Home > ライトノベル > [すえばしけん] スクランブル・ウィザード(4)

[すえばしけん] スクランブル・ウィザード(4)

(……ああ、そうだよな)
一花に自分を見てもらいたくて、自分を認めさせたくて — もともとそのためだけに努力していたのだ。それが、魔法士椎葉十郎の原点。
だから — ためらう理由などない。

魔法の素質判定が最低のDランクでありながら、内閣特別対策局というエリート組織に所属する椎葉十郎と、彼が臨時教官を務めることになった魔法士育成学校の生徒・月子がトラブルに巻き込まれていくシリーズの第四弾。今回は、過去の事件をきっかけにテロ行為に走った天才と言われた魔法士に、十郎や月子が立ち向かうお話です。

前作の衝撃のラストからどうなるのかと思いましたが、以外とあっさり助かってて、ちょいと拍子抜けしたり。とはいえ、十郎の苦悩は……租借できない戸惑いを見せる彼と、彼を追いて動き出す周囲のギャップというか、そのあたりがやるせなかった。

そんな中、平地に乱を起こす能勢は、姑息な種まきをしていましたが、ちらりと見せる情は、まだまだこちら側にいることを意味してるのかな。なんだかんだいって、能勢は期待を裏切らないと思うんですが……。と思ってたのに!いや、まだ一抹の望みは……あってもいいよね。うん(ねえよ)。

期待を裏切らないと言えば、ひねくれ魔法医師の晶が、なんかいい感じにサポートしてくれてたなあ。道を踏み外すことがあっても、彼女のように小さな幸せを感じてくれれば、一花も……と思わずにいられなかった。

一花のやったことは、決して正しいことじゃない。けれど、彼女の行動があったからこそ、気づけることもあるんですよね。同じような力を、素質を持った月子は、たぶん、同じように道を誤ることはないでしょう。これも先人がいたからこそ、と思いたい。

それにしても、今回の月子は大きな成長を見せたなあ。巻き込みたくない十郎が突き放したのに、それでもなお目を逸らさない思いの深さと、好きな人のために命をかける姿には、女の子ってすごい!と思わされるばかり。

一花という大きな存在から渡された責任は、少女にとって重いものではありますが、それを背負おうとする覚悟が格好良かったです。もちろん、歳相応の弱さを見せるところも……ね。
とても優しくて、とても誠実な十郎の一言は、きっと少女を支えてくれると、そう信じてます。

いやあ、面白かった。

スクランブル・ウィザード4 (HJ文庫) - すえばし けん

スクランブル・ウィザード4 (HJ文庫)
すえばし けん

ホビージャパン(文庫)
Amazon | bk1


「先生って、ときどき私をものすごくダメ人間にするね」

関連エントリー
[すえばしけん] [HJ文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [すえばしけん] スクランブル・ウィザード(4)

Trackback:1

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/3161
Listed below are links to weblogs that reference
[すえばしけん] スクランブル・ウィザード(4) from booklines.net
スクランブルウィザード4 の感想 from わたしは趣味を生きる。[ラノベ・音楽中心] 2009-07-09 (木) 20:39
想像の下をいかれた感じがあります。 もちろん面白いことは面白いんだけど、1巻2巻

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [すえばしけん] スクランブル・ウィザード(4)

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top