メイベルはくじびきで運命を決めるというソルティス教の見習い修道女だけれど、くじびきが大嫌い。それでも、研究や魔法の訓練は面白く、いろいろな事に首を突っ込んでは成果をあげていた。
ある日、晩餐の料理を作るために町へ同じ見習い修道女のパセラと買出しに出かけたら、異教徒によるテロに巻き込まれて……。
どこに買出しに行くかということまでくじびきで決めようとしていたので、思考放棄モノだとしたらハズレだなあと思いましたが、実際のところくじびきをしたシーンってそれほどありませんでした。はじめと最後ぐらいかな。それこそ「運命」を決めるぐらい大きなときに使うのが一般的みたい。
登場人物たちはそれぞれ自分の考えを持ち動くので一安心。その上、きっちりとした世界が作られているファンタジーだったので、読み終わった今は手にとって良かったと思いました。面白いです。
何と言ってもメイベルがいいですね。博識でやや理屈っぽいけれど、頭でっかちというわけでもなく、普通の女の子らしいところもあります。「これは吊り橋効果」だと自分に言い聞かせるぐらい動揺するメイベルがかわいくてしょうがないです。ちょっと万能すぎるきらいもあるけれど、彼女が関わる話は読んでいて楽しいですね。
ナバルが結構朴念仁なだけに、どうなることやらと思わなくもないですが、直線的なところもあるので、結構いいコンビかもしれない。
話の重要な要素であるテロについては、結構シリアスな気がします。オブラートに包んではいますが、自分たちにだけ通じる理屈により、理不尽な行動を取る者の怖さが伝わってきました。
テロ側の動機もわからなくはないですが、だからといって、無差別に力を使うことが許されるわけではないですよね。このあたりは分かり合えることってないんだろうなあ。自分が正義だから。
このような対立は、現実でも同じような事があるだけにリアリティを感じますね。
今後はこのテロとの戦いと、もうひとつの使命を受けた勇者と従者の旅が展開されるようですね。なるほど、だから「くじびき勇者さま」なのかとニンマリ。この二人の組み合わせによる道中に何が起こるのか、とても楽しみです。
個人的にはパセラも好きなんですが、今後どうなるのかなあ。
クウラあたりが父親に頼んで、無理やりもう一組参加とかないのかな、と悶々。
くじびき勇者さま 誰が小娘よ!?
清水文化
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