「どういうアルバイトですか?」
厄介ごとが近づいていると、頭の置くの警報が最大規模で鳴り響くのを感じながら、隆太が尋ねると、一拍の間があった。
「簡単なことだよ、ちょっとした調査の手伝いと……場合によっては人間狩りを少し」
連続殺人事件の犯人が生徒を狙う情報を得た理事長から、着ぐるみをきた探偵・華子のワトソン役を隆太が、学園に忍び寄る魔の手を追うアクションストーリィ。
表紙や着ぐるみという言葉からは想像できないほど、殺伐としたお話でした。
連続殺人ってことで、そういった趣向の殺人鬼がやってきたこともありますが、手を汚すのがナノマシンによって操られた一般生徒なので、誰が犯人かというのがわからないところから生まれるサスペンスな展開だったこともありますね。
ただ、サスペンスという意味では、ちょっと物足りなかったかな。一番触れてほしくないところを狙ってこられても、なんとか切り抜けられてしまうので。
ま、それも華子の活躍があったからではありますが。
なぜ隆太がワトソン役に選ばれたのか、という理由ははじめに明かされますが、思い過去を持つ彼が、兵士として戦いながら、高校生として青春していくというのが、微笑ましくも心苦しいというか、なんか、複雑な気分になりました。二つの顔を使い分けなければならない彼の揺れる思いは、読んでるとちょっと辛かったかも。
相手を追いつめようとして逆に追いつめられた……と思ったときの華子の策はうまいと思いましたが、まさか着ぐるみにまで意味があったとは予想外でした。
ちゃんとそれらしい描写があったのに、気づけなかったのが残念。
きぐタン~可愛くて凶悪な○○者~ (HJ文庫)
神野オキナ
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