Home > ライトノベル > [藤原祐] レジンキャストミルク 8

[藤原祐] レジンキャストミルク 8

良司と芹奈は、無限回廊の手から逃れ、晶たちの元へとやってきた。良司の考えなしの行動が引き起こした事態には、怒りを覚えるものの、晶は責めることはしなかった。彼女の死は、自分の責任であるべきだから。芹奈を元に戻すために動いた晶は、樹たちの次の手を待っていた。
一方、樹や鏡は、虚軸をすべて統合させる計画を推し進めて……

ついに迎えた最終巻。失った戦友への思いと、失いたくない日常への思いを胸に、最後の戦いへと挑むお話です。

やっぱり、彼女を失ったことは、大きかったですね。晶や硝子たちが、普通の会話をしているときに、いつもだったら彼女がここで言葉をかけてくれるのにと、ふとした拍子に、彼女を思い出してしんみりするところは、グッときてしまいます。

おそらく一番辛い思いをしたのは、蜜だったんじゃないかな。素直に姉と呼べなかったことは、きっといつまでも後悔するでしょう。だからこそ、彼女が守りたかった存在でもあり、自身の大切な人でもある君子を、是が非でも守ろうと思ったんでしょうね。
おかげで、普段では見られらない蜜を見ることが出来たのは嬉しかったなあ。君子の言葉には逆らえない蜜が、君子フレンズたちの仲良しこよしの輪に入って、戸惑う姿には笑いまくりでした。ほのぼのダークのほのぼの部分を一番持っていったのは、蜜でしたね。

そんなほのぼのな空気とは裏腹に、晶の周りでは、不安が横切るばかりだったのが、辛かったですね。芹奈のこともあったけれど、仲間に対して、ひとりひとり決意を尋ねていくところは、力強さよりも、皆、生きて帰れるんだろうかという不安ばかり感じて、見てられませんでしたよ。

迎えた最後の決戦で、最も印象に残ってたのは、ネアの意思の方向性かな。生徒のためという思いが、これほどまで伝わってくるとは思いませんでしたよ。普段は見せることがなかったけど、虚に関わっていたからこそ、実となる存在は、離しがたいものがあったんだろうなと思いました。

蜜の己の生命をかけた言葉も、心に響くばかりで、どうなっていくのかワクワク。してたのに、樹たちの考えがどうもすっきりしないせいか、不完全燃焼気味なんだよなあ。いや、わかるんだけど、こう、ね。ダークなところはあれど、どこか甘い晶がやったことだからこその結末なのかもしれませんが。

なんて油断してたら、まさか、ここで、彼女が……。
彼女の思いとイラストにじわりとさせられて、携帯電話のところで涙。

メインであろう戦いの部分が、ちょっと弱く思いましたが、それを取り巻く人間関係が素晴らしかったです。「ひょっとしたら」もう一冊ぐらい、晶と硝子たちの物語が楽しめるかもしれないとのことなので、期待して待っていたいと思います。

レジンキャストミルク 8 (8) - 藤原 祐

レジンキャストミルク 8 (8)
藤原 祐

メディアワークス(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[藤原祐] [レジンキャストミルク感想一覧] [電撃文庫] [ライトノベル]

Home > ライトノベル > [藤原祐] レジンキャストミルク 8

Trackback:6

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/1916
Listed below are links to weblogs that reference
[藤原祐] レジンキャストミルク 8 from booklines.net
レジンキャストミルク 8 from アマデウスの錯乱? 2007-09-10 (月) 00:20
レジンキャストミルク 8
[書評][藤原祐][レジンキャストミルク][学園異能][ダーク][トラウマ/エグい][★★★]レジンキャストミルク(8) from いつも感想中 2007-09-11 (火) 12:22
レジンキャストミルク 8 (8) (電撃文庫 ふ 7-14) 作者: 藤原祐 出版社/メーカー: メディアワークス 発売日: 2007/09/10 メデ...
[感想][★★★★☆][藤原祐]「レジンキャストミルク8」 from ただ、それじゃ終われないでしょ! 2007-09-11 (火) 18:46
「わたし、いけなかった、んです。マスターを好きに……なっては、いけなかっ……た」 「ここに来ちゃ、いけなかった!私がいたら、いたから……!」 「私は生き...
レジンキャストミルク 8 from 愛があるから辛口批評! 2007-09-11 (火) 18:56
レジンキャストミルク 8 (8) (電撃文庫 ふ 7-14) 作者: 藤原祐 出版社/メーカー: メディアワークス 発売日: 2007/09/10 メデ...
レジンキャストミルク〈8〉 from MOMENTS 2007-09-13 (木) 21:36
様々なものの失いの果て 日常への帰還 殊子という大きな存在を失い、感傷に浸る暇もなく、晶と硝子は芹菜・良司と合流を果たす。そして、未だ目的の見えない...
電撃文庫・10月の感想1 from 詠み人知らず 2007-10-01 (月) 21:10
■藤原 祐×椋本 夏夜『レジンキャストミルク?』  ★★★★★ 大きな犠牲を払った末、ようやく森町 芹菜と敷戸 良司へ接触した晶。 しかし、変わり果て...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [藤原祐] レジンキャストミルク 8

Search
お気に入り

左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下


わくわくするような大冒険がしてみたいな

時載りリンネ! 1 (1) (角川スニーカー文庫 203-1)時載りリンネ! 2 (2) (角川スニーカー文庫 203-2)

本を読むことで、滋養と時を操る力を得る「時載り」一族。読書よりも遊ぶことのほうが大好きという、おしゃまな女の子・時載りのリンネと、彼女に振り回される男の子・久高が繰り広げる冒険物語。どの年代の人が読んでも楽しめる最高のジュブナイルです。→感想


十八番目の皇女という立場から、何も手にすることができなかった月華が、心の内に「龍」を飼う涼狐の剣舞に惚れて、剣を手にする中華風ファンタジーのボーイ・ミーツ・ガール。

DRAGONBUSTER 1 (1) (電撃文庫 あ 8-13 龍盤七朝)

淡々と語られている物語だと思っていたのに、気づけば引き込まれています。溜め込んだエネルギーが、次なる巻で爆発してくれることでしょう。背筋がゾクゾクするほど、楽しみでなりません。→感想

なかのひと

Page Top