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レンズと悪魔 / 六塚光

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レンズと悪魔 1 魔人覚醒

レンズと悪魔〈1〉魔神覚醒 (角川スニーカー文庫) - 六塚 光

幼いころ父を亡くしたエルバは、父の足跡をたどるために、春から大学に通うというファルナに付き添って東部へ来た。手がかりらしいものはまるでないため、前途多難だと思っていた矢先に、いきなり大男に襲われた。その男はエルバを父のチェビアトと勘違いしているようだ。いったい父は何をやっていたのか。
話をろくに聞いてくれないまま、レンズを装着して悪魔を召喚した大男は、キマイラへと姿を変えて……

レンズを装着して悪魔を召喚することで、人間以上の力を持てる異能者たちによる戦いの物語。科学が一度滅んだあとの世界という感じですね。
エルバが探るまでもなく、父親の周りをうろつく怪しい輩が続々登場します。誰が敵で、誰が味方か、信用していいのか悪いのかなど、サスペンス風味な始まりでしたが、次第に一本線が見えてきて、そっからは一気に話が進んでいきました。

特に右手が万力というテッサが出てくる辺りから、面白くなってきました。強くて、美して、どこか歪んでる姿が素敵です。てっきり冷静・冷酷なタイプかと思いきや、触手プレイなんて言葉に赤面するあたりにやられます。

テッサと同じく女性のファルナは、わりと一般な人なのかな。とりあえず今回戦いには参加していませんが、エルバを巡る戦いには参加するもよう。「エルバの保護者だから!」といって、何かとテッサに絡むところとかいいです。これは三角になるのかな。テッサがどう思っているのかちょっとよくわからないですが、このあたりも面白くなりそう。

気がつけば巻き込まれていた魔王復活へのバトルロワイヤルは、面白さよりも、まだ見えぬ残酷さを思わず予想してしまいます。どんな展開が待ち受けているのか、あいつは大丈夫なのかなと不安で不安でしょうがない。何があってもうまく切り抜けてほしいものです。
ちょっとラストバトルが急展開過ぎる気もしますが、スピード感があり楽しかったですね。

ちなみに、一番気に入っているのはエルバの存在を許せないものシリーズ。何かあると存在が許せないものを三つ上げるんですが、毎回違ってて、時に吹き出すぐらい笑ってしまうものがあります。
これ、考えるの結構大変なんじゃないかと思うんですが、今後も続けてほしいものです。

レンズと悪魔〈1〉魔神覚醒 (角川スニーカー文庫) - 六塚 光

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レンズと悪魔 2 魔神跳梁

レンズと悪魔 2 (2) (角川スニーカー文庫 179-8) - 六塚 光

エルバが通っていた剣術道場の先生が殺された。それも片目を抉られて。同じころ、テッキが犯人探しを請け負った殺人事件でも、片目を抉られていたという共通点があった。
目を抉る。つまりは目がひとつしかない。これが魔人を意味しているとしたら、犯人は八眼争覇参加者をおびき寄せようとしているのかもしれないと気づいたエルバたちは、犯人探しをはじめて……

レンズを装着と悪魔を召喚できる、異能者たちによる戦いの第二弾。八眼争覇の争いが、一般人を巻き込んでというお話です。下々のものをどう扱おうが自分の勝手というクルトの行動は、いつの時代の貴族だと言いたくなる感じですが、それを普通と思っているだけに、むしろ怖さを感じましたね。見ごたえがありましたが、さりげない描写がきつかったです。

前作を読んだときは、テッサとファルナあたりで三角が見れたりするのかなと思っていたんですが、まるで進展がなかったのが、ちょっと残念。とはいえ、新たにサクラが参戦した?と思わなくもないけれど、どうなんだろう。

そのサクラの心情が今回は印象的でした。復讐、敵討ちなどを否定する姿が、きれいごとじゃなく、本当にそう思っていることが伝わってきます。十年ぶりに出会えた同胞とは、どうなるかわかりませんが、エルバに限って言えば、ひょっとしたら意識が変わっていくんじゃないかなあと思ったりします。甘いかもしれないけど。

ただ、イマイチ乗り切れなかったのは、戦闘シーンというか、強さの基準がよくわからないからかな。魔神と普通の悪魔がいい勝負してるし、以前返り討ちした相手に苦戦どころかやられそうになったりするのを見てると、なんで?と思ってしまう。悪魔によって強さが変わるのはわかるけど、こうも極端に変わると、何がなんだか。

