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[翅田大介] カッティング Case of Mio Reincarnation

「彼岸花の花言葉って、知ってるか?」
「……『悲しい思い出』……」
「それもあるな。けど、こういうのもある。『ただあなたを想う』ってな。どっちを選ぶかはお前次第さ。それもまた視点の違いってだけだ。何なら、お前がもっと素敵で、みんながハッピーエンドになるような物語を作ればいい。そうして物語を信じればいいさ」

自身の存在を確かめるためにリストカットしていた少女ミオと、自分の心と行動が一致しないと悩むカズヤが出会い、愛が芽生えて……というお話の第四弾。前作で「秘密」を抱えたことからギクシャクした二人が、ようやく向き合おうとしたとき、新たな事実が突きつけられて、というシリーズの一区切りになるお話です。

うわあ……これはきついなあ。
「事故」のせいで三ヶ月ぐらいの記憶を失っていたカズヤの様子に、ミオが過剰なぐらい反応していたのは、三巻のラストがラストだったからだろうなあと思っていたら……、これか!まさか、こんな出来事が待ち受けているとは思ってもいなかった。そりゃ、ミオがやつれるわけだ。

ミオだけでなく、突如として突きつけられた現実に、心と体がうまく反応しきれず、壊れていくカズヤの痛みが凄かったです。ただ、そこまで苦しむのは、イマイチわかりにくかったかな。どちらかというと、自分のことではクールでいたカズヤだから、その過敏な反応に、異常なまでの弱さを感じてしまったからかもしれません。

聖と昴によって告げられた真実から、目をそらし続けていたカズヤとミオだけど、それを引っ張りあげた沙姫部先輩は、ほんと格好良かった。傷つき、ぶつける言葉しか放てないカズヤに向けた、たった一言の言葉と温もりは、間違いなく彼の心の強張りを溶かすもので……。僕だったら間違いなく先輩に惚れる。

最後もまた素敵だったなあ。いや、ちょっと性急かなと思いもするんですけど、傷つけあいながら繋がりを深めていった彼と彼女がハッピーエンドを迎えてくれたので満足です。

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