伝染病の調査として順調に進んでいた旅路だが、ここ数日、同じところを行ったりきたりになっている。いったいいつ竜の山脈にたどり着けるのかと、不安に思っていたメイベルだが、おかげでドラゴンと人が争ったと言い伝えられる遺跡を見学することができた。
そこで、人間とドラゴンの間にある溝を取り除くことができるかもしれない発見があり……
くじびきで選ばれた勇者と従者の旅物語の三作目です。いやあ、メイベルがいいなあ。ただの薀蓄屋さんという印象が強かったですが、今回はどちらかというと探究心いっぱいな感じでした。未知のものに対する好奇心がとても伝わってきます。
頭でっかちだったのに、ナバルと旅をすることで、いろんなものを吸収してますよね。成長する姿が素敵です。
それに比べたら、まるで成長してないナバルでしたが、そんな男に対するメイベルの気持ちがどんどん見えてきて、思わずニヤリです。嫉妬したり、役得にあやかったり、呼び方ひとつで赤くなったりするところが可愛くて可愛くて。ナバルが朴念仁過ぎて、まるで進展しませんが、メイベルが尽きるまで力を使ってしまうところは、信頼から着てるんだろうなあ。
二人仲良く草原で昼寝しているイラストは、今回のマイベストです。雰囲気素敵すぎ。
今回は、ドラゴンが敵というより仲間として見えてきました。やっぱり仲良くなる基本は、同じ釜の飯を食うことですね。お互いの文化に触れて、相違点を指摘しあいながら食事をするシーンは、とても楽しく読めました。
一部の人間の暴走と、認識の違いから始まったドラゴンとの確執ですが、話し合えば分かり合えるし、共存もできる。そのことを象徴するシャーマという植物におけるやり取りが印象的でした。
後半ちょっと急ピッチに感じたのは、ドラゴンたちとのやり取りをもっと読みたかったからかしら。
伝染病の発生源を推察して取り除き、ドラゴン教徒との確執を取り除きと、大活躍なふたり(というよりほぼひとり)の旅がこれで終わりだなんて残念だなあ、と思っていたら、そんなオチを持ってきますか。
まあ、これはアレだろうけれど、そのあたりは既に構想があるという第二部で語られるんでしょうか。
いろいろと楽しいことになりそうなだけに、続きがとても楽しみです。
くじびき勇者様3番札 誰が聖女よ!?
清水 文化
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