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[ステファニー・メイヤー] トワイライト

母親の再婚を機に、父のいる雨と霧の町・フォークスへと引っ越したイザベラ・スワン。人との付き合いが苦手なベラは、転校先の高校でうまくやっていけるか不安だったが、クラスメイトには温かく迎えられた。ただひとり、美しき容貌のカレン家の四きょうだいの一人、エドワードを除いては。
話をしたこともない相手から、なぜか敵意を持った視線を向けられていることに、憂鬱になっていたある日、車の事故に遭った際、ベラはエドワードの「力」を見てしまい……

人を狩ることをやめた吸血鬼一族のひとりエドワードと、人付き合いに臆病だった女の子ベラの禁断の恋の物語です。

これは面白かったなあ。
惹かれあいながらも、なかなか進まない二人の仲に、心地よい苛立ちを覚えましたが、「秘密」が見えてからは一気でしたねぇ。そりゃ、彼女の雰囲気やにおいが、エドワードにとって好みドンピシャだったんだから、彼女が彼の秘密を許してくれるなら、気持ちは高ぶっていきますよねぇ。

人の血は吸わない掟を抱えてるエドワードからしたら、抑えるのは大変だろうに、それでも彼女のそばにいたいと思う気持ちが、切々と伝わってきて、とても良かった。やってることがストーカーに近かったような気もするけど、とりあえずおいとく。

一方のベラは、はじめこそ彼の敵意におびえてたものの、気づけば彼の姿を探し、彼がいないときには心を痛めと、惹かれていく様が、とても初々しい。事故の際にエドワードの力の一端を垣間見て、自分でもバカバカしいと思いながら、想像をめぐらせてしまうのは、彼のことが気になって仕方がないからだってのがよくわかります。

上巻から下巻の中盤ぐらいまでは、二人の距離が近づいていく様が描かれてて、両思いになったらなったで、苦悩することが多いんですが、家族や掟などの障害を感じながらも、絆を深めていくの様子には、バカっプルかと思うほどのものを感じて、ニヤニヤしっぱなし。こんな感じがずっと続くのかと思ったら、下巻の中ほどから急激にサスペンスになってきて、これがまた面白い。

エドワード(というかカレン家)の一族と似たような種族であり、いまだ人を狩る一族が、よりによってベラに目をつけてしまい……、というところからの展開は、もうドキドキ。カレン家には、まだ幾人も吸血鬼がいて、ベラを護衛してくれるんだけど、それでも不安が勝るのは、人間の力の無さが痛感されるからなんだろうなあ。一瞬でも隙を見せたら、ベラの命は奪われてしまうんですから。

愛する人を守るために戦うエドワードの思いを知りながら、ベラが行動し始めたときには、どうしてくれようかと思ったけど、でもベラの気持ちも痛いほどわかる。自分のせいで、愛する人とその家族の平和が失われるかもしれないと思ったら、そりゃ平静でいられないですよ。

似た者同士のカップルが引き起こしたラストの出来事には、ハラハラしっぱなしでしたけど、ひとまず自体が収束してくれて良かったです。

ただ、この件で、ベラには不安が残りましたよね。もしかしたら、自分を危険にさらさないために、エドワードが離れてしまうのではという思いは、当分消えないでしょう。だからこそ、あんな無茶な思いを抱くようになったんだろうなあ。ほかに何も考えられないほど思いつめる恋が、美しくも切なく感じます。
思いだけなら、文句なしのカップルだけど、種族の違いから生まれる相違に、これからどう立ち向かっていくのか。続きが楽しみですね。

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