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身代わり伯爵 / 清家未森

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身代わり伯爵の冒険

身代わり伯爵の冒険 (角川ビーンズ文庫 64-1) - 清家 未森

パン屋の看板娘であるミレーユが、ある日、見惚れてしまうようなリヒャルトと名乗る男の人(父の部下)に拉致されてしまった!何でも他家へ養子にいったミレーユの双子の兄ベルンハルト伯爵に、ちょっとした疑いがかけられているので、その疑いを晴らすために、ミレーユに変装して宮廷に姿を見せにいってほしいとのこと。いくら顔が似ているからって、庶民が陛下の前にいけるわけが……

うら若き少女が、兄の身代わり宮廷に行ったら、あんなことやこんなことに遭遇して、というお話です。いきなり明かされる生い立ちからして、ありえなーいと言いたくなるんですが、やることの困難さがわかっていても、一度引き受けたら、どんな状況に陥ろうと、何とかしようと頑張るミレーユの元気のよさがとてもいいです。やっぱり女の子が、元気に動き回る話って、読んでて楽しいですね。

初めて王様に会うときの緊張っぷりや、男同士の熱い(汗臭い)お話に逃げたくなるところや、猥談に顔を赤くしたりする様子を見ていると、僕までからかいたくなります。ああ、かわいい。
男臭い連中に囲まれるミレーユが哀れでなりませんが、同時ににやにや笑いが止まらないです。

笑えるといえば、王女さまのセシリアもいい味出してるなあ。高飛車でプライド高いのに、実は照れ屋さんで、ちょっと図星くらうと、手当たり次第にモノを投げつけてくるさまは、良いツンデレ……と反応しちゃう自分が悲しいけれど、長椅子やらテーブルやらまで、手に取る姿には、思わずビビリまくり。あのイラストがすごい映えてて笑えます。ああ、このシーンだけなんてもったいない。もっとセシリアには出てほしかった。

貴族らしい足の引っ張り合いやら何やらに、嫌気が差しつつも、宮廷にいられたのは、リヒャルトにが護衛として側にいたからでしょうけれど、それ故に彼の心が読めなくなると、不安になるところが、何とも乙女でいいですね。16年間モテたことなしという経験のなさと、一度思いつめたら突っ走ってしまうところで、すれ違いが生まれるところは、ベタベタですがそれがいい。

途中で事件の片鱗が見えてきて、怪しい怪しいと思っていたけれど、まさかそこまでの人が関わっていたとは思いませんでした。自分がミレーユの立場だったら、何も言わずに兄へ殴りかかりそうな気がするんですけど、そこはさすが家族だなあ。操縦の仕方がうまい。
ミレーユの恋心に気づき、友人の恋心に気づき、さりげない演出をする辺り、軽薄だけど、人気が出るのはわかる気がしますね。最後はお約束ってことで。

ああ、楽しかった。
ビーンズ小説大賞なんてチェックしてなかったけど、月季さんの「ラブコメと変人好きな人にはおススメ」と t-snowさんの「ベ タ で 何 が 悪 い !」という力強い言葉に惹かれて、大正解でした。お二方に感謝感謝です。

これはもう続くしかないよね。っていうか、続けてほしいです。ベタでも楽しいお話をお待ちしております。
第4回ビーンズ小説大賞読者賞受賞作。

身代わり伯爵の冒険 (角川ビーンズ文庫 64-1) - 清家 未森

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身代わり伯爵の結婚

身代わり伯爵の結婚 (角川ビーンズ文庫 64-2) - 清家 未森

双子の兄の身代わりとして、王宮へあがった騒動も一先ず決着がつき、さあ、パン職人の道へ進むぞとミレーユが決意した矢先に、再び兄から手紙が舞い込んできた。傷心旅行に出るので、身代わりよろしく、と。
問答無用でお迎えがきて、またもや兄の身代わりとして伯爵をやることになったが、今度はなんと、隣国の女伯爵シルフレイヤとの結婚話が持ち上がっていて……