何か重要なことを忘れてたり、何か理解しきれてないところがあるのかもしれませんが、戦闘シーンを除けば面白いから、読む手を止められないんですよね。

魔王側に動きがあったり、政治的なものが出てきたりと、単なる魔人同士の争いでは済まされなくなりそうな雰囲気がヒシヒシ伝わってきますね。前回の戦いのペナルティなどがどうなったのかなど、気になることがたくさんあるだけに、続きが楽しみです。

そうそう。コミカルさが減ったのはいいんですが、個人的には「許せないものがある」という件がなくなっちゃったのが、残念でなりません。あれ、好きだったのに……。

エルバが通っていた剣術道場の先生が殺された。それも片目を抉られて。同じころ、テッキが犯人探しを請け負った殺人事件でも、片目を抉られていたという共通点があった。
目を抉る。つまりは目がひとつしかない。これが魔人を意味しているとしたら、犯人は八眼争覇参加者をおびき寄せようとしているのかもしれないと気づいたエルバたちは、犯人探しをはじめて……

レンズを装着と悪魔を召喚できる、異能者たちによる戦いの第二弾。八眼争覇の争いが、一般人を巻き込んでというお話です。下々のものをどう扱おうが自分の勝手というクルトの行動は、いつの時代の貴族だと言いたくなる感じですが、それを普通と思っているだけに、むしろ怖さを感じましたね。見ごたえがありましたが、さりげない描写がきつかったです。

前作を読んだときは、テッサとファルナあたりで三角が見れたりするのかなと思っていたんですが、まるで進展がなかったのが、ちょっと残念。とはいえ、新たにサクラが参戦した?と思わなくもないけれど、どうなんだろう。

そのサクラの心情が今回は印象的でした。復讐、敵討ちなどを否定する姿が、きれいごとじゃなく、本当にそう思っていることが伝わってきます。十年ぶりに出会えた同胞とは、どうなるかわかりませんが、エルバに限って言えば、ひょっとしたら意識が変わっていくんじゃないかなあと思ったりします。甘いかもしれないけど。

ただ、イマイチ乗り切れなかったのは、戦闘シーンというか、強さの基準がよくわからないからかな。魔神と普通の悪魔がいい勝負してるし、以前返り討ちした相手に苦戦どころかやられそうになったりするのを見てると、なんで?と思ってしまう。悪魔によって強さが変わるのはわかるけど、こうも極端に変わると、何がなんだか。

何か重要なことを忘れてたり、何か理解しきれてないところがあるのかもしれませんが、戦闘シーンを除けば面白いから、読む手を止められないんですよね。

魔王側に動きがあったり、政治的なものが出てきたりと、単なる魔人同士の争いでは済まされなくなりそうな雰囲気がヒシヒシ伝わってきますね。前回の戦いのペナルティなどがどうなったのかなど、気になることがたくさんあるだけに、続きが楽しみです。

そうそう。コミカルさが減ったのはいいんですが、個人的には「許せないものがある」という件がなくなっちゃったのが、残念でなりません。あれ、好きだったのに……。

レンズと悪魔 2 (2) (角川スニーカー文庫 179-8) - 六塚 光

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レンズと悪魔 3 魔神攘戮

レンズと悪魔 3 (3) (角川スニーカー文庫 179-9) - 六塚 光

長期の流刑者が集められるデスドレッド島から、十一名が脱走した。しかもその中には、オーラン虐殺事件の首魁がいるというのだ。事態を重く見た軍警察は、通常の数倍の懸賞金をかけ、腕に覚えのあるものは皆、脱獄者を追い求めた。エルバたちも例外ではなく、特にファルナは普段よりも張り切っていたが、それが裏目に出てゴロツキたちに絡まれていたとき、助けてくれたのは、何とその脱獄集団の首魁であるガーディアンで……

懸賞金目当てで脱獄囚を捕まえようとしたら、首魁のガーディアンが父の知り合いで、しかも魔神との契約者だというお話です。
はじめの流刑所や脱獄のシーン、さらに虐殺事件の説明と続いていったところで、彼らをどうやって捕まえるのかとワクワクしてましたが、そうだった。よくよく考えたら、探偵ものじゃなくて、八眼争覇ものだった。テッキに指摘されるまで、すっかり忘れてましたよ。魅力的な話の始まりに引き込まれるばかりです。

