「君、あの子の力を隠したまま育てたいんやろ?それで正解やと思うし、誰に告げ口する気もあらへんよ。こう見えても子ども好きやし、俺」
「子ども好きが自分のためにガキを利用するのかよ」
「まあ、それは……うん。だって俺、死ぬわけにいかんから」
魔法の素質判定が最低のDランクでありながら、内閣特別対策局というエリート組織に所属する椎葉十郎と、彼が臨時教官を務めることになった魔法士育成学校の生徒・月子がトラブルに巻き込まれていくシリーズの第二弾。今回は、一泊二日のキャンプで拾った遭難者がトラブルを呼び込んで、というお話。
いやあ、面白かったなあ。何といっても月子の恋心がいいです。特別用事があるわけでもないのに、何か手伝うことはないかと教官室へやってくるところに微笑ましいものを感じます。しかも今回は内閣特別対策局入りを目指したいという女性が、見習いとして十郎の側にやってくるんですから、もう!
やきもきする月子を見てるだけで、楽しくなってしまいますね。優等生の仮面をつけていた以前よりも、とても好感が持てるようになりました。
で、キャンプ場からの帰り道に、トラブルが起こるんですが……。そうだよなあ、魔法の力が強いからといって、戦えるわけではないんだよなあ。なまじ戦いの道に身を置いていたが故に気づかなかったのは十郎のミスですが、それを助けたのが月子だったってのがとてもいい展開でした。恐怖にとらわれることなく戦う月子の姿に、十郎への信頼と思う心を感じます。
にしても、俊介くん。男のプライドはわかるけど、もうちょっとわかりやすく動こうよ。月子の目は一点しか向いてないので、なかなか大変だとは思いますが、頑張れ男の子!
キャンプが終わってからのもうひとつ戦いは、やや性急すぎる感がありましたが、ここでまた姉の手がかりがひとつ見えたのは大きな収穫かな。コンビを組んでる能勢に、相手の絡め手が伸びてきそうなところもいい感じに不安を煽ってくれます。
このあたり次でどう動いていくのかわかりませんが、ま、それ以上にあのエピローグはよかったですね。月子の必死さが伝わる言葉と、本気で恋のライバルになってきた見習い卯滝が繰り広げてくれるであろう三角関係は、今後のニヤニヤ項目として大いに注目していきたいです。
スクランブル・ウィザード2 (HJ文庫 す 3-1-2)
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