疫病神が福の神になるとは興味深いが、その固体が現在も強大な疫病神としての力を保持している可能性があるのなら、チェックをする必要がある、として、内閣政府直属の機関・鎮霊局は、雅人とキチを観察するために、特命霊的捜査官を差し向けた。
そんなことを知らないふたりは、今日も今日とて貧乏生活。自分だけならまだしも、キチにひもじい思いをさせるわけにはいかないと思った雅人は「幸運招来」をしてくれるようキチに頼んだが、そのときの様子を、二之宮さんに見られて……
日本一不運で、貧乏な霊能者である外神雅人と、疫病神から転職した福の神の女の子・キチが繰り広げる学園ラブコメシリーズ第二弾。今回は、
- キチとの関係を二之宮さんに誤解される騒動「未体験の感情領域」
- 仲良くなった二之宮さんと雅人の前に、シスコンな二之宮兄・速彦が登場する「そこがあんたの大迷惑」
- キチの存在と雅人の関係を、女子高生にして特命霊的捜査官が調査しにくる「嘘つき少女が街にやってくる!」
という三編からなる連作物語です。
ああ、楽しい。
「マサト、大好き」がラッキーワードになってるので、キチが力を使う度に、全開の好意を示してくれて、可愛く思いつつ、気恥ずかしくなる雅人の様子にクスリ。まあ、そのおかげで、二之宮さんに誤解されて……というお約束が出てくるんですが、誤解を解くための騒動は面白くも、結果として、マサトとキチの関係がああなっちゃったのは、ちょっと切ないですね。
いや、個人的には、二之宮さん好きなので、マサトとキチの関係は、それでいいんじゃないかと思うんだけど、キチとしては割り切りにくいものがあるよなあ。この生まれた気持ちが、今後どうなっていくのか気になるところ。
それにしても、二之宮兄の速彦物語は凄かった。まあ、二之宮さんみたいな可愛い子を妹にしたら、シスコンになるのもわからなくもないけど、普段が完璧超人なだけに、「妹に手を出すヤツは」状態になるギャップが楽しいったらないです。
こういうおバカさをみせながら、最後にちょっといい雰囲気にしてくれるから、この人の物語は好きだなあ。
と、ここまでは、ゴエン使いとしての話がまるでなかったんですが、特命霊的捜査官・天草沙代が襲来してきてから、なんだかいい具合に不安要素が見えてきましたね。
いや、特命霊的捜査官のプライドから、最強と噂されるマサトを敵視するかのごとく睨む沙代の様子には、ニヤニヤしちゃったり、初めは沙代の強引さにアタフタしてたマサトが、彼女の気持ちを汲み取って応えようとするあたりが格好良かったりと、非常に面白かったんですが、最後にキチを襲った変化が……不安だなあ。
今のところ、マサトのみがキチの鍵となってるけど、エピローグを見ていると、ひょっとしたら他の人たちとの交流が、いい方面に動いてくれるかもしれないので、そこを期待したいですね。
ラッキーチャンス! 2 (2) (電撃文庫 あ 13-21)
有沢 まみず
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