虐殺者と言われながら、それほど悪く見えないガーディアンに、心揺らすファルナの気持ちはわかりますね。さりげなく容赦ない人なので、一概にいい人とは言えないけど、敬意を払える敵と戦うのは、やっぱり辛いですから。もう一人、新たに出てきた魔神ネアのほうがよほど戦いやすいでしょう。
戦わねばならないとはいえ、ネアの提案どおりに動く必要はないと思うのになあと思ったけど、悪人だから倒すのではなく、敵だから倒すという心意気は良かったです。

今回は敵のパートナーもいい味出してましたね。チキュウ空手の使い手として、圧倒的強さを見せてくれたリデルの地動説、天動説のカッコよさったらないです。追い詰められたテッキが、恥ずかしい思いをしてようやく戦えるといったところに、楽しくも力強いものを感じました。

テッキといえば、あの過去の話は、なんて残酷な……。肉体的な痛みもさることながら、精神的な痛みのほうが遥かに大きいと思います。今、心穏やかになってることが不思議でなりませんが、本気で敵と認識した相手と対峙したらどうなるんだろうと、心震えるものがあります。

シリアス方面が多くなったせいか、一巻のころのような軽快な会話からのコミカルさが減ってしまいましたが、それでも時折見せてくれるやり取りはいいですよね。博物館に足を運んできたガーディアンとの力抜けるやり取りに思わずニヤリ。

ともあれ、これで、またひとり八眼争覇から脱落。ただ、脱落とはいえ、ガーディアン自体は、生身でも強いし、誤解も解けた気がするので、ひょっとしたら、共同戦線とか張っていくのかな。次なる敵は、どうやらかなりやっかいな人みたいですし。
人間関係としてはそれほど複雑じゃないんだけど、勢力としてどうなるのかちょっと予測がつかないので、八眼争覇のみならず、復讐やら思惑やらがどうなっていくのか楽しみです。

レンズと悪魔 3 (3) (角川スニーカー文庫 179-9) - 六塚 光

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レンズと悪魔 4 魔人幻世

レンズと悪魔 4 (4)  - 六塚 光

父親が犯罪組織に横流ししていた円盤を、よりによって娘が、家出の路銀にしようと持ち出してしまったという。おかげで、娘のカレンが犯罪組織スカラーズに狙われることになってしまったので、助けて欲しいという依頼を受けたテッキたちは、ようやくカレンを見つけ出したが、父親からの依頼で連れ戻されると知った直後に、彼女は円盤を持ち出して……

家出少女を連れ戻す「エルバ・ナイトロンドは豆を食らう」、博物館を狙った泥棒を追い詰めていく「テッキと不愉快な仲間たち」の二編の短編と、殺害容疑で逮捕されたマノンの無実の罪を晴らす依頼先で、先の八眼争覇の関係者と出会う中編「敗北者たちの挽歌」からなる物語。時系列としては、短編は一巻のあと、中編は三巻よりあとってところですね。

いやあ、面白い。短編はお約束にもれずコミカルで、「許し難いことが三つある」や、嫉妬したファルナやテッキの姿が見れたりして、ニヤニヤがとまりません。

何といっても楽しかったのは、「テッキと不愉快な仲間たち」ですね。レンズを盗んだ相手にたどり着くために、下請けしたチンピラどもを、ひとり、またひとりと追い詰めていくテッキの恐ろしさが素敵です。いつの間にやらチンピラどもが、テッキの手下となって行動する様に、笑いが止まりませんでした。姐さんって!
このお話を読んだら、テッキの魅力に惚れ惚れすること間違いない。
こういう芋づる式なに仲間になっていくお話って、絵本であったような気がするけど、なんだったかなあ。

とまあ、短編はコミカルなお話でしたが、中編は本編にも関わりあるシリアスなお話でした。事件そのものは、ある意味どうでもよくて、先の八眼争覇とのやり取りが、非常に印象的です。八眼争覇の勝者がひとりであるならば、敗者もいるってことを痛感させられましたね。
自分だけならまだしも、他の人を傷つけてまで、望みをかなえたいのかと迷う姿は、これからのエルバの姿勢に何らかの影響を与えるのか、気になるところです。
普段ヘラヘラしてるけど、ルナはやっぱり悪魔なんだなと思わせてくれる描写にゾクリとさせられました。

