内戦が続くアジアの小国で、和平のきっかけとなった旗が、何者かによって奪われた。ここで象徴たる旗がないことが知れ渡ったら、再度戦火が開かれるかもしれない。極秘のうちに組織した特殊部隊シーダックに、駆け出しのカメラマンである白州冴子は、報道員として駆り出されることになったが……
自分が撮った写真が、偶然にも和平のきっかけとなったことで、一躍有名になったカメラマンの白州冴子が、奪われた「和平の象徴」たる「FLAG」を奪取するための特殊部隊シーダックを追いかけた物語です。
FLAGを取り戻すという目的のために集まった人たちの輪に、なかなかは入れなかった白州が、それぞれのメンバー相手に取材を続けていくうちに、段々と仲間として溶け込んでいくというのは、定番ではありますが、なんかいいですね、こういうの。
何といっても白州が魅力的なんですよ。若さゆえの無鉄砲さというか、撮りたいものが見つからないなら、飛び込んでいってしまえ、という白州の行動力には憧れるものがあります。時に踏んではいけない方面にいくこともあるんだけど、素直に謝れるところや、未熟さに落ち込んでも、泣いたらすぐに復活できるところがいいですね。
ただ、ちょっと不満なのは、白州がある隊員に惹かれていくところ。惹かれるきっかけらしいものがどう見てもないので、何でこんなに赤面するんだと疑問に思ってしまいました。
このあたりは、もうちょっと細かい心理描写が見たかったです。
個人的に印象的だったのは、責任問題でグズグズしている上層部を尻目に、それぞれが覚悟を決めるシーンですね。軍としては、許されることではない部分もあると思いますが、それすら飲み込む覚悟に、熱くなるものがありました。シーダック、プラス 1の言葉に、どれほど勇気づけられたか、想像に難くないですね。
仲間たちと離れ離れになるところは、事情を考えるとしかたないところがありましたが、それでも希望を胸に、前へ進もうとする白州の姿が良かったです。
でもね、最後はずるいよ。
不意打ちに、思わず涙。
FLAG ―戦場カメラマン・白州冴子―
渡辺 麻実
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