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マグダミリアシリーズ / 高殿円

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王の星を戴冠せよ バルビザンデの宝冠

バルビザンデの宝冠 王の星を戴冠せよ - 高殿 円

先代国王が急逝したとき、アルフォンスはまだ十一歳だった。それから五年。厳格な態度を求められ、退屈な会議に出席させられ、知り合いにすらろくに会えない生活にウンザリしたアルフォンスは、自由を満喫するために、町で偶然出会った同じ顔を持つ少年・キースと、立場を入れ替えてしていた。
今日もいつものように入れ替わっていたら、キースはアルフォンスの王位を手に入れるために、突然牙をむいて……

先日読んだ「プリンセスハーツ」が、パルメニアシリーズであると聞いて、同じくパルメニアを舞台にした作品に手を出してみました。まったく同じ顔の王子との入れ替わりというと「乞食王子」を連想しますが、いやあ、面白い!

はじめは、甘えからの我がままっぷりが目立っていたアルフォンスですが、王ではなく、庶民として生きていくしかなくなったときからの成長がほんと素晴らしいです。生きていくために働くことがどれほど大変かということを身をもって知って、今までただ詰め込んでいただけの知識を活用していく様は見事です。母を思わせる人に甘えるあたり、まだまだ子供だなあとも思いますが、王制について疑問を持ち、自分は何をすべきかと、自分で考え、自分で行動していくところに惹かれました。

一方の王の座を手に入れたキースですが、ただ羨ましいから奪ったのではなく、もう二度と亡き母のような人を生み出さないようにと動くところには、熱いものを感じました。庶民の視点を反映させるのではなく、他国との衝突を無くすために動いてるところが、アルフォンスと違うスタンスですね。

この二人の王子とはまた別のところで、王位簒奪を狙うジャスターの謀略が動いてて、これがまた国を傾かせるかもしれないほどのものであるだけに、ドキドキさせられますね。この人の心の隙間を持っているんですが、別のもので埋めようとするところに、悲しいものを感じます。

これで三つ巴といってもいいような状況ができてきましたが、よくいる駄目な貴族の駄目な行動のおかげで、アルフォンスがやばいことに!ああ、いったいどうなるんだろう。
王の侍従長マウリシオが、何か考えている(いた)のかということと、アルフォンスの人にはいえない秘密のことも気になりますし、これは続きが楽しみでなりませんね。

バルビザンデの宝冠 王の星を戴冠せよ - 高殿 円

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永遠はわが王のために ミゼリコルドの聖杖

ミゼリコルドの聖杖 永遠はわが王のために - 高殿 円

ビクターが捕まった。しかも処刑の日時が迫っているという。もはや王宮に自分の居場所がないと悟ったアルフォンスは、シュミシャを襲撃する決意を示した。ビクターたちを助けると同時に、国王への挑戦状を叩きつけるために……

いやあ、面白い。でも、涙なくして読めませんでした。ああ……。

いきなりあんな場面からスタートするとは思いませんでした。いやあ、意地が悪いなあ、キース。マウリシオからしたら従わざるを得ないところでしたが、アルフォンスが爆発するのもわかりますね。
この件がなかったら、自分の居場所がないなどと考えたかどうかわかりませんが、仲間を見捨てるようなことはしないだろうから、いずれにせよ、シュミシャの襲撃はあったか。

知識を生かす方法を覚えてからのアルフォンスは、ほんとすごいですよね。シュミシャの件もそうですが、レジスタンスと王が同じ土俵につくべく策略を仕掛ける様が見事です。アルフォンスの成長に気づいたときのマウリシオの誇らしげな心情は、わかる気がしますね。

キース自身、配下の者からの突き上げに、絶体絶命のピンチが訪れたりもするんですが、さすがの舞台度胸には舌を巻くばかり。ただ、あまりにも気を張っていたことが、大きな負担になっていたんでしょうね。マウリシオが気づいていたことに気づいた後のキースは、いい意味で力が抜けてたし、潔かったし、いい男だなと思いました。

