「はいはい。では、いつも通り進めましょうか。今回のお仕事は二点。特別対策局所属、一級特殊執行官、能勢和希への接触。及びテロ組織『大祓』に対する扇動工作ですね」
魔法の素質判定が最低のDランクでありながら、内閣特別対策局というエリート組織に所属する椎葉十郎と、彼が臨時教官を務めることになった魔法士育成学校の生徒・月子がトラブルに巻き込まれていくシリーズの第三弾。今回は、裏で扇動の糸を引くものたちが大きく動き出し、を国会議員である月子の父に脅迫状が届くお話。
これは面白かった!
中学生である月子が先生に抱く思いや、精一杯の背伸びの様子がとても微笑ましくて、そりゃ十郎も見守りたくなるわけだ。
家族で唯一魔法士としての力を持つが故に、家族の間に距離を感じる月子に対して、いい意味でぶつかり合うことを示す十郎の姿が印象的でした。その他にも、月子父の護衛についたときにお節介焼いたりするんだから、丸くなったものですよね。
とまあ、事件を追いながら十郎の心境の変化や、月子の家族の確執などが見えたりしてましたが、それがメインでありながらも、他にも興味津々なところがたくさんあって困ります。
特に「大祓」を捨て駒にして動き出すPM社が、能勢を誘い込もうとするところは、すげー危険信号っぽい。戦うことを求める彼からしたら……、しかも月子の秘密まで知ってしまったことを考えたら、どうなるのか不安でいっぱい。
さらに「死人」を巡る話は、結構複雑になってきそうで、先が読めません。
今回「大祓」に力を貸していた晶が見せた空虚な部分については、そうならざるを得ない状況に追い込まれたことに、やるせないものを感じましたが、一方で「彼女」たる人が見せる凶悪なほどのヤンデレ模様をみてしまうと……
うわー、どうなるんだろう。そもそもどんな目的があるんだろう。
エピローグほんの数ページ前までは、温かい気持ちでほわほわだったのに(不意打ち話とかね!)、一気に危険度マックスになってきたので、叫ぶこと必至です。あー、続きが気になる!
スクランブル・ウィザード3 (HJ文庫)
すえばし けん
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