ビゲートピアが壊滅した今、各国が日本へと侵攻しようとしているが、逆に互いにけん制しあっているおかげで猶予がある。ひとまず腰を落ち着けるところを捜そうとしていたとき、輪人は敵性少女たちの秘密を知ってしまった。まさか彼女たちは……。さらに、安住の地を得るために、静矢が故郷へと戻ったら、そこで敵であったはずのルシャナと遭遇して……
翼を持つ少女型の侵略者、敵性少女が日本を襲う物語の完結編です。三部作だと思っていなかったので、ちょっと驚きましたが、長さとしてはちょうどいいかもしれません。
次々と明らかになっていく敵性少女たちの事実は、なんとなく予想通りの事もあり、予想外のこともありで、なかなか面白かったですね。パラドックスについては、途中からあやふやな感じを受けましたが、単に僕がついていけてないだけかしら。
ともあれ、今まで敵として戦ってきた相手と共闘することになりましたが、静矢わりとすんなり受けたのは、危険を回避するためということもあるでしょうけれど、ルシャナの葛藤とまでは行かないまでも、迷う姿が伝わってきたからでしょうね。
機械的だと思っていた相手に心を感じていく様がとても良かったです。
ただ、個人的には、シュラの処遇が不満でした。前作で涙した身としては、ああなっちゃうとちょっと興ざめてしまう。いや、嬉しいけど、嬉しいんだけど、ね。
すべてを支配しようとするものにしては、ダイモンの行動がどうも安っぽくて、ちょっとでアレでしたが、それはおいといて、力は巨大な敵を相手にしても一歩も引かなかった静矢は、いい男になりましたね。ルシャナとの出会いは、それだけ彼の心に大きなものを残したんでしょう。
いい男といえば、いつの間にやら輪人も、いい男になってましたよね。前作でも震えながらの男らしさを見せてくれてましたが、今回はさらに発展してて、漢と書いて、おとこと読ませるぐらい成長を感じました。
はっきりと示さずに、いろいろ想像させてくれるラストが、とても透き通った気持ちを思わせてくれて、とてもよかったですね。いやあ、面白かった。この人のコミカルなお話もいいですが、こういった話もまた引き込まれるものがありましたね。
次はどんなお話を書いてくれるのか楽しみです。
戦姫~少年は荒野に立つ
夏 緑
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