「この仕事は過酷だよ。言葉が通じぬ相手とそれでも意志を通じ合わせねばならんからな。確かに、好きだけではけっして務まらん」
言いながら、彼はわたしの手を取りました。
「だが、だからこそ、どんな惨い目に遭わされたとて……その前提が揺らいでしまうな奴ではダメなんじゃ」
史上最大の生物にして、最速の機関・竜に載って宅配便事業を行う「ドラグーン貨物」に就職することになったコゼットだが、なぜか彼女は問題児の竜騎手チームに配属されて……というお話。
これは面白かった!
ウサギ耳だったりワンコ耳だったいるする獣人たちが多くいる土地で、そこか粗野な感じがあるんだけど、にぎやかしな雰囲気が楽しい。しかも、口より先に手がでるリズと愛らしい姿と裏腹に辛辣なアイリーンだから、真面目なコゼットがいろんな出来事に巻き込まれていくから、これで楽しくないわけがない。
念願の仕事に就き、初めての飛行で感動を覚えてと、憧れとか夢を見せてくれるところがとても素敵。もちろん、好きだからというだけでやっていけるわけはないんですが、危険だってたくさんあるし、心がすくむことだってあるので、どうしたって辛いんです。
でも、口ではなんだかんだいいながら情に厚い仲間と共に、トラブルを乗り越えていく展開が素晴らしかった。過去の話や優しい嘘とか、こういう信頼の築き上げ方っていいですね。
一冊できっちり終わってますが、これはぜひとも続きを書いてほしいな。
今回はチームのメンバーを中心に描かれていましたが、他の「ドラグーン貨物」の従業員もなかなか濃そうな人がいるっぽいし、恋愛要素もあったので、そのあたり見せて欲しいですね。
とっても楽しいお話でした!
ドラグーン・デリバリー ~竜の背はまごころを運ぶ~ (HJ文庫)
佐々原史緒
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