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[水鏡希人] 君のための物語

川へと飛び込もうとした女性を助けようとして、川に落ちた私を助けてくれたのは、超然とした態度の若い美形の男だった。名前もろくに教えてくれないミステリアスな「彼」のペースにつられて、私と私が助けた女性と「彼」の三人は、それからも時折、夕食を共にするような間柄になった。
ある日、作家志望でありながら、筆を執ることが久しくなかった私は、女性の言葉に触発されて、物語を書き始めたが、この時がどれほど貴重な夜であったか、後に私は知る事になる……

一ページ目を読んだときから、好みであることはわかったんですが、こうまで魅了されるとは思いませんでした。

生きる意欲を与えてくれた女性、美しい思い出を持つおばあさん、天子を魅了させながらも醜い心をもつ歌姫など、作家志望の「私」と美しくミステリアスな「彼」が出会ってからの毎日は、時に切なく、時に重いものもあるんだけど、そこには人の温かさがありました。

本を閉じて、目をつぶれば、目の前に情景が浮かび上がるような、そんな素敵な雰囲気を持つ物語に浸って、ああ、もうホント素敵!

どの話も素晴らしいんだけど、中でも、第一章は飛びぬけているんじゃないかしら。

作家志望でありながら、生活苦から筆を執ることがなくなった「私」が、助けた女性の言葉に触発されて、再び物語を書いていこうと決意する展開が、とても良くて、ところどころに不安がよぎる描写があるだけに、余計心にくるんだろうなあ。

いつしか生まれた恋心が結んだ運命には、思わず涙を浮かべてしまう切なさがありましたが、それでも、物語に込められた彼の深い愛は、届いたことだと思います。

ひとつひとつの出来事は、決して大きなものではないんだけれど、それでも「私」と「彼」からしたら、おろそかにできることではなくて。関わった出来事を通じて、少しずつミステリアスな「彼」の心が見えてきて、いつしか友情が生まれているという過程には、心に来るものがありました。

いやあ、ほんと良かったなあ。素晴らしい物語と出会うことが出来て、とても幸せ。

読み終わった後、巻頭の「セリュサの世界」と題された物語のイラストを眺めると、思わず、うるっとくるものがありました。できれば、このお話も、彼女の挿絵と一緒に、読んでみたかったと思ったのは、僕だけじゃないと思いたいです。

超オススメな第14回電撃小説大賞金賞受賞作。

君のための物語 (電撃文庫) - 水鏡 希人

君のための物語
水鏡 希人

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成田智 2008-02-17 (日) 08:09

t゙の姿に惹かれて手に取りましたがとても素晴らしい物語でした。
イラストも内容にすごく合っていて素敵(^^)
ちょっと衝撃な絵もあったの展開がすごく心配でした。

deltazulu 2008-02-18 (月) 20:46

イラストあってましたよねぇ。
驚きな展開もありましたが、あそこで友と呼べる関係になったことは、嬉しく思いました。
続き出てくれないかなー。

リューか 2008-08-13 (水) 19:06

この物語はとても好きです^^
「セリュサの世界」が読んでみたいなぁ・・・・・・。

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