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[七飯宏隆] タロットの御主人様。2

勝気な幼馴染の結夏と気の弱いクラスメイトの香澄。タイプの違うふたりの女の子との共同生活に、いっぱいいっぱいになっていた秋人は、ある日、名門女子高でボイコット騒動が起こったという噂を耳にした。しかも中心にいる鷺宮藤子なる美少女は、一週間前から始めた占いで、百発百中の的中率を誇るという。間違いなくタロットカードが絡んでいると睨んだ秋人たちは、厳重警備が敷かれている名門女子高に侵入して……

オチこぼれ陰陽道の占家・秋人が、バラ撒かれてしまった二十二枚のタロットカードを集めて封印するお話の第二弾。今回は、タロットカードの力を封印された幼馴染の結夏とクラスメイトの香澄と共に、名門女子高に乗り込んで、「女教皇」と「運命の輪」のカードと退治するお話です。

いやあ、楽しいなあ。これはいいラブコメですね。美少女たちとの共同生活におけるお約束なイベントに、笑いが止まりません。秋人自身の話も楽しいけど、むしろ、気になる男の子と一緒にいることにドギマギする結夏や香澄の様子が楽しいです。

そんな三人で、名門女子高へと忍び込んでいくんですが、カードにのっとられた人とのやり取りよりも、戦いに向かう自分たちの心について語られるところが多かったですね。
好意を持つ秋人の役に立ちたいと気持ちのはやる香澄と、当主としての秋人の危機に自分がやらねばと気負う結夏。そんなふたりを束ねる秋人が、自分はともかく女の子たちを傷つけたくないと思っていては、勝てる戦いも勝てなくなるということが、よくわかります。このあたりの心理描写がうまいよなあ。

この三人の意識のズレについて、いち早く気づいたのが、「クイーン」たるアメジスティアだというところは、さすがは幼くとも一日の長ってところなんでしょうか。
素直に教えずに、さらにはデートと称して、結夏たちをもかき回そうとするあたり意地が悪いですが、秋人とのやり取りで、ちょっと内面が見れたのは、印象的でしたね。かつて何があったのかわかりませんが、秋人の言葉から連想するものがあったことは想像に難くないだけに、今後彼女が辛い道を歩むことになるのか気になるところ。

秋人とアメジスティアのデートをきっかけに、結夏と香澄が、お互いに持っていた誤解を理解しあって、いつしか協力し合うような仲になっていったのは、嬉しかったなあ。素直になれない結夏と引っ込み思案な香澄なら、いい具合にお互いを引っ張り合ってくれるんじゃないかしらと思って、ニヤニヤさせられましたが、それぞれの気持ちのズレを自覚して、タロットを束ねる立場になった秋人の成長が、本作のメインだったんでしょうね。とてもよかったです。

とまあ、こちらの三人の話はよかったんですが、敵対する「女教皇」と「運命の輪」の内面は、あまり見えなかったのが、残念かなあ。チラリと見せてくれた悲しみの実情は、今後、行動を共にすることで、見せてくれるんでしょうか。

そうなると嬉しいけど、だからといって、結夏と香澄の相手が疎かになっちゃうかもしれないと考えると、ううむ。今後もこのまま増えていくとなると、収拾つかなくなりそうだなあと思いつつ、見てみたい僕がいる。

タロットの御主人様。 2 (2)  - 七飯 宏隆

タロットの御主人様。 2 (2)
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