手に取ったときには、短編集とは思ってなかったので意表を突かれましたが、面白かったですね。できれば、もっと恋愛要素があってくれたら嬉しかったな。
今後どうなっていくのかについては、先が読めない展開のため、不安のほうが大きくなってきてますが、続きを楽しみに待ちたいと思います。

レンズと悪魔 4 (4) (角川スニーカー文庫 179-10) - 六塚 光

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レンズと悪魔 5 魔神陥落

レンズと悪魔 5 (5) (角川スニーカー文庫 179-11) - 六塚 光

オーラン先住民虐殺事件の現場を見て、改めて自分の決意を固めたエルバが、戻ってきたとき、博物館は篭城をしていた。どうやら税務署がなんやかんやとケチをつけて、追徴金をふっかけてきたらしく、テッキがキレていたのだ。どうせ対したことじゃないだろうと思っていたエルバだが、実は八眼争覇に参加する敵が仕掛けてきたもので……

魔王のレンズを手にする八名のうち、勝ち残ったものの望みを叶える―レンズをとおして悪魔を召喚する異能者たちが繰り広げる八眼争覇の物語の第五弾。今回は、魔神ネアの契約者が、テッキたちを追い詰めるために、戦力だけじゃなく権力も使い始めて……というお話。

いつもどおりのコミカルな始まりだったけど(三つシリーズって久しぶりじゃない?)、オーランの民の成り立ちや、サクラの知り合いであるリの一族のエイジ登場したと思ったら、竜人なる言葉まで出てきて、興味津々。いろいろなところで、つながりが見えてくると俄然おもしろくなりますね。

しかも、今回は敵側がすごかった。力ではなく、税金というところから、追い詰めていくとは思わなかった。まあ、お金合戦にはならなかったものの、徴税という形で公式に戦力を向けるんですから、頭のいい卑劣さですね。また、徴税係が、狂戦士だからたまったもんじゃない。個人的にはもうちょっと狂っててくれると面白く思うんだけど、それはおいといて、税騎士三人と魔神ネアが敵としてエルバたちの前にやってくるんですから、ドキドキしっぱなし。

ドキドキといえば、八眼争覇と関係ないところでも、微妙なきな臭さが漂ってて、特にクラヴリーの内通者話は、まさかそういう方面にいくとは思いませんでした。これは非常に胸が痛くなる展開になりそう。思わず目を瞑りたくなるものがありますが、今後彼がどういう行動をするのか、気になるところです。

戦力のみならず権力まで使われては、テッキたちとて逃れきれないところがあるんですが、そんな中、感動させられたのは、追い詰められた博物館へ、まさかの味方がきてくれたところですね。脇役もいいところなんですけど、なんですか、この格好良さは。もし、自分がその場にいたら、間違いなくハグしてたと思います。絶望に近い状況の中でも手を差し伸べてくれる人がいる嬉しさに、思わずグッとくる。

それでも、戦力差は否めませんでしたが、知恵を絞っての戦いが見事でした。ここからの盛り上がりはすごかったですね。ひょっとして最終巻かと思うぐらい引き込まれました。ぎりぎりまで粘りながら、退かざるを得ないところには、テッサたちの苦渋を感じますが、最後まで諦めない姿がよかったですね。

一時撤退こそしたものの、共通の敵を相手するために、昨日までの敵と手を取り合う最後には、熱くなったなあ。こういう展開って興奮しますね。
決着がつく、次作がほんと楽しみです。

レンズと悪魔 5 (5) (角川スニーカー文庫 179-11) - 六塚 光

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レンズと悪魔 6 魔神応報

レンズと悪魔 6 (6) (角川スニーカー文庫 179-12) - 六塚 光

奪われた博物館を取り戻すために、そして、バルヒーヨへの恨みを晴らすために、テッキたちは、クラヴリーやカエデなどと行動を共にしていた。先日の戦いで苦渋を舐めさせられた者たちが、少しでも強くなろうとしていたころ、バルヒーヨは「しろがねの悪竜」を呼び起こすという計画を実行するために、エイジをおびき寄せる悪辣な罠を仕掛けて……

