「えっと、セーラ……せんぱ……い?」
「……茸味?」
おずおず、といった様子でリビングをのぞきこんでいたのは……。セーラによく似た小さなかわいい女の子。
否。
小さなボディで復活した、茸味のセーラだった。
いたって普通の男の子、茸味と才色兼備な女子高生ロボットのセーラの恋を描いていくシリーズの第六弾。今回は、機能停止してしまったセーラの身体を修復する間、小学六年生時代の身体を使うことになり……というお話。
これは楽しいなあ。ちんまくなったセーラを前にした生徒たちの反応がいいです。今まで、才色兼備な姿に、どこか壁を感じていた生徒たちが、年下の妹を見るかのように可愛がる姿が、微笑ましくなってくる。セーラもセーラで、中身は変わらないはずなのに、どこか外見にひっぱられて、いつもよりもちょっと素直で、ちょっと積極的で、茸味に対しても、甘えてくるから可愛いったらないですね。大人の身体でできないからと、お姫様抱っこしてもらって喜ぶ姿とか、とてもよかったです。
とまあ、甘々な学園生活が描かれていましたが、セーラの身体が変わってスペックダウンしたといううわさが流れたら、超鋼機武闘会に参加してる面子なら、反応しちゃうわけで。セーラが不在のときに学校へ乗り込んできて、あろうことか生徒たちを人質にとろうとするんだから、悪役っぷりがハマってます。
この間、意外な活躍をしてくれたのが書記さんでした。「腸」という口癖はどうかと思うけど、軽いノリで前年度の代表超鋼機を操る姿の格好いいこと!僕の中で、書記・湯ノ花さんの株が上昇中。
安っぽい悪人は放っておいて、今回は、御浜千美絵にとっても大きな区切りになってましたね。セーラと茸味の仲を認めつつ、自分の気持ちを抑えることができず、告白しようと決意しつつ、なかなか言い出せなかったりして、迷える乙女心が見えます。
ま、そんな千美絵に対して、先日の戦いで負けに等しい引き分けを味わったエイミーが、ただならぬ感情を持ってつっかかって、ライバルになっていくところも良かったです。
いやあ、面白かった。今回物足りないとしたら、ラヴィニア成分ぐらいじゃないかしら。
ずるいことをします、と言った千美絵は、ちょっと悲しい気持ちになったかもしれないけれど、でもすっきりしたんじゃないかな。
今後もよき友達として茸味の側に、セーラの側に、サァラの側に、いてくださいね。
超鋼女セーラ ソラの恋人、あの娘のトクベツ (HJ文庫 て 1-1-7)
寺田とものり
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