小さいころ、自分だけの友人っていたよね、という話が友人たちの間で盛り上がっていたが、垣華ユウにもそんな友達がいた。「とらたん」と読んでいた虎のような猫のような人形が。
そのとらたんが物置を片付けているときにひょっこり現われた。懐かしい気持ちでいっぱいになり、汚れをふき取っていたら、もぞもぞ動き出し、はては二本足で歩き始めた。
何ととらたんは虎神さまであり、ユウの家は神様のお手伝いをする家系だったのだ……
とらたんと一緒に「神もどき」の侵入を防ぐお話。といっても、殺伐としたものではなく、ほのぼのとした雰囲気です。そうだよなあ、小さいときには自分にも自分だけの友達がいたよなあ。あのときの人形とかどこにいったんだろう?
思わず昔を振り返り、自分の気持ちを思い出してしまいました。
悪人らしい人は出てこなくて、ちょっとしたバトルはありますが、人死にすることなく進む展開。虎神さまの手伝いをするときには変身をするんですが、すごい力を手に入れたときの気持ちがとてもわかります。お金で現実に戻るところで思わず笑いました。
ユウの男っぽさに始めは違和感を覚えましたが、良さがわかってくるにつれて、似合ってるかもと思うようになりました。迷うことがあっても、礼を尽くすユウがかっこいいです。
ちょっぴり内気な霧人とのさりげない恋愛要素がいいですね。
何と言っても一番良いシーンは、ユウが亡くなった祖母の部屋に入る決断をしたところでしょう。強いイメージのあるユウが、直視できなかった現実を見つめなおすところ。とても真っ直ぐで、とても悲しくて、とても温かかったです。
これぞ神野オキナって感じですね。素敵な物語でした。
うらにわのかみさま(1)
神野 オキナ
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