後になって、八王子は思う。
ここが、本当の意味で終わりのはじまりだったのだと。
長く長く、ずっと続いていたかのような―でも、実際はたった数ヶ月でしかなかったアガルタの祭り。
その終焉が……このとき、この場所こそで、はじまっていたのだと。
ついにシリーズ最終巻。奪われたイセリアを取り戻すために、まどかや詩奈たちが、アガルタを目指すお話です。
イセリアを気にするまどかと、そんなまどかが気になる詩奈と。複雑じゃないんだけど、複雑さを感じさせる思いの交差に、何ともいえないものを感じるなあ。実際のところ、まどかは家族としての視点でイセリアを見ていることが多かったような感じがあるので、もやもやしたのかも。
ついに明かされたアガルタの正体は、意外……なような、意外じゃないようなものでしたが、滅びへと転じていく理由はわかる気がしましたね。あれほどの力を持っていても、閉じた中では、終わりへと導かれてしまうのか。イセリアのように外へ出ればひょっとしたら……と思ってしまいましたが、実際のところ、当時のアガルタの人が何を選ぶかはわかりませんよね。
今までもその片鱗を見せていましたが、まどかが思ったよりもタフだったなあ。悩むこともあるんだけど、もっとも素直な気持ちで、身近な答えを出せるのが、彼の強さなんだと思いました。絶望が間近にあっても、くじけることなく、突き進む姿は、やっぱり格好いいですよね。
ただ、個人的には、もうちょっと早鬼の心情が見えてくれたらなあと思ったかな。理解できることではあるんですが、それは説明されたからであって、早鬼自身のアガルタへの思いがいまいち伝わってこなかった……というと語弊があるか。十分には伝わってこなかったような感じを受けました。
アガルタを巡る物語については、面白かったし、きれいにまとまっていたと思うんですが、人間関係とかについては、まだまだ途中だったのは物足りなかったかな。特にまどかと詩奈の関係は、何らかの結論を見たかったところですが、まどかたちからしたら、ここで結論を出すものではなく、まだまだこれから先があるよってことなのかもしれませんね。
アガルタ・フィエスタ! 4 (4)
三田 誠
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