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[有澤翔] ひなた橋のゴーストペイン

高校生になっても、未だ一年半前の事故のことを引きずっていた紘一は、ある日学校内の新聞で『大切なもの』と引き換えに、やり直したい時間へと戻れると「ひなた橋」の噂を知った。ありえないと思いながらも、ひなた橋へ向かった紘一は、橋の下で幼い少女と出会った。
「いつからやり直したい?」
気づいたとき、紘一は、事故の直前に戻っていて……

『大切なもの』と引き換えに、もう一度過去をやり直すことができるという「ひなた橋」に絡む三編からなるお話です。

過去をやり直したいと切実に思っていたのに、実際にやり直してみるとうまくいかないというのは、タイムトラベルものというかループものではよくありますが、一編目の「rain letter」は、このあたりの描写がうまかたです。信じていたつもりで信じられなくなっていたのは、やはり自分に負い目があったからなんだろうなあ。

過去に囚われていたことに気づき、ようやく吹っ切った後の手紙のシーンは、涙涙でした。たった一言の言葉に、こうまで心揺さぶられるとは思いませんでしたよ。泣けるという意味ではこの一編目が一番かな。

病弱な幼馴染が亡くなる日に戻る「forget me not」は、ふたりの気持ちが通じ合っているであろう様はいいんですが、明澄の行動がいまいちよくわからなくて(なぜ渡せないんだろうとかね?)、ちょっとノリ切れなかった感じ。親御さんたちとの隔たりがなくなるところとか良かったんですけどね。

一番、青春してたのは「stray dog homesick」かな。無愛想だけど、ちょっとだけ優しい。そんな男の子に惚れてしまった透子が、初めて彼に会ったときの日に再び戻るお話です。いやあ、こういう真っ直ぐで元気のいい女の子っていいですね。お弁当告白して拒否られたのに、突撃し続ける意地っ張りはたいしたもんだ。過去話にする必要ない気がしないでもなかったけど、恋愛ものとして面白かったのでいいか。

ただ、どの話も、いい話だし、グッとくることもあるんですが、何かが足りないと言う感じがしました。泣けるほど感情を揺さぶられたのに、こんな中途半端な気持ちになったのは始めてかもしれません。
続編は……保留かな。

ひなた橋のゴーストペイン - 有澤 翔

ひなた橋のゴーストペイン
有澤 翔

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著者:有澤翔 ひなた橋のゴーストペイン (電撃文庫 あ 22-1)価格:¥ 62

Comment:2

タカユキ 2007-07-17 (火) 00:22

"stray" dog homesickですよ~

初めまして。感想リンクを巡ってるうちに辿り着きました。
同じくrain letterで泣いたので、思わずコメントさせて頂きました。

deltazulu 2007-07-17 (火) 06:05

うわ!またやっちゃいました……orz
修正しました。ご指摘ありがとうございます!

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