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[榊一郎] 模造王女騒動記 フェイク・フェイク ルナティック・シスター

いよいよ明日ね ― ホワイトデイの前日、はたして、南部先輩はどうするのかと、友人の早苗をからかいながら、峰部蓉子は言った。そこで初めてホワイトデイの存在を知ったパミルだが、ホワイトデイされるのは、好きな人のみだという。お兄ちゃんのことは好きだが、家族ではダメなのかとパミルは悩んでいた。いつもと様子の違うパミルに、思わずギクシャクしてしまった匡平は……

平凡を愛する高校生・南部匡平と、金髪碧眼の美少女にして、自称某国王女の身代わりアンドロイド・パミルが、兄妹として暮らそうとする中で繰り広げられるコメディの第二弾は、ホワイトデー、期末試験、王家問題、兄の努力、飼い犬の悲劇、調理実習、童話「きんのおの」の変形物語とが描かれた連作短編集でした。

パミルの非常識さに匡平が悩み、匡平の悩む姿を見てパミルが悩んでと、毎回毎回、新たな出来事を経験しながら、家族としての絆を深めていく展開がいいですね。

一番笑ったのは、「兄としての自覚」かなあ。あまりに無防備なパミルに、思わず反応してしまった分身を治めようとしたら、父親が引っ掻き回しにきてくれて、ならば、「兄らしく」なってやろうじゃないかと、匡平が奮闘するんですが、相談相手を間違ったがために、ありえない方向に兄していく姿が笑えます。
まあ、決しておかしすぎるってわけじゃないんですが、あまりの変貌ぶりに、パミルのみならず、早苗までガクガクしていくところが楽しい。

いろいろ、試行錯誤していたけれど、無理しなくても、普通に兄していくのが一番いいんだなと気づいていく最後がよかったです。

一番好きなのは、調理実習をすることになったというので、ためしにパミルに台所を使わせてみたら……という「料理ってこんなにハードでしたっけ?」。目玉焼き作るのに、ビームとか出しちゃう天然っぷりは、予想通りでしたが、台所を散々汚し(壊し)ながらも、作り上げた料理に、パミルの思いが見えて、グッとくる。

思い出の料理だけでなく、ホワイトデイのときも、王家禁止令のときもそうだけど、自分を抑えても、匡平のそばにいることを選ぼうとするパミルの様子には、今の生活がどれほど大切かを感じさせてくれますよね。側にいると気づきにくいけれど、相手の思いがふと伝わってくる描写が素敵でした。

それぞれが少しずつ成長していくことが見えるお話は、あと一冊続くみたいです。家族としていい感じになっていますが、このままいくのか、それとももっと親密な中になるのかはわかりませんが、どちらでも嬉しいかな。どうなるか楽しみです。

フェイクフェイク~ルナティックシスター~ (HJ文庫) - 榊一郎

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Comment:2

ジャラル 2007-12-05 (水) 12:33

榊先生のオタク趣味満開の作品ですね。『まじしゃんず・あかでみい 』程ムチャではありませんが、主人公が只管ツッコミまくりの作品です。ただ榊先生が全部書いたわけでなく、弟子?の方が書いたのを監修という形なのが・・・自分名義のシリーズを人様に書いてもらうとはアンタは田○芳樹か! とツッコミいれたくなりました(笑)。

deltazulu 2007-12-05 (水) 19:22

あー、そういえば、実験的にアシスタント(?)と書いてるとか、1巻のあとがきにありましたね。
どこまで手が入っているのかわかりませんが、面白かったのでいいかな。あとはどういう終わり方を迎えるかですね。楽しみです。

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