貧乏パン屋の娘ミレーユが、伯爵家の養子にいった双子の兄フレッドの身代わりとなって、王宮へ行くお話ですが、今回は隣国の女公爵シルフレイアとの結婚話が持ち上がって、というお話ですが、いやあ、楽しい楽しい。
怪談大好きで、特技は呪詛返しな女の子のシルフレイアのおかげで、肝試しやらなにやらをやらされて、ビクビク怖がりながら、でも他人の目があるところでは、平気だもんねと強がる姿が面白いったらないです。結局リヒャルトにはバレてしまうんですが、暗闇でのお約束なシーンの連発にニヤニヤ。

はじめから最後まで、恋を恋と気づかない二人のやり取りには、クーとさせられるんですが、個人的にヒットしたシーンは、女嫌いなんじゃないかという噂を聞き及んだミレーユが、リヒャルトに対して練習台になってあげるというところですね。善意から来てる言葉であることに間違いはないですが、真っ直ぐな視線からそんな言葉を告げられたら、もう……!!必死に抑えながら、彼女を諭すリヒャルトの心が窺えます。
まあ、リヒャルトはリヒャルトで、さりげなくミレーユがのぼせる様なこと言ってるんですけどね。どっちもどっちな天然対決に、頬の緩みが止まらない。

そんな二人の関係は満足でしたが、ストーリィ展開はちょっと物足りなかったかな。シルフレイアの別の目的については、まあいいとして、彼女と例の人の恋物語は、もっと、こう、盛り上げてくれたら、と思わずにいられない。二人ともいいキャラなだけに、もったいない。ほんと、もったいない。

個人的にうれしかったのは、前回同様、セシリアが出てきたことですね。この激しいツンデレは可愛いったらないですよ。自分で怪我させた相手に薬を渡しながら、怒鳴り散らす姿は絶品でした。このワンシーンだけでも、ツンデレスキーなら見る価値はある。超お気に入りキャラです。感情が爆発すると迷惑この上ないですが、たぶん、お付の人たちは、彼女の優しい面も知ってるだろうから、苦笑しつつも、側にいたがるんじゃないかなとか勝手に妄想中。

ともあれ、事件もひと段落着いたけど、むしろ、ミレーユからしたら、ここからが一番きつかったろうなあ。自分が取った行動から、リヒャルトとの間に溝ができてしまったことを悔やむ姿は、わかるだけに可哀想になりましたね。ただ、そんなときでも、相手の心に言葉を届けるところは、さすがです、ミレーユ。彼女の素直さや真っ直ぐさは、リヒャルトにとって自分を正す指針にもなってるでしょうね。
二人をめぐって、王子たちや白百合騎士団の面子が賭けをしていましたが、どんな結果が待ち受けていたかは、読んでからのお楽しみってことで。

いやあ、楽しかった。本物の「伯爵」よりも、偽者の「伯爵」であるミレーユの人気が上昇してる気がしますが、だんだんと正体を知る人が増えてきちゃってますね。シルフレイアぐらいだったらまだしも、彼が疑問を持ち始めたのは、今後まずいような気がするんだけどなあ。
王子とフレッドの狙いが狙いだけに、今後も身代わりとして「伯爵」せざるをえないと思いますが、リヒャルト以外の男が横槍指してこないか、心配ですね。ニヤニヤ。

身代わり伯爵の結婚 (角川ビーンズ文庫 64-2) - 清家 未森

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身代わり伯爵の冒険

身代わり伯爵の挑戦 (角川ビーンズ文庫 64-3) - 清家 未森

老舗パン屋「オールセン」で行われた後継者争いの勝負に、ミレーユは負けた。失意でうちひしがれていたが、考えてみたら、今までまずいパンをみんなに食べさせてしまっていたのだ。お詫びをせねばとお城へと向かったら、王太子の婚約者の話し相手にさせられ、ようやく抜け出したら、今度はセシリア王女に捕まってしまった。しかも、ひょんなことから彼女の日記を見てしまったが故に、王女の宮へ拉致されて……

