「なんで、柚木さんは、わたっ、私に友達の作り方を教えてくれるの?」
それは素朴な疑問だった。なぜ椛のことを気にかけてくれるのか。
そんな椛の疑問とは裏腹に、柚木の回答はというと、至極単純なものだった。
「何言ってるのよ、友達だからに決まってるでしょ」
引っ込み思案であがり症が故に、友達いない歴16年を迎えた少女・仁科椛は、ある日お昼を食べようと屋上へ上がったら、そこで今にも自殺しようとする少女・柚木と出会った。必死になって止めて、悩みを打ち明けたら友だちの作り方を教えてくれて……友だちと過ごす平凡な日々の楽しさを描く友情物語。
これは楽しかった!友だちを得たことの嬉しさと、やることなすこと初めてだという不安とが伝わってきて、そのドキドキさが楽しい。
一緒に登下校したり、一緒にお弁当を食べたりしながら、友だちになるというのは、そんなに構えるモノじゃなく、変に相手の気持ちを先走ってしまわずに、まずは気持ちを口にしてみようと教えられて、試しにやってみたら友だちができて。
友だち作りの間に、特別な波乱があったりはしないけれど、そんな展開がいいんです。
新たに友だちができたあと、突然柚木が姿を消してしまってからの展開もいいんだ。友だちを捜すために、友だちの力を借りて、さらに友達を得ていくとか、何よりぐるりと回って戻ってくるところが素敵じゃないですか。
初めの頃とは違って、すっかり自然に登下校するようになった二人が最高でした。短いながらも温かくなるお話でしたね。こういうの大好き。
第3回ノベルジャパン大賞特別賞受賞作。
友だちの作り方 (HJ文庫)
愛洲 かりみ
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