夏休みに二泊三日の合宿を行うという。それも海の別荘に。先輩が言い出すことはいつだって突然だが、このことに難色を示したのは、ぼくらの元に戻ってきた真冬だった。父親が許してくれないというが、どうもそれだけじゃない気がする。
四人でいるからこそバンドだと思ったぼくたちは、なんでバンドにいるのかと悩む真冬を説得して、合宿へと向かったが……
恋と音楽の青春物語の第二弾。今回は、バンドにいる理由がわからないという真冬を連れて合宿にいく、というところから始まるお話です。前作よりも恋愛要素が増えたかな。
相変わらずツンとした感じの真冬でしたけど、ナオを名前で呼んだり、つっけんどんとはいえ、音楽の話をするようになったりと、ふたりの距離がちょっと近づいてるような描写にうれしく……なってたのに、合宿へ二の足を踏むわ、バンドに入ってることにも、煮え切らない態度をみせるわで、なんともモドカシイ思いになりました。まあ、あれだけ鈍い男を想ってたらしかたないところはあるけど。
バンドにいることに引け目を感じているおかげで、どうしても馴染みきれない真冬でしたが、そんな彼女を引っ張り上げる先輩が、ほんと格好良かった。バンドとしての鼓動を感じさせて、弾きたいと思わせ、そしてひとつになるセッションにゾクゾクさせられる。この人の音楽描写は、心を熱くさせてくれるなあ。この繋がりがあればと思わせてくれましたよね。
今回一番印象に残ったのは、革命家の弱さが見えたところでしょうか。いまだ見えぬ彼女の過去の重さを実感させてくれましたが、そこから立ち直ろうとした先輩の言葉のまっすぐさに、思わずこちらまでドキドキしてしまいました。ただ、彼女にとってのポールが……ってのは、なんかしっくりこない気がしないでもないけど、過去の話が見えてくるとまた違ったものが見えてくるかもしれません。
いやあ、良かった。
言葉で伝えきれない思いを、音楽を通じて伝えることができるって、ほんと素敵ですよね。居場所を求め、葛藤を繰り返してきた人たちが集まったバンド「フェケテリコ」が、今後どういう道を歩んでいくのか、楽しみです。
さよならピアノソナタ (2)
杉井 光
そうそう。今回もまた著者の杉井さんが、本編に出てきた曲の紹介をしてくれてます。読み終わったあと聞くと、それぞれのシーンが思い浮かんできて、もう一度読み返したくなりますね。
「Desperado」がとてもよかったので、Amazonでポチっ。
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