町内会のハロウィンイベントの日、昇がボランティアで、仮想した小学生を引率して、家々の扉をたたいていたころ、人ならぬモノたちは、土地神である恵比寿によって集められていた。いわく、鈴ノ瀬に入り込んだ貧乏神を捕まえてほしい、と。自分に被害がないならどうでもいいやとやる気のない妖怪たちは、10万という賞金に惹かれて、貧乏神を探し始めるが……
妖怪騒ぎに巻き込まれたのにクーが助けてくれず、透が自力で解決に向かう「長月の章」、ハロウィンイベント中に貧乏神を探す「神無月の章」、商店街のくじ引きで当たった温泉に昇とクーが行く「霜月の章」、身体測定に向けて佐倉さんがダイエットする「師走の章」、新年明けて、初詣やらが描かれる「睦月の章」という連作短編集風味な一冊でした。
お稲荷さんらしい空気が楽しめるといったら、「神無月の章」ですよね。ハロウィンイベントの空気が素敵です。オマセな小学生に振り回されて大変だと思いながらも、去年に引き続き昇がボランティアを務めるのは、楽しかったという思いがあるからなんでしょうね。その楽しさが子供たちに伝わり、また昇へと伝わってくる。こういった気持ちの連鎖が、町内にめぐってるってことを感じられて、とてもよかったです。
貧乏神を探すイベントのオチはお約束でしたが、ま、土地神さんだから仕方ないよねと、苦笑させてくれる雰囲気に、にっこり。
昇とクーが温泉に行く「霜月の章」の火サスな展開には、くだらなくも楽しめましたが、何といっても僕からしたら、オススメは「師走の章」でしょう。昇の体重が自分と少ししか差がないことを知り、身体測定までに体重を落とそうとする佐倉さんの必死な乙女心がたまりません。空腹を抱えながら、体重計に乗ったときの叫び声にニヤニヤ。
いや、ニヤニヤ度からしたら、ダイエットしすぎて倒れそうになったときの昇とのやり取りですね。あー、もう、この鈍チンが!と思いながら、攻撃力0なパンチや、超食べる!発言をする佐倉さんの姿に惚れました。
仮に昇と付き合うことになったら、どんな表情を見せてくれるんだろうと想像して、勝手にニヤついてる僕がいる。
あー、面白かった。できればもっと読みたかったですよ、特に佐倉さん話を。
次なるお話では、ぜひぜひお願いしたいですね。
我が家のお稲荷さま。 7
柴村 仁
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