貧乏パン屋の娘ミレーユと、伯爵家の養子にいった双子の兄フレッドの親友である騎士リヒャルトの恋愛未満の恋物語。今回は、兄の身代わりとなって王宮へ登城する役目が終わったと思ったら、激しくツンデレな王女様のポエットな日記を見てしまったが故に、王女の監視下に置かれてしまって……というお話。

バラだの妖精だの、まるで童話のような日記の断片を読んだときには、思わず吹き出してしまいました。あー、楽しい。また、そういうのを見つけちゃうミレーユの運のなさが、可哀想で笑えます。「……見たわね……?」という絶対零度なセシリア王女の言葉と、その後の急展開に、ニヤニヤニヤしまくり。おかげで、外で読むのが大変でした。

ミレーユとリヒャルトの仲がどうなっていくのか、興味津々だったんですが、肝心のミレーユが自分の気持ちに気づいてないので、進みそうで進まないじれったさがたまりません。婿を採るかもと言ったミレーユに、全力で反応するほど、心を見せてるリヒャルトの姿をみて、にんまりしてましたが、それすら気づかれないところには、哀れさを覚えるものもあります。笑っちゃうけど。

とまあ、このふたりは、ずっといちゃいちゃしてるからいいとして、今回一番目立ったのは、なんと言ってもセシリアですよね。激しいツンばかり見せていましたが、王道たる「べ、別に」というやりとりを連発してくれたり、時に素直に心情を見せてくれるところは、なんと可愛いことか。
怒ってばかりいる印象が強かったけど、照れていてもなお、周囲のものへの気配りを感じられるところには、なるほど、侍女たちが親愛を見せるわけだと思いましたね。
ふざけているようにみえるけれど、実はまじめに彼女のことを考えているフレッドの姿がよかったです。

それにしても、もうひとりの王女が現れてというところで、王宮の陰謀が見え隠れしてたわけですが、まさかこちら側でも、隠されていたことがあったとは思ってもいませんでした。妹についても、そうきたかと、ちょっと切ないものがありましたが、聖誕祭でのまじないで、ミレーユが相手のことを思って願った言葉が、温かさを持って心にとどまってくれました。うん、やっぱり、彼女は素敵だなあ。

義賊の動きや更なる陰謀が気になりますが、今後も楽しく吹き飛ばして欲しいですね。
あー、楽しかった。

身代わり伯爵の挑戦 (角川ビーンズ文庫 64-3) - 清家 未森

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身代わり伯爵の決闘

身代わり伯爵の決闘 - 清家 未森

「フレッドの身代わりとして活躍されているそうですわね。素敵だわ。でもそれって、周りに知られたらとってもまずいことなのではないかしら。秘密をばらされたくなければ、もちろん王宮まで案内してくださるわよね?嫌だとおっしゃるなら、ボコボコにしてさしあげますわよ?」

貧乏パン屋の娘であるミレーユが、伯爵家の養子となった双子の兄フレッドの身代わりとして王宮へあがったら、事情を知ってる騎士リヒャルトと共に、いろいろ騒動に巻き込まれるお話の第四弾。
今回は、ミレーユの存在を知られてはならないと言われたグレンデル伯爵の、よりによってその娘であるシャルロットに、身代わりの件を知られてしまい、笑顔で脅迫されながら、彼女のお手伝いをさせられるお話です。

超楽しかった!
なんせ、またまたすごい人が出てきてくれましたからね。可愛らしい笑顔を振りまきながら、ヤキを入れるだのボコるだの過激な発言が飛び出たかと思いきや、手にしてるぬいぐるみに鉄拳をぶち込むんだから驚き。しかも、そんな姿を他の人には見せないんだから、いやはやミレーユも大変だ。

おかげで、シャルロット、リディエンヌが立ち上げる乙女のための劇団に、座長として参加させられちゃうわけですが、ここでのやり取りが、すっごい面白い。
慣れない演技に戸惑うミレーユを、シャルロットがスパルタ教育していくところの雰囲気がいいなあ。恐る恐るシャルロットに接していたミレーユだけど、だんだんと彼女の心のうちが見えてきて、いつしか彼女の恋を応援しようと思える仲になるところが素敵です。

