全員がいることの楽しさ、嬉しさみたいなものが伝わってきましたね。

いやあ、いいな、このホームコメディは……と思っていたら、ラストのラストで、何その展開!言われてみたら、伏線というか、そのまんまのことがたしかに言われてましたけど、まさか、本当の事だとは思いませんでしたよ。
普通にホームコメディもので行ってくれればいいのにと思わなくも無いけど、まあ、いくらなんでも本格的なバトルものになることはないだろうから、今までの雰囲気を生かしつつ、素敵な結末を迎えてくれると嬉しいですね。

クインテット!2 (GA文庫 え 2-3) - 越後屋 鉄舟

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クインテット!3

クインテット!③ (GA文庫) - 越後屋 鉄舟

「確かに初めのうちは、俺にとっても祭りだったよ。毎日毎日クソうるさくて、クソ騒がしくて、いい加減終わってくれねぇかなって思ったりした」
「うん」
「だけど、今は違う。今の俺にとっちゃ、あれが日常なんだ」

両親が海外赴任するということで隣に住む幼馴染の女の子を居候させることになった椿家。そんな折りに父が再婚し、連れ子がいたため義理の妹ができて、かと思ったら、かつてのご近所さんがメイドとして、あるいは父の知り合いのヤクザが娘を許嫁として送り出して、さらに現役アイドルを拾って……男所帯だった椿家が、気付けば女だらけの大家族になってしまったハイテンションコメディシリーズの第三弾。今回は、周辺の圧力によって、家族のような椿家が、崩壊に……というお話。

前作が出てから三年ぶりとなるシリーズ。テンション高いやり取りがとても好きだったので、続きが出たと聞いて迷わず手に取りましたが、面白かった!五人の女の子が常に傍にいるのに、全員に見せ場があり、賑やかだけどうるさすぎないやり取りは、健在でした。正直忘れている部分もあったんですが、読み進めていくうちに思い出してきて、ああいいなこの雰囲気と思いました。

初めは、敬助の母に会いに行くというお話。どんなお母さんかと思ったら、とても豪快で(なんせレスラーですから)、よくもまあ、あのお父さんが結婚したものだと思いましたが、幼馴染みだったというのは大きかったんだろうな。尻に敷かれて、でも親密さを感じさせる距離は、夫婦というより、姉と弟って感じでしたが、良いものでした。

そんなところに、例の如くでやってくるボヘミアン・ラプソディーが、大騒動を引き起こすんだけど、なんだかんだ敬助が頑張って、マザコンと言われようが何だろうか、家族を思う気持ちが見えて、ほっこりと温かい気持ちになりました。

ところが、そんな「家族」な雰囲気を壊したのが、週刊誌で……。

そりゃ失踪した現役アイドルがいると知られれば、大騒ぎになるのは当然で、この平和が崩れていくところは、胸が痛むものがありました。たとえ何もしていないでもイメージに傷が付くのは避けられず、守ってやりたいと思っていたのに、個人の力ではどうしようもできないのではと迷う敬助の心情を思うと……

迷いからつい手を放してしまい、ひとり、またひとりと椿家から火が消えて、そこから始まる崩壊は、切ないと言うより寂しいものがありました。これまでが祭りのような騒ぎだったからなおさらそう思うのでしょう。でも、その火を、家族という思いを、再び取り戻していくキーホルダーのシーンは、とても良かった。絆を感じさせる思いに、じんわりきましたよ。

再び祭りを手にするために、祭りを日常とするために、敬助たちがどう頑張っていくのか楽しみです。

追伸:カバー見返しの著者と絵師さんのやり取りに、とても吹いた僕がいるよ。

クインテット!③ (GA文庫) - 越後屋 鉄舟

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クインテット!4

クインテット!④ (GA文庫) - 越後屋 鉄舟

「だから絶対最後までついてこいよ。途中でへばったりしても絶対ェ『自分を置いて先に行ってー』みたいな、バトル漫画の終盤にありがちな馬鹿臭い台詞口にすんじゃないぞ。小唄とツバメも同じだぜ。『ここは自分に任せて、みんなは先に行ってー』とか言った日にゃ、マジ張り倒すかんな。いいか?全員揃って行くんだ。全員揃ってココを助けて、んで全員揃って家帰んだよ」

両親が海外赴任するということで隣に住む幼馴染の女の子を居候させることになった椿家。そんな折りに父が再婚し、連れ子がいたため義理の妹ができて、かと思ったら、かつてのご近所さんがメイドとして、あるいは父の知り合いのヤクザが娘を許嫁として送り出して、さらに現役アイドルを拾って……男所帯だった椿家が、気付けば女だらけの大家族になってしまったハイテンションコメディシリーズの第四弾。今回は、周囲の圧力によって離ればなれになってしまった家族を取り戻すお話しです。

面白かったー。離ればなれになってしまったことで、コミカルさは若干なりをひそめたものの、家族への思いがこれでもかと詰まっていて、随所で涙ぐまされるところがありました。

壮絶な親子げんかで、親としての立場を見せられ、それでも家族のために先へ進もうとする決意を見せて……あの、楽しかった日々を取り戻すため、という思いが全力で伝わってくるところには、じんわりしまくり。啓介だけでなく、出て行かざるを得なかった女の子たちも、それぞれの決意を持って現実に立ち向っていき、再会した時の喜びは、まさに感動という言葉がぴったりでした。 ここまできて、あのとき買ったキーホルダーがひとつたりなかったら、取り戻しに行くのは、当然ですよね!

ただ、みなが集まってしまったことで、それぞれを構いながら先へ進むようになってしまったからか、テンポ良い掛け合いは生まれたものの、物語の熱さが弱まってしまったのは残念ですが、皆が協力し合って取り戻した日常が、いままでどおり賑やかだったのが、嬉しくなりました。これから先も騒動が沢山ありそうですが、きっと仲良く、賑やかに、過ごしていくんでしょうね。

クインテット!④ (GA文庫) - 越後屋 鉄舟

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