キースにしろ、アルフォンスにしろ、方法こそ違えど、国を良くしようとするために努力した姿は、心に残りました。やっぱり、成長を感じられるお話っていいですよね。

ただ、一番印象に残ったのは、二人の争いを横から掻っ攫おうと謀略を企てるジャスターの話でした。特にコンスタンシアとの話は、切ないものがありましたね。

懐かしむ思いや罪悪感から、コンスタンシアがジャスターの手に堕ちていくのかと思いましたが、そこはさすがでした。が。すぐ側にいながら、なぜ言葉をかけられなかったのかと後悔するところには、もう……。

「生まれ変わっても、あなたともう一度恋に落ちたい……」

泣いた。人目も気にせず、泣いてる僕がいました。

いやあ、良かったです。マウリシオの行動にいろいろ疑問がありましたが、やっぱりアルフォンスのためを思ってのことでしたし、すべてが終わり、再び王が立ったときの歓声は、心奮えるものがありました。

マウリシオとアルフォンスのわだかまりの話は、もう、あれですよね。身体の変化については、比較的早くから想像つきましたから、もうニヤニヤでした。そう考えるとはじめのほうのアレも……とか、思い出しニヤニヤ炸裂しまくり。アルフォンスが子供っぽさを見せて膨れるのは、マウリシオ関係のことばっかりなんですよね~。

ちなみに外伝としてマウリシオの弟エミリオの物語がありましたが、マウリシオの甘いところと冷酷なところが見えて大いに笑いさせられました。こうなると後日談的物語らしい「わが王に告ぐ」や物語内で出てきた「遠征王」の話が楽しみだなあ。

ミゼリコルドの聖杖 永遠はわが王のために - 高殿 円

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わが王に告ぐ エヴァリオットの剣

わが王に告ぐ―エヴァリオットの剣 - 高殿 円

小さなころから、アンナマリアは陛下のお嫁さんになるのが夢だった。そのために努力し続けてきたのに、なんとアルフォンス陛下は自分以外の人を選んだのだという。しかも相手は男!? これはきっと病気に違いない。なんとしても、陛下のご病気を治して差し上げねばと、宰相ファリャ公爵の末娘アンナマリアは、二人を別れさせるために、ある計画を立てて……

いやあ、笑った笑った。アルフォンスが女性になったことを認めたくなくて、何とか二人を別れさせようと奮闘するアンナマリアが楽しくてしょうがないですね。少女らしい恋する気持ちと、目標に向かって一直線なお転婆っぷりがたまりません。

それにしても、あれから数年が立つというのに、未だ手ひとつつけてないとは、甲斐性なしにも程がありますよ、マウリシオ。おかげで、他国からアルフォンスを政治的に狙う人が出てきてしまう始末なのに、感情よりも理を考えてしまう王家のものどもは、まったく持って不甲斐ない。困ったもんです。

キースはキースで、マウリシオやアルフォンスを応援しつつ、ふたりっきりになると妙にムーディな雰囲気を出してくれて、別の意味でドキドキしました。いや、まあ、エヴァリオットの剣がある限り、そんなことはおきないとおもうけど。

そんなこんなで、じれったい流れでしたが、後半の後半で、不満は一気に吹っ飛ばされましたね。あの、マウリシオすら手玉に取ったアンナマリアの策略の素晴らしさといったら、もう!動揺しまくるマウリシオに爆笑しましたよ。好きな人に幸せになってほしいと願う、恋する女の子の真っ直ぐな思いと、それを叶えた手腕に拍手です。

いやあ、楽しかった。
副題になるほどのエヴェリオットの剣が、微妙な活躍しかしてなかったりして、いろいろ勿体無いというか、物足りないところもあったんですが、アンナマリアの謀略一点で大満足させられました。

次、というのはないみたいですが、もしあるなら、キースのお話が読みたいですね。エヴァリオットとの関係はどうなったのか、はたして結婚することができたのかとか、非常に気になります。

わが王に告ぐ―エヴァリオットの剣 - 高殿 円

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