ミレーユが同年代の女の子たちと、いろいろやってるおかげで、やや放っておかれることになったリヒャルトは、ちょっとつまんなそうでしたけど、それでもミレーユとふたりっきりになると、天然なことしてくれて、クーとなります。ドキドキするミレーユが可愛いですが、ミレーユもミレーユで、無意識のうちにリヒャルトをドキドキさせてるから、にやりです。この二人は鈍いくせに、無意識にアピールしまくる似た者同士ですね。

それでも、まだミレーユは、自分の心の内に気づいてないから平気なんだろうけど、だいぶ自分の気持ちがはっきりして、しかも直前までいきながら何度もお預けさせられてるリヒャルトは大変だ。早く、ちゅっ、とやっちゃえばいいのに、とイライラしながらニヤニヤ。

で、劇。
まさか、脚本をあの人に頼むとは思わなかったけど、たしかにあれほど乙女心満載の日記を書いてる人ならできるかも、とは思いつくことではありますね。その彼女が書き上げた物語の素敵なこと。
いや、恋愛もので、主役を演じるのが、男装するミレーユといわれたら、そりゃ男をフレッドに、お相手に自分を投影するのは、わりと自然ですよね。脚本に、さりげなく自分の特徴を入れたり、思い出のシーンを付け加えたりするセシリアの乙女心に、きゅんきゅん。
誰が脚本を書いたのか知っていながら、さりげなくアプローチするフレッドも良かったです。

シャルロットの恋と、セシリアの恋と。どちらもうまくいきそうなだけに、とても良かったなあと思ったんですが、肝心のミレーユとリヒャルトの雲行きが怪しくなってきましたねぇ。いや、どちらもというか、リヒャルトはほぼ確定なんですけど、彼の素性がどうやら、想いを許さないみたい。うーん。
個人的には、ミレーユの言葉どおり、まず言ってみればいいのにと思わなくもないけど、最後の一歩が踏み出せないリヒャルトの気持ちに、はたしてミレーユは気づけるのか。裏でキナ臭い動きが感じられるだけに、気になるばかりです。

身代わり伯爵の決闘 - 清家 未森

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身代わり伯爵の脱走

身代わり伯爵の脱走 (角川ビーンズ文庫 64-5) - 清家 未森

「残念なお知らせだ、ミレーユ。きみの存在が内外に知られてしまった」
ジークはじっとミレーユを見つめて口を開いた。
「きみはこれから、ベルンハルト公爵令嬢としてシアラン大公に嫁いでもらう」
室内が静まり返る。
「それが嫌なら、私の後宮に入れ。今すぐにだ」

貧乏パン屋の娘であるミレーユが、伯爵家の養子となった双子の兄フレッドの身代わりとして王宮へあがったら、事情を知ってる騎士リヒャルトと共に、いろいろ騒動に巻き込まれるお話の第五弾。今回は、ミレーユの存在が公になってしまい、ジークから「政略結婚をするか、それを断る理由として後宮に入るか」を迫られて、というお話。

つい先日のリヒャルトとのやり取りから、妄想が暴走してるミレーユの様子には、笑いが止まりませんでしたが、今回はちょっとシリアスな展開でしたね。他国が目をつけてきたことで、一躍ミレーユの存在が危うくなるところが、何ともやるせない。
守ろうとするものと、仕方ないと言い出すものといろいろでしたが、そんな連中がいつの間にか、雪合戦する展開にもって行くミレーユが好きです。シリアスなんだけど、この子が頑張ると、なんか笑えますよね。こういう人だから、みんなから好かれるんだろうなあ。

