南の島での騒動にはケリがついた。だが、あれから霧人と連絡が取れない。かといって、会いに行く勇気も出なかった。ユウがため息をついているころ、同じように霧人がため息をついていた。心が通い合ったと思っていた人が自分を騙していたなんて、と。それ以上に、怖さから逃げ出したことに罪悪感が生まれ、身動きが取れないまま、時が過ぎていき……
神の代行者として対決していた相手が、実は心許していた人だということを知って……というところから始まる物語。強烈な引きで終わっただけに気になってましたが、どうしたらいいかわからないという少年少女の戸惑う心が伝わってきましたね。
同じところでぐるぐる悩んでしまうあたり、青春だなあと思いましたが、そんなふたりを心配して励ます友人たちの存在が素敵でした。安易な慰めだけじゃなく、別の考え方も示唆した霧人の友人の言葉も良かったですが、ユウを励まそうとする友人たちの温かな気づかいのシーンは、ベタだと思ってもグッとさせられます。
友人だけじゃなく、反発しあっていた神さまたちも、ユウと霧人の様子から反省して、なんとか仲直りのきっかけを作ろうとするところが、なんともほほえましいというか、こののんびりとした空気がいいですよねー。
ちゃんと話し合えればここまではいかなかったのでは、と思わなくもないですが、逆にここまでいったからこそ、心から分かり合えたのかなとも思えました。お互いの思いを込めて戦うことで、自分の本当の気持ちに気づいていく展開は、とてもよかったです。
個人的には、もうちょっと二人のラブラブモードを読みたかったかなと思いましたが、最後の最後まで、素敵な雰囲気を崩さずに終わってくれたのは嬉しいですね。全員の幸せが感じられるラストに、にんまり。
うらにわのかみさま 虎と猫と君と僕
神野オキナ
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