魏・呉・蜀、三国が乱立するなか、呉を守るために集った、強くも儚く悲しい運命を背負った戦士たち。陸遜、孫策、周瑜、孫権、太史慈ら5人の運命がひとつになるまでを描く。アニメ「鋼鉄三国志」のオリジナルストーリー。
あらすじはbk1から。
「鋼鉄三国志」というアニメの五~六年前の前史を描いたお話だそうです。アニメのほうは見てないので、よくわかりませんが、正史を踏まえつつ、アニメの設定を組み込んだってところでしょうか。炎烈鎧とか煌星とか玉璽に特殊な力があったりするみたいですが、実際のところ、強大な力を持つことは知らされますが、直接的に描かれるってこともないといってもいいかな。三国志的戦いというよりも、周瑜、孫権、陸遜、太史慈、孫策の視点を通して、人を、国を、見ていくという感じですね。
孫権がいい子だなーとか、陸遜がこんな過去を持ってたの?とか、なかなか興味深い設定ですね。アニメだとどうなってるんだろう。
一番印象に残ったのは、「周瑜伝」と「孫策伝」かな。
玉璽を手に入れた孫策が倒れた葬儀で、孫策との誓いに思いを馳せる周瑜のお話では、孫策という友を誇らしく思うさまや、誓いと夢。それが崩れてしまったのは、玉璽のせいだと思いながらも、孫策が間違ったと思いたくないところに、周瑜の孫策への思いが伝わってきますね。こうやって、玉璽によって人が変わっていくのかと思うと、ちょっとゾクリとさせられます。
トリを飾る「孫策伝」は、「周瑜伝」での孫策側の視点から描かれたお話ですが、ふたりならば天下を手にできる、という絆を感じさせるところは、ほんとよかったです。ただ、ひょっとしたら、己の運命を知っていたのではないかなあと、思ったのは、死を意識した言葉があったからでしょうか。天命を否定したのもひょっとして……などと思うと、既に孫策が死を迎えることを知っているだけに、何とも切ないものがあります。
玉璽を握ったものだからこそ、わかってしまった思いなのかもしれませんが、となると、陸遜が手に入れた後、どうなるのか、とても気になりますね。
あー、もっと読みたかったなあ。どの話も印象的なんですが、短くて残念です。むしろ、各人の話で、一冊ずつ読みたいぐらい。特に太史慈のお話は、冒険談としても面白くなるんじゃないかと思うんだけどなあ。お母さんが豪傑でかっこいいので、太史慈母伝とかあったら、文句なしで読んじゃうかも。
鋼鉄三国志~呉書異説
妹尾 ゆふ子
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