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[有川浩] 図書館革命

世間でバレンタイン商戦が始まったころ、原発を狙ったテロが発生した。そのテロ行為が、小説「原発危機」の内容と酷似していたことから、メディア良化委員会は、著作者である当麻蔵人を捕らえ、さらに自由な著作を規制しようと動き始めていた。
いち早く情報を入手した折口は、当麻蔵人を図書館の基地へと連れ込み、当麻ならびに図書館は、言論の自由を掲げて戦うことにしたが……

言論の自由を規制しようとするメディア良化委員会と、言論の自由を守ろうとする図書隊の戦いが繰り広げられるシリーズ最終巻です。

ああ、面白い。ニヤニヤが止まりません。堂上とお出かけすることになった郁の一挙一動が、たまらなく恋してますよねー。堂上もさりげなく甘い言葉をかけてたりして、クーとなる。デートじゃないと言い張ってるけど、どうみてもデートです。

というラブ物語から始まったわけですが、今回は「表現の自由」について、今まで以上に考えさせられましたね。犯罪が小説の内容と酷似していたからということで、小説のみならず、作家にまで手を伸ばしてくるところには、唖然とさせられるましたが、それ以上に驚かされたのは、メディア良化法以前から、多かれ少なかれ、作家には、表現の自由が制限されていることを知らされるところですね。

片手落ち、盲撃ち、按摩などなど、物語の状況や時代背景など、文脈を考えればそれが差別のために使われた言葉ではないとわかるのに、それでも差別と解釈される可能性があるなら取り除かれる。それも悪意ではなく善意の人たちによって。ひょっとしたら、自分も何の気なしに善意を押しつけているのかもしれないと思うと、怖くなりましたね。
無関心でいることの危険と、「表現の自由」ということを改めて考えさせられました。

今回、一番大きな動きをしてくれたのは、手塚兄のような気がしますが、そんな彼を動かした柴崎が格好よかった。特に、彼を動かした言葉「歴史にあたしの名前が残るのよ」には、やられました。彼女がここまで動いた理由もニヤニヤでしたね。前作で手塚との距離を縮めてましたが、まさかまさか、ここまで積極的に動いてくれるとは思いませんでしたよ!いやーん素敵。逆に手塚は、いと情けなしな感じが出てましたが、ま、相手が悪かったということで。

「表現の自由」を世間に問う形のお話になったため、どちらかといえばアクションは抑え気味でしたが、最後に来て緊迫感あふれる展開になりましたね。当麻蔵人を、表現の自由を守るために戦う図書隊員の姿に心打たれます。中でも、任務を託された郁がカミツレを手にしたときのシーンや、郁の成長が感じられるシーンに感動させられました。

いやあ、面白かった。好きな人がいる素晴らしさも伝わってきて大満足。最後はお約束なエピローグでしたが、嬉しかったですね。個人的には、手塚×柴崎あたりの行く末がとても気になるので、短編とかぜひ!とお願いしたい気分です。

図書館革命 - 有川 浩

図書館革命
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