ジークが「後宮へ」なんて言いだした理由はすぐわかりますが、そこまで焚きつけても、リヒャルトが動かないのは、これからが辛いと自分で思ってるからなんでしょうね。強情な男だ。
後ろ盾になってくれると伸ばしてくれた手を断り、一人戦いに向かおうとするリヒャルトの覚悟には、愛しい人だからこそ、という思いが見えて、何とも切なくなってくる。
中でも一番キタのは、セシリアとのやり取りでした。あのツン度高いお嬢様が、あれほどまでに……。やさしい兄の視線を見せるリヒャルトが忘れられません。

いろいろ切なくやるせない展開ばかりでしたが、でもでも、あのミレーユが、ただおいていかれるわけがない!いまだ本格的に自覚することない思いだけど、その思いに突き動かされて、リヒャルトを追いかけようとする姿に、頑張れ!と応援したくなりました。
再会できたときの夜、リヒャルトの思いが温かくてたまりませんでした。

今回は完全に続きなので、まだまだ脱走劇は続きそうですね。っていうか、身代わりしてませんが、そのあたりは気にしないことにしておく。リヒャルトとの関係はいまだ進んでいませんが、このまま彼を見過ごすはずがないであろうミレーユが、どんな感じで殴りこみにいってくれるのか、とても楽しみです。
続編が出るという十月がとても待ち遠しい。

身代わり伯爵の脱走 (角川ビーンズ文庫 64-5) - 清家 未森

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身代わり伯爵の潜入

身代わり伯爵の潜入 (角川ビーンズ文庫 64-6) - 清家 未森

彼はどうやら嫌われたいようだが、乙女がやられっぱなしで引き下がれるわけがないのだ。これはもう、復讐するしかない。
(誰が嫌いになんかなるかってのよ。あんなことしといて逃げられると思うんじゃないわよ。乙女の純潔を踏みにじったらどんな仕打ちを受けるのか、目にもの見せてくれるわ!)

貧乏パン屋の娘であるミレーユが、伯爵家の養子となった双子の兄フレッドの身代わりとして王宮へあがったら、事情を知ってる騎士リヒャルトと共に、いろいろ騒動に巻き込まれるお話の第六弾。今回は、ヒースの手から逃げ出したミレーユが、目を覚ました場所は、敵国の騎士団駐屯地で……というお話。

相変わらず素敵な思考回路してるなあ、ミレーユ。いくらリヒャルトのためだからって、男装して敵国の騎士団に潜入するか?しかもはじめは、何か情報を得られたら……と思っていたはずなのに、団員たちと衝突していくうちに、気づけば団の中で独特な位置を占めちゃうんですからすごいよ。
肝心の情報収集はうまくいかないのに、男装しているときほど男に好かれるミレーユの才能と、とある人の思惑のおかげで、みるみる地位を上げていく展開が楽しいったらない。

そんな奮闘をみせるミレーユとは別の意味で奮闘してるのが、お兄ちゃんのフレッド。ダークだ。こういう輩は怒らしちゃいかんとツクヅク思う。セシリアに向ける顔とはまるで違う陰鬱さにゾクゾク。と思いきや、女装していろいろ駆け巡るんだから、どこまで本気なんだかよくわからん。いや、お兄ちゃんとして頑張ってるんだと思おう。

ここまできたのにリヒャルトは、一歩下がろうとするんだから、まったくもって意気地のないやつです。ああいうことは、自棄になってやっちゃダメじゃん。あ、でもおかげで、猪突猛進な乙女心に火をつけることには成功しましたね。
っていうか、あれだけ直接的な言葉を投げかけられて、ドキドキしてたのに、その思いを恋と思わないミレーユは、どんな教育を受けてきたのか不思議に思います。お兄ちゃんがいろいろ邪魔したのかしら。

ともあれ、彼女が復讐を誓ったなら、きっと目にものをみせてくれるでしょう。ミレーユに振り回されれば、さすがのリヒャルトの目を覚ましてくれるかな。特に「一番大切な人」なら……、どういう展開で、ミレーユと対峙することになるのかわかりませんが、すっごい楽しみになってきました。甘い展開が待ち受けてくれると嬉しいなあ。

身代わり伯爵の潜入 (角川ビーンズ文庫 64-6) - 清家 未森

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