魔王のレンズを手にする八名のうち、勝ち残ったものの望みを叶える―レンズをとおして悪魔を召喚する異能者たちが繰り広げる八眼争覇の物語の第六弾。今回は、権力を利用してテッキたちを追い詰めたバルヒーヨから、博物館を取り戻そうとして、というお話です。

いやあ、面白かった。

自分の定めた正義のためなら、他人の気持ちなどどうでもいいと、エルバたちのみならず、東番外地をも葬り去ろうとするバルヒーヨの悪辣な手段が、すこぶるムカツクだけに、立ち向かうエルバたちの応援にも力が入るというものです。

またバトル相手の配役がいいですよねぇ。因縁やリベンジらが絡む、税騎士三人対クラウリー、リデル、サクラの戦いは、血が沸き立つものがありましたよ。超人過ぎると思わなくも無いけど、ま、それはそれ。

そして何より、エルバ・ルナVSバルヒーヨ・ネアの戦いが凄かった。地力ではどうしたって負けているので、何とか手を打たねばと策を持ち込んで……と思ったら、敵もさるもの。あの逃れ方は、予想できませんでしたよ!ハイテンションな変態だけど、戦いに関してはさすがと思わせてくれます。
もはやこれまでかというギリギリのところで、生き残る事が出来たところに、エルバとバルヒーヨの差を思いました。
いやあ、すごいすごい。

そんな熱き展開だけでなく、残酷さもあるのが、このシリーズの印象深いところです。内通者話から発展した彼の動向は、心痛極まりない。まさに悪魔となったかの人の狂気っぷりは、恐ろしく思いましたが、それでいて遂げさせてあげたいと思うものがありました。今後どうなるのか一番気になる人物のひとりですね。

そして、しろがねの悪竜も……。仲間を思った行動が悲劇を呼ぶところには、どこまでも卑劣で、同時に人の心の弱さの残酷さを感じましたが、それ以上にきついのは、暴走した悪竜を止めるために動くモノたちの思いでした。流された涙が、胸にくる。

いやあ、面白かったなあ。熱きバトルものが好きなら文句なしにオススメですね。
これで八眼争覇の残りが四人となりましたが、そのうち三人が固まってるので、さて、どうなることやらと思ってたら、きな臭い連中がやばい会話をしてて……。

今、ここにある平和が、どこまで持つのかと、不安が広がりますが、エルバたちには、何としても乗り切って欲しいですね。
第二部がとても楽しみ。

レンズと悪魔 6 (6) (角川スニーカー文庫 179-12) - 六塚 光

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レンズと悪魔 7 魔神決壊

レンズと悪魔 VII 魔神決壊 - 六塚 光

「一体どうなってんだよ!?」
「身体が崩れる!うまく虚体を補正できない……」
エルバの声に、ルナは困惑と焦燥のこもった怒声を返す。
「いいザマね……」
ファイブレッグスの陰に隠れつつ、バーミッサはルナを見つめている。笑みを浮かべながら。
「これこそ『魔神を壊す力』、結晶連鎖法よ!」

魔王のレンズを手にする八名のうち、勝ち残ったものの望みを叶える―レンズをとおして悪魔を召喚する異能者たちが繰り広げる八眼争覇の物語の第七弾。今回は、「魔神を壊す力」を持つアードレー一族との戦いを描く「魔神決壊」と、スパイクボールなるホッケー系スポーツ(殴りあい有)で、殺人事件の裁判をする「とげとオレンジとジャッジメント」の二編からなるお話です。

てっきり八眼争覇ものかと思ったら、番外編というか、中編集だったので、ちょっと拍子抜けしましたけど、読んでしまえば、そこはいつものレンズと悪魔。熱い展開が待ってました。まあ、いつもよりもユーモアさが多かったような気もするけど。

とある人の依頼で、西部のフォッグビルへと向かうことになったエルバたちが、かつての八眼争覇の覇者の一族と遭遇するお話なんですが、いやあ、まさか「魔神を壊す力」なんてものが出てくるとは思わなかった。悪魔の存在が塵であることを、そういう風に利用してくるか。
「結晶連鎖法」については、ある意味、意表をついたからこそ勝てたところがあると思うので、今後、それを生み出した人が、何らかの形で絡んできたとき、どうやって切り抜けていくのか楽しみですね。

ちなみに、この話で、一番笑ったのは、テッキが裸になって、×に××たり××××たりと頑張ったところ。恥ずかしい思いをしながら、必死に練習した様を思い出すと、萌えそうになる。
って、そういう話じゃないのに、、一番印象に残ったのが、それってどうかと思うよ>自分

楽しいといえば、「とげとオレンジとジャッジメント」。スパイクボールというのは、著者の前シリーズ「タマラセ」で出てきた独自スポーツ(スポーツ?)らしいですが(未読なのでよくわからん)、とりあえずトゲのついたボールでホッケーやると思ってもらえばいいかと。

魔女裁判じゃないですが、勝ったら無実、負けたら死刑という決闘裁判で、無実の罪で捕らえられた男を守るためにエルバが選手の一人となって頑張るんだけど……、実はあんま活躍してないよね?出たくないと行ってたのに、途中から出場したカエデのほうが断然目立ってたところが笑える。相手を痛めつけすぎて反則取られまくるカエデのお茶目さが素敵でした。

てっきりテッキも参戦するのかと思ったんだけど、そこは探偵役というか、そういう立場なので、普通に殺人事件の調査を進めてたけど……、あの、テッキさん?相手は一般人なんですから、もうちょっと尋問方法を考えてあげましょうよ。あの町で、テッキの評価が恐怖の大王的存在になってしまわないか心配です。

いやあ、楽しかった。テッキが繰り広げる交渉術とかも、見事でした。悪党の末路は、ま、いわずと知れたことですよね。
さてさて、次は博物館を揺るがす大事件が発生するらしいです。先日のバルヒーヨの一件が、幼稚園児のおゆうぎに思えるほどだとのことなので、どんな展開になるのか、ドキドキわくわくしながら待っていたいと思います。

レンズと悪魔 VII 魔神決壊 - 六塚 光

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レンズと悪魔 8 魔神変光

レンズと悪魔 VIII  魔神変光 (角川スニーカー文庫 179-14) - 六塚 光

「この俺が、無策でおまえの前に出てくるわけがないだろう。俺はな、力を手に入れたんだよ ― 魔神を滅ぼすための力をな!」
彼の豪語に、エルバはちらりとルナの表情を見た。ルナの表情は、困惑に包まれていた。何を言っているのか理解できない、という風に。
彼は握った左手を持ち上げた。
「見せてやる ― 幻影の鬼神の力をな!」

魔王のレンズを手にする八名のうち、勝ち残ったものの望みを叶える―レンズをとおして悪魔を召喚する異能者たちが繰り広げる八眼争覇の物語の第八弾。今回は、町に流れた殺人鬼の噂が、かつての敵を思い出させて、そして現れた敵が、なんと魔神とは別の、それでいて魔神と同じような力を持つレンズを手にして、というお話です。

いやあ、一気に動いてきましたねぇ!
八眼争覇参加者の残り四人のうち、三人が手を組んでる状況だったので、残り一人をどう倒していくのか、という話になると思ってたのに、仇敵が復活して、しかも魔神に対抗すべくレンズを手に入れてるんですから、面白くないわけがない。

はじめは、魔神のレンズの優位性を疑わなかったエルバたちが、侮れないことに気づいて、追い詰められていくところには、どうなってしまうのかと思ったら、突如正義の味方が現れてくれるから楽しいんだ。真面目に登場しているはずなのに、力が抜けるものを感じる正義の味方が、まさかかの人だったとは。
サクラが懐いて、それに嫉妬めいたものを見せるエルバってのは、妙に新鮮な気分。っていうか、エルバ、おまえ、テッキ姉さんはどうするんだ……?

ともあれ、どこか軽い面白さを見せつつも、抉り殺人鬼やら、エルバの消滅した記憶、テッキの不調など、不吉な影が多々漂っていたわけですが、それが一気に襲い掛かってくる終盤の展開がすごかった。幻影の鬼神レンズ話だけでも十分面白かったのに、最後にあんな衝撃が待ち受けているとは……。

我を忘れるほどの憎しみを抱えながら、守らねばならぬ人を人質にとられたテッキは、エルバは、どうするんだろう、どうなるんだろう。特にテッキは、手を上げたことが心の傷にならないか心配だなあ。
エルバたちだけじゃなく、サクラもまた別の形で戦うことになりそうですね。
これは続きが楽しみで仕方ありません。

レンズと悪魔 VIII  魔神変光 (角川スニーカー文庫 179-14) - 六塚 光

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