Home > ライトノベル > [翅田大介] カッティング Case of Mio Entanglement

[翅田大介] カッティング Case of Mio Entanglement

「うん。けど、ちょっとうれしいよ」
「?」
「新しい〝ミオ〟が見れて」
「……ばか」

自身の存在を確かめるためにリストカットしていた少女ミオと、自分の心と行動が一致しないと悩むカズヤが出会って、というお話の第二弾。っていうか、カッティングシリーズとしては、第三弾なんだけど、一作目のミオとカズヤの物語の続編となるので、まあ、第二弾っぽいって感じで。

個人的には、このふたりのお話大好きだったので、今回も楽しみにしてたんですが、とても良かったです。付き合うことになった二人の初々しくも、しっかりと向き合ってる様子が、素敵なんです。ベタベタするシーンなんてないのに、好き合ってる様子が伝わってくるんですよねぇ。
カズヤの妹と三人でデートするシーンとか、ふたりで本を読んでるシーンとか、それだけで、満足しちゃいそうなぐらいでした。

それだけに、この幸せな光景が崩れ始めるところは、心痛むものがあったなあ。
ミオと同じ秘密を持つ転校生が、さりげなくカズヤを誘惑して、もちろん、そんな誘惑に乗るカズヤじゃないけど、「秘密」がカズヤの心に沈んでいた疑問を浮かび上がらせてしまったから、やるせない。
お互い、相手のことが気になって気になって仕方ないのに、どうしても生まれてしまう距離感が、辛かったです。

まあ、相手を思う気持ちが強いからこそ、言ってはいけない言葉が出てきてしまうというのは、「秘密」がなくても、恋愛してたらありえることですよね。その逆に、言葉が足りないからこそ生まれてしまう誤解も。

なぜあのことを言わないのだろうと、思う事が何度もありましたが、やっぱりカズヤは気障なんでしょうね。そのことが格好悪いと思ってしまったから、ミオに言えなくて。溝なんてあってないものだったはずなのに……。

クラスメイトの支えや先輩の励ましから、自分を見つめなおして、ようやくお互いに思いをぶつけ合うことができたと思ったら……それが悲劇を呼ぶとは思わなかった。

不器用な二人の恋愛事情が、これからどうなっていくのか、続きがとても気になります。

カッティング3~Case of Mio Entanglement~  - 翅田大介

カッティング3 Case of Mio Entanglement
翅田大介

ホビージャパン(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[翅田大介] [カッティング感想一覧] [HJ文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [翅田大介] カッティング Case of Mio Entanglement

Trackback:1

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/2396
Listed below are links to weblogs that reference
[翅田大介] カッティング Case of Mio Entanglement from booklines.net
カッティング(3) from Alles ist im Wandel 2008-05-06 (火) 03:03
カッティング3‾Case of Mio Entanglement‾ (HJ文庫 は 1-1-3)翅田大介 も ホビージャパン 2008-05-01売り上...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [翅田大介] カッティング Case of Mio